※この作品はR-18です。

人斬り武者の幻想歌   作:紳爾零士

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三十三杯『我慢』

「ふう〜。気持ちいいわね〜。愈咫郎くん。妖夢。」

 

「ううぅ〜…!!」

 

「…。」

 

…結局。3人とも、入ることに。ただ、幽香のときと違い、ちゃんとタオルを羽織っているのはまだ良いところだ。

 

風呂に入っているからか、顔が真っ赤な妖夢といつものようにおおらかに過ごす幽々子。吾はその二人に挟まれる形で湯船に浸かっているが、紅魔館より小さいものの、3人はゆうに入れるほどの大きさにも関わらず、二人とも吾は近すぎる。肩が…当たっているのがわかる。

 

「見ないでくださいねッ…!!絶対…ッ!!」

 

「…お、おう。」

 

「ごめんね〜?本当はタオルなんてつけないんだけど…。妖夢がどうしてもっていうから。」

 

…流石につけてもらわないと困る。

幽々子の方は直視できない。太っているわけではないし、現に痩せてはいるのだが、幽香よりも大きく立派なものが二つ…。顔よりもそこを見てしまうほど衝撃的な大きさだ。

 

「…ッ!?」

 

「痛っ…!!何故殴る…。」

 

…隣の妖夢に殴られた。

 

「…変態っ…。」

 

「変態じゃない。」

 

「嘘ですッ!!さっきから幽々子様の…む、胸を見て…。」

 

…横目でだけどな。いや、それが一層やらしいのか。視界の隅に入って、仕方がないのだ。当の本人はそれを気付きすらもせず、ほのぼのとしていた。

 

…さて、そろそろ身体を洗わなければな。

そう思い、湯船から出る。

 

「あら。…背中ぐらい流しましょうか?」

 

「なっ!?」

 

「…いいや。冥界の主人にそんなことはさせられぬよ。」

 

「あ、じゃ、じゃあ、私がやります。」

 

そう妖夢が言い、湯船から立ち上がる。

そして、吾の後ろにやってきて、タオルを泡立てた。白くきめ細やかな泡が立つ白いタオルを手で持つ妖夢。

 

「じゃあ、少し冷たいかもですけど、いきますよ。」

 

「あぁ。」

 

妖夢が吾の背中にタオルを擦り付ける。

…不器用だ。咲夜ほど、上手くはない…。だが、気持ちいい。妖夢の優しい人柄がよく出ていると思う。

 

「…背中、おっきいですね。」

 

「そうか?」

 

「ええ。所々、ぼこぼこしてて…。岩みたいです。」

 

耳元で聞こえる妖夢の声が少し痒い。

 

「…気持ちいいですか?」

 

「あぁ。」

 

「ふふ。良かったです…。」

 

…湯煙で少し色っぽく見える。

声も優しげで、何となくそこもしおらしく、色っぽく聞こえる。

 

「はいっ。終わりましたよ。」

 

「ふむ。」

 

ザーっと桶からお湯が流され、白い泡が流れていく。…少し名残惜しい気もするが、まぁ、いいか。

 

「では。」

 

「待て。妖夢。」

 

「はい?」

 

…させたばかりでは面目が立たない。

 

「吾も流そう。」

 

「はっ!?…い、良いですよ。そんなこと…。」

 

「いや、それではお前に悪いよ。」

 

「…はぁ…。わかりましたっ。…タオル、剥ぐのでこっち見ないでくださいね。」

 

ジトっとした目で吾を見る。

…此方は一糸も纏ってはおらぬというのに。吾は言われた通りに後ろを向く。

 

「…はいっ。出来ましたよ。…ほら。もう、後ろ向いちゃったんでちゃちゃっとやっちゃってください。」

 

「…。」

 

…そう言われたので前を向く。と、椅子に座った妖夢が少し頬を赤らめて、此方を見ていた。…見返り美人…とはよく言ったものだ。背中も白く、綺麗である。

 

「…あんまり…ジロジロ見ないで…ください…。は、恥ずかしいんで…。」

 

「…ふむ。」

 

この状況で綺麗とか言ったらもっと距離が広がってしまうな。まぁ、いいか。布を泡立て、手に持つ。

 

「…やるぞ。」

 

「や、優しくしてください…。」

 

…なんというか、妙な気分になる。

 

「ひゃっ!?」

 

背中にタオルを擦り付ける。…自身の肌よりも柔らかい。

 

「…痛かったか?」

 

「いえ、気持ちっ…いいですっ…。」

 

「…そうか。…よし、終わったぞ。」

 

「ありがとう…ございます…っ。…わっ!?」

 

…妖夢が風呂のタイルで滑って、顔から転けそうになる。吾はその妖夢を胸で受け止める。

 

「…大丈夫か。」

 

「ふぇ…は、はい…。」

 

…怪我がなくてよかった。妖夢の顔が真っ赤に染まる。…当たり前だ。今のこの状況は恥ずかしい。吾は急いで手を離す。

 

「…す、すまない。」

 

「あ、ありがとうございます…。」

 

「…あ、あぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふぅ。」

 

…結局、幽々子と妖夢よりも遅く、長湯になってしまった。恥ずかしさで先に出ていった妖夢と単純に出ていった幽々子。…少しのぼせたかな。顔が熱い。

 

「あっ。」

 

「…妖夢。」

 

「どうですか?その服。お爺ちゃんのなんですけど…。」

 

…ふむ。少しきつい気もするが、気にするほどでもないな。

 

「大丈夫だ。」

 

「…そうですか。…今から客間に?」

 

「あぁ。」

 

…もう、少し眠い。いつもは咲夜と共に眠っているので、少し人寂しさは感じるが、一人で眠る夜も悪くはないだろう。

 

「それじゃ、おやすみ。」

 

「あっ…。」

 

妖夢の頭をポンっと軽く叩き、そのまま借りた部屋に行く。…酒でもありゃ完璧だが、それは贅沢か。

 

「あのっ!!」

 

「ん?」

 

「…一緒に寝てもらえない…でしょうか…。」

 

…驚いた。妖夢からそんな言葉が出るとはな。呼び方も変わって、少し睨まれていたから、嫌われてしまったかと思った。妖夢の顔は何か言えと言わんばかりに目に涙を浮かべ、顔を赤くし恨めしく睨んでいる、

 

「…何故だ?」

 

「いえ、今日は妙に人肌寂しくて…。」

 

「…そうか。わかった。」

 

「本当ですか!?」

 

「あぁ。…寝るだけだぞ?」

 

「はいっ。寝るだけですっ。」

 

…妖夢の声が明るくなり、静かに微笑んだ。

 

「お師匠様。では、いきましょうか。」

 

「…あぁ。」

 

妖夢と共に吾の部屋へと行く。

…こじんまりとした殺風景な部屋に布団が一つ。まぁ、寝るだけの部屋だしそういうものなのだろうな。

 

「…布団が一つ…ですか…。」

 

「あぁ。大丈夫か?」

 

「…は、はいっ!!…少し恥ずかしいですけど、大丈夫です…。」

 

「ふっ、そうか。」

 

…そして、吾らは布団に転がった。

妖夢も吾も真っ暗な天井を見つめて、眠れずにいた。

 

「…お師匠様。お布団、狭くないですか?」

 

「いいや?全然。」

 

「そうですか…。」

 

…妖夢の手が吾の手を握ろうと動いている。声に出さずとも甘えたいということなのだろうか。咲夜のことをよく犬と比喩しているが、この子もこの子で犬のような場面がある。…だが、気がかりなのは…。

 

「お師匠様?明日は何食べたいですか?私、なんでも作り「やめなさい。」…え?」

 

「そのお師匠様っての、やめなさい。」

 

…距離を感じるのは呼び方が変わったからだ。吹っ切れた、その覚悟はわかるが、胸が締め付けられそうになる。

 

「で、でも、お師匠様ですし…。」

 

「…妖夢。我慢は良くねえよ。…引き止めたのも、寝たいのも吾の杞憂でなけりゃ、甘えたいからじゃねえのか?」

 

「…。」

 

吾は妖夢の方を向く。

…妖夢は天井を向きながら、黙っている。

 

「…なんで、こういうときにそういうずるいこと言うんですか?…私の決意が鈍っちゃいますよ。」

 

「…今は修行も手合わせもしてないからな。」

 

「…ぎゅってしてもらっていいですか。さっきから、ちょっと寒くって。」

 

…そう言いながら此方を向き、手を広げる妖夢。その顔は清々しいほどまでに綺麗な笑顔で。真っ暗でも光って見えていた。

 

「あぁ。そのぐらいなら…お安い御用だ。」

 

そんな妖夢の背に腕を回し、抱きしめる。頭の後ろあたりに手を当て、優しく撫でてやる。すると、満足げに妖夢は微笑んだ。

 

「…私、幽香さんや咲夜さんみたいに自信が持てないんです。…だから、決めました。あなたに一本でも取れたら、あなたに認めてもらえたら、弟子じゃなくて…。」

 

「やめときな。…その先は勝ってからだ。」

 

「ええ。…えへへ。今、私…笑えてますか?」

 

「…あぁ。すごく、綺麗だよ。」

 

…月光に照らされて、吾ら二人は静かに眠りについた。




はい、予定を大幅に狂い、次も妖夢編です…w
ここまで来たら勝たせてあげようか、それとももう少し粘るか…決めかねてますwどっちにしろ、考えないとなんでね…。今日は2話出します。多分。

では次回。ではでは〜。

ハーレムって何人まで許容範囲?

  • 10人以下でおなしゃす!!
  • まぁ、ちょっと多いけど20人?
  • ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!
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