※この作品はR-18です。

人斬り武者の幻想歌   作:紳爾零士

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実は次で100話なんだよね。
でも、特別話書けないんだよね。異変編だから。


九十九杯『喧嘩の代償』

「…ここは?」

 

「地下街の八百屋だとか、そんなのがあるところ。アンタの面倒まで見てると、私1人分の食料じゃ足りないのよ。」

 

…ふむ。なるほど。

アレからほぼ、朝から晩まで勇儀と喧嘩し、3日が過ぎた。霊夢達が全然来ないのだ。いや、来ているが連絡が来ていないという説もある。

 

「…世話をかける。」

 

「ほんとよ。全く。さっさと出ていってほしいくらいだわ。」

 

などと言ってはいるものの、本当に追い出さないのだからパルスィは優しい。そんなことを言えば、激怒してくることだろうから、言いはしないが。

 

「適当に見繕ってくるから、アンタはついてくるだけで良いわ。ほっといたら、また鬼達と喧嘩でもしそうだもの。そうなったら、もう看病してあげないから。勇儀とのあれだけ、許してるだけだから。」

 

顔の表情を一切変えず、そう言うパルスィ。

勇儀曰く、これは照れ隠しの一種だとか、本当は優しいだとか。辛辣な言葉しかかけられていないのでよくわからないが。

 

「…?」

 

…今、何か…空に見えたような…。

大きな船のような何かが…。

 

「ぼさっとしてないで。早く来て。」

 

「あ、あぁ。」

 

…なんだったんだろうか。

見間違い…にしてははっきりしすぎていたような…。まぁ、パルスィをこれ以上困らせるわけにもいかないため、気には留めないでおこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…アンタさ。…こんなところで止まってて良いの?」

 

買い物を終えた帰り道。パルスィは少し真剣そうな顔をして、吾に話しかけてきた。

 

「ダメだろうな。探し人を探さねばならぬし、異変も解決せねばならん。」

 

「…異変?」

 

「地上で、間欠泉と共に人魂が溢れ出るという異変があった。それに原因究明に博麗の巫女らが来るはずなのだが…。」

 

…一向に連絡がこない。連絡する手段があるかもわからぬが、兎に角、来たら来たで何かしらの騒ぎになっているはずだ。

 

「…見捨てられたんじゃないの?」

 

「…何?」

 

「だから、アンタも私と一緒で裏切られて見捨てられたんじゃないのって。…地底は旧地獄。常人なら一日ともたない場所。…死んでもわからな…ッ!?」

 

…咄嗟に刀を抜いて、パルスィの首元へと刃を近づけた。

見捨てられた…?ふざけるな。あの子らが…あの方が…そんなことをするわけがないッ!!

 

「過ぎた冗談だな…。次は首がなくなるぞ。」

 

「…っ。…悪かった…わよ…。」

 

バサリと買い物袋が下へと落ちる。

パルスィの頬からたらりと冷や汗のようなものが垂れた。

 

「…いや、吾も悪い。…こんなこと、恩人にすることでは無かろう。」

 

ゆっくりと納刀する。

やりかねなかった。そう、先の吾なら…やりかねなかったのだ。無差別な殺しを怖がるようになるとは…アイツが聞いたら笑うだろう。

 

「…帰るわよ。」

 

「あぁ。」

 

何処となく気まずい雰囲気が漂う。当たり前だ。方や殺されかけ、もう方や殺しかけたのだから。殺意、敵意などお互い発しておらぬに。

 

「…?」

 

「…気づいた?」

 

「あぁ。」

 

…何か来るな。さっきのアレで気づかなかったが、誰かが前から走ってくる…!?

 

「…えっ。」

 

「ふんッ!!」

 

咄嗟に吾は刀を振るってガードする。

 

…パルスィを守るためだ。目の前の男はニヤリと笑って後ろへと下がった。

 

「…まさか、貴様が生きているとはな。…鬼戸。」

 

間違いない。この男は鬼戸桃寿郎だ。

太刀筋と豪快な一撃。今の一振りで右腕がイカれかけた。

 

「流石だな。朱智愈咫郎。」

 

鬼戸は此方を見てニヤリと笑った。

つい先日の戦い。奴は極光に巻き込まれたが、その身体は何処にもなかった。…まさかとは思ったが、生きていたとは。

 

しかし、奴も五体満足ではない。

右目から首にかけて、生々しい火傷の痕があったのだ。

 

「ここは、良いなぁッ!!いい喧嘩で満ちてる。俺はこういう楽園を待っていたッ!!」

 

「…鬼戸、今はやり合う気はない。」

 

「あぁ?…貴様の気など知るか。俺はあの時死んだ。だが、蘇ったんだよ。…腐れ河童にこんなもんつけられてなぁッ!!」

 

「マズイッ!!」

 

「えっ!?ちょっ…!?」

 

そう言って鬼戸は左腕を上げる。

そこには銀色に輝く義手の姿があった。その義手を思いっきりあげ、吾の顔へと突き出す鬼戸。

 

吾はそれをすんでのところで回避。パルスィを横に抱き抱え、隣の家の屋根へと飛び乗った。

 

「この”鉄鋼腕”はな。俺の足に従って変形する。こんな風にな。」

 

そう言って鬼戸は鉄鋼腕(てっこうかいな)と呼ぶその義手を上へと上げる。すると、鉄鋼腕はガシャガシャと音を立てて、刀のようになっていった。

 

「電動鋸だとよッ!!」

 

「嘘だろ…ッ!!」

 

轟音を立てて、刃が回る。

鬼戸はそれを使って、足場にしていた住居を切り裂いた。

 

間一髪、吾はパルスィを右手に抱き抱え、なんとか地面に降りた。

 

「血が流れねえ喧嘩なんて、何も壊れねえ喧嘩なんて生温いッ!!朱智よ…。昔の非情さを出してくれよッ!!変わっちまわないでくれよッ!!」

 

「チィィ…ッ!!」

 

無茶苦茶、やたらめったらにそれを振り回す鬼戸。

 

そのせいで近づけない…。刃で受け止めたら、確実に刃こぼれする。

 

「どうするのよッ!!あのやばい奴ッ!!」

 

「…放っておいたら、民家を破壊し尽くすな…。」

 

…これは、気合を入れる必要があるか…。

 

「オラァァッ!!」

 

「アン?…ぐぅぅっ…!!」

 

その時だった。背後から何者かの攻撃を食らった鬼戸が横へと吹き飛んだのだ。…あの巨体をこんなことができる奴は1人しかいない。

 

「イテテテ…!!誰だ、俺の喧嘩の邪魔をする奴はッ!!」

 

「此処は鬼たち蔓延る旧地獄。余所者にゃ暴れて欲しくないものでね。私が相手になってあげるよ。」

 

そう言って臨戦体制を取る勇儀。

 

その勇儀に向かって、鬼戸は走り込み、左手の電動鋸を横一閃に振った。

 

勇儀はそれを屈んで避けると、鬼戸の腹へ拳をねじ込んだ。

 

「ぐおぇぇッ!!」

 

「…。」

 

鬼戸は口から血液と胃液の混じったものを吐き出す。まだ口元から垂れる血液を右手で拭うとニヤリと笑った。

 

「いいもん待ってんじゃあねえかッ!!女ァッ!!」

 

「喧嘩なら私も好きさ。だけどねぇ…。人様に迷惑かけるなら、全力で止めるッ!!」

 

「…これでもかい?」

 

再び、左腕を上へと上げる鬼戸。

すると、またガシャガシャと音を立てて左腕は形を変えた。無数の銃口の見えるそれは”種子島”…いや、シアの持っていたピストールとやらを無数にくっつけたもののように見えた。

 

「馬鹿正直に殴り合うのも良いがッ!!俺ァ勝利が好きなんだよッ!!なんと言われようと、最後に立っていた奴が勝者だッ!!」

 

そう言って左腕の銃口を勇儀へと向ける。

 

鉄鋼腕はグルグルと回り出し、銃口は火を噴いた。

 

勇儀はそれを避けようと走るが、それでも全部を回避しきれず、彼女の肌から血が飛び散った。

 

「ぐっ…知恵が回る。これだから…人間はッ!!」

 

「武人なら卑怯はしねえのか?聖者なら邪悪に落ちねえのか?テメェが相手にしてるのは、人間。邪悪そのものの…人間だッ!!」

 

「うぉぉぉぉッ!!」

 

だったらその理論に乗ってやる。

 

…標的は勇儀だ。奴の鉄鋼腕は勇儀へと向いている。…つまり…。

 

その拳は容易に入った。

鬼戸の頬へとめり込み、そのまま木戸の身体を吹き飛ばしたのだ。

 

「ぐおぉぉぉッ!!ちくしょぉぉぉぉ…ッ!!」

 

そう言いながら倒壊した瓦礫へと突っ込んで行く鬼戸。

…いや、もはやそんなことはどうでも良い。…今のはなんだ…?

 

「…そりゃそうだ。私と三日三晩喧嘩してんだ。…私の拳を受けるたびに、筋肉は弾け、骨は折れ砕け、身体はその度に再生をする。私の力へ耐えるように。」

 

「…へぇ。」

 

…つまり、奴と戦ったときよりも吾の身体は強くなっているということか。もっとたくさん守れるように、もっとたくさん愛せるように…。

 

拳に力を入れれば、いつもよりも張り出た筋肉コブが成長を感じさせる。

 

「…あれ、死んじゃってるんじゃないの?」

 

パルスィが長い目で見て、そういった。

 

「ん?あんなんでくたばるタマじゃないさ。」

 

「ダァァッ!!なにしやがった、朱智ィィッ!!」

 

…ほらな。

瓦礫の山からガサガサと砂埃を上げて現れた鬼戸。すぐに叫び、此方へと近寄ってくるが…。

 

「俺は負けねェ!!もう一度勝負…」

 

そう言って前へと倒れた。




パルスィのツンデレを書きたいんじゃ…。書けてるかね?
では次回。ではでは。

見たいもの、読みたいもの

  • 彼女達とのラブラブ
  • 彼女以外(椛、うどんげなど)との話
  • 紅魔館組との絡み
  • オリキャラバトルか、絡み
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