※この作品はR-18です。

ヤンデレ化するオペレーターを選択肢で回避してハーレムを作る   作:黒縫

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UA40000越えありがとうございます。
今回は、悲しいですがプラチナの声が変わったことというので急遽作りました。クオリティについては言わないでください。
話したいこともありますので、あとがきも見てください。

ではどうぞ。


プラチナは駄弁りたい

『あぁ、ヘマをした。』

 

最初に頭の中で浮かんだ言葉はそれだった。

喉をかっきられて、首元からドロドロと滴り落ちていく感覚がある。

スローモーションの視界の中で最後の足掻きを見せた飛行敵部隊の一員の顔が合った。

その表情はザマァみろと言わんばかりに口角の端を上げていやらしく笑う。

 

しかし、そいつも私の仲間から食らった銃弾に背中を貫かれ、今じゃ同時に倒れこもうとしている。

一矢報いたと思っている敵もやられてやんの。

ははは、ザマァみろ…。

私は心の中で毒づく。

ふと視界の端で動いているのに気づき見てみる。

その後ろでは心配する顔をした仲間と愛おしい人が奥から走り近寄ってきてるじゃないか。

 

ドクター…?駄目だよ……、…。

まだ、敵の掃討は終わっていないんだから…。

ただのカジミエーシュのアサシン程度に心配しちゃ……。

 

意識が少しずつ薄れていっているのか、思考が定まらない。視界もぼやける。

このまま、後ろに倒れ込み電線で仕切られ、廃墟と化したビル上が灰色に曇った天を囲む、あの景色を見ながらこの命は召されるのだろうか。

じゃあ、私は地獄行きだろうな。

 

しかし、怖さなんてない。

あのカジミエーシュ無冑盟のプラチナとしての人生が地獄だったと再認する。

むしろ、ロドスにいたあの日々が私にとっての天国…とは言いすぎか。

でも少なくともあの人がいて、私がいて、そして周りに鬱陶しいけど馬鹿騒ぎできる仲間がいただけマシだと思える。

 

…………。あぁ。

 

最後に見た景色は、泣きながら私の手を握るドクターの悲しそうな顔。その手には彼の温もりも感じ取れないほど冷え切っている。

泣きそうな仲間。

死を実感する。怒号を上げて医療班を向かわせるよう指示するドクター。

 

死…、死?死ぬ?死んじゃう…?死、死、死、死、死、死、死、死、死、死、死、死……。

 

頬が濡れている。駄目だ。駄目だよ。

私はここまで、彼に何もこの胸の中の想いも口に出していないのにッ…!

 

 

 

 

『死…に…たくないッ…!!』

 

 

 

 

 

そこでプッツリと意識の糸が途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクター視点

 

声が千切れそうなほど泣き叫ぶ。

目の前には喉を欠き切られて口から血を出しているプラチナがいる。

目のハイライトは消えかかり、時間はあまりないと彼女の容態でわかる。わかってしまう。

 

「おいッ!!医療班はまだか!?クソッ…!!プラチナの手が冷たくなっていってる……。」

 

強く彼女の手を掴んで握りしめて

 

「死ぬな、死なないでくれ…!!これ以上、私から奪うのか…!?ふざけんな!!たのむ…、頼むよ!!誰か助けてくれ!!助けてください…!!」

 

懇願する。もうこれぐらいしか私ができることなんて無かった。出血多量、布で止血しているがあまりに流れすぎている。

彼女の綺麗なシルクで出来てそうな髪は、紅く血染めされていた。

 

あぁ…ぁ…消える、消えてしまう。

 

彼女は口パクで何かを私に伝えようと、辛そうに眉をひそめながら。

しかし、私に伝わらない。

最後に満足した表情で微笑みながら彼女は目を閉じた。

 

瞬間、喪失感と彼女の最後の気持ちを知ることができなかった罪悪感が襲う。

自分の不甲斐なさを憎んだ。どうしようもない虚無感が心を巣食う。

 

「ぁぁ……、うぁ…あぁ"!!」

 

手には彼女の血がついてるがそんな事気にも止めず、私は目元から溢れ出る涙を止めるために目を手で覆う。

……いや…、そうじゃないのだろう。

この現実に目を逸らしたいという無意識的な考えがそうさせた。

 

 

もう…嫌だ、何も考えたくない。

このままだと自責の念で押しつぶされそうだ。

視界も涙でくぐもる。

 

 

「おい、ドクター。そう悲観するのなら邪魔だからどいてほしい。彼女を助けたくないのか?」

 

「は?…ぁ」

 

声の主を確認するために背後を見る。そこにはマスクをはめ、ゴム手袋をつけているケルシーが居た。

まるで彼女の死に興味がないよう、見下ろしている。

ただ淡々と幾度となく死を見てきたように、慣れているのか…?

 

いや、そんな疑問なんて今はどうでもいい。

プラチナが助かる…?!

それに越した今考える望みなんてここには無い。

 

「それは…本当なのか!?頼む。助けてくれ!!」

 

ケルシーは携えていた医療バックを漁りながら注射器に何やら薬液を準備している。

 

「君の頼みだから、私はそれに応えよう。しかし、今彼女が死んでいたほうが良かったと思うかもしれない。現実は甘くないんだ。そして君も彼女を生き延びさせた責任を一生償ってくれ。何故なら今からすることは誰も幸せにならないような事なのだから。」

 

彼女は動きを止めることなく、彼女の遺体に施す。

至るところの傷口を塞ぎ首元も縫合している。

アーツを使用しているからなのか周りは薄光しており神秘的に見える。実際私はその光景に目を奪われたのだから。

止まっているはずの心拍も、ケルシーは心臓マッサージ…とは言い難いな。肋骨のボキボキと折れる音が静寂な場所に響かせる。

しかし、駄目らしく溜息をつきながら心臓近くを触れていた手にアーツを込めだし電極のように彼女の身体を刺激した。

 

「よし…、とりあえずの応急処置は終えた。あとは急いでロドスに戻って血液の補充だな。それで、ドクター。」

 

「ありがとう…。」

 

安堵した私は目の前のケルシーに感謝をした。

ひたすら良かったと思ったが、ケルシーは怪訝そうな顔つきで私に問いただす。少し苛立ちを隠せていないのかいつもの口調より荒々しい。

 

「感謝の言葉なんていらない。そんなの後後々幾らと言える。私が言いたいのは、君は今から彼女の為にその身をやつさなければならないことだ。これは悪魔の取引と一緒なんだぞ?彼女を助ける代わりに君の一生をくれなんて馬鹿げた話だ。いいか、この原因は君の指揮によるミス、そして君は彼女を救いたいと願った報いだと思い給え。」

 

彼女の棘ある言葉に私は一瞬、心を抉られた感覚を覚える。

彼女が何を思ってそう話したのかは知らない。

幹部である私がただの兵士一人に冷静な対応できてないことに苛立ちを覚えているのか。

また、死に直結する指揮を間違えたことに責任感の無さを感じ取ったのか、わからない。

私がプラチナの死を悟ったときの様子が脳裏に浮かぶ。

 

ほんっとに…無様だったんだな。

 

私は彼女との会話を頭の中で反復しながらロドスへ帰還したのであった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

プラチナ視点

 

目を覚ましたときには、医務室のある一角だった。

この目新しさのない面白みのない、うぇ…、薬品の匂いがする…。

そうか、ロドスに生還出来たんだなぁ…。

気付いた途端私は安堵した。

最後の間際に願った想いが案外、カミサマってやつには届くらしい。

 

「目が冷めたようだな」

 

隣から女性の声が聞こえる。

このどことなく硬苦しさを持つ声音は…ケルシー。

皆さん、カミサマってやつじゃなくて悪魔に救われたようです。

 

『たすけてくれてありがとう』

 

体を起き上がらせて、感謝の意を伝えるために言葉に出す。私がケルシーに対して苦手意識を持っていたところで彼女が助けてくれたわけだから感謝しないわけにはいかない。

しかし、その一言は伝えることができなかった。

 

「………ッ………、ァ………ツ…、………」

 

声が出せない。口は動くのに喉あたりから詰まったようにかすれて、苦しくて出せない。

その様子を見ていたケルシーは、あぁ、と声を出そうとしているのを察したのか説明する。

 

「プラチナは声を出そうとしていたのか。それならやめたほうがいい。貴女はもう声は出せない。何故なら声帯が破られていて回復の見込みがなかった。それとまだ傷が治ってないんだ、声を出そうとするなら血を吐く可能性がある。やめとけ。」

 

『????』

 

『は?』

 

一瞬、何を言っているのか分からなかった。

『声が一生出せない…?』

 

「驚いているところすまないが、事実だ。その責任はこれから来るドクターにでも取ってもらえ。

私は別室に行く。何かあったら呼んでほしい。」

 

頭の整理がつかない状態で私は病室に一人にされた。

 

放心状態から数分。私はどうもこれから一生、声を出せずに過ごさなければならないらしい。

そう、一生。

ドクターと会話して楽しんでいたあの頃は一生戻らない。

あのヘマをした戦闘で一生分の後悔を背負わなければならないらしい。

 

「〜〜〜〜〜〜ッ!!!」ドスン

 

声にならない言葉で腕いっぱいに病床を叩きつける。文字通り声にならなかったのだが。

手はさほど痛くなかった、しかし私はロドスに来て久しぶりに涙した。

心が締め付けられている。

普段なら戦闘での損失は自己責任と割り切れるだが、今回は違う。

思っていたよりショックが強かった。

矢で貫かれたように。

ポロポロと声が出せないため、嗚咽となって静寂な空間に木霊する。

 

これから、どうする…?休養期間が終われば戦闘に参加はできる。つまりロドスに所属しながら今までの生活はできるだろう。しかし、今は弓を握る気持ちにはなれない。心はすでに折られているし、会話ができない今となってはロドスから離れて天涯孤独の身では生きていてはいけない。

 

『死にたい。』

 

ふと、思った言葉。それが無意識に出てきたことは実際に思っていることなんだろうか。

ただ、その言葉を考えてしまった事実にまた泣いた。死ぬ直前にはあれ程生きたいと願っていたあの時とこれからの人生の徒労感に私は押しつぶされたらしい。

 

今までそんなこと思わなかったのに…。

いつの間にか、鬱にもなっているのかもしれない。

泣いてないとやっていけない。

 

『死にたくてどうしようもないなんて世話ないな…。』

 

私はこのままだといけないと思い、病床の上でくるまって寝た。頭までかぶって何もこの視界に入れないように。

コンコンと部屋ノックとドクターの声が聞こえたが、聞こえなかったことにした。

 

今は誰とも会いたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

数カ月後

 

 

 

で。あの後、色んなことがあった。

 

何から話そうか…?

 

そうだ、まずはドクターが私に対して責任を取ると言って、籍を入れたことだ。

彼も私の事に負い目を感じていたらしく、これからは隣で支えてくれるそう。

何か、申し訳なさと嬉しさが心で渦巻いているがそこは無くしていけるようにこれから一緒にいればいい。

鬱は消えた、しかしその分ドクターに依存してしまっている。自覚しているだけ私はズルいのだろう。

籍を入れていてもドクターを狙う女性は少なくはない。ある意味、牽制となっている。

 

ただ話したいことがあったら筆談となってしまうため、声が出せていたときのように物足りなさを感じてしまう。そこは彼の手のひらに指で文字を書いて伝える手法を用いているがこれは単純に私が彼の手を触りたいだけ。

 

………、惚気話は流石にここまでにしとこう。私も恥ずかしくなってきた。

 

ま、まぁ、次は対人戦闘にトラウマを感じるようになって体力も落ちたためカジミエーシュ時代に面識があったグラベルにしごかれたこと。

いや、普通に許さない。病人にあんな蹴りを食らわせるか…?後々見たら赤く腫れていたし。

復帰祝いに白と黒のマフラーをくれた。

喉元の傷は痕として残ってしまったため、それを考慮した上でプレゼントしてくれたらしい。

……、…それに関しては有り難かったかけれど…。

 

 

とまぁ、何だかんだ数カ月の間に心の中で割り切れた。ごめんね、これを見ている読者さん。前半と後半の惚気で温度差が酷い気がするけれど。

 

 

声を失った代わりに私は、欲しいもの全て手に入れた。生きる術は依存することでバランスをとっているけれど、もう彼なしでは生きてはいけないだろう。

失った直後の私は悲観的で何もかもに嫌気を指して、たまにドクターに当たったけれど泣いてる私の頭を撫でて宥めてくれたりもした。

 

「なぁ、プラチナひっつくと暑いよ…」

 

今、彼の膝下にのしかかっている私に離れるように言ってくるがそんなのは知らない。

私は彼の膝に『しーらない』と指で文字を書いて返答する。

すると彼は

 

「はぁぁ…、執務の邪魔にならないのならいいけど」

 

と諦めた表情で言う。

 

『いえーい、してやったり。』

 

私は表情に出さずに心の中でドヤる。

 

これからもこんな日々が続けばいい。

今はそれしか考えられない。幸せ。

ただただ、彼の隣にいることが幸せ。

 

「それより、ケルシーがプラチナのこと呼んでいたみたいだけれど大丈夫なのか…?今日は午後から検診だろ?」

 

『あ…。』

 

まずい、ケルシー先生にどやされる…。

 

私は一刻も争う気持ちでドクターの執務作業を手伝って終わらせ、彼女のいる医療棟にむかった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

ケルシーの医務室にて

 

「遅かったな。待ちくたびれたぞ。」

 

ケルシーは依然としてカルテでビッシリと貼られている電子黒板に目を通しながら、手元にあるタブレット端末で操作しながらチラリと横目で私が来たことに反応する。

そして、代用のタブレット端末を私に渡してきた。

検診中はコミュニケーションを取るためにボイス変換アプリで話す。

おかげで以前苦手な機械操作を流暢に行うことができる。

 

「"ありがとう。ケルシー先生。"」

 

機械の無機質な音声。今では慣れた。

 

「早速だけれど、本題に入るぞ。朗報だ。」

 

何だろうか?いつものように喉あたりを触診したりするのではないのか?

ニヤッと笑っているケルシーがこれほど不気味に見えるのは何故だろう。

 

「"朗報ってなに?"」

 

私は疑問を解消するべく彼女に対して問いかける。

 

「実はな、プラチナの声が取り戻せるかもしれない。」

 

その言葉が出た瞬間隣にいたドクターは驚きの表情で立ち上がった。

すぐに、座り直して心を落ち着かせている様子だが私も驚きを隠せなかった。

 

「それは本当なのか…?彼女の声は戻ると?」

 

「あぁ、本当だ。先日、疑似声帯という機械をライン生命のマゼランとメイヤーが制作した。彼女らもプラチナのことに思うところがあったらしくてな。

休憩の合間にコツコツ制作していたらしい。」

 

私はその事実に、心の底から温かなものがせり上がってくる感覚があった。

嬉しいと感謝…、色んな気持ちが私を乱す。

マゼランやメイヤーとは業務的なことしか会話したことがなかったのに。なぜこんな事をしてくれたのだろう。

 

「"……何でこんなにまで私の事をみんな助けてくれるの?"」

 

素直に思ったことを話す。今まで他人との代わりなんて深く入らないようにしていたのに。

彼女らにこう優しくされる覚えはないのに。

 

「"私は彼女達に何もしてない、何もしてあげれることなんて…ないのに。"」ポロポロ

 

目元が熱くなる。どうも泣き虫になったらしい。

目から涙が溢れてしまう。

 

「そうだな。君が言うのならそうなのだろう。でもプラチナが今影響されているようにマゼラン達にも影響しているんだ。それとな、二人からの伝言も預かっている。」

 

………………。

 

「『諦めたって泣かないでください』だそうだ。」

 

あぁ…ァァ”ぁ……ッ…

 

「誰かが影で泣いているのを見過ごせないのがロドスだ。彼女達に後で礼でも言ってくれ。」

 

前が涙で見づらくなるが、ケルシーから伝えられた会話は耳に入ってくる。

 

「で、どうする?アレルギー反応の可能性だってある。つけたところで使用できないときもあるだろう。それでも手術するか…?」

 

「"する…。させてほしい。"」

 

私は即決した。彼女達が言うように泣いている場合ではない。可能性があるのならそれに縋りたい。

 

「わかった。なら、準備が整い次第期日を告げる。それまで待っていてほしい。あぁ…、そうだ。声は今までのようにはならないかもしれない。しかし近く寄せることはできる。けれど、いいか?」

 

「"あぁ…"」

 

私はうなずいた。

彼は新しい声を許容してくれるのだろうか。

不安が心の中で膨れ上がるが、もう一度隣のドクターとあの頃のように楽しく会話できるのならそれでいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手術後

 

 

私は喉を触る。

 

「あ、あ。」

 

声を確認する。どうやら成功したらしい。

声は少し高く変化している。

 

この私をドクターは許容してくれるのだろうか。

私のことを愛してくれるのだろうか。

いずれにしてもあの人次第。

 

私は不安になる。

目の前にいる彼は近づいて、何を言ってくるのだろう。嫌われたくないな。

 

「どう…かな…?」

 

彼は私の新しい声を聞いて、彼は泣いた。

急に泣くものだから、先程までの不安ごとが霧散する。驚きでいっぱいだ。

目を手で隠すドクターは、すぐにこちらをまっすぐ見て

 

「あぁ…、素敵な声だよ。」

 

とだけ言って抱きしめてくれた。

触れ合っている部分が温もりで暖かい。

ジーンとして、離したくない。

 

そうだ。

私はこれを一つの区切りにしよう。

生まれ変わった私は、ドクターにこう告げる。

 

 

「これからもよろしくね。ドクター。」

 

 

 

 




どうでしたか?
はっきりつまらないものを書いてしまいました。

休載致します。ありがとうございました。
詳しくは活動報告にて述べております。


次回が終わってからのキャラ候補

  • ホルン
  • リィン
  • ケオベ
  • シュウ
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