…朝はトーストと軽めの汁物という至って普通の朝食。洋食にももはや慣れた。最も、咲夜の作る料理は美味すぎて、馴染むのに時間をそう要さなかった。ほどよいしょっぱさと甘さが心地良い。少し喉が渇くが、そこに優しい薄味の汁物を入れ、潤す。…寝起きだが、楽に食べられる。
「レミィはまだ起きてないわね。」
「パチュリー殿。」
隣はパチュリー殿。普段は図書館で過ごしているが、ご飯の時は食堂で皆で食べる。西洋でも家族団欒の形は同じのようだ。まぁ、同じ飯でも人が集まれば数段美味いとはよく聞く話。吾もここに来て、それを身に染みてわかった。
「その、殿っていうのやめてくれない?なんか、堅苦しくて嫌だわ。」
「すまない。昔の癖だ。」
「そのくせ、敬語は使わないんだからね。まぁ、気にしないけど。…というか、貴方は魔法とか弾幕とかには興味ないの?昨日のあれじゃ、何も使ってなかったけど。」
…弾幕?あぁ、あの飛ぶ光の球か。
「簡単に言うと、興味はないわけではない。ただ、おそらく吾にはあれは使えない。」
「…へぇ、なぜ、そう思うの?やり方がわからないなら、教えるわよ。」
「援護射撃はガラじゃない。それに、刀一筋で生きてきたんだ。…コイツを使うことに意味がある。」
…ただのこだわりである。鉄砲があっても弓があっても、長槍があっても。吾は紫御前のみを扱ってきた。今更、変えることはできぬ。
「…そうね。当たりよ。貴方は使えない。」
「ふっ…。だろうな。」
使えているのなら、その節が何処かにあった。だが、吾には根本的なものを掴むことは出来ない。剣技とは違うと言われれば終わりだが、それでも弾幕や能力を扱えるならその断片があってもおかしくはない。
「…貴方からは魔力が普通の人の10分の1も感じないわ。魔法は向いてないのかもね。」
「…あぁ。」
「ふふっ。少しは違うことも勉強したらいいわ。剣だけじゃなくて。」
…違うこと…か。
「ごめんなさい。待った?」
「いや、全く。」
昼飯前の午前ごろか。吾の方が少し早く出た。とはいえ、待ち合わせは紅魔館の門前。目と鼻の先なので、少しほどならとやかく言わない。野暮というものだ。
咲夜は右手に買い物袋を持ち、吾と共に歩み出した。美鈴はそれを見送った。
「普段は飛ぶのだけど。今日は時間もあるし、歩いていきましょう。」
「…すまぬな。迷惑をかける。」
…空を飛ぶくらいなら吾でも学べるだろうか。咲夜も…能力は持っているとはいえど、普通の人間だ。覚えておいて損は無いだろう。
「だって、大の大人が抱かれるわけにはいかないでしょ?」
「それは避けねば。」
無駄なプライドだ。だが、格好がつかない。隣でくすくすと笑う咲夜。
「お前が言い出したのでは無いか。」
「うふふ…だって。貴方、真剣なんだもの♪」
…小っ恥ずかしい。だが、悪い気はしない。笑われているのに、何故だろうか。
「ねぇ。」
「ん?」
咲夜が此方を見ずにそう言った。緊急事態か?
「手、繋いでもらってもいい?」
「…は?」
…唐突すぎる。しかも、慣れていないのか、少し頬を赤に染めている。
「い、嫌なら良いのっ。ただ…こういうことを言えるの。ユタだけだから。」
少し表情が曇る。普通なら、咲夜は紅魔館で一番歳下だ。まだ少し甘えたいのだろう。
「っ!?」
「…別に。手ぐらいならいつでも繋いでやる。」
…ここがいつかはわからない。だが、大人としての責務を果たしてやろう。彼女の左手はとても繊細で、簡単に折れそうで、柔らかい。
「わ、吾に合わせてくれているのだからな。このぐらいは安いものだ。」
少し声が上ずる。吾ながら間抜けだ。顔も少し暑い。もう夏も終わりだというのに。
「アハハハッ!!」
「わ、笑うな。」
いつもなら決して大口を開けて笑わない咲夜が年相応の…いや、もう少し幼げに楽しそうに笑った。
「ごめんねっ。可笑しくって♪」
「…お前なぁ…。」
「でも、ありがとう。とっても嬉しいっ!!」
…咲夜の見せる笑みに自然と口元が綻ぶ。こっちに来て甘くなったか、笑う機会が多くなった気がする。
「着いたわ。ここが人里よ。」
人里。集落の規模では江戸や京はおろか、他の藩にも満たないが、画期ならば何処にも負けないだろう。人が強い里は良い里だ。
「じゃあ、ここで何日か分の食材を一気に買わないと…。」
「そんな小さなカバンで何日か分も入るのか?」
うちのご飯ならば1日分でも入らなそうだが…。
「あぁ。これは私の能力で拡張してあるから大丈夫。ほら、紅魔館と一緒よ。」
…確か、咲夜の能力は時間を操る程度の能力。空間にも干渉できて、それで中を拡張している…だったか。よくはわからん。
「そうか。荷物持ちならするぞ。」
「ありがと。でも…。」
…でも、なんだ?
「手が離れちゃうのはちょっと寂しいかな。」
「…どうせ、ここまで来たら離すだろ。勘違いされるぞ。」
これだけの美人だ。引く手数多に違いない。
「…勘違い…か。されても良いって言ったら嬉しい?」
手を離し、少し前に歩き、此方へ振り向く咲夜。いつものように微笑む彼女にまた、口元が綻んだ。まるで、娘のような…妹のような…はたまた、別の存在のような感覚に少しドキッとする。
「…悪い気はしねぇ。」
歯を見せ、笑うと彼女は少し目を白黒させ、また前に向き直した。少し顔が赤い感じがしたが、その日は何もなく、買い物を済ませ帰宅した。
デート回です。…デートというかは定かですが…。
ハーレムって何人まで許容範囲?
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10人以下でおなしゃす!!
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まぁ、ちょっと多いけど20人?
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ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!