ヤンデレ化するオペレーターを選択肢で回避してハーレムを作る 作:黒縫
9/13は日間ランキング29位に入ることもできました。ありがたいことこの上ないです。
では、本編をどうぞ。
覚悟を決めたように真剣な顔をして、彼女は話を切り出す。もう、涙は流れてはなかった。
「私に…ドクターとの子供を作ってほしい」
予想通りの台詞に私は息を呑む。
たとえ、今からどんなに頼みこまれても否定しなければならない。
私はその台詞は聞きたくなんてなかった。
「…………。駄目だ。それは許されないことぐらいマドロック、君だってわからないことじゃないだろう…。」
抱きしめられていた腕から力が抜かれ、私の体は重力に従うように地面にゆっくりと仰向けに倒れてしまう。
覗き込むように彼女の顔を見ると、酷く悲しそうな顔で俯いている。ここからでは彼女の辛そうな顔がよく見えてしまった。
泣き腫らしたあとの赤い瞼、眉をひそめて舌唇を噛むように。
「私達のエゴで産み落として絶望へと貶めるのか…?」
彼女が子供を作ることを諦めさせるために強く言う。はたしてこれで諦めさせることができるか、また私の命を消費するのが先か。
分からない。ただ、私達二人の間で勝手なエゴを突き通すと悲しむ者がいる。
それはマドロック…、君だって含まれているんだよ…。
生まれた子供は短命で、ふとした拍子で割れるガラス細工のような存在を育てていく。
その過程で子が亡くなってしまったとき君は必ず自分を責めるだろう。または鉱石病感染者の君の容態が悪化し亡くなってしまったら?
次は年端もいかない子供を独りにさせる気だろうか。
それだけは嫌だ。……、私には分かる。
記憶喪失だからこそ、味わった。
愛してくれた人を失うのが辛い。
そしてその愛してくれた人が記憶から消えてしまうというのは何よりも怖い。
独りは海のように楽しいことと安心感を底に呑み込んでしまう。
いまでもまた記憶と共に誰かを失うのではと思うと耐えきれなくなって蹲るときがあった。
身近にいるロスモンティスと対面して話しているときに、忘れたことも忘れた彼女を見ると自分もそうなるんじゃないかと不安と焦燥感で胃に穴が空いたときもあった。心は常に独り。
今も感覚が薄れてきていることだって、怖いのに。
それを自分の子供に経験させるのは駄目だ。
失うことの辛さを子供に教えるのは親の仕事じゃない。
「だから、駄目だ。私は…、君のことを愛していても体を触れ合わせることはしない。」
―――――――――――――――――――――――――――――
マドロック視点
彼は私の願いを否定する。
実のところ、彼の言いたいことぐらい分かっている。
私のことを考慮した上だろう。
いつも彼はそうだった。
しかし、いまはそれが胸を締め付けて仕方ない。
刃物を突きつけられたような鋭さと痛みが襲う。
愛していると言葉にしてくれたから余計にだ。
なぜ、相思相愛なのに報われない?結ばれない?
「………、本当に駄目なのか…?」
もう一度確認を取る。
「あぁ、駄目だ。」
すぐに答えが返ってくる。
…………。
色々と考えた。色々と否定して、どうすればいいか迷った。もう、彼からの完全な拒絶からどうやったって私の願いを聞き届けてくれることはないだろう。
もう時間もない。
あとは彼の命が消えていくのを待つのみ。
仰向けになってる彼の手を握りしめて気を紛らわせる。冷たくて、力が入ってない手が現実を突きつけてくる。
これでいいんだ…。これで…。
……………………。
「無理だ…!」
俯いていた状態で声を荒げてしまった。しかし、その言葉は私の気持ちを抑えていた枷を壊す。
急な叫びにビックリしたのか彼は目を見開き、驚いていた。
「ドクター…!無理だ…!たとえエゴだろうと私はあなたの子がほしい…!」
それを聞いた彼は口を動かそうとするがその前に私は口づけをした。
こうすれば彼を強制的に黙らせることができる。
まぁ…理由は後付けで本当はしたいだけなのだが。
彼の口内に舌を入れて味わう。カサカサと乾ききっており、それを潤すためにスミからスミまで舌裏をなぞるように絡ませていく。
少し甘いような酸っぱい何とも言えない味。
息が吸えないからかどんどん苦しくなるが、その苦しさまで彼がいるから嬉しさに変わっていく。
ひたすら口内を蹂躙して離れる。
舌を抜いたとき彼の舌と私の舌で糸が引いていた。
「……はぁっ…!」
息が持たない彼は胸を上下させて肺に酸素を送ろうとしている。
身体は生きたいと呼吸をしているのに、救うための処置ができない。
「ドクター、私はあなたの意識が止まったときすぐに追いかける。一緒に死ねれば今感じてる喪失感と焦燥感、恐怖だって怖くない。」
そのことを聞いたドクターは苦しそうな顔と驚きの表情で染まった。
「子供の為だとか、感染者とか…。その余計なお世話の中には私の為だとかも入ってるだろう…?」
静かにドクターは私の見つめる。
「舐めすぎだ。いい加減にしてほしい。」
言いたいことを一方的に話す。また、喋ろうとするならキスでもして黙らせてやる。
色んなことが頭の中で巡り、このような状況になってしまったことに申し訳なさと後悔はあるけれど、これだけは話さないといけないと思った。
「私にはあなただけなんだ。それを分かっているのか…?自分だけ死んで丸く収まると思うのか?私はすぐにでも追いかける。代用なんて利かない。たとえ子供ができても私はあなたのことが一番なんだ…。」
ドクター、これは脅迫だ。
「もし、私のことを死なせたくないのなら子を成してほしい。そうすれば、私は嫌でも死ねなくなる。愛しい人からの授かりものだ。それを捨てることはできない。だから…、私の為だとか思うなら私のことを思ってほしい。」
ドクターの目が開かれた。その様子を見た私は彼の胸元に額を押し付けて続きを話す。誘導尋問のようにたった一つの選択肢を押し付けるが如く。
「感染者の子供が短命なら、治療するための未来を私が切り開けばいい。私が子供を独り残して消えてしまうなら、その分まで愛情を注げばいい。ロドスの皆を頼ってもあの人達は、嫌な顔一つせずに甲斐甲斐しく承ってくれる。ドクター、あなたも知ってるだろう…?」
嗚咽が聞こえた。
顔を上げて彼を見ると彼の目元から涙がでている。
「だから…、一人だけで思い詰めないでくれ…。あなたの周りはそんなに頼りないか…?粒だった希望を叶えることさえ諦めてしまうほど私はあなたを蝕む存在なのか…?」
彼の頬にポタッポタッと私の涙が落ちる。
彼が流す涙と私の涙が重なるほど溢れ出てくる。
そして、最後の最後、私はお願いを彼に言う。
「ドクター、私と子供を作ろう。あなたの不安をすべて私が包み込む。あなたの一抹の不安さえ残さない。」
―――――――――――――――――――――――――――――
ドクター視点
彼女は私を奮い立たせる。死ぬ直前は心が病んでしまうのだな…。案外、私はAceやScoutのように潔く格好良くは死ねないらしい。彼女に背中を押されて今やっと覚悟ができた。心は独りではないことを教わる。
自然と涙を流していた。
「……、たとえ…それが望まぬ結果になろうと…?」
マドロックに質問をする。
言葉にする分には構わない。しかし、それを実行し叶えるとなると話は変わる。
彼女が言うには、それ(鉱石病解析)自体は大前提の話。
それが、もし、出来ずに終わったら…?
実際、私が人生を賭してやってきたが結果がこんなとこで野垂れ死にだ。私と同じ道を行くというのはそういうことだ。質問せずにはいられない。
マドロックは涙を流しながら、そのハイライトのない目で私を見据え
「あぁ、それが望まぬ結果になろうと必ず…悔恨さえ残さない。」
それを聞いて安心した。涙は止まる。
いつまでもこんな辛気臭い状態じゃ、彼女に未来を託すことはできないよな。
「ありがとう…、私も覚悟は決まった…。やろう、私の心臓が止まる前に。」
できるだけ、笑顔を見せた。勿論、見栄を張ってるだけだ。怖いなんて彼女に悟らせるわけにはいけない。
「我儘を聞いてくれてありがとう…ドクター」
そう言いながら彼女は私の首元を跡をつける。
数十秒彼女は首元でキスマークをつけて、満足したのか私の衣服を脱がし始めた。
脱がし終えると次に彼女は、自身の服を脱ぎ始める。
まずは上半身のタンクトップを脱ぐ。
下には黒のレースの入ったブラ。彼女の純白と言っても過言ではないほど色白で綺麗な肌を強調させる。
腕を後ろに回してホックを外す。肩の紐をスルリと肩から取り、その中につまっていたモノが見える。
大きくハリがある乳房はたっぷりと豊かさと柔らかさを湛えて、薄桃色の乳輪を頂点に挑発的にツンと前にせり出している。
しかし、それを彼女は恥ずかしそうに隠して
「あ、あまり見ないでほしい…///」
と片手で隠している。チラチラと見え隠れする乳輪。豊満な肉体美に、くびれた腰。お腹には鉱石が数か所見えるが、それ以上に彼女のキュッと引き締まりつつも魅惑的な肉付きを誇る形良いヒップに目が言ってしまう。
見ていてとても扇情的な気持ちになる。今すぐにでも彼女に触れ合いたいと洗脳させられている気がするのは彼女の魅力に陶酔しているからだった。
私が熱を持った視線を向けるため彼女は恥ずかしげに脱ぎ、終えた。
「じ、じゃあ…始めるぞ…。」ハムッ
血流の集まったペニスは硬く反り返り、それを彼女は片手で包み込み、顔にかかる白髪の綺麗な髪を耳にかけ、自身の口腔内に含む。
生暖かい体温と刺激的な感覚が下半身に伝わり、思わず吐息が出てしまう。
しかし、彼女はやめることなく悪戯をするに舌で尿道口をチロチロと刺激する。
口の奥へ入れるが彼女の口は小さいため必然的に全部は収まらない。
彼女は口いっぱいで息ができないのにも関わらず、私の肉棒を喉奥に入れ込む。
「うっ…おぇッ…」
いわゆるイラマチオ、私の為に無理して気持ちよくさせようとする健気さと慣れないからか少し歯が当たるところが、むしろ心がじんわりと満たされると同時に快感が脳内を襲う。
甘くて耐え難い刺激の中で、奥からどんどんせり上がってきた。
「げほっ…、そろそろ出そうだ…♡思いっきり出してくれ…♡口の中でな♡」
「いッ…クッぅ…!!」
そうマドロックは射精を促すように私に甘く囁いてくる。それを聞いた瞬間、我慢などできず、彼女の口腔で射精をしてしまった。
十数秒に渡る射精と愛しいように口元でそれを受け止める顔は背徳的で彼女を汚してるようで気持ちが良かった。
直後、行為が終わり射精したことによって脱力感と充足感が襲う。
しかし、すぐに私の肉棒はまた硬くバベルのように反り立ってしまった。
なぜか…?それは目の前の光景に欲情してしまったからだ。
目の前にいる彼女は口元に多くて溢れ出そうなほどの白い精液をこちらに見せてつけ口角を上げ笑っている。
そして、その精液を口の中で味わうように舌で転がし、口を閉じてモゴモゴとうがいをするようなしぐさ。
「んっ…♡くちゅ…♡はぁッ…♡んぐっ…♡ハァァっっ…♡」ゴクリ
じっくり口の中で確かめたあと満足したのか、それを飲み込んでいた。飲み込む際、喉元が動く様子を見え気持ちが高ぶる。
こんなときに体が自由に動けていればッ…!と彼女を押し倒して欲望通りに求めることができないことに悔しく思った。
それを見せていたマドロックはニヤッと、『分かってるから』とでも言いたげな顔をしてこちらを見ている。
「そんな、物欲しそうな顔を見せていたら襲ってしまいたくなる…ドクター♡」
彼女も先程のイラマチオのせいで興奮し、はぁ…♡はぁッ…♡と吐息を漏らしながら犬の発情のように遠いが目でも見えるほど彼女の股下は自身から出てくる愛液で濡れていた。
仰向けの状態の私に馬乗りするよう跨り、彼女と私の性器が当たる。
熱いほど準備万端な彼女のヴァギナは濡れて、少し押し付けるだけで入りそうなほど触れ合っていた。
マドロックは甘い声で
「ドクター♡好きだ♡」
と言葉にしたのを皮切りに私の肉棒を彼女の肉壺をに突き入れた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
快楽のせいで瞬間、脳内と景色がブラックアウトする。言葉にならないほどの快感と感動は、今まで生きていた中でここまでの経験は初めてだった。
下手に動けば、あっという間に射精してしまいそうな膣穴の極上の感触。
かといって、私が動かずとも熱くぬめる膣壁は内観の表面をグニュグニュと撫で擦っており、私の我慢を快楽で蕩かそうと甘やかに攻め続けている。
そんなことを思っている側でマドロックは海老のように体を反らせ顔は天井を見上げて快感に打ち震えていた。
ヴァギナをみるとそこには破瓜したときに出てしまう血がついており、初めては私だと思うと彼女に対して愛おしさと独占欲が湧いてきた。
はやく彼女を味わいたい。早く彼女の顔を見るに耐えないほど蕩かしたいと心の底から欲が出てくる。
「はぁッ…♡はぁッ…♡はぁッ…♡!!」
そして、そこからは自然と流れるようにお互いの体を求め合い貪った。
体の動かない私を馬乗りしているマドロックが腰を激しく打ち付けピストンをする。
釘を打つように強く、そして彼女が気持ちいいと満足するほど激しく。
動くたびに膣壁に擦られタコの触手のように一つ一つが動き出しているように感じた。熱く彼女の中をかき回すように肉棒の亀頭のカリはひたすらグチュグチュと膣壁をねちっこく掻いていたのであった。
パンッ…!パンッ…!というピストンするときに肌が強く触れて出る音だけが廃墟内で木霊している。
「好きだッ♡すき♡しゅき…♡あぁ"…♡」
その人間の理性あるセックスではなく獣のような交尾を十数分耐え忍び、射精しようと奥からせり上がってくる。言葉で会話はしない。
それを彼女はそれをいち早く気づき、膣、奥深くにある子宮口に押し当てる。急に当ててしまったため、勢いがついたまま子宮口にめりこんでしまうほど突き立ててしまい、彼女の口から日頃の様子では想像つかないほど野生的な吐息が漏れ出る。
「おっッ…♡」
そして子宮内に私は勢いよく射精した。
子宮口に0距離射撃。
ドクドクと始め出したときより長い時間の射精。
彼女を確実に孕ませると言わんばかりに押し当てた。
射精後、ようやく止まる。
そして、接合していた部分は外れ彼女は、そのまま後ろに倒れた。
見ると、汗ばんだ彼女の裸体と仰向けに息を整えようと肺が動き上下に動く乳房。
ヴァギナからは先程彼女を孕ませるために出した精液が溢れかえりドロっとでていた。
その様子を見た私は、優秀な種(雌)を屈服させた征服感と汚したことにより彼女を私のものにした独占欲で心の中は満たされていた。
そしてその満足感とともに私の一生は終えることとなった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【You are dead.Please wait for another life.】
―――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――
マドロック視点
好き…好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き…!!
大好き…。愛してる…、アイシテル。
処理できないほどの脳内に快楽物質が流れ、気づいた頃には行為は終わっていた。
いつの間にか仰向けで天井を見上げていた。
下腹部に熱くて何かがあると違和感がある。
だが違和感を毛嫌いするはずなのにこれに関しては心からギュッ…と締め付けられる幸せが襲っている。これ以上の幸せは今までに味わったことがなかった。
はァ…はァ…と息を整えるために肺が上下に動く。
ふとドクターの方を見る。
彼は動かない。
彼の近寄り、手を握る。
目を開いたまま、彼は動かない。
キスをして驚かそうとする。
はじめから中身のない人形のように、彼は動かない。
彼の心臓に耳を当てる。
彼の鼓動は止まっていた。
体が一気にサァ…と血の気が引く感覚を覚えた。
分かっていたが事実を受け入れたくない。
目の前が曇って見えなくなる。
こすってもこすってもそれは治らない。
代わりに擦った手は濡れていた。
「あぁ"ぁ"…ぅう"…ぁぁ…」ポロポロ
私は泣いた。
彼の頬に涙が流れ落ちて、伝って落ちる。
瞬間、廃墟外でプロペラの空気をさく騒音が私の泣き声をかき消した。
このあとの記憶なんてない。
―――――――――――――――――――――――――――――
数カ月後 ロドスアイランド医務室
「あともう少ししたら出産する時期に入りますね」
と目の前の彼女は聴診器を片手に話す。
彼女はライン生命所属、そしてロドスの中で数少ない医療を任されている人物。見た目を一言で言うなら梟だ。オペレーターネーム通り静寂を好んでおり、よく元気のいい炎を操る少女と絡んでいる。
(バーベキュー少女はいないみたいだな)
そんな彼女は、私のお腹を心配して触診などしてもらっていた。
聴診器を外して、近くにある用紙にカリカリと何かを記入する。
そして、私の方に向き直り柔らかな笑みを浮かべながら私のお腹に手を当て
「ここまで大きく育つことは、感染者として奇跡です。殆どが流産や受精せず子供ができること自体、凄いことなのに…。きっとドクターが見守ってくれているのでしょう。」
そう話す彼女の目にハイライトがないのは分かっている。彼女もドクターのことが………。
いや、何も考えるな。そんなのここにいたロドスの仲間は皆彼のことを慕っていたんだ。
ただ、私が選ばれただけで彼女の立場は私もそうなる可能性だってあったんだ。
だから、何も考えるな。
「では、また次もおこしください。」
診断も終わって彼女は、退出を促す。
それに従って、医務室を出る。
自動ドアが閉まるその瞬間、小さくその言葉は聞こえた。
『本来なら私の子供なのに』と。
―――――――――――――――――――――――――――――
ドクターの執務室前のロドスの通路にて
私はドクターの遺品が残った彼の執務室に行くのが日課になっている。しかし、その都度すれ違うオペレーターからは批難の目を向けられ、裏でコソコソと私に対して話していた。
『なんで…彼女なの…』
『私のドクターなのに』
『そのお腹の子供は、本来なら私の子供になるはずなのに…』
『ヤッて子供だけでも奪おうかしら…』
あの日を境にすべてが変わった。
信頼していたロドスのオペレーター達が私に嫌悪感を抱いて、話しても業務的な会話しか返してくれず。
日を追うごとに大きくなっていくお腹と彼女らの憎悪。
愛している人を奪われた嫉妬となぜ助けられなかったのかと責任を問う鋭い眼光は私の心を削っていった。
通路を抜けてドクターの執務室前に立つ。
自動ドアが開き中の様子がわかる。
そこには荒らされたように家具などは粉々、書類は地面に散らばっていた。壁紙はボロボロで剥がれそうな箇所がいくつかあった。
なぜこうなったかは、2ヶ月前。
アーミヤはドクターの後釜としてレユニオンの抗争のための指揮を任されるようになった。
しかし、彼女自身も多忙の身。すぐにボロが出るのは火を見るより明らかだった。
失敗と多くの犠牲、ロドスのオペレーター達はストライキを起こし、ドクターの執務室をアーミヤが使っていたためそのまま巻き込まれ、現状だ。
ドクターの意志を繋ぐ者とストライキをする者の派閥に分かれ、その時の暴動は収まったがアーミヤは心労と責任に耐えきれず体を壊し、今では精神も病んでドクターの幻覚を見て病室で独り会話している。
そんな様子ではついていく者も少なく今では多くのオペレーター達が辞めていった。殉職も然り、今では200人もいるのだろうか。
そんな場所で私はいつかの彼の執務作業姿を思い出して、心が折れないようにしているのだ。
「ドクター…」
―――――――――――――――――――――――――――――
ロドスアイランド お手洗いにて
鏡の割れたお手洗いの洗面台に吐いてしまう。
つわりだろう。常に吐き気があり胃や胸のむかつきがとれない。
「お"ぇ…。んっ…ぶっ"ぇぇ…。」
嘔吐したソレを片付けるために蛇口をひねり水を出す。ついでに自分の顔を洗うために手に水をためてバシャッバシャッと洗う。
見上げたときに鏡に写った私は滴れた水と共に涙を流していた。
酷い顔をしており、少しクマができていた。
食事も上手く取れないせいかこけた頬。
限界に近い状態だった。
誰も頼れない環境で誰に寄りかかることもできない。
それがどれだけキツイことかあのときの私はわからなかった。
そして今涙を腕で拭いもう一度心に喝を入れるために言葉にする。
「守ってみせるから…ドクター…。」
どうでしたでしょうか。つわりマドロックすきぃ。ただの趣味で話をこじらせたなと少し後悔してます。8000文字超えだから、疲れた…。感想待ってます。またね。
次回が終わってからのキャラ候補
-
ホルン
-
リィン
-
ケオベ
-
シュウ