「よお、紫姉さん。」
「あら?愈咫郎ちゃんっ。」
映姫から離れ、少ししたところに白玉楼+紫姉さんと藍と…もう一人ちっちゃい女の子の計5人が座っていた。
「ユタさん。」
「妖夢。」
妖夢が吾に飛びついてくる。…ふふ。その頭を撫でてやると満足そうに声を上げる。
「あらあら〜。」
「…。」
藍が此方を向いていない。…少し気がかりだが、あの言葉を言ってなお、吾のことをどう思っているかの方が気になる。
「ユタさん?どうしました?」
「…なんでもないよ。」
「そうだ。ユタさん、もうお酒飲みました?私が作ったご飯もありますので…その…ぜひ。」
吾から離れた妖夢は少し顔を赤らめて笑う。
…ふむ。全員に声をかけてから始める気ではいたが、此処で妖夢の誘いを断るのはちゃんちゃら可笑しい話だ。
「ふっ。あぁ、ご一緒しよう。」
「ほんとですかっ!?やったぁ!!嬉しいですっ!!」
吾の手を両手で握ってぶんぶんと振る妖夢。
顔は満面の笑みである。…とても可愛らしい。
「じゃ、じゃあ、幽々子様の隣で、私、ちょっと持ってきますからっ!!」
「あ、あぁ。」
とてとてと走って行った。なんというか、美人というより可愛らしいが似合う子だな。…さてと、お言葉に甘えて腰を下ろすとしますか。
「妖夢ちゃん、貴方に会えたのがよほど嬉しいのね〜。」
「そのようね。ねぇ、藍。」
「…。」
…藍が吾の方を見ない。…少し顔が紅潮していて、尻尾がピンっと立っている。
「…らんしゃま?」
「あぁ、橙。なんでもないよ。」
隣にいる少女が藍を心配そうに見る。上目遣いの目は少し潤っている。藍はその少女の頭を撫で、ふっと息をついたように笑った。
「…ふぅ。よし、愈咫郎くん。」
「ん?」
「時間は取らせない。少し一緒に来てくれないか。」
…藍の顔が決意したようなそんな顔をしている。…十中八九、あの話だろう。
「あぁ。」
…さて。
吾は腰を浮かして、藍と共に境内の裏あたりに行く。藍の顔が少し仄かに赤い。
「…しかし、あそこでも良かったんじゃないか?」
「むっ。君は意地悪だな。私にみんなの前で告白しろというのかい?」
少し頬を膨らまし、顔を赤く染め耳打ちする藍。…意外とウブなのか。九尾の狐と言えばいろんな男女間の逸話がある生物だから、そういうことには耐性があるもんだと思ったが…。
「ここら辺かな。」
人目がつかなそうな、境内の裏に着いた。…そこで藍は此方に向き、吾の両肩をガシッと掴んだ。
「よ、よよよよしッ!!い、言うぞッ!!ゆゆ愈咫郎くんッ!!」
「待て待て待てッ!!」
顔が真っ赤になって、少し気が動転しているのが見て取れる。いつもの冷静さはどこへ行ったのか。…とりあえず、宥めないと吾の首が捻じ切れる。
「あっ…。ごめん。私らしくないな。」
「…大丈夫だ。…お前が何を言おうと決断して…。」
人差し指で吾の口元を押さえる藍。少しムッとした顔をしている。
「…ダメだよ。そんなこと言ったら私の決意が揺らいでしまうじゃないか。」
「…むっ。…そうか。」
そう言われては何も言えない。…吾が返事をするとふっと肩の荷が降りたかのように微笑んだ。
「…ふぅ。…相変わらず、元気そうだね。愈咫郎くん。」
…はにかむように微笑む藍。なるほど。少し世間話をしようということか。
「…お前もな。」
「…ふふ。私はね。本気で…政略結婚とかそういうの無しで一人の男性について興味を持ったのは…初めてなんだ。君のことを紫様から聞くたびに、興味が湧き、妖夢や紫様が私の知らない君を話す時、少し胸が締めつけられた。」
…うっとりとした笑顔で吾を見る藍。
「…共にいる時間は短いけれど、私は君が知りたいんだ。もっと。…一緒に居たいんだ。君と。」
「…藍。」
光って見える。藍の上品に微笑む顔がキラキラと。
「…君は咲夜や妖夢に構って私を見てくれないかもしれないが、それでも私は…君が好きだ。」
「…あぁ。」
「…私ともお付き合いしてくれないか?」
…真剣な顔が赤く仄かに染まる。…答えは決まっている。
「…勿論だ。」
そう答えると彼女が吾の胸に飛び込んできた。
「お、おい。」
「ごめん。嬉しすぎて、多分今、変な顔、してるから…。」
「…。」
…黙って彼女の頭を撫でる。
嬉しそうに彼女の尻尾が左右に揺れる。…しかし、あれだな。少し藍の認識を改めないといけないな。
「…だが、藍。」
「なんだい?愈咫郎くん。」
「…吾は我儘だ。これからも彼女は増え続ける…と思う。だが、それに順序や優劣はつけぬ主義だ。というか、出来ない。…一人に貢ぐほど吾は便利に出来てないからな。」
「…なんというか、素直な人だね…君は。」
「…よく言われる。」
…女が嫌いなわけでも、意気地のないわけでもない。ただ、何があろうと責任が取れる。そんな信条を吾は武士達から学んだ。…もう男尊女卑の世界は終わったのだ。酒も入っていないのに、感傷に浸ってしまった。
「ねぇ?愈咫郎くん。」
「ん?」
「キス…しても良いかな?」
…仄かに赤い藍の顔が近づく。背伸びをしながら、吾の唇にそっと唇を重ねた。
「…ぷは。…ファーストキスはレモンの味がする…とも言うが違ったな。」
「くく。なんの味がした?」
「…お酒の味。」
目を細めて微笑む藍。…そのあと二人して大声をあげて笑った。後ろから視線を感じるが、多分、紫姉さんだろう。
「ふふ。そろそろ戻るか。
「あぁ。」
手を繋ぎながら、二人で宴会場に帰る。
…尻尾が吾の腰をぎゅっと巻くのが気持ち良かった。
そして予定の3話Over…。
後、一話か…きり良く二話か…。
宴会終わったら普通にほのぼのします。多分。僕のストックが無くなってきたんで投稿滞るかもしれませんが、一日一話は最低出したいんですよね…。絞り出すか。
後はまぁ、基本的にキャラクターは個人解釈で書かせてもらいます。この人は胸があったほうがいいなと思ったらそう書くし、無かった方が可愛いなぁと思ったらそう書きますw性格も多少変わっちゃいますが、キャラ崩壊程度で止めといてください。お願いします。
では次回。ではでは〜。