「ギャーハッハッハッ!!心が昂るッ!!血が沸き立つッ!!これが喧嘩だッ!!魂と魂のぶつかり合いだァ…ッ!!」
「グッ…!!」
流石だ。息を切らさず、吾の拳に合わせて相殺する形で殴ってくる。骨も若干、軋み始めるも微微たる再生しか間に合わない。
「朱智ィィッ!!こんなとこ来て、女遊びなんてしてるから、鈍ってる方思ったが…。さいっこうじゃあねぇかッ!!昔はこんなことなかったぜッ!!逃げてばかりの子悪党だったテメェが、今やこうやって殴り合ってらァッ!!」
「やりたくて…やってるわけじゃない…ッ!!」
「虎の尾でも踏んだか!?竜の逆鱗に触れたか!?そんなことどうでも良いッ!!ハッハッハッ!!あの女を攻撃するだけで、こんなにも楽しめるんだッ!!今は、女も、侍も、男も忘れて…ただ、殴り合おうぜェッ!!朱智ィッ!!」
「…ッ!!」
…笑顔で何度も何度も拳を振るう鬼戸。
吾は何度も隙を伺って、拳を身体にでも入れようとしているが、拳がでかいのと攻撃の激しさに付け入る隙を伺えない。
逆に此方の頬や脇腹に掠っている始末だ。
「グァッハッハッハッ!!…良いねェ。最高だ…!!だが、もうお前にゃ荷が重すぎるんじゃあねえか?朱智ィ…。」
「…重くねえさ…!!ハァ…ハァ…!!吾は…咲夜たちに感謝している…!!ここで退けば…恩を仇で返すことになる…!!」
「…へぇ?なにするってんだい?」
「テメェを…殺す…ッ!!」
吾は鬼戸の拳を掌底で弾き返し、右の拳を鬼戸の腹へと入れる。
確実に…入った…!!
「…お?ふふふ…ハッハッハッ!!良いじゃあねえか!!殺すゥ…殺すねェ…!!正義の味方が、んなこと言って良いのかよ?」
「…正義…?テメェと一緒にするなよ…。正義だ悪だ…どうでも良いッ!!吾は吾の信念に基づいて…義理を返すために居るんだ…!!テメェの物差しで人を騙るんじゃねえ…!!」
「あっ…そうか…よッ!!」
「グハッ…!!」
吾の腕を持ち、持ち上げた上で吾の腹に右拳を振るう。
逃げ場もない吾は奴の思うがまま、腹に何発も重い一撃をもらう。
「…おい…おいッ…!!…なにも出来ねェのかァ…?抵抗しねェのかッ!!」
「グッ…ガッ…ゴハッ…!!」
…だめだ…。意識が朦朧としてきた…。
だんだん…と…目も…霞んで…。
「千石一刀流『大車輪』ッ!!」
「…ん?」
「うぉっと…!!」
鬼戸の首筋から血飛沫が上がった。
…太夫だ…。太夫が吾の後ろから走ってきて…そのまま跳んできて…突っ込む勢いで…太夫がそのまま縦に一閃。首筋に斬りつけた。太夫はそのまま、前へとうつ伏せで滑っていった。
「…チッ。おいおい…ッ。楽しい楽しい…喧嘩をォォ…ッ!!邪魔すんじゃあねェよォ…ッ!!」
「…ヒーヒッヒッヒッ…!!朱智くんばっか…ずるいわぁ…。鬼戸ちゃん…。」
「だ、太夫…。」
やっと辛く無くなってきた。
太夫がよろりと立ち上がり、短刀を構えながらニヤリと笑った。
「朱智くん…早立ちやッ!!…鬼戸ちゃんの倒し方がわかったッ!!」
「…なるほどな。」
吾も続け様に立ち上がる。
取り囲むように咲夜、霊夢が立ち塞がる。
「…ガハハッ!!全員相手しろってか…!!面白いッ!!かかってきやがれッ!!」
「ハッ!!」
開始の狼煙代わりに霊夢のお札、咲夜のナイフが飛んでいく。予想通りに、鬼戸はそれを手を交差させて受け止めた。
「…んだよ。俺を倒す算段ってのは…こんなネズミ花火だったってか?笑わせるねェッ!!」
鬼戸の身体にナイフが再びブスリと刺さる。
そこを見計らって、太夫が短刀を振り下ろす。
鬼戸は後ろに跳んで避け、追ってくる太夫に向かって拳を下ろす。
「鬼戸ちゃんッ!!久々や、こうやってやり合うのもッ!!お互いの正義ってやつでよう喧嘩したもんなァッ!!」
「…あぁッ!!テメェと殴り合った日々、忘れやしねえ…ッ!!戦国時代、暴力で支配する時代の帰還と新たなる世界への憧れ…どっちが勝つか、よく戦ったもんだッ!!」
鬼戸の攻撃を太夫は持ち前の足捌きで交わす。
鬼戸の方はやってくる短刀の刃を喰らいながら、効いていないように怯んじゃいない。ただ…見る限り、身体はだいぶと疲弊しているな。
「アンタは…昔からそうやったッ!!力で解決することができりゃ、そうしたッ!!女どもも取っ替え引っ替えだったが、殴りゃしなかったッ!!だが、今はどうやッ!!なんで、咲夜ちゃんたちを殴るッ!?」
「…ふんっ!!そりゃ、今対峙している朱智の仲間だからよッ!!俺ァよォッ!!女って生き物がどうも信用できねェのさッ!!男は拳で分かり合えるが、女は愛想を振る舞うも心の中じゃあ何思ってるかわからねェッ!!」
「母親に捨てられたからかッ!?せやから、そうやって女を目の敵にするッ!!敵方の女やったら尚更やッ!!殴れる名目が出来てるからなぁッ!!」
「ハッハッハッ!!なら、吐かせてみろッ!!勝ってなッ!!」
先程からおんなじことの繰り返しだ。
…まだ吾の出番は来ない。先ずは太夫が鬼戸の攻撃を見切り、少しずつ外傷を与える。…のではなく、目を惹きつける。後は…。
「ヒーヒッヒッヒッ!!やったら、上から火矢でも降らしてみるかッ!?火薬でボッカーンでもええでぇ?鬼戸ちゃんッ!!」
「ガッハッハッハッ!!確かにテメェならやりそうだッ!!だが、次で終いだァッ!!楽しかったぜ、太夫ッ!!」
「ヒヒッ…!!終わるのは…アンタや。」
「背後から失礼ッ!!恋符『マスタースパーク』ッ!!」
先程よりも高質量のマスタースパークが鬼戸の背後から飛んでくる。鬼戸は振り向き少し驚いたように手を交差する。太夫はもう即座に避けている。
「マジかッ!!」
「うぉぉぉぉッ!!これが女の力かッ!!すげぇなぁッ!!腕中がビンビン痛むぜェッ!!来てよかったぜェッ!!幻想郷ッ!!」
「そうか…ッ!!なら、すぐお帰り願おうッ!!」
吾は走り様に諏訪子たちに言われたことを思い出した。自身の心の扉を明け渡し、身体を神のために開ける。今だけ…力を貸してもらいたい。
『…じゃあ、思いっきりやっちゃおうじゃあないか。愈咫郎。』
『…頼むぞ。神奈子ッ!!』
全力で使えば、吾の身体がもたない。
手に神奈子の力を纏わせるイメージで…。吾はマスパに気を取られている鬼戸の元へと走る。そのまま…右の拳を構えて…。
「…朱智ッ!?」
「
「グォッ…!?」
奴の頬へとねじ込んだ。頬は湾曲し、一箇所に竜巻のように集められた風が何発もまるで殴られたように鬼戸の身体へねじ込まれる。そのまま、鬼戸はマスタースパークに飲み込まれ、爆発した。
「は?嘘でしょ?死んだの?」
…すっかり忘れていたが、空にいる天子が下の現状に混乱しているようだ。
「…次はアンタかしら?…愈咫郎たちは少し休んでなさい。アレは私らでやるわ。」
「…承知した。」
「…いえ、それには及びません。」
…誰だ?
人里の方向…霧の湖の入り口あたりから天子に似た女性がやってきた。髪は青。少し大人びた印象を此方に与えている。
「総領娘様?今度という今度こそは…ッ!!」
「…ゲッ!?衣玖ッ!?」
「天誅ッ!!…ですっ!!」
「うきゃぁぁあッ!?」
…後から来た女性が空に指を指し、特有なポーズをすると少女の上から雷が落ち、天子に直撃した。天子は少し焦げ、上から落ちてきた。…大丈夫…なのか?
「…えっと。し、失礼します。」
「え?あっ…ちょっと。」
…吾が止めようとするもとてつもない勢いで女性は飛んでいってしまった。…なんだったんだ?今のは…。
「…ありゃ?鬼戸ちゃんもおらんやないか。」
「は?」
…確かに…。あの体躯だ。動いたらわかるはず…。なのに何処にもいない。死んだわけでも消滅したわけでもあるまいに…。
「…なんか、どっと疲れた。」
「ふふっ。この後、ちょっと休みましょ。お嬢様には怒られてしまうかもだけど。」
「…あぁ。」
吾はふらつく身体を咲夜に支えてもらい、紅魔館へと入っていった。…雷やらマスタースパークやらで轟音を立てたことにお嬢方は怒り心頭であったが、あったことを伝えると労ってくれた。今はただ、休みたい。そう思いながら、吾と咲夜は吾の部屋へと入っていった…。
これを緋想天扱いでいいのだろうか。
鬼戸さんもどうするか決めかねてます…w3人目にするか、ライバル扱いにするか…。
さて、クリスマスシーズンということでそれぞれ彼女6人+愈咫郎に関係する少女(リクエスト重視で)のちょっと甘めなやつを書きたいですね。勿論、えっちいのもね。
取り敢えず、異変後ということで咲夜さんに癒されたい…。では次回。ではでは。
咲夜さん達が人以外になる強化はあり?(不老不死になったり、妖怪や近い存在になって長寿になる等)
-
あり
-
なし