でも、特別話書けないんだよね。異変編だから。
「…ここは?」
「地下街の八百屋だとか、そんなのがあるところ。アンタの面倒まで見てると、私1人分の食料じゃ足りないのよ。」
…ふむ。なるほど。
アレからほぼ、朝から晩まで勇儀と喧嘩し、3日が過ぎた。霊夢達が全然来ないのだ。いや、来ているが連絡が来ていないという説もある。
「…世話をかける。」
「ほんとよ。全く。さっさと出ていってほしいくらいだわ。」
などと言ってはいるものの、本当に追い出さないのだからパルスィは優しい。そんなことを言えば、激怒してくることだろうから、言いはしないが。
「適当に見繕ってくるから、アンタはついてくるだけで良いわ。ほっといたら、また鬼達と喧嘩でもしそうだもの。そうなったら、もう看病してあげないから。勇儀とのあれだけ、許してるだけだから。」
顔の表情を一切変えず、そう言うパルスィ。
勇儀曰く、これは照れ隠しの一種だとか、本当は優しいだとか。辛辣な言葉しかかけられていないのでよくわからないが。
「…?」
…今、何か…空に見えたような…。
大きな船のような何かが…。
「ぼさっとしてないで。早く来て。」
「あ、あぁ。」
…なんだったんだろうか。
見間違い…にしてははっきりしすぎていたような…。まぁ、パルスィをこれ以上困らせるわけにもいかないため、気には留めないでおこう。
「…アンタさ。…こんなところで止まってて良いの?」
買い物を終えた帰り道。パルスィは少し真剣そうな顔をして、吾に話しかけてきた。
「ダメだろうな。探し人を探さねばならぬし、異変も解決せねばならん。」
「…異変?」
「地上で、間欠泉と共に人魂が溢れ出るという異変があった。それに原因究明に博麗の巫女らが来るはずなのだが…。」
…一向に連絡がこない。連絡する手段があるかもわからぬが、兎に角、来たら来たで何かしらの騒ぎになっているはずだ。
「…見捨てられたんじゃないの?」
「…何?」
「だから、アンタも私と一緒で裏切られて見捨てられたんじゃないのって。…地底は旧地獄。常人なら一日ともたない場所。…死んでもわからな…ッ!?」
…咄嗟に刀を抜いて、パルスィの首元へと刃を近づけた。
見捨てられた…?ふざけるな。あの子らが…あの方が…そんなことをするわけがないッ!!
「過ぎた冗談だな…。次は首がなくなるぞ。」
「…っ。…悪かった…わよ…。」
バサリと買い物袋が下へと落ちる。
パルスィの頬からたらりと冷や汗のようなものが垂れた。
「…いや、吾も悪い。…こんなこと、恩人にすることでは無かろう。」
ゆっくりと納刀する。
やりかねなかった。そう、先の吾なら…やりかねなかったのだ。無差別な殺しを怖がるようになるとは…アイツが聞いたら笑うだろう。
「…帰るわよ。」
「あぁ。」
何処となく気まずい雰囲気が漂う。当たり前だ。方や殺されかけ、もう方や殺しかけたのだから。殺意、敵意などお互い発しておらぬに。
「…?」
「…気づいた?」
「あぁ。」
…何か来るな。さっきのアレで気づかなかったが、誰かが前から走ってくる…!?
「…えっ。」
「ふんッ!!」
咄嗟に吾は刀を振るってガードする。
…パルスィを守るためだ。目の前の男はニヤリと笑って後ろへと下がった。
「…まさか、貴様が生きているとはな。…鬼戸。」
間違いない。この男は鬼戸桃寿郎だ。
太刀筋と豪快な一撃。今の一振りで右腕がイカれかけた。
「流石だな。朱智愈咫郎。」
鬼戸は此方を見てニヤリと笑った。
つい先日の戦い。奴は極光に巻き込まれたが、その身体は何処にもなかった。…まさかとは思ったが、生きていたとは。
しかし、奴も五体満足ではない。
右目から首にかけて、生々しい火傷の痕があったのだ。
「ここは、良いなぁッ!!いい喧嘩で満ちてる。俺はこういう楽園を待っていたッ!!」
「…鬼戸、今はやり合う気はない。」
「あぁ?…貴様の気など知るか。俺はあの時死んだ。だが、蘇ったんだよ。…腐れ河童にこんなもんつけられてなぁッ!!」
「マズイッ!!」
「えっ!?ちょっ…!?」
そう言って鬼戸は左腕を上げる。
そこには銀色に輝く義手の姿があった。その義手を思いっきりあげ、吾の顔へと突き出す鬼戸。
吾はそれをすんでのところで回避。パルスィを横に抱き抱え、隣の家の屋根へと飛び乗った。
「この”鉄鋼腕”はな。俺の足に従って変形する。こんな風にな。」
そう言って鬼戸は
「電動鋸だとよッ!!」
「嘘だろ…ッ!!」
轟音を立てて、刃が回る。
鬼戸はそれを使って、足場にしていた住居を切り裂いた。
間一髪、吾はパルスィを右手に抱き抱え、なんとか地面に降りた。
「血が流れねえ喧嘩なんて、何も壊れねえ喧嘩なんて生温いッ!!朱智よ…。昔の非情さを出してくれよッ!!変わっちまわないでくれよッ!!」
「チィィ…ッ!!」
無茶苦茶、やたらめったらにそれを振り回す鬼戸。
そのせいで近づけない…。刃で受け止めたら、確実に刃こぼれする。
「どうするのよッ!!あのやばい奴ッ!!」
「…放っておいたら、民家を破壊し尽くすな…。」
…これは、気合を入れる必要があるか…。
「オラァァッ!!」
「アン?…ぐぅぅっ…!!」
その時だった。背後から何者かの攻撃を食らった鬼戸が横へと吹き飛んだのだ。…あの巨体をこんなことができる奴は1人しかいない。
「イテテテ…!!誰だ、俺の喧嘩の邪魔をする奴はッ!!」
「此処は鬼たち蔓延る旧地獄。余所者にゃ暴れて欲しくないものでね。私が相手になってあげるよ。」
そう言って臨戦体制を取る勇儀。
その勇儀に向かって、鬼戸は走り込み、左手の電動鋸を横一閃に振った。
勇儀はそれを屈んで避けると、鬼戸の腹へ拳をねじ込んだ。
「ぐおぇぇッ!!」
「…。」
鬼戸は口から血液と胃液の混じったものを吐き出す。まだ口元から垂れる血液を右手で拭うとニヤリと笑った。
「いいもん待ってんじゃあねえかッ!!女ァッ!!」
「喧嘩なら私も好きさ。だけどねぇ…。人様に迷惑かけるなら、全力で止めるッ!!」
「…これでもかい?」
再び、左腕を上へと上げる鬼戸。
すると、またガシャガシャと音を立てて左腕は形を変えた。無数の銃口の見えるそれは”種子島”…いや、シアの持っていたピストールとやらを無数にくっつけたもののように見えた。
「馬鹿正直に殴り合うのも良いがッ!!俺ァ勝利が好きなんだよッ!!なんと言われようと、最後に立っていた奴が勝者だッ!!」
そう言って左腕の銃口を勇儀へと向ける。
鉄鋼腕はグルグルと回り出し、銃口は火を噴いた。
勇儀はそれを避けようと走るが、それでも全部を回避しきれず、彼女の肌から血が飛び散った。
「ぐっ…知恵が回る。これだから…人間はッ!!」
「武人なら卑怯はしねえのか?聖者なら邪悪に落ちねえのか?テメェが相手にしてるのは、人間。邪悪そのものの…人間だッ!!」
「うぉぉぉぉッ!!」
だったらその理論に乗ってやる。
…標的は勇儀だ。奴の鉄鋼腕は勇儀へと向いている。…つまり…。
その拳は容易に入った。
鬼戸の頬へとめり込み、そのまま木戸の身体を吹き飛ばしたのだ。
「ぐおぉぉぉッ!!ちくしょぉぉぉぉ…ッ!!」
そう言いながら倒壊した瓦礫へと突っ込んで行く鬼戸。
…いや、もはやそんなことはどうでも良い。…今のはなんだ…?
「…そりゃそうだ。私と三日三晩喧嘩してんだ。…私の拳を受けるたびに、筋肉は弾け、骨は折れ砕け、身体はその度に再生をする。私の力へ耐えるように。」
「…へぇ。」
…つまり、奴と戦ったときよりも吾の身体は強くなっているということか。もっとたくさん守れるように、もっとたくさん愛せるように…。
拳に力を入れれば、いつもよりも張り出た筋肉コブが成長を感じさせる。
「…あれ、死んじゃってるんじゃないの?」
パルスィが長い目で見て、そういった。
「ん?あんなんでくたばるタマじゃないさ。」
「ダァァッ!!なにしやがった、朱智ィィッ!!」
…ほらな。
瓦礫の山からガサガサと砂埃を上げて現れた鬼戸。すぐに叫び、此方へと近寄ってくるが…。
「俺は負けねェ!!もう一度勝負…」
そう言って前へと倒れた。
パルスィのツンデレを書きたいんじゃ…。書けてるかね?
では次回。ではでは。
見たいもの、読みたいもの
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紅魔館組との絡み
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オリキャラバトルか、絡み