※この作品はR-18です。

ヤンデレ化するオペレーターを選択肢で回避してハーレムを作る   作:黒縫

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久しぶりです。クソザコナメクジ野郎です…()
今回は1万文字超えです。
長いね。モチベは今皆無です。
イベントも補助スカジとケルシー来てくれて安心しました。
148連ほどひいたけれど…()
休載していたのは単に自分の話がつまらなく感じてしまったという腑抜けた理由なのです。今もその考えが変わることありませんが、読者の方が読んで面白いと思ってくだされれば感無量です。
では、どうぞ。


ズィマーは駄弁りたい

穴を掘っている。

今はもう話さない学友の為に。

背中に強迫観念という銃を突きつけられて。

アタシは穴を掘っている。

 

目からは枯れたと思っていた涙が自暴自棄に突き立てて掘り変えられた泥土にこぼれ落ち色濃くした。

18回目の諦めの涙はここでも止まることを知らない。

 

「……ッ…、ぐぅッ…。ァァ"…ふぅッ…。」ポロポロ

 

全くくだらねぇといつもの強がるアタシは、このときばかりは現れない。

いや…、声を押し殺しているのは自尊心を傷つけまいと無意識的にやっているのだろう。

 

「クソっ…クソッ!クソッ!!クソッ!!!」ガツンガツン

 

掘り返すときに大きな石がスコップの邪魔をして、金属音があたりに響かせる。

変わらない現状に焦燥感を抱いていた、それがどんどん思ったとおりにいかない悔しさが膨れ上がってきていて、この邪魔をする石に八つ当たりをしてしまう。

 

「くッ…そぉ…」ポロポロ

 

自分の無力感に嫌気が指す。

何が、どうしてこうなった。

レユニオンのせいか?それとも環境のせいか?

因果はある。でも一番肝心だったのは、

 

「……アタシのせいだな。」

 

自覚しているだけ尚、こんな死者を出し続けたアタシは質が悪いのだろう。

イースチナは私にカリスマ性があるとトップに推薦したが、蓋を開けて結果を見れば一目瞭然だった。

戦場にカリスマ性はいらない。

生き死にの世界にはカリスマ性など無謀にしかならない。

臆病さと自己顕示欲があるやつが願いを叶える。

その盤上の戦いが、このウルサス学友自治団の戦場だというのに。

 

穴を堀り終えた私はレジャーシートでぐるぐる巻きにしたかつて仲間だった学友を地中に埋める。

何が悲しくてアタシは泣くのだろう。

死んで弔った仲間が悲しいからか?

いいや、そんな善良じみた心はない。

常に単独行動をしてきたアタシにはない。

命は平等、機会は不平等。

命を任されたアタシは、死んだ彼らに押しつぶされそうとしているだけだ。

今だって彼らのアタシを恨み憎しみの声が頭の中で木霊している。

 

『なんで…反旗を翻した貴女が死なず、私は痣だらけで冷たくなっているの…?』

 

すまない。

 

『俺の腕は知らないか…?死んでも切り落とされた片腕は無くなって辛いんだ。』

 

…すまない。

 

『飢えて死ぬ前に肉を削いで食べてしまった。どうしたらいい…?冬将軍。もう脚は白い骨が見えて立てそうにないんだ。』

 

……ッ…すまない…。

 

幻覚幻聴が私の心を擦り減らす。

命の火花が散ってしまうほど、擦れきってあとはポッキリと折れてしまいそうだ。

 

あといつまで続くのだろう。

いつ、自分は自分に押し殺されるのだろう。

 

『お前も、トップにしたイースチナも同罪だ。なんで生きながら得れる?もう私はこんなに腐りきったというのに。他の奴らも君らの転落を心待ちにしているんだ。』

 

うるっせぇ…。分かってんだよ。

自分がどれほどの罪を犯して、その矛先が関係のない奴らにまで及んだか知らないわけじゃねぇ。

けど、決心できる度胸は私にはない。

自決する勇気は、もう…、ない。

 

『じゃぁ…手伝ってやろう。』

 

穴の中から這い上がってくる腐った同胞は私の足を掴んで到底信じられないほどの力で引っ張る。

私は尻もちをついてしまい、ズルズルと自分が掘った穴に吸い込まれる。

どこか嘲笑っている同胞が何故だろう、羨ましく思う。

 

このまま自分の手で自分の死に場所は確保したんだ。死んだほうが楽だろう。きっと、私の周りは救われる。少なくとも救われる。

 

もう…いいか。最後に曇り空を見れてよかった。

ずっと…下ばっかりを見てきたせいで見上げる機会なんてなかったから。

 

抵抗なく、スローモーションのように下界の地獄というところに連れされるのを待つ。

ふと…思う。いや思わずにはいられなかった。

 

死ねば救われるだろうか…?

死ねば苦労は報われるだろうか…?

報われて当然だと思っているのだろうか…。

 

これまでの辛酸を舐める日々が心に引っかかる。

おもわせてしまう。

 

 

あぁ…、死にたくねぇ…。私も救われてぇんだ。

 

 

「ッ……!!離せッ!!!あぁ"ッ!!」

 

そこからは脚に力を込めて振り解いた。

生きながら得なければ、手にすることもに無くなるところだった。

 

穴から離れる。距離をとった。

気付けば手には斧が握られており、黒光する。

いつの間にか衣服に血が飛び散っており、斧からは血が垂れていた。

 

視線を先程の穴に向けると、ぐちゃぐちゃに半壊した頭が脳汁を撒き散らしながら死体が横たわっている。

動く気配がない。確実に死んでいる。

何故だ?何で死んでいるんだ?いやもとから死に体だったが。

 

疑問を抱いていると死んでいるはずのそいつは、頭は動かず体も動かず、口だけ動かしながら話しかけてくる。

 

『酷いじゃないか…、私を斧で滅多打ちにして殺すなんて。』

 

は?今なんて言った?私がしたのか?

 

『まぁ、でもこれでハッキリしましたか。

貴女は所詮後悔して償っても変わらない。本質は暴力的で自身の罪を自覚しない。』

 

駄目だ。聞くな。耳をかすな。煽られても怒るな。

核心をつかれたからって自分を責めるな。

 

『ザマァねぇな、ズィマー。』

 

それでも私の気持ちを揺るがすには十分だった。

自己嫌悪と破壊衝動が心を蝕む。

目の前の害悪に今まで、あのウルサス学生自治団事件からの償いの積み立てをここで全てかなぐり捨てて、"殺してやりたい"と頭の中で憎悪した。

 

はっ…、結局性根は変わんねぇだな…。

 

けど、この怒りは還元されない。

もうすでに見るも無残な状態に斧を振り落とそうがどうしようもない。怒りのやり場を探す私自身にも苛立ちがこみ上げる。

 

もう苛立ちだけが私を、静かに自制心を駆り立てる。

 

「…ちくしょう。」

 

壊れていたのは私の方だったのか。

そのまま私は自身の首元に得物を切りつけ、刃を食い込ませた。そこから視界はブラックアウトする。

痛みすら感じない。

けど、意識だけある。

最後に願う。救われないなら希望なんて見出さないから。

 

 

早く死なせてくれよ…。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

共同寝室 a.m.4:00 ベットの上にて

 

 

「はぁあッ!!」ガバッ

 

ロドスの無機質な壁が目の前、視界いっぱいにあらわれる。いや、実際はベットの上なので色々と家具が見えたが今はその無機質な壁が心を満たすには適していた。首元を確認するように右手が首に触れる。

 

「チッ…あー…ぁ、ッ!!」ドンッ

 

さっきの意味わかんねぇ感覚が夢だったと認識したとき私は左手で壁を叩く。ドンッと音が響いてしまったが、苛立ちのせいでどうしようもなく目が冴えてしまった。

 

何だって、あんな野郎に煽られて睡眠妨害を受けなきゃいけねぇんだっての。

 

心の中で愚痴った。

張り裂けそうに胸は上下して、心臓が飛び出そうだ。頭の中では夢だと割りきろうとしているが体はどうも生死を漂ったあの日々を思い出したようで吐きそうだ。手も震えている。

 

このままじゃ駄目だ。

 

背中の汗がベッタリとして気持ちが悪い。ベットのシーツだって湿って寝れないだろう。

横長方型の時計を見る。

 

『A.M.4:00』

 

もう少しで太陽が昇る。このまま、起きていようか。どうせ、明日は特に出撃や訓練もない。

することといえばアイツの執務作業を手伝う程度だ。

よし、決めた。起きていよう。

それにしても背中の汗のせいで寝間着を体に張り付いて気持ちがわりぃな。

 

私は、窓を開けて夜風に触れようとしたが同室にいるやつのことも考えて自室から出ることにした。

 

寝間着と言っても他から見たら下着姿に近いため、軽く上から下の太ももまで被ることのできるパーカーを羽織り外に出る。

自動のドアが開くと、外から内側に急に空気が入ってくる。冷え込んでいて、体の火照りを冷ますには持ってこいの気温だった。

 

とりあえず、あの広場の自販機前で休憩しよう。

 

そう決めた私は外光で薄暗くなった通路を歩き始める。こうも大所帯だと通路を歩くと一人や二人すれ違うものだがこの時間は誰もいなくて、まるで私だけしかいない世界にいるみたいで興奮した。

たった一人の廊下でつぶやく。

 

「――――――――――。」

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

広場の自販機前 a.m.4:05

 

 

ドクター視点

 

私はこんな時間までアーミヤから渡されていた仕事を残業手当なくこなしていた。

 

ロドスはブラック企業だったんですね…転職したい。

 

とだけ、決心できないチキン野郎な私は一人愚痴りながら憩いの場である広場の自販機前にある腰掛け椅子に座って先程買ったあったかいコーヒーを開ける。

どうも最近、冷え込むらしい。

呼吸するたびに白い息が出てしまうのは、むしろ乙なのだろう。

シルバーアッシュが言っていたカランドも息を出すと白い結晶ができるほど空気が冷たく、その日の夜には吹雪も止み満点の星空が見えるという話を思い出した。

いづれは旧友としてカランドにある別荘に招待しようと彼は顔面偏差値高めのイケメンスマイルで言ってきた。

 

「まぁ…、私は冷え性だからそこまで寒いのは無理なんだろうけどね。」

 

そうだ、プラマニクスも最近抱きついてくるようになってきて…、この話を知られたらきっと縛っても連れて行くんだろうな。

 

あまり過度なスキンシップを取るようになってきているから距離を取らないと。踏み込んだ関係なんて私は重たすぎて息苦しいだけだ。

 

いつの間にか缶コーヒーは軽くなって振っても重みを感じない。

そろそろ、眠るか?あと2時間ちょっとで起床時間だけど。

 

そうこう考えていると背後から声が聞こえた。

 

「よぉ…、ドクター。…なんで起きてんだ?」

 

聞き覚えのある声にノリで私は問いかけてきた言葉をそのまま返してしまう。

 

「君もなんでこんな早い時間起きてんのさ、ズィマー…って!?なんて格好してんの!?」

 

後ろを振り向けば普段のパンプな服装とは違い、長めのパーカー一つを羽織っているだけで、下半身は艷やかな生足が見えてハッキリ言って目に毒だ。

 

「何でこんなカッコしてるかってか?そりゃ、こんな時間だしアンタや他の連中に会うとか思わねぇーだろ。」ポス

 

私の横隣に腰掛ける彼女はこちらに顔を合わせた。

 

「そ、そりゃそうだけどさ。あんまりそういった格好は控えてくれ。」

 

「あん?なんだ?…あぁ〜…、そういうことか。もしかして私のカッコに欲情でもしてんのか?ハハッ、きッしょくわりぃー。」アハハ

 

笑いながら私のことをイジってからかう。

くそぉ…童貞野郎に人権はないのか。

 

しかし彼女の笑顔は何処か雲がかったような、無理矢理作り笑顔をしているような変な違和感を感じてしまう。

心配してしまうのは何故だろう。頬っておけない。

 

「からかわないでくれ…。そうだ。寒いだろ?何か買ってあげるよ。何が良い?」

 

私は立ち上がり目の前の自販機前で彼女に何がいいか聞く。これでも金は腐るほどあるし、男性は女性のポケットマネー…って言ったら誰かに非難されそうだな。とりあえず、女性にお金を使わせるのだけは気持ち的に嫌だったため奢る。

 

「おっ、奢ってくれんのか?そうだな。ドクターはさっき何を飲んでたんだ?アタシはそれでいい。特に嫌いなもんは無いからな。」

 

「わかった。じゃぁ…はい。」ガコン

 

自販機のボタンを押すと先程飲んでいたコーヒーの缶が排出口に出てくる。私はそれを取り出して彼女めがけて投げる。

彼女は投げた缶を

 

「ありがとよ。アチッ…!」パシッ

 

片手で器用に受け取る。しかし熱かったのか空中にあげて手が缶の温度に慣れるまで同じ動作をしていた。

 

「ッ…。んっ…。」カシュ

 

彼女はやっと持てるようになったのかフタを開けて飲見始める。その様子を見ながら先程いた場所に座りなおす。

 

にしても…なんでこんな時間に起きてんのかな?

私みたいに残業ではなさそうだし…。ましてはニェンのような耐久桃鉄とかやらなさそうだしな。

 

私はあの変人ニートのことを思い返しながら一人脳内で考える。

 

『おいおい、いくらなんでも知らない所で馬鹿にされるんは私といえど答えるんだぞ?』ハァ…

 

脳内に干渉すんな。普通に怖いわ。

変な天からの声が来たからここで閉話休題。

 

とりあえず、ズィマーの件。

普段の彼女はその見た目の性格とは違い、案外ルーズだ。寝起きも悪いらしい。

よく起きた後に挨拶すると目つきが悪くイライラしてるのか眉をひそめ、酷いときはどついてくる。

それでも軽い感じの肩パンなのでマシだ。

よくイースチナが保護者のように謝ってきている。

彼女がズィマーを起こすらしいがイースチナには逆らえないのか、寝起き直後の私に対する対応とは違うのだ。

 

まぁ…、ここまで長々話したが私は危惧している。『もし、彼女がつい先程起床したというのなら何で普段の苛ついた様子ではなく、ここまで弱々しく辛そうな顔をしているのか』という疑問に対してだ。戦闘や私生活、常に好戦的で自信家で…。

そんな彼女本人は気づいていないのか、声のトーンが低い。

途中、唇がキュッ…と噛んで言いたいを言えていないのか、もしくは言おうとしているのに体がそれを拒むのか。どちらでも変わらないが、どうしても心配してしまう。

 

私は我慢できず、聞いた。

 

「なぁ…?ズィマー。大丈夫か?」

 

「………、何に対していってんのか分かんねーな。」

 

頑なに彼女は言わない。とぼけようとしているのは分かってしまう。演技が下手だな。

しかし、ここでハッキリした。

いつも『なに言ってんだオマエ』と言って殴る蹴るをいれる普段の余裕そうな表情は無い。

つまり、彼女の気持ちを落とすほどのことが私が知らぬ間にあったという事だ。

そして、それを隠そうとしていることも分かった。

 

…………、いつもの私ならここは食い下がらずしつこく聞くはずだろう。

じゃないと話にならないから。会話にならない。

けれど、今の私にはどうもそれを躊躇ってしまうほどの彼女の雰囲気に押されてしまった。

 

本当に『触れただけでも壊れそう』サスペンス映画やドラマに出てくる想い人を失った被害者に使われる比喩表現を私は今日まで理解できなかった。

しかし、今なら理解できる。

いや、まさにそうなのだ。

言葉通り。

彼女は今にも壊れそうだ。

君の瞳の深さを覗き見て狼狽えた。

許してくれ。

今まで見てきた患者に似たような面影を重ねてしまう。

その後の患者がどうなったのかは想像お任せする。

決して良くはならなかったとだけは付け加えておこう。

 

だから私は

 

「いや、やっぱり何でもないさ。早く部屋に戻って体を冷やさないようにな。あと数十分で夜明けだ。」

 

その耐えきれない空気に押しつぶされそうになるのを恐れ、日和る。

そして、その場から逃げた。

早歩きで離れようと扉が開く終わる前に出ていこうとする。後ろからは何か声が聞こえたが…ただの幻聴だろう。

 

私はそっと耳を閉じていた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

数日後

 

 

私はあの夜明けの彼女との会話から逃げたことを今になって後悔している。

もっと話していればよかった。

もっと気にかけておけばよかった。

あの後、イースチナから毎夜ズィマーは悪夢から目覚めてトイレで昨晩食べた夕食を吐いて泣いていると聞かされていたというのに、私は何もしなかった。

悪夢の原因だってウルサス学友自治団事件から三回忌の日が近づいてきたからだと教えられたのに。

 

後悔は募るだけだ。

それもベットの上で、押さえつけられている今の状態ではもう遅いけれど。

 

「なぁ…ドクター。」ギュ…

 

私とベットを挟んだ上に彼女は跨って頬を触りこちらを覗いている。

服は薄いハーフパンツとスポーツブラだけでお腹は引き締まった腹筋が見えていた。

 

「いつも思うんだ。あの日、あの時から私はやり直しが聞かない失敗をしてしまった人は救われてはいけないのかと。」

 

瞼が下げてどこか遠くを見る目は、私の知っているズィマーではない。

彼女はどんな逆境でも目を見開いて先を見ようと進むのに。

沈んだ船のように淀んだ底で停滞している。

 

「ドクターはどう思う。私のせいで死んだ奴らは私が救われたら浮かばれなくなるか…?私が幸せになったらあの人らは不幸せになってしまうのか…。嘘偽りなく答えてくれ。もう駄目なんだ。頭の中で彼らの声が大きくなって寝ても冷めても自責の念で潰されそうなんだ。」

 

目の端から涙が流れていく彼女は壊れていた。

見ないふりばかりし続けた過去(彼女)が私を早仕立てる。

どうしようもない罪悪感。

彼女を犠牲にして保ち続けた心を今、私は彼女に還元しなくてはならない。

 

「わかった。」

 

私はこれから彼女を傷つけなければならない。

それは愛だ。独りよがりのマスターベーション如き。醜悪な愛。

 

「私はーーーーーーーーーー」

 

ごめんな。私は君を救えないよ。

だから聞いてくれ。言い訳を。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ズィマー視点

 

『君のせいだ。』

『信じなきゃ良かった。』

『あとは君だけだよ。死んでないの。』

『はみ出し物の私らを見捨てるのかい?』

『役立たず。』

『勝手に先走りやがって。』

『俺らの生き様を否定すんなよ。』

『お前の理想も偶像だったな。』

『ザマァみろ。』

『ゴミ屑。』

『冬将軍も結局はあたって砕け散ったな。』

『日も刺さない三畳半で死んだ私の骨は拾ってくれ。』

『僕らは揶揄した。』

『イジメでまた死にたくなった。』

『お前のせいで私は足を切り離した。』

『体を売って仲間から慰み者になって食べ物を分けてもらったのがどれほど惨めだったか。』

『飢えた腹が痛くてどれほど死にたくなったか。』

『自己中。』

『もう嫌だ。』

『死にたい。』

 

夢以外にアタシは日中、幻聴に苛まれた。

日に日に強くなってきて、明日。

あの事件の三回忌目になるに連れ、あたしの体が重くなってきて作業中、ついに倒れた。

気が狂う。

こうも意識ごと消えなければ夢の中で鮮明に私を責める声は止まず今か今かと地獄の門前で手招きをしている。

心はすり減る一方で、何となくこの幻聴の原因だって分かった。

本当にくだらねぇ。

この声の正体が、死んでいった彼らではなく。

自分が心の端で『許されてはいけない』と思い込んでいた幻想だと理解するには遅かった。

私は私を許していないだけ。

そりゃぁ…自戒の念でもないとロドスにいるだけで幸せに押しつぶされそうになるわけだ。

 

「だからって…」

 

失くした何かの埋め合わせを自己犠牲で補おうなんて。

 

「ばっかじゃねぇかよ…」

 

そこからの意識は朧気だ。

頭の中ではモヤがかかったようにクリアではない。

けれど、この脚が向かおうとした場所は考えなくても出てくる。

 

ドクターの寝室に行こう。

話がしたい。

アイツの声が聞きたい。

聞かなくちゃ。

ぬくもりを感じたい。

その匂いで頭の中を埋め尽くさないと死にそうだ。

 

 

ガタン ポス

 

 

アイツが寝ている。その上で跨り彼の首元に顔を近づけた。鼻腔をくすぐるコイツのシャンプーの匂いだろうか。

いつも近寄ると香るドクターの匂いでアタシは胸が引き締まる感覚と下半身がムズムズした感覚で体はブルッと震えた。

 

「なぁ…ドクター。」ギュ…

 

いつの間にか目を見開いたドクターに問いかける。

 

「いつも思うんだ。あの日、あの時から私はやり直しが聞かない失敗をしてしまった人は救われてはいけないのかと。」

 

救われたい。救われていいか?

 

「ドクターはどう思う。私のせいで死んだ奴らは私が救われたら浮かばれなくなるか…?私が幸せになったらあの人らは不幸せになってしまうのか…。嘘偽りなく答えてくれ。もう駄目なんだ。頭の中で彼らの声が大きくなって寝ても冷めても自責の念で潰されそうなんだ。」

 

なぁ…、どう思う。

 

彼は神妙な顔をして意を決したような覚悟を込めた瞳でアタシの心を覗き見るような錯覚を覚える。

そして彼は口を開き、言葉を紡ぐ。

 

「私は…誰かを傷つけたのなら救われてはいけないと思う。」

 

その言葉は私の願いを否定する。

しかし、どこかあぁ…と納得してしまう部分もありショックは受けなかった。

けれど直接的に『救われるな。』と言われるのは心の底で苦しいような辛い、どうしようもない気持ちが渦巻いてしまうのはわからないわけじゃないだろう?

 

「誰もが救われたかったし、常に上を向こうと耐えてきたのは容易に想像できる。だからこそ、救われたいって苦しみから逃げるのは君が言うとおり浮かばれない。」

 

彼の一言一言がアタシの心を突き刺す。

ボロボロで耐えきれない。いや耐えれてない。

目からは涙が流れ落ちて彼の頬に落ちていっている。

その様子にドクターは唇を噛み締め、話を続ける。

 

「…それが自分が犯してしまった事なら尚更、自戒の念で押し殺そうと心は蝕われるだろう。」ガシッ

 

ドクターはアタシの肩を掴み体を起こす。

その際、跨っていたため上半身が傾き後に倒れ込みそうになったが抱きかかえて腕が後ろに回り込みドクターの温もりが体いっぱいに感じる。

人肌があったかい。

アタシは驚きが上回って困惑した。

 

「だけど報われてはいいんだよ。どうしようもなくて救われ難い私達だけれど…、道外れた私達でも幸せになるよう報われてもいいんだ。」

 

「……………。」

 

「だって…、さんざん今まで君は死んでいった彼らに償おうと向き合ってきたじゃないか…。イースチナから聞いてる。その身を正しいと信じた道に窶してきて死んでいった者たちを忘れないように君は彼らの墓碑に花を積んで、頭を下げ続けたらしいね。」

 

まったく…イースチナはお喋りだ。

けど、何故だろう。

怒る気はしない。

 

「いいんだよ。それで。大丈夫。私が保証する。君は頑張ってるんだ。だからといって帰ってくるものは何もないけれど。それでも、君は君を許していいぐらい罪は償っている。」

 

その言葉でまた涙を流した。

どうも、誰かから許されたかったらしい。

許されていいと承認してほしかったらしい。

もう、アタシ自身は自分を許せれるほどの寛容さなんて持ち合わせていなかった。

だからこそ、彼の言葉に救われた。

 

駄目だな、あたしはこれから生き続けた最後の日まで背負った罪を抱えていかないといけないのに。

救われたって感じてしまうなんて…とんだ、茶番劇だ。

 

 

 

 

ドクター視点

 

私は言いたいことを全て話した。

私自身も人殺しと罵られ、誰かの命日に苦しんでしまうことだってある。

けれど、その苦しみも糧にして前に向かわなければならない。

 

「そっか…、ありがとな…。」

 

泣きあとを隠すように目を擦る彼女は少しだけ顔色がいい。

 

にしても…

 

「その…すまん…。熱くなってしまったときに勝手に体を抱きしめて…。女性相手に失礼なことをしたと自覚している。だから…だから…、ごめん!!離れてくれ!少し、いや素面じゃ今この状況は恥ずかしいよ!?」バタバタ

 

普通に恥ずかしい。

頬が熱くなって、とてもじゃないがズィマー本人を見ることができない。

ただでさえ薄着で扇情的なのに、はだけている。

さっき勢いづけて抱きしめたせいでスポブラがまくり上がっていた。

つまりだ、そのスポブラの中で隠れていた手に収まる程度の大きさだが私の理性をガンガン削るぐらいの威力を持っている双丘が『こんばんわ。』と顔を出している。

 

綺麗なピンクなんですね…(理性0)

 

「うっ…わ。」プルプル

 

ズィマーもこれに関してはワナワナと恥ずかしくて赤頬している。

人って本当に取り乱すと何も声が出せないって分かるもんですね。今実感してます。

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!///」ガシッ

 

彼女は目つきがキッと鋭くなり、手を掲げている。

男勝りのズィマーが女の子らしい表情をするなんてこれが最初で最後だろう。勿論私の命も最初で最後。

えぇ…殴られるのは慣れてますのでどうぞ。

思う存分、殴ってください。10対0で私が悪いです。

 

私は殴られる覚悟で目をつむりその瞬間が訪れるのを待っていた。しかし、なぜか私の両手首に違和感を感じて、次の瞬間柔らかな感触が手のひらを襲う。

 

目を見開くと彼女は自身の胸に私の両手首を握りしめ掴ませそうようと押し付けているのではないか。

 

は?え?ぇぇ…?ん…?あぁ…?!!!??

 

頭の中はワニワニパニックよりパニックしていたとだけ話しておこう。

 

ズィマーは頬を赤らめているがニヤッと不敵な笑みを浮かべて

 

「あ、あたしが許容すればこんなもん。恥ずかしくねぇーよ。オマエなら…別にそんな関係になっても…、って何でもねぇ!!つまりだっ!!据え膳食わずは…男の恥じゃ…ねー…のかよ?///」

 

「頭でもバグったのか??!!」

 

すかさずツッコミを入れる。

いや、ヤバい。手のひらのある箇所にコリッとした小さいが硬い何かがある。

そう、ナニかなのだ。

 

どうしよう!?ズィマーも困惑して血迷って柄にもないことを口走ってるし、、

 

収集つかなくなる!!

 

そんなことを考えていたところ扉がノックされ、開く音が部屋で響く。そこから聞き覚えのある声が聞こえる。

 

「あの…、夜分にすみません。ドクター…?ズィマーを見ていませんか…?気づいたときにはどこにもい…なく…て…。」

 

「あ。」

 

「あ。」

 

「はぁ?」

 

ガッツリ目が合い3人は同時に声を出した。

佇んでいるイースチナの瞳にはハイライトが消えている。

イタズラがバレた子供のような反応のズィマーは泣き出した。

 

しかし考えてみてほしい。この状況で私の上で跨り胸を触られて泣いてるズィマーを。

傍から見たらヤバい光景だろう。

ハッキリ言って強姦未遂のようだ。

 

その日の夜はイースチナの怒鳴り声でロドス内は一時期騒然とした。

『なんだ?!』『どうしたんだ盟友よ!』『何があったの!?』

色んな心配の声がロドス内で駆け巡ったが騒々しい中で唯一シルバーアッシュに関してはカメラを持って嬉々とした表情で私の寝間着姿を撮っていった思い出だけが残っている。

その後事情を知ったオペレーター達は収まったが、一週間は皆の目のハイライトが点滅する速度が早くて苦労した。

ズィマーとは今も何もなく、むしろ会うたびにどつかれるが楽しく過ごしている。

 

 

どうも締まらない物語だがズィマーとのトラウマを乗り越える話はここで終わることとしよう。

 

「正直に言え。アタシが昇進し続けたら、オマエの座、ぶん取ってやることもできるか?……はあ?冗談?悪いけど、冗談じゃねえぞ。」ニカッ

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?


忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩。
行かねばならぬ。何はなくとも。



感想と評価お待ちしております。
書きたくなかったら書きますね。
ではまた。

次回が終わってからのキャラ候補

  • ホルン
  • リィン
  • ケオベ
  • シュウ
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