あと、個人解釈あります。オリキャラでます。
あと、皆さま。アンケート参加ありがとうございます。まぁ、この人も入れたいこの人も入れたい…ってなったら増えそうなんで一番多いやつになってよかったかなぁ…と。
「愈咫郎くんッ!!こっちだッ!!」
引き戸を開け、そのまま二人の後を追う。しかし、妹紅はだいぶ先にいるようでとても小さい。
「…。」
当たりを見渡す。…見てからそう遠くへは行ってない。あの窓から見えた影的に相手は男。そして、明らかに誰かを狙った行動。恐らく…いや、確実にそれは妹紅のことだろう。
「何処だッ!!出てこいッ!!」
妹紅が声を荒げた。…ここは竹林の中でも特に開けた場所。わざと戦いやすい場所に妹紅は誘い込まれた。そう考えていい。
「妹紅。」
「あの羽、間違いない。相手は…。」
「釣れねえじゃねえか。妹紅。」
バサッと音を立てて何者かが降りてくる。…あの男だ。確定でいい。陰陽師のような白い羽織もの。妹紅のような髪色に右目あたりの火傷痕。それと…肩甲骨から伸びる燃える羽…は、すぐに消えて無くなった。
「…やっぱりお前か。」
妹紅は何やら知っている様子。
男はニヤリと笑った。
「感慨深いなぁ…。こうして、殺しに来るのは何度目だ?最近来てなくて寂しかったろう?…なぁ?妹紅。」
無精髭を蓄えた口から出るその声は低く、あたりによく響いた。妹紅、慧音先生、吾は其奴を睨んで警戒を解かずにいた。
「…1000年あまり。少し時間をかけすぎたよなぁ。この長い長い長い長い長いッ!!…兄妹喧嘩に…幕を下ろそうぜェ…!!」
「…もう私に構うなッ!!兄貴ッ!!昔とは違うんだよッ!!」
「違う?…ふっ。何も変わるもんか。貴様は俺に薬を盛った。そのせいでこんなに長く生きちまったじゃあねえか。お陰で俺ァ立派な亡霊さぁ…。だからこそ、テメェは俺の手で殺さなくちゃならない。この…耐えがたい1000年あまりをテメェを倒して精算しなければならないッ!!」
「貴様ッ!!一体何者…ッ!?」
「先生ッ!!」「慧音ッ!!」
男は捕らえようとしたのか、前に出た慧音先生を蹴り飛ばした。それを妹紅が受け止めた。
「ぐ、ぐぬぅ…!!」
「大丈夫かッ!!慧音ッ!!くそっ…!!」
「…全く。これだから嫌だぜ。…力の差を知らねえ半妖は。」
…男は冷ややかに二人を見つめる。
相当、力に自信がある様子。しかし、男は妹紅しか興味がないのか、倒れる先生に付き添う妹紅の首に手をかけた。
「ぐっ…!!」
「…テメェは肉体的には死なねえ。だが、精神的にはどうだ?…此処で御仲間二人を殺して、精神的に追い詰めて、それで…仲良く封印してやる。」
「て、てめっ…ガッ…!!」
「…あ゛?」
…男の手首が腕から切り落とされる。それと同時に妹紅も地面へと落ちる。手荒だが、こうするしかなかった。
吾は抜いた刀の先を奴に向けた。
「…何モンだ?…テメェ。」
「そいつの友達だ。それ以外の何者でもない。」
「と〜も〜だ〜ちィ?くくくっ!!あはははッ!!」
…急に男が腹を抱えて笑い出した。と思ったらすぐさま顔を元に戻し、冷ややかに此方を睨みつけた。
「…そんなモンの為に自分の命、捨てるったぁ…。ただの馬鹿じゃねえの?」
「その、そんなものがわからないテメェの方が馬鹿だろう。」
売り言葉に買い言葉。
お互い、精神年齢は一丁前に成長しているらしく、ニヤッと笑う。
男は大翼を広げ、羽根を弾丸のように飛ばしてくる。
吾はそれを刃で弾きながら、前へ走る。
「火羽ッ!!」
「…ッ!!」
間合いに入るものの、奴は上空から雨のように羽根を飛ばす。
吾はそれを円形に走り、避ける。
「鬱陶しい…ッ!!」
「いいのかい?テメェの今すべきことは俺を倒すことじゃあねえよなァ?」
「…チッ!!」
…いつでも妹紅と先生を狙える。手を銃のようにして、そこを狙う奴を恨めしく睨む。
「…くくっ。テメェにゃ力の差を教えねえとなァァッ!!」
「やらせねェーッ!!」
「…チッ。妹紅。」
妹紅の火の玉が空を舞い、被弾。黒煙を上げるも男は火球の中。
その後、火球は翼の形に戻り、無傷の男が現れた。
「…いいのか。先生は。」
「へへっ。慧音は半妖だよ?…あんな弱虫の攻撃如きでやられないさ。」
…それは結構。妹紅が不敵に笑う。…良い顔つきだ。男は面白くないと言わんばかりに冷ややかにこちらを見下す。
「隣は任せて。ユタッ!!」
「応ッ!!」
「嗚呼…本当に…馬鹿どもが。火羽・炎爆ッ!!」
男が自身を軸に回り出す。…やたらめったらに火の羽が飛んでいき、地面から爆煙をあげる。
吾と妹紅はその爆煙の中に突っ込む。
爆煙を切り開き、妹紅の弾幕の道を作る。
「時効『月のいはかさの呪い』ッ!!」
米上の弾幕と青いナイフが円形に回りながら男を迎撃する。
「…ハッ!!テメェの弾幕なんぞ怖くねえ。何度見てきたと思ってんだァッ!!」
男は得意げにその弾幕を避ける。
…くそっ。地面に付かなければ、攻撃が…。いや…。
「借りるぞ。テメェの技。…居合閃『空撃ち』ッ!!」
抜刀。その勢いで空へと空気の刃を射出する。
「…ぐっ!!」
その刃が男の腕を肩から両断。あたりに血の雨が飛び、男は背中から落ちていく。
「…ぐぅぅ…。」
「答えろ。貴様は何者だ。」
吾は奴の首元に剣先を向ける。…男は肩を押さえ、ゆっくりと立ち上がる。その憎たらしい笑みは健在であり、まだ諦める気は無いようだ。
「くくくっ…。良いぜェ…。だが…後ろを見てみなァッ!!」
「…ッ!?」
…油断した。
がむしゃらに打ったかと思われた火の羽だが、それは違った。慧音先生の倒れているところ。その手足を拘束し、今もなお首元に触れようとしている炎の羽。
「…チッ!!慧音ッ!!」
「動くなッ!!…動いたら、すぐにテメェのお友達の首は飛ぶ。」
「…慧音は半妖だッ!!テメェなんかに殺せるもんかッ!!」
「出来るさ…。殺さなくてもいい。封印しちまえばナァ?」
…男が二チャリと笑う。吾らの背筋に電撃が走る。…そうか。コイツは本物の陰陽師。
「…さて、俺の話だったなぁ。冥土の土産に教えてやろう。…俺は藤原
「…。」
妹紅が顔を顰める。
よほど、この男と同じ血が通っているというのが嫌なように。
「俺はさ、そこの小娘に振り回らされていたよ。何処行くにもついて行くって聞かなくってさ。…やがて、ある不運が俺たち家族に訪れた。我が父がとある女に惚れたのさ。今日でも絶世の美女、姫なんて言われていた女だった。ときの帝もその女に惚れたほどさ。…だが、その女は無理難題をふっかけ、婚約者を作ろうとはしなかった。親父もその一人だった。それで…気を落とした親父はだんだんと衰弱していった。妹紅はそのことを随分と根に持ち、親父をふった女を殺すと言って聞かなかった。…俺は正直どうでもよかった。…だって、そうだろ?こんなの、自業自得じゃねえか。親父の器には当てはまらなかっただけだ。」
「…ふざけんな。お父さんはッ!!あんたのことも大事に思って…!!」
妹紅が声を荒げる。対して、嬰章は冷ややかに此方を睨みつけた。
「…あんなのただの家族ごっこだ。妹紅…テメェは踊らされていただけなんだよ。家族なんて、血の繋がり以外は証明する方法もねえ。遺伝?そんなもの、他に五万といるだろう?似たような顔なんか。…テメェらがしているのも友達ごっこさ。…失礼。話がずれた。さて…此処からが問題だ。そこの小娘は復讐として、とあるものを持ってきた。白い粉だった。当時の白いものと言ったらなんだ。こんなもの見たことがない。きっと上等なものだ。…俺は少し袋に詰め、売り捌くように懐にしまい、後は二人で分けて飲んだ。味はしなかった。…だが、直後。体を焼けつくような痛み、喉を貫くような渇き。地面に体を転げ、絶望した。…嗚呼、俺は死ぬのかと。最期に妹に喉元を掻き切られるのかと。」
「だが、貴様は生きている。…妹紅を敵視する必要はないはずだぞ。」
「…嗚呼、これが単なる遊戯だったら…ナァ?」
ニチャリ。顔を歪に歪め、不敵に笑う嬰章。
…不思議だ。ひどく苛立つ。…だが、今は抑えなければな。
「…俺ァそのあと、妖怪に襲われた。妹紅の復讐を止めるため、不用意に飛び出したのが運の尽き。餌に群がる虫けらのように俺の身体は食い潰された。しかも奴ら、全部を食い尽くすことはせず、その恐怖心すらも食らっているではないか…。なんとも不気味、それに恐怖を覚え、俺は敗北した。…だが、身体は再生した。即座に回復した。即座に理解したさ。…これがあの薬の力だと。…俺は死なない体を手に入れた……ッ。」
狡猾そうな声が嬰章から漏れる。
「だがどうだ!!死なないだけの木偶の坊。食われては回復し、また回復する。身体中の痛みがわからなくなり、日が登るくらいには…俺は壊れていた。…こんな絶望を知らず、この女が生きていたと知るまではな?…そして、俺はその女を超えるほどの実力を手に入れるため、情報を手に入れるため、都で陰陽師となった。」
「…それで妹紅を狙いにきたと。」
「あぁ…。長い話聞いてご苦労さん。…そろそろ。終わり…にしたいところだが、チャンスをやろう。」
「…チャンスだと?」
…嬰章は懐からある包みを取り出す。
「…これを飲め。」
「テメェッ!!」
妹紅が地面を蹴って嬰章に殴りかかる。
「…馬鹿が。」
「ガッ…!!」
その妹紅を羽根で払い除ける。
妹紅はそのまま前へと飛んでいった。
「…
「ぐあぁぁぁッ!!」
倒れた妹紅の周りを羽が刺さる。…そして、赤い稲妻のようなものが妹紅の身体を駆け巡る。妹紅の絶叫。嬰章はそれを聞き、微笑んだ。
「…さぁ、どうする?御侍さんよぉ?この薬を飲めば、他の二人は今は殺さないでおいてやらぁ…そして、お前との決闘、受けてやる。勿論、飲まないで逃げてもいい。その場合はお前だけ生かしておいてやる。どうする?」
…嬰章が吾に緑色の茶葉が入っているような筒を投げ渡してくる。…それを開けると、中には白くさらさらとしたものが入っていた。…匂いがしない。
「…不思議なものだ。1000年以上経っているというのに全く姿形も変わらない。流石は不死の薬だよなぁ?」
「…。」
「どうした?怖気ついたか?」
「まさか。…ふぅ。」
妹紅が後ろから睨みつけてくる。
大きく息を吸う。長らく人斬りやってきたが、人を辞めるのは初めてだ。
「…ふっ。」
そして、その中身を口に入れた。
不死の薬:輝夜がもってきたやつ。賞味期限はない。
てか、愈咫郎くんが人辞めるのは違う気もするけどなぁ…。まぁ、死ななくなるだけで弾幕が打てたりとか、霊夢より強くなったりとかはしないので大丈夫です。では次回。ではでは。