緋想天キャラ?非想天則キャラ?とのお話ですな。
「…ん?」
「…あれ?…ここは…えっと。」
…人里でぶらぶらと散歩中、妙な女性を見つけた。…確か、だいぶ前にあったような…気がする。ふらふらと何処か迷ったように歩いている。足取りが重そうだ。
「きゃっ…。」
そのまま吾の胸にぶつかった。…痛みはなかったが、女性の方が吹っ飛ばされ、その場に倒れてしまった。
「うぅ…す、すみませんっ!!お怪我はありませんでしたか!?」
「…あ、あぁ。アンタの方こそ、大丈夫か。」
女性の手を取り、立たせようとする。
…が、手を取った瞬間、ビクッと震え、逆にへたれこんでしまった。
「…だ、大丈夫か?」
「ふぇ…す、すみませ〜ん…。も、もう大丈夫ですっ!!さ、さぁっ!!」
…苦手なものを食べようとする子どもみたいに。何故か、此方を見てくれない。顔が茹蛸みたいに真っ赤になっている。…まぁ、取り敢えず引き上げてやるか。手を取り、女性を立たせた。
「うっ…。あ、ありがとうございます。」
「…あ、あぁ。」
どうでも良いが、いい加減、こっちを見て欲しいな。
…あっ。思い出した。どこかで見たと思ったら、あの鬼戸との戦いの最後に現れた女性だ。
「アンタ…。」
「あっ、何処かで会った方だと思ったら。私、永江衣玖…と申します。」
「…朱智愈咫郎だ。よろしく。」
物腰柔らかな感じだ。奥ゆかしいというか…ガツガツよりも一歩引いた場所に居る。そんな感じがする。
「朱智様…ですね。はいっ。宜しくお願いします。」
「…様なんて、よしてくれ。そんな大それた人間じゃあないからね。」
「あら。…しかし、言わせてくださいませ。総領娘様を止めてくださった方です。私としましてもお礼を言わねばなりません。そんな方を呼び捨てなど…。」
…う〜む。あまり堅苦しいのはよして欲しいんだがなぁ…。先ほどから口元を柔らかく緩め、微笑んで真摯に話している衣玖。しかし、背筋のあたりがゾワゾワっとしてむず痒い。
「…さんでも、君でも、呼び捨てでも好きなようにしてくれたら良いが、様は…ちょっと。」
「まぁ…。しかし、そのようなフランクなのは…。」
「頼むから。」
「…むむむ…。では…朱智…君?というのはどうです?…なんか、ちょっと気恥ずかしいですわね…。」
顔を真っ赤にして、微笑む衣玖。
…君…ね。それを選ぶとは意外だった。確かに他の誰よりも同年代という感じがするが。…いや、恐らく遥かに歳が離れているだろう。だが、一気に距離が縮まった気もしなくもない。
「…ま、まぁ、そっちの方がいいな。」
「では、朱智君で。…それで、朱智君は如何様で此方に?」
「いや、ブラブラと。散歩だよ。衣玖は?」
「あ〜…。」
言葉を濁しながら、目を泳がす衣玖。…言葉を選んでいる感じがするな。
「そ、総領娘様が遊びに行った下界がどういうところか…気になりまして…。その…僭越ながら…遊びに…。」
「あー…なるほど。」
口を開くにつれてどんどんと顔が赤くなっていく衣玖。確かにわからんくはない。吾も昔は主人が遊びに行ったと言われた時に少々ウズウズしたものだ。
「そこで、どこへ行って良いか、わからなくて迷ってたと?」
「あうっ…。お恥ずかしながら…そうです…。私、その…人混みがあまり…得意ではなく…迷ってしまうというか…。」
顔を林檎のように真っ赤にして、バツの悪そうな顔をする衣玖。…初めての場所なら仕方ない。
「…仕方ない。何かの縁だ。一緒に行ってやる。」
「うぇ?…い、良いのですか?しかし…。」
「さっきも言ったが、ただぶらぶらしているだけなんだ。…何かやりたいということでも無い。時間を浪費するくらいなら、誰かと居た方が良いだろ。」
…というか、心配が先に立つ。
少し話しただけでも、衣玖の真面目さは伺えた。人里が全て、平和とも限らんしな…。それに、吾も男だ。一人でぶらぶらするよりも、美人と話しながらぶらぶらした方が…気持ちがいい。
「で、では…その…お願いしますっ…。」
「あぁ。」
バッと頭を下げる衣玖。…そこまで畏まらなくても良いのだが…。というか、遊びか。人里にはちょくちょく顔出しちゃいるし、恋人との憩いの場にも使わせてもらっているが、特に遊びというよりも買い物をしたり、飯を食ったりすることが多い。…流石に寿の店は衣玖には刺激が強かろう。なんとなく人に慣れていない感じがしたからなぁ…。
「…ふむ…。何がしたいとかあるか?それによっては決めるが…。」
「えっと…その…何があるかもわかりませんので…。そのぉ…出来れば、甘味など…あれば…。」
なるほどな。甘味が好きな女性は多いし、吾も少し小腹が空いた。昼には少々時間もあるし、昼頃には紅魔館に帰っておきたい。
「…となれば、お汁粉とか…あと、団子とかか?それなら、ここらにいっぱいあるが…。」
「ほんとですかっ!!」
吾の手を両手で握った衣玖。ぱぁっと花が開いたような笑みを浮かべた。…ふむ。少々大人びた印象を持っていたが、笑みは少女そのものである。
「あっ…あら、やだっ…そのっ…す、すみません。」
「ハッハッハッ。可愛いところが見れたもんだ。」
「う、うぅぅ〜…。」
手をバッと離し、顔を赤く染める衣玖。少々、からかってやると顔を真っ赤に染めて、それ以上言うなと軽く睨まれた。それでも、怖さより可愛さが勝つが。妹紅とか…咲夜もそんな感じである。
「じゃあ、行くか。」
「…わかりました。」
…とはいえ、いっぱいあるんだよなぁ…。まぁ、目についたところにするか。
「元気ないじゃねえか。どうした?」
「…朱智君って意地悪なのか、優しいのかわからなくって。」
「…それ、本人の前で言うかぁ…?」
ムッとしたような表情でそう言われた。意外と根に持つタイプ…らしい。
「ていうか、下はこんなにも真っ白なんですね。」
「雪、始めてか?」
「…まぁ、あまり見ませんね。私たちが住んでるのは天界ですから。」
「…そうか。」
天界…か。図書館の本で見たことがある。何もない、欲望を全て捨てるように修行する場所だとか。浅はかな知識でしかないが…。
「朱智君は…。」
「朱智君って言いづらいだろ?…さっきから思ってたが。」
「…確かに言いにくい感じはしますね。」
「吾も衣玖と呼んでいる。お前も名前で呼んだらどうだ?」
「むむむ…。それで良いと仰るなら…ではっ。…ゆ、ゆ…ゆたろぉ…君…。」
顔を真っ赤にして、手で隠す衣玖。…何も名前を呼ぶだけ…なのだが。
「ふふっ…。」
「むぅ…なんれすかぁ〜。」
「名前を呼ぶだけなのに、何照れてんだと思ってな。」
むすっとした顔で吾を見る衣玖。ちょっとだけ羞恥心からか、涙目になっている。
「…私、元々、男の人が苦手なんです。…私のこと、下賎な目で見てくるし。」
「確かに、衣玖は綺麗だしな。」
「…別にそのくらいなら構いません。…胸とか、お尻とか…。そんなところばっかり見られてると…背筋がゾクゾクして…吐き気がしてくるんですよ。そのうち…男の人があまり得意じゃなくなってきて…。」
…うーん。それはお前が結構、パツパツな服を着ているのも原因だと思うが…。
「…じゃあ、吾はどうなる。吾も男だぞ?」
「うーん。愈咫郎君はなんか違いますね。なにかが。わからないですけど。」
「なんだよ、それ。」
少し笑いながらそう言った。つられる形で衣玖も口元を押さえて笑った。
「…よし、着いたぞ。…それじゃ、食うか。」
「はいっ!!…もうお腹ぺこぺこですよ。」
腹を掌で摩る衣玖。…まぁ、ここならそれほどまでに金もかからんだろう。そう思いながら、吾と衣玖は…店の暖簾をくぐった。
近場の予定では、通常話と異変話なんですけど、次は迷ってます。
地霊殿か、それとも儚月抄か…。どっちも凝りたいんですけどね〜。地霊殿の方はこれから仲間になるオリキャラ出るし、儚月抄は月夜見様とか月の民くらいのオリキャラしか出ないけどね。
掻き乱したりはしない予定です。そんな何人も出て、戦うとかはしませんしね。…あ、エロ回はその内。次は誰にしよっかな。早苗?咲夜?幽香?…ではでは。