…傾きは五分と五分である。
博麗霊夢はレミリア嬢と、吾が戦った霧雨魔理沙はフラン嬢と戦っている。飛び火せぬよう、気絶している咲夜を連れて、影から見守っている。吾とて無傷ではない。…だいぶと体力も消耗している。
…フラン嬢は大きな炎の矛を振り回し、弾幕なる光弾を撒き散らす。
それを魔理沙が器用に空中で躱し、直線上に動く弾幕を打ち込む。
「もー!!めんどくさいなっ!!避けないでよッ!!」
「避けなきゃあたっちまうだろうがッ!!」
魔理沙の弾幕を躱し、間には目を、弾幕には弾幕をとフラン嬢も弾幕を降らす。
どちらも攻めて攻めて攻めまくる。
弾幕の嵐がまさに、雷神風神のように対峙していた。
さて、姉はと言うと。
自身の4倍はあろう大槍を構えて、博麗の巫女と対面していた。
お互い、言葉交わさず、何度も何度も槍とお祓い棒を合わせる。まるで武士が刀を交わすように。
「紅符『スカーレットシュート』ッ!!」
放たれた弾幕を博麗霊夢は交わす。
霊夢は懐からお札を取り出し、それを飛ばす。
お札を避けようとするレミリア嬢。しかし、執拗にお札は彼女を追尾する。
「煩わしいわねッ!!」
槍でお札を薙ぎ払うレミリア嬢。連鎖爆発し、空中に爆煙が広がる。
「お姉様ッ!!」
「フランッ!!」
…紅魔館の吸血鬼が2人揃った。炎の大剣と紫の槍が並ぶ。
目の前には人間2人。博麗の巫女と魔女が目の前を見つめる。
…今、決着が着こうとしている。
「終わらせるわ。」
先陣を切ったのは人間側。
虹色の極光が姉妹へと襲いかかる。
姉妹はそれを左右に避け、博麗の巫女と魔女へと突っ込んでいく。
魔理沙は2人のインファイトをゆらりと避ける。
「「ッ!?」」
…2人は誘われた。誘い込まれてしまった。
帯状に2人を取り囲む。そこから放たれた虹色の大弾幕。
「霊符『夢想封印』ッ!!」
「お姉様…。」
「フランッ!!」
姉は妹を抱きしめて、ただ運命に逆らうのを辞めた。地面に落ちた2人の少女は手を握りながら、幸せそうに眠っていた。
吾は咲夜を抱え、2人の少女の元へと行く。
全てが終わった瞬間だった。異変を起こすと急に言われた時は戸惑ったが終わってみれば、あっという間だったな。
「…博麗霊夢。」
「アンタ、誰だっけ…あ、確か、愈咫郎?だったっけ?アンタの主人に起きたらこの傍迷惑な霧を消すよう言ってね。あと、異変の後の宴会するから、お酒、ここもちだって。」
…なんとも横暴な。いや、こちら側にも非はあるか。
「…一応、伝えておこう。」
渋々ではあるが、吾は答えた。屋敷の立て直しの金もいる。レミリア嬢なら工面できるか。
「頼んだわよ。」
「へへっ、ごめんな。ユタロー!!」
「…はぁ…。」
ならば、すまないなりの顔をしろ。笑顔で言われても、こちらが困るだけだ。…2人はそそくさと帰っていった。パチュリー殿が察したか、或いは神の悪戯か、赤い霧は真ん中で割れ、消えていった。
「…ん…んん…。」
…腕の中で軽くもがくものがあった。
咲夜の目が覚めたのだ。
「…ゆた…?」
まだ少し眠たげな、彼女のとろんとした目が吾を見る。舌ったらずな口調で吾の名前を呼ぶ。…こう見ると吾よりも遥かに子どもっぽい。
「…あ、やだっ…ごめんなさいっ!!こ、こんな!!」
「暴れるな。おとなしくしてないと、落ちるぞ。」
…何かおかしいことでもしているのか?
咲夜が顔を真っ赤にしながら、言われるがまま腕の中でじっとしている。
「…終わったのね。」
「あぁ。」
…半壊した紅魔館を見る。
まるで嵐のようないちにちだった。口にしてみれば簡単でも、起こったことは惨劇に近い。
「…怪我はなかったか?」
「ん?」
吾は咲夜にそう聞いた。
咲夜の戦いは見ていない。吾はほぼ無傷だったが、彼女は数十分は眠っていたはずだ。立てるなら下ろしてあげても良いだろう。
「うん。怪我はないけれど…。」
「そうか。なら、歩けるな。」
「え…。」
さっき暴れていたのも下ろして欲しいからだろう。てっきり、怪我でもしているのかと思い、ああは言ったが、何もないなら下ろしてあげた方がいいだろうな。
「…あっ…えと…。」
「ん?」
…なにやら、咲夜はしどろもどろとしている。どうしたんだ。
「…もうちょっと…このままでも…良いかなって…。」
なにやら、彼女の顔が赤い。さらに赤く、色づいている。このような、言わば荷物のような格好がいいもの…なのか?
「仕方なく、急場だった故、こんな運び方しているのだぞ?いいのか?」
「い、いいの。…私、頑張ったんだもの。少しくらい、ご褒美ちょうだい?」
「…褒美とな?」
ただ抱えているだけではないか。褒美なのか?
「…じゃあ、ユタの思うご褒美でいいわ。それで手打ちにしましょ。」
「何故やる話になっているかはわからぬが…。」
まぁ、一番の苦労人は咲夜だろう。労いくらいはしてやるか。
「では、少し…あれにはなるが…。」
吾は咲夜の体を優しく下ろす。
そして、彼女の頭を胸に押し付けた。もちろん、優しくだ。
「…っ!!」
「吾がまだ幼き頃、主人がよくこうやってくれた。」
そして、吾は彼女の頭をポンポンと優しく叩き、撫でた。
「よく頑張ったな。咲夜。」
「…!!」
…優しく微笑みかけ、声をかける。主人殿、数勝様はよく乱暴ながらもこんなことをしてくれた。吾の父代わりの人だ。
「…これでいいか?」
咲夜の顔が真っ赤に染まっている。まるで梅干しのようだ。
「咲夜?」
「ひゃいっ!?」
耳元で声をかけると咲夜が驚いたように声を上げた。
「嫌だったら言えよ。」
「あ…いや、じゃないけど…いやじゃないわ!!うん!!」
…言い聞かせてるんじゃないか。それ。
髪の匂いが手に染みつくほどには撫で回していた。かく言う吾も、まるで小動物を撫でているかのようで少し気持ちよかった。ほのかに香る甘い香りは決して臭くはなく、ただ吾と彼女はひっつき、労いあっていた。
BLEACHみたいにしたかったんです…。お許しを。
ハーレムって何人まで許容範囲?
-
10人以下でおなしゃす!!
-
まぁ、ちょっと多いけど20人?
-
ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!