永遠亭組との挨拶も終わった。次は何処に行こうか。そろそろ、口寂しくなってきた。当たり前だ。大皿に料理が盛られ、酒もまだ一滴も飲んでいない。…後は紫姉さんとこと白玉楼と幽香と…霊夢、魔理沙達、それと咲夜にも会っておきたい。
「…お。」
…噂をすればなんとやら…だ。
よく映える緑の髪、それと…金髪の女の子と少女。片方は…あれはアリスか。
「よお。」
「あっ、ユタ。」
「お久しぶりです。愈咫郎さん。」
アリスがニコッと笑い、会釈する。幽香はというと、吾の横にぎゅっと寄ってきた。…どうやら、今日は甘えん坊の日らしい。
「なんで来てくれないのよ、ユタ。」
「…悪い。少し立て込んでてな。それに…ほら。幽香のとこは最近まで居たからな。」
「むぅ…。まぁいいわ。アンタの性格上、みんな平等に接する人だものね。」
…と言いつつも吾の腕に抱きついてくる幽香。彼女の豊満なものが当たり、暖かく柔らかく気持ちいい。
「こら。幽香。子どもも見てるでしょ。」
「…子ども?」
…あぁ。もう一人の金髪の子か。
確かにアリスや幽香よりも背丈が低い、お嬢達と同じくらいか?
「…あっ。ごめん。メディ。」
「そのお兄さん、誰?」
「えっと、この人はね?私のか、か…。」
…顔を真っ赤にしてやんやんと体をくねらす幽香。…あれだけやってまだ彼氏って言うだけで恥ずかしくなるのか。…仕方ない。
「ひゃっ!?」
吾は胸に幽香を寄せる。
「…これだけで察してくれないか?お嬢ちゃん。コイツは吾の女。恋人さ。」
「…子どもに察してって…。」
「は、はうぅぅぅ…。」
「ちょっ!?幽香ッ!?」
…幽香が顔を真っ赤にして倒れてしまった。それをすかさず、吾は受け止める。…なんだ?もう酔っちまったか?
「わぁっ!!すごーい。幽香と戦わずに勝っちゃった。」
「…いや、これは勝ったというか。」
アリスが顔を引き攣らせている。
…純真無垢な子ども、まるでフラン嬢のような子だな。というか、その隣にいるのは人形か?
「…こら。起きろ。」
「ん、んぅ…。」
最強の妖怪の一角が、ぶっ倒れてら。
「…はぁ…。」
「あ、後は私たちでやっておきますから、愈咫郎さんは他の場所に行かれたらどうですか?」
「…致し方ないな。…っとその前に。」
…眠る幽香の頬に軽く唇を落とす。眠っていると可愛いものだ。チラッと少女とアリスを見るとアリスは顔を真っ赤にして手で顔を隠している。その指の隙間から吾らを見ている。少女は顔が少し赤いが、キョトンとした顔で吾らを見ている。
「…愈咫郎さん。貴方も大概ですね…。」
「…ふふ。起きたらよろしくと言っておいてくれ。またな。」
そう言ってその場から立ち去る。
…幽香とはまた飲むとするか。はてさて、次は…と。
「…そこの人。」
「…ん?」
…今日は緑髪によく会うな。隣は…なんだ?鎌を持った赤髪の女性とそれより背は低いが、大人びた少女。手に尺のようなものを持っている。
「すみませんが、この子を一緒に介抱してくれませんか?私じゃ重くって…。」
「…わかった。」
確かに。よく見れば、少女が赤髪の女性に肩を貸して、なんとか保っているという状況だ。…まぁ、立派なものをお持ちだし、少女にとっちゃ甘いだろう。
「すみません。私は四季映姫・ヤマザナドゥと申します。そして、この酔いつぶれてるのが私の部下の小野塚小町です。この度はこのような不甲斐ないところをお見せしてしまい、誠に申し訳ありません。」
「いえいえ、ご丁寧にどうも。吾は紅魔館に住んでおります、朱智愈咫郎と申します。」
「そうですか。朱智さん。この度はありがとうございます。その子はとりあえずそこら辺に寝かせといてください。」
「んん〜…。四季しゃまぁ〜。まだ呑めましゅよぉ〜…。」
寝言か。…典型的な呑兵衛だな。とりあえず、敷き物の上に横たわす。
「ふぅ…。本当にありがとうございます。」
「いえいえ。困っていたらお互い様ですから。」
なんとも礼儀正しい少女だ。霊夢達より少し幼なげな、しかし、フラン嬢よりも大人びている。背丈もフラン嬢より高めで、子どもには見えないな。
「…なんでしょうか。」
…睨まれてしまった。見すぎたか。
「…すみません。」
「…全く。貴方のことは彼岸でも有名ですが、多くの女性と関係を持っているということで。…節操のない方だと。彼女らがそれで救われているならいいですが、本来なら私が黒と断言します。」
ビシッと指を立てて、説教をする映姫殿。
…ふむ。確かにな。吾の生きてきた世とここでは幸せというものが違うのかもしれない。
「…耳が痛いですな。確かに吾は4人の少女とそのような関係にあります。これから増えるとして、吾はその娘らの望むように致します。」
「なっ!?まだ性懲りも無く…!!」
「…すみません。ご教授、感謝致します。が、吾が迷えば彼女らを不安にさせる。吾の生き方が殺しから彼女らを愛すことに変わっただけです。彼女らが美人すぎて好きだと言われて悪い気がしないのは確かですがね?」
…そう言って笑ってみせると映姫殿は呆れたようにため息をついた。
「…貴方は取り繕うっていうのを知らないんですか?」
「すみません。吾はそういうの得意ではなく…。」
「はぁ…。全く。悪意が感じられないので聞きますが、貴方の狙いはなんなのですか?」
「…狙い?ですか。…強いて言うなら、この幻想郷を誰よりも自由に、誰よりも楽しむ…ですかね。」
…なんとなく、そんな感じがする。
何かに縛られることなく、吾は吾を貫いて生きたい。昔、したかったかもしれない生き方だ。…だが、今はそれができる。そんな生き方をしてみたいものだ。
「…はぁ…。まぁ、良いです。ここで会ったのも何かの縁。私も会いたかったところでしたし、話してみたところ、邪悪なものではないようです。…何かに迷ったならば彼岸にお越しください。もしくは人里にいるときもありますので。」
「ありがとうございます。映姫殿。」
「敬語もその、殿と遜った言い方も必要ありませんよ。愈咫郎さん。」
先程まで無表情だった顔がニコッと微笑む。
「わかり…わかった。ありがとう。映姫。」
「よろしい。…では、また良き日に。」
…幻想郷には面白い女性もいるものだ。吾は映姫に別れを告げ、そこを去る。…次に行く場所は決めている。近くに見慣れた金髪の女が見えるからだ。もちろん、その友達も。
UA20000、突破しました。
…早えなぁ…ってのが本心です。それと同時にいつも読んでくださっている皆様には感謝してもしきれません。ありがとうございます。そろそろ、またアンケート取ろうかなぁとも思ってますけども。
聞きたいこととしてはこれからの展開的に、東方キャラが死ぬ或いは死にかけるバッドエンドじみたもの。それを容認していただけるかというところです。展開的にはとある方の作品をかなり意識したものと思われそうですが、十割その方のものを模倣するわけではなく、参考にしつつも愈咫郎くんらしさが出せる展開にしていきたいんですよね。こういう系はどこか誰かと似通ってしまうのは致し方ないかと僕個人としては思ってますので〇〇さんと同じじゃないですか、みたいな感想は控えて頂けると助かりますし、その方に言うのもご迷惑になりますので控えて頂けると助かります。まぁ、僕がそういう展開よりハッピーエンド脳なので流石に殺しはしないですけど。
では次回。ではでは。