※この作品はR-18です。

ヤンデレ化するオペレーターを選択肢で回避してハーレムを作る   作:黒縫

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黒縫です。マドロック編完結です。
マドロックに関してはもう救われる未来が見えないんですよね。
なので、静かにお別れをです。


マドロックは守りたい(A√後編)完結

私は瞬きをする。 

 

1でスカジの剣が奇形種の体毛が生えている身体に食い込み、そのまま極東にある豆腐のようにいとも容易く真っ二つになる。

それに気づかないのか斬られた胴と泣き別れ状態の犬の叫び声が地面に広がった直後でも聞こえてくる。

 

2はブレイズのチェンソーが轟音と彼女の熱を巻き込みながら奇形種の脳天に触れる。触れたそばから皮膚をその刺々しい刃先に絡んで骨ごとグシャと音を出す。

そのまま一直線、内臓と体の表面が裏返りそうな目も当てられないほどの死骸が完成していた。

 

3になるころにはマドロックの手に持った鎚が奇形種の胴体を捉え振りかざす。空中で飛躍し攻撃を仕掛けた犬はまだ幸運で、一発で脳震盪を起こしているのか地面に倒れたときには痙攣し数秒後に動きが止まる。

しかし、彼女が犬に対して地面ごと鎚を振りかぶったとき、大きな粉塵音が周りを響かせる。

地面と鎚の間にいた犬は潰され骨も抵抗なく触れている部分が見事陥没していた。

 

 

 

それが3回、瞬きをした間の話。

私は奇形種の相手することさえなく、その地獄の拷問のような悲惨な光景を見ていることしかできなかった。

 

 

 

 

後のことは容易に想像つくように、一言で『蹂躙』という言葉が似合うほど広大な砂漠に死骸の山が出来ていた。

隣で立ち尽くす返り血でその身を真っ赤に染めたブレイズは、まるでスポットライトを浴びるスターのように妖しい雰囲気を身にまとっている。

 

「あはは、楽しい一時だったね。」バシャバシャ

 

戦闘狂のブレイズは私達の飲水をまた頭から被り血を流している。まだ熱が籠もっているのかシューシューと彼女に触れた水は蒸気となっている。

 

「先走りすぎよ。ドクター、彼女は2日もこの状態で戦闘していたのよ。私ですらドン引きしてしまうほど。」

 

バウンティハンターとして怪異的な生き物を始末することは慣れている様子のスカジは返り血は少なく、軽く手のひらに水を出して顔を洗っていた。

 

「2日もか?…今までどこにいたんだ…?」

 

私はスカジが喋ったことに疑問を感じて問いかける。

ブレイズがゆっくりと口を開いてはなしてくれた。

 

「実はね――――――――――――――」

 

 

彼女が話したことはこうだ。

あのときの天災により遭難してしまったスカジとブレイズ達もまた広大な砂漠に居たらしくそこからはロドスに戻るために、バウンティハンター時代のスカジが以前通ったことのある土地だったため、土地勘を働かせ歩き進めていたという。

 

目的のロドスには到着することはでき、私とマドロックの捜索のために部隊を作り、今もここ以外でドローンを駆使しながら私を探しているとのこと。

しかし、何故ブレイズ達は一足先に私達の居場所に気づき発見できたのかという疑問が残る。

それをまた問いかけると

 

「「愛の力」」

 

と二人が意味不明なことを言ったので隣にいたマドロックから私はどつかれた。

 

痛い…、何で叩くの…。

 

「なんて冗談で、スカジが君たちの居そうな場所をピックアップしたんだよ。ここには砂漠なのに湖があったでしょ?少なくとも生存率が高い場所から探せば君達が流れ着いてると読んでいたんだ。」

 

「なるほど…。」 

 

 

「そうと決めたらブレイズは単独行動したのよ。私は発案者だったから彼女についてきたのだけれど、それまでの道中に、この土地特有の生体がいたの。」

 

この土地特有ってことは鉱石病感染体だろうか。

普通の個体種より身体能力が異常に段違いの奇形種。

 

「ここの砂漠には一部地域に鉱石が粉末状になって霧散している場所があるのよ。そこを通った生き物は例外なく鉱石病となる。」

 

私は納得した。確かに自発的に鉱石のある場所に行こうとする生物はいない。しかし、大気中に鉱石病が空気感染するとしたら?それは避けようがない。

 

「道中、私とブレイズはその奇形種と2日間戦い続けたわ。」

 

「私は早くドクターに会いたい一心で戦っていたんだけどね。ちょっと邪魔が多くてさ。久しぶりに頑張ったんだよ。」

 

そう気恥ずかしいことを淡々と語るブレイズの瞳にハイライトは灯っておらず、覗けば引き込まれそうなほど錯覚してしまいそうだった。

私はそれを気づかないふりをして会話を続ける。

 

「ありがとうね、助かったよ。」

 

「んー、私としては感謝は言葉だけじゃなくて行動で表して欲しいんだけどな〜。ね?」チラッ

 

ブレイズは依然として、その瞳で私を見る。体を私の胸元に押し付けてフェリーン族特有の耳が顔に当たるほど近づいてソワソワとしている。

私は、彼女のしてほしいことがわかってしまったのでその髪を優しく指を通しながら撫でる。

すると

 

「ぅぁ…///」

 

と普段出さない艶っぽい声を目を細めながら言ってくるものだから私は恥ずかしさと労うためだと自制心を強くして必死に撫でる手を止めないようにした。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

マドロック視点

 

目の前でドクターがブレイズに労いのために頭を撫でている。恍惚とした表情をしているブレイズのよそで、スカジは恨みがましく眉をひそめている。

多分、私も彼女と同様に酷い顔をしているだろう。

 

だって、今、物凄く怒りがこみ上げてきているのだから。

 

彼女を撫でているドクターを見ると奪われた喪失感と満更でもなさそうな表情に憤り、早く私のもとに手に入れなきゃと焦燥感が心で混濁している。

嫉妬心だと自身でもわかっているのだが、それを自分で止めることなんてできない。

ふと、ブレイズがこちらを見て勝ち誇ったような顔を浮かべた。ふっ…と鼻で笑うように私達を嘲るように。

正直、目の前にいるブレイズの首を絞めてやりたいぐらい憎らしく、何より羨ましかった。

 

なぜって…そこは…、私の場所なんだから。

 

でもドクターが見ているところじゃ何もできない。

身内喧嘩をしたとなるとドクターは悲しむだろう。

常にオペレーターの皆のことを考えているぐらいだ、サリアとサイレンスが喧嘩しているときだってあの炎の少女と一緒にオロオロして喧嘩を止めに行っていたことだって知ってる。

仲の悪いチェンとスワイヤーを取り持っているホシグマの負担を減らすためにできるだけドクターが当たって砕けてる場面を何度も見てきたことか。

 

優しいドクターを失望させたくない、それは隣にいたスカジも同じで、それを分かって意図的に煽るブレイズはほくそ笑んでいる。

 

私はただ、その様子を恨みが増しく見ていることしかできなかった。

気づいた頃には上空からヘリのプロペラ音が風圧とともに私達の耳元を煩く響かせていた。

 

『ドクター!ご無事ですか!?』

 

ロドスのCEOはその長い耳と体をドアを乗り出しながら彼のみを案じている。

 

その後のことは目を瞑り、開いたときには懐かしい場所へと帰り着いていた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

ブレイズ視点

 

「ぅぁ…///」

 

ドクターの大きくゴツゴツとした手が私の頭に触れる。彼の撫で方は手櫛のように指の腹の部分で髪を解くように優しく撫でる。

温かくて硬いのかと思いきや柔らかくて触れているだけで心の奥底でポカポカと全身が戦闘中の発火作用より熱くなった。

少し体に力が抜けて彼に持たれかかり触れてる面だけジンワリと汗ばんで股下も湿っているのかキュンキュンする。

お酒より血に酔ってしまうこの私が、彼に酔ってしまっているようだ。

けれど、この感覚は嫌ではなくむしろ気持ちが良い。蕩けてしまうほど意識が段々酩酊状態のボヤケていくように。

だが、そんな状態もすぐに収まった。

なぜか?それは隣から殺意を持った視線で見てくる下賤な奴らに不快感を抱いたから。

 

あぁ…、そういえば…。

 

ふと近くの殺意丸出しの2つの気配に意識を向ける。眉をひそめてこちらを睨むドクターの鬱陶しい蝿のような存在。

彼女達は私が今されている行為に羨望の目で見てきて滑稽に思えた。

 

「ふっ…」

 

と彼女らに優越感に浸っていたところを邪魔された仕返しとして煽るように鼻で笑う。

また一段と眉をひそめて片手には各自得物を強く握りしめてその手のひらから血管が浮かんでいた。

私は手も出せない彼女らを尻目に彼の胸元で頬ずりをする。

これは私がフェリーンとしてのせいなのか分からないけど無性に撫でられている際、彼の温度に触れたくなった。あとマーキング。

私だけのもの、それを他のメス共から差別化するために私の匂いをつける。

 

よし…、これでしばらくは他のメスに牽制できるね。

 

幸せな時間が数分程度たったとき、天空からプロペラが空気を裂く音が聞こえた。

見てみるとロドスの子猫ちゃんが『ドクター!ご無事ですか!?』と私のモノに心配の言葉を投げかけながらその半身を乗り出してヘリが着陸するために操縦者に誘導している。

アーミヤがドクターの方を見たとき私もチラッと横目で見たと思うんだけど、一瞬ハイライトが聞こえたのは瞳にうつった光の反射のせいだったのか。

 

やっぱり、ドクターの周りには敵が多くて困るね…。

 

と私は救助されるまでの間、彼にしがみついていた。勿論、彼女達に取られないために。

 

でも…例えアーミヤでも負けないから…ね?

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

ロドスアイランド 帰還から数日後

 

ドクター視点

 

あの日、帰還できた夜にケルシーから説教を食らった。まぁ、ロドスの幹部である自分が任務中に死にかけているんだ。顔が立たないんだろう。

それを察して口にしたら、もっと怒られてそれを知ったアーミヤも涙しながら怒っていたのは何故だろうか…。

 

その後も色んなオペレーター達に心配して涙を流していた仲間も、無言で横腹を殴ってくる子もいた。

ケオベに関しては上半身にしがみつかれて2時間ずっと離れなかったのは苦労した。

ヴァルカンが迎えに来て剥がそうとしたけど

 

「おいら、ドクターとお仕事するもん!」

 

とイヤイヤ期の子供みたいにただこねていたなぁ…。ラヴァが持ってきた蜂蜜クッキーにつられて帰ったのは良かったけど。

 

案外自分が思っている以上に大事に思われていたらしい。毎日のようにオペレーター達が私の休憩時間に顔を出してお茶会を開いたりラップはミルフィーユやエクシアはアップルパイ、テキサスはチョコレート菓子を持ってきて食べさせてくれる。

 

「ドクター?少しお時間あるかしら?」

 

先程、パフューマーが観葉植物を持ってきてくれて少し会話した後持ち場に帰っていった。

今日は秘書もつけずオープンな状態にしていたので一人になったのが久しぶりに感じた。

 

ふと、物音さえしない執務室に忙しくて追い返す暇もなかった、あの壮絶な数日を思い返す。

死にかけたあのとき、マドロックを叱責したとき。

恐怖で足がすくみそうになったとき。

 

今はそんなことを感じさせるものは一切ない。

 

そんな何もない日々が心を溶かすように、安心感でいっぱいになる。

たまらず、目が熱くなって涙がこぼれていた。

 

「うっ"…あ"ぁぁ…」

 

嗚咽が執務室に木霊する。

大人としては情けないが、本当に助かって良かった。ひたすら、無事なことに感謝した。

マドロック、ブレイズ、スカジ。

大事なモノを失わずに済んだ。

失うことに慣れなくてよかった。

 

二人を諦めたときのことを今だに後悔はしている。

すまないって思う。

あのときの私には最善はそれで、生き残るためには、心労を減らすにはそうするしかなかった。

 

そんな罪悪感が心を蝕む。けれど、今この気持ちを投げ捨てることはできない。

優柔不断な私への罰として甘んじて受け止めるしかないのだから。

 

その後も私は泣き続けた、気持ちが落ち着くまで。

他のオペレーター達が来るそのときまで。

 

何よりその罪悪感を薄れさせるために。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

マドロック視点

 

私はドクターの執務室前で彼の嗚咽声を聞いた。

扉の奥から彼の悲痛に満ちた声が私の心を抉っている。帰還してドクターとは病室の関係で会うことはなかった。

ここ数日は他のオペレーターが常に居たから、今一人になったことをチャンスだと思って訪れたのにこんな状態では入れやしない。

いや、入ろうとは出来ないだろう。

彼の声が私の足を止めた。

生きていることに安堵している彼に、泣かせた原因を作ってしまったのは私だと思ったからだ。

 

私は、あの壮絶な数日間のうちに他のオペレーターに邪魔されたくない一心で彼に選択を迫った。

もし、それがなかったなら?

もし、その後の結末が酷いものだったなら?

考えても私は自身を攻めるしかない。

 

あのときの私はどうかしていた。

彼を非力だと勝手に決めつけて、自己犠牲の精神でドクターに返せない借りを作らせようとしていたんだ。

彼が思い悩んでいたときのことを思い出す。

あの混濁した瞳、額からは汗と苦しいのか胸を自分で締め付けて顔色は暗かった。

 

あぁ…。

 

そのとき、わかってしまった。

私の無自覚が彼の辛さになってしまっていたことに。

 

気づいていた頃には、彼の執務室の扉の前から離れて、コツコツと足音が廊下に響き渡る。

疚しさを引きずる力が足を進ませて彼から遠くへ行こうとする。

その行動を止める気もなかった。

 

『自己犠牲の精神を押し付けないでくれ。』

 

あのときの言葉が頭の中で蘇る。

 

もう、彼は私が守るべき存在ではない。

間違っても守るなんて思うな。

これ以上、彼の価値を私の中で下げるな。

 

でも…それでも…。

 

私は瞳からポロポロと涙が溢れ出て、それを拭うために目を擦る。

 

  

 

私は『ドクターを守りたかった』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数カ月後

 

その後、マドロックの所在はわからない。

彼女の行方がわからなくなったその日の執務室近くの廊下には大粒の雫が所々落ちていたらしい。

今になっては彼女のことを触れるオペレーターもいなくなった。

私は一人、執務作業が終わった後。

トランシーバーを繋げて、そこに向けて言葉を投げかける。

 

このトランシーバーは彼女と遭難した際にバックに入れていたものだ。

まぁ…、使っているところなんて見たことないんだが。

しかし、試せずに入れなかった。

 

なぜ?それは最近、ロドスがレユニオンと敵対したとき部隊の助太刀に、サルカズの特徴の角と大きな鎚を握りしめていた人影が確認できたらしい。

 

間違いなく彼女は生きている。側にいる。

 

それが私の希望として毎日、このトランシーバーで話しかけている原動力になっている。無線音が響き。

 

 

『応答してくれ。』

 

『今君は何をしているの?何処に居るの?』

 

『君はまだ覚えているかい?』

 

『君に想うのも裏切られるのも私は大丈夫さ』

 

『だから、帰っておいで。』

 

『帰る場所は此処にあるから』

 

『………………。』

 

『応答してくれよ……、頼む。』

 

『もうこんな虚しい気持ちからお別れをさせてくれよ』

 

『「―――――――――――――――――」』

 

『…!………あぁ………。』

 

『私も、そちら側に行くよ。』

 

 




どうでしたか?最後に応答した相手は誰だったのか、どんなことを言われたのか。それはご想像におまかせします。

次回からのことは活動報告で話していますのでそちらを。 
ちなみにシーン編が、少し重たくなりそうなんですやよね。
あとレンズとドクターだけの場面が多くて肝心のシーンが無言でドクターに甘えてるみたいな、そんな感じ。まぁ、楽しみにしてて。

ここからは雑談です。

アークナイツの他の二次創作を最近見始め、やっぱり私のような心情とか描写を大事にしたいってセリフより多く入れちゃうのは珍しくて自信なくします。
そちらが人気あったり文字数は少ないと思うけどわかりやすかったり。どうも凹みますね。やはり文才はない。
まぁ、そこは作者お得意の自嘲癖が出たよと流してください。

話は戻しますがその二次創作でもドクターが悪役の二次創作にどうも心が痛くて読めないんですよね。面白いんだとは思うんだけど、そこは私も書いてみよう~って軽く執筆して萎えちゃいますね。今度、心が持つときには書いてみようと思います。

駄弁りたいシリーズのキャラリクエスト募集中。

あと評価ありがとうございます。なんか、評価貰うときって相手の初めてをもらったときの嬉しさがある。

感想や評価待っています。励みになります。

次回が終わってからのキャラ候補

  • ホルン
  • リィン
  • ケオベ
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