「はぁーッ!!」
「たぁッ!!」
2本の刀がかち合う。
その度に白い煙と火花が上空に舞う。
…流石は妖夢、女子なら感じるはずの筋力の差や体力の差を全く感じない。
吾の一閃に妖夢は刀を滑らせ、対応する。
意識を少しでもそこに持っていかれるとその次の一手として、先程、滑った刀が瞬時に吾の喉元を狙う。
それを刀を逆手、縦に持ち、刃を外向きにすることで守る。
…あくまで抜くところは見せたが、お互い、死ぬのは困る。その為、打ち合いは木刀でやっているが、まるで真剣同士でやっているかのような重さである。
そのまま、弾き、左手逆手で妖夢に一閃をかます。
妖夢はそれを後ろに跳んで避ける。
まさに一進一退の攻防戦である。
「ふぅ…。」
「…。」
互いに睨みながら、鏡写しのように歩く。草鞋を滑らせ、妖夢の出方を探る。
妖夢の額から玉のような汗が滲み出ている。少ないが、雨粒のようにポタっ…ポタっ…と下へと落ちている。
それに気づかぬほど本気というわけだ。
「てやぁぁぁッ!!」
沈黙を破ったのは妖夢。地面を踏み込み、そのまま刀を縦から横向き、刃を空中に滑らすように構えを変え、此方へ走ってくる。
それを吾は後ろに空中で回りながら跳んで躱し、一打二打と連撃をかます
一打目は下から打ち上げるように、二打目はそれの全く、左右反対に。
妖夢はそれに対して、上から振り下ろすように吾の左右逆で受け止める。
ギリギリと音を立てて、お互い、木刀を押し付け合う。
「ぐぬぬっ…!!」
…妖夢が歯を食いしばり、一刀に全体重を乗せる。
…ふむ。一打一打の重さはさることながら、実際、打つ速さは吾を超えている。だが…。
「あまいッ!!」
「きゃっ…!!」
吾は妖夢の刀を弾く。
そのまま、妖夢は尻餅をついた。
「一打一打を大事にしすぎだ。どんな武士も先ずは一打で殺すことよりその次に自分が生き残る為に何をすべきかを考える。真面目すぎて次の攻撃も読まれやすい。…ただ、良いところもある。打つ速さなんてのは相手を翻弄するのにも使えるし、自分のペースに持ってくこともできる。そこは伸ばしていこう。」
吾はそう言い、妖夢に手を伸ばした。
妖夢は手を取り、「はいっ!」と元気に返事をした。
「…さて、吾は帰るか。」
「…えっ…。」
日はもう傾いているだろうし、あまりやりすぎも良くない。妖夢は来る前も修行をしていたようだしな。それに…咲夜達に場所も伝えていないしな。
「それじゃあ、姉さん。頼む。」
「はいはーい。じゃあ、送っていくわね。」
「あっ…。」
「ん?」
スキマに入っていこうとする吾の袖を指で摘み、引き止める妖夢。…少し悲しそうに此方を見る。…どうしたんだろう…。
「…あ、いえ…その…えと…。」
…目が潤んでいる。妖夢の顔が少し赤い。ふと、さっきの幽々子の話を思い出した。…あぁ。そういうことか。
「…姉さん。紅魔館に伝言を頼めるか?」
「うぇ?わ、わかったわ。何を言いましょうか。」
「今日は白玉楼に泊まっていく。…いいか、妖夢。幽々子。」
…しまった。飯を食べるならまだしも…泊まるなんて自分で決めることではなかった…。幽々子はニッコリと微笑む。
「私は良いわよ〜。妖夢はどう?」
「へっ?…あ、だ、大丈夫ですっ!!」
その言葉を聞いてか、妖夢の顔がぱぁっと明るくなる。まぁ、吾も忙しくは無いし、少し妖夢といてやっても良いだろう。
「…じゃあ、頼むよ。姉さん。」
「わかったわ。それじゃあね。愈咫郎ちゃん。」
そう言ってにっこりと微笑むと紫姉さんはスキマの中へと入っていった。
「さ、さぁ!!私は、ゆ、夕飯の、じ、準備をしてきますっ!!お、お師匠様と、幽々子さまは客間にいてくださいっ!!」
「はぁい。」
「楽しみにしてるよ。妖夢。」
「は、ひゃいっ!!」
…耳まで真っ赤に染まっている妖夢。足早に白玉楼の中へ帰っていった。
「ありがとうね。愈咫郎くん。」
「…吾とて男だ。美人に引き止められたら、帰るにも帰れないだろ?」
「あらあら〜。妖夢が聞いたら喜ぶわぁ〜。…うふふ。お風呂は3人で入りましょうか。結構、うちのお風呂、広いのよ?」
「お戯れを…。」
そろそろ刺されそうだ。
そんな雑談をしつつ、白玉楼へと帰っていった。
「お待たせしました。」
…ふむ。なんとも豪勢だ。机の上には所狭しと置かれた和食料理の数々。お新香や川魚の塩焼き、豚肉や大根などの煮付けに季節野菜の天麩羅など。
「わぁぁっ!!豪勢ねぇ。」
「お客様がいらっしゃっているので奮発しました。…ささ、冷めないうちに食べましょう。お師匠様もどうぞ。」
「あ、あぁ。」
「「「いただきます。」」」
箸で塩焼きを割り、箸先で少しつまむ。
それを口元に持っていき、頬張り、その後、白米を食べる。…美味い。咲夜とは違う、また変わった優しい味わい。
「ど、どうですか…?」
心配そうに上目遣いで此方を見る妖夢。
「あぁ、美味い。」
「ほんとですかっ!!…よかったぁ…。」
目をキラキラと輝かせ、吾を見る妖夢。安堵したかのように自分もご飯を食べ始めた。
「おいひいわ、私、妖夢の料理、大好きなの。」
「あぁ。」
…箸が進む。みるみるうちに所狭しと置かれた食事がなくなり、ほぼ幽々子が食べてしまったが、もう入らないほど満足だ。
「ふぅ…。」
「お師匠様、幽々子様。お茶です。」
「「ありがとう。」」
…温かい緑茶で落ち着きつつ、少しゆっくりとしよう。こういうとき、本でも持ってきたら良かったのかもな。
「愈咫郎くん。愈咫郎くんは、いつまでいるつもりなの?」
「…そうだな。明日の昼まで厄介になるつもりだが…。早く帰れというなら、別に。」
「…やッ!!」
…隣の妖夢が声を上げる。吾と幽々子はその妖夢を見ると、先程のように吾の袖を掴んでいる。まるで甘えん坊の子どものようだ。
「…もっと、居ても…いいんです…よ…?」
顔を少し赤らめ、うるっとした目で上目遣いで此方を見る妖夢。…なるほど。幽々子はこれを謀ったようだ。先ほどから、満面の笑みで吾々を見る幽々子。
「…そろそろ宴会でな、ずっとというわけにも行かないが…とりあえず明日の昼までは厄介になろう。どうせ、紅魔館に行っても暇だしな。」
「ほんとですかっ!!」
「あ、あぁ。」
…こうも素直すぎると少し怖いが。妖夢は吾の手を掴み、満面の笑みで吾を見る。…なんというか、撫でたくなるような感じだ。
「うふふ。…やっぱり、3人で入りましょうか。」
「え?どういうことですか?幽々子様。」
「…お風呂よ。お・ふ・ろ。妖夢と愈咫郎くんも仲良さそうだし。ね?ね?」
「な、なななななっ…!?何言ってるんですかっ!?そんな、破廉恥なッ!?」
…耳まで真っ赤になる妖夢。
やっぱり、そういうことには耐性がないようだ。吾も少し顔が熱い。
「…やめた方がいいと思うが。」
「ふふっ、だ〜め。もう決めたもの。ささっ、いきましょう?」
「ちょっ!?幽々子様ッ!!引っ張らないでくださいッ!!」
…連れて行かれた。
「はぁ…。」
やむおえないようだ。
吾はその二人を追いかけて、浴室へと歩いていった。
なんか、マンネリ化してますよねぇ…。
まぁ、裸の付き合いなんて言葉もありますし。今回はゆゆ様も一緒ですので、お許しを…。
ハーレムって何人まで許容範囲?
-
10人以下でおなしゃす!!
-
まぁ、ちょっと多いけど20人?
-
ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!