ヤンデレ化するオペレーターを選択肢で回避してハーレムを作る 作:黒縫
昨日一度投稿したのに、なんか納得行かなくて消しちゃいました。
まぁ、ごめんね。
ロサ待ってね、ストーリーどうするかど忘れした。
あとこれ、前座なので特にストーリー期待しないで。
'21 12/17 14:21:06 【_01】
ドクター視点
『カメラのフィルムには何が映ると思いますか?!』
目の前でシーンの側付きロボット『レンズ』はこちらに近づいて来ながら楽しげな声音で問いかけてきた。
暇なときはシーンより私とレンズだけの会話になる傾向がある。
口下手なシーンより活発なレンズと話し込んでしまうことは日常茶飯事だった。
まぁ、そのせいかシーンは今ソファに座っている私の膝を枕にして眠っている。暖房は入っているがさすがに何か掛けないとマズいと思い、普段着ているフード付きロングコートを毛布代わりに使った。
この距離でもスヤスヤと呼吸音も聞こえる。
「…ん?撮った情景じゃないのか…?」
少しだけ声のトーンを下げ起こさないように意識しながら会話を続ける。
ハッキリ言って何故レンズがこんな質問をしてくるか意図がわからない。
『違いますよ、ドクターさん!50%正解で不正解です!』
「それでも半分はあっているのね…。」
何だそれ。
『ふふふ〜ん!ヒントがほしいですか?!』
レンズは器用にも車輪を使い回転してピタッと、まるで人に指を指すように動きを止める。
情景じゃないならなんだ?
「少しだけ待ってくれ…。んん…?…」
目線を眠っているシーンの方に向けて考えこむ。
彼女のカメラは実在する像と像を結んで虚像を作り出す。
その虚像は何立方mの現実世界さえたった平方cmのフィルムに収めてしまう。
そこに流れていた雰囲気さえ感じさせる撮影技術は、まさに神業と言って過言じゃない。
少なくとも今まで見てきた写真何万枚より彼女が撮った一枚の価値が圧倒的に高い。
それ故に、平凡な回答ではなく少し捻った考えだと予想できる。
いや…考え過ぎなようにも思えるけど。
………………。
「あぁ―――――。」
レンズのフレームが反射で光る。まるで答えを当ててくれるだろうと期待する子供の瞳のように。
ワクワクして目を輝かす子供のそれと一緒だ。
「―――ごめん。…わかんないや。答え教えてよ。」
『ドクターさんでもお手上げですか〜?!私の勝ちですね!どうしましょう〜!言ってもいいんですかー?!』
嬉しそうにまた動き回るレンズ。
寝返りを打って向きを変えるシーン。
そして頭を抱える私。
何を持って勝利なんだよ…?
傍から見たらわけわからない光景だろうな。
私自身も何でこんなことをしているのか分かってないし…。まぁ、今更か。
レンズは再び止まる。
私の方にカメラのレンズを合わせて彼女からパシャリとフラッシュとともにシャッター音が切られた。
そして少しだけ間が空いて、レンズはまた喋りだす。次は元気そうな声音ではなく、落ち着いた雰囲気で。
『愛ですよ。』
唐突な喋りだしと抽象的な回答に頭の中ではてなマークを一つ、ポンッと浮かんでしまった。
愛?撮影に対する愛か?それとも写像に対しての?
明確な回答ではない故に疑問で頭の中が一杯になる。
「愛って何に対しての?写像か、それとも撮影そのものに…?レンズ、流石にそれだけじゃ分かんないよ。」
正直に話した。
面倒くさくて、思考をやめたわけじゃない。
けれど、ハッキリ言って抽象的な表現で話すやつに論理的な考えを述べても答えが合うわけないだろう。
1+1=2なら誰でもわかるけど、1+1=田んぼの田とか考えの範疇から、まず除外するだろ?
それと一緒だ。
『"ドクターさんは愛しいって心が高ぶったときに抱きしめたりとかしますか…?"』
「……うん。それはある。」
意図がわからない。
『"それと一緒…ですよ。どうしようもないほど張り裂けそうな愛…。これ以上もないほど心が満たされていく瞬間、それが写像に…雰囲気に、色づいていくんです。"』
そう言いながらレンズは先程撮ったらしい一枚の写真を渡してくれた。
そこにはシーンに向けて穏やかな笑みをしていた私と目を瞑り安心しきって少し口を開け前髪が上がった彼女が一枚の写真に収められている。
あぁ…。
何となくレンズが抽象的な表現をした理由がわかった。
確かにそこにあるのは愛がある。シーンに対して父性だろうけど彼女を守りたいと思う親愛が。
言い例えづらいものが確かに写真の中で表させていた。
『"これをシーンお嬢様は私と一緒に各地飛び回ってひたすらフィルムに収めていったんです。ですが…レンズは思うのです。"』
段々と彼女らしからぬトーンが低い声で話す。
その様子は真剣そのもので、そんなレンズのことを茶化して話をやめさせることなんてできなかった。
何となく言いたいことだって分かるんだ。
だから、私は次の言葉を聞くのをためらってしまう。
その真実はいま私の膝元で穏やかに寝ている彼女に必要なのだろうか…?
『"もしかして孤独に生きてきた反動でシーンお嬢様は無意識にカメラ越しから見える愛を探し続けているんじゃないかって。愛を求めているんじゃないかって…。"』
「…………………。」
『ドクターさん、私が以前お願いしたのを覚えていますか…?』
「あぁ…。ちゃんと一言一句頭の中に入ってるよ。」
その私の回答にレンズは少しだけ喜んだ。
無意識だろう、『…あぁ、良かった…。』と口から出ている。
それと私のみ間違えかもしれけれどシーンの口角が少しだけ上がったように…感じただけだ。
それ以上のことは何もない。
『でしたら!シーンお嬢様をお願いしますね!』
レンズは声のトーンを上げ、元気いっぱいに言う。しかし胸元で何かが引っかかったような違和感を覚えた。
『レンズは…シーンお嬢様が幸せになってくだされればそれ以上望むことはありません。隣にいるのが私じゃなくても。』
私は、レンズの今わの際のような発言に素直に頷けなかった。
単純にどうすればよかったのかわからなかったこともある。
けれど、一番は『私がレンズの代わりになるのか』という疑問だった。
誰も誰かの代わりにはなれない。
たとえ特別で替えがたい人でも誰かの特別になるのは難しい。
それをレンズに話そうとしたが、言い淀んでしまった。
多分理解した上で私に頼み込んでいるんだ。
だから、何も言えなかった。
じゃないとレンズの決断をなかったことにしてしまう気がしたから。
―――――――――――――――――――――――――――――
シーン視点
'21 12/20 18:30 :50 【_02】
『作戦を開始するぞ。』
耳元のイヤホンマイクからドクターの声が頭の中で反響する。
いつもの声とは裏腹にどこか不安を感じさせた。
『シーンお嬢様!頑張りましょう!!えいえいおー!です!』
「…う…ん。えい…えい、おー…!…」スクッ
隣のレンズがいつものように元気いっぱいな声で私はドクターから指示された場所に向かう為腰を上げる。
体に力を入れるけど私は力がないから…ね。
ゆっくり進む。
たまに休憩しながら。
わ…ぁ…こんなに高いところ…登らないといけないのかな…ぁ…?
「レ…ンズすこ…し…だけ、ちからを…かして…?」
『分かりました!お気をつけください!』
レンズが壁を登る土台になってくれている。
それでも少しだけ登るのがキツイ。
私は他のオペレーターの方のように大きくない腕に力を込めてようやく体の上半身を壁の上に持ってこれた。
「んっ…、むぅ…。」グッ
やっ…と周り…が見渡せる…位置…についたよ。
ちょっとした体の動きだけで息が荒くなる。
肺が酸素を取り入れようとするけど、それ以上にそこから見えた景色に息を呑んだ。
夕時なのか赤くオレンジ色に輝いた太陽が日没していく。
その夕焼けはオペレーター達をスポットライトのように照らしてレユニオンの歩兵を自身の得物で切り裂いていく。
そしてその返り血でまた自分自身を赤く染めていた。
今まで眺めてきた場の空気感とそれを取り囲んだ心から沸き立つような情景に、無意識にカメラを取り出して一枚の写真に収める。
戦場だって、人の生き死にだって分かって…る。
理不尽な死、恐怖の坩堝、疫病の泰然。
今、敵の臓物が空中に飛び出している。
傍から見たら酷い光景。
けど、それよりも…
「…、き…れい…。」
ここから眺め見るその全てに意味があるように感じた。
命の尊さと儚さをこのカメラに収められたと思うと少しだけ嬉しく口元が緩む感覚がある。
『シーン、到着地点には着いたか?そろそろレンズを東南の位置に配置して偵察を行ってほしい。敵に遭遇した場合、報告と足止め。できれば殲滅を頼む。』
「わかっ…た。」
またイヤホンマイクからドクターの声が聞こえ指示をもらう。
そう…、まだ作戦ちゅ…う。
気を抜いちゃ…だめ…だ…よね…?
「…レンズ…?おねがい。」
私はレンズの方に目線を向けて合図する。
ここまで来たらあとは簡単だ…ねぇ…。
合図を受けたレンズは
『お任せください!疑似レンズを東南の高台に設置。偵察を開始いたします!』
元気よく返事するとレンズと似たロボットが東南の高台に向かう。
アレもレンズ。ただし私の隣にいるレンズとは違い疑似的な物で本体に比べると性能は若干劣る。
その疑似レンズと視覚を共有して本体が敵を発見時写真を撮って報告をする。
「んっ。だいじょうぶだねぇ…。」
風が強く吹いて髪をなびかせるが、特に変わることはない。
このまま何事もなく作戦終了まで待っていればいいのかな。
『シーンお嬢様!レジャーシートを持ってきましたので座って休んでください!あとはレンズ達にお任せ下されば大丈夫ですよ!』
レンズがその場にレジャーシートを敷いて座るように促してくる。
そう…だね。すこしつかれちゃったかも。
「ありがとう…ね、レンズ。」
レンズの硬い合板を触る。撫でるような仕草だけどこの場合は撫でている感じがしない。
私はゆっくりと座り、少しだけレンズの機体にもたれかかった。
このまま何もおきないようにと願いながら。
ドクター視点
レユニオンの抗争開始から2時間。
終盤戦となり結果はこちらの優勢、あと少しでレユニオン部隊を殲滅できる。
あとは残等狩りだけなのだが主力の前線メンバーは下げた。
なぜならこちらの消耗も激しく数名が負傷。
重傷者は幸いいないのだが無理をさせるのはいけない。
医療オペレーター達が応急処置とアーツで修復を試みている。
残りは負傷が少なく再出動が可能なオペレーターに任せていた。
「……ようやく…、これで終わる。」ハァ…
勝利を目前に、私は心から安堵した。
幾度となくレユニオンとの抗争は繰り広げられる。
何度も経験し、何度も戦地に仲間を送ってきた。
けれど人の生き死にを左右する指揮は、余裕を無くし心を削る。
私は近くの背もたれ付きの椅子に座り、胸ポケットに入れていた煙草とライターを取り出す。
ワルファリンからきつく『そんなもん、ろくな死に方しないぞ!肺真っ黒けっけじゃ!』と怒られたのだが、こんな心臓に悪い仕事じゃストレスがたまるからなぁ…。
作戦終了時しか吸わないから許してくれ。
死に急いでる?そうかもな。
そんな頭の中で煩い医療班の注意をガン無視して煙草に火をつけて吸い込む。
はじめは煙たくてむせてたのに今じゃ味の区別がつくぐらい慣れてきた。
頭の中がスッキリして少しだけハイになる感じ。
次第と気分が良くなる。
しかし、束の間の安息も次の瞬間消えてなくなった。
『ドクターさん!!』
リラックスしていたところにレンズの声が耳元で響く。
大きな声だったためかキーンと耳鳴りが聞こえた。
しかし、それよりも急なレンズの慌てた声に嫌な予感を覚える。
「どうした?!」
『シーンお嬢様から150m前方に上級術師隊長が現れました!今疑似レンズが食い止めていますが急がないとシーンお嬢様に危険です!どなたかオペレーターの方を向かわせてください!!』
瞬間、血の気が引くような感覚があった。
黒ローブを着たヤツと今までに戦ったことはある。しかし、現状太刀打ちできるオペレーターはいない。
何度も相対して、何度も手こずった。
数人がかりでの勝利は、ハッキリ言って割に合わないほどの損傷を負って収めたものだ。
そんなやつの相手をシーンだけで太刀打ちできるわけがない。
そこに一人追加したところで勝てる見込みは少ない。
どうする…?あと数分程度で負傷したオペレーターを向かわせることは可能だ。
しかし、それだと間に合わない。
何より負傷済みの仲間を向かわせるだけ無駄だ。
余計に事態を悪化させる。
近場にいるオペレーターを向かわせるか…?
「…ッ……、分かった!けれど、勝たなくていい!向かわせたオペレーターと隙をつくって逃げてくれッ!それまでレンズは身を呈して足止めをすること!頼んだ!」
私はとにかくシーンの安全のため、指示をする。
『わかりました!お願いしますね!ドクターさん!』
返答が返ってくるが不安は拭えきれない。
レンズ達だけでの勝ち筋なんて考えつかない。
だから、私はすぐに耳元につけていたイヤホンマイクで彼女を呼び出す。
「すまん、急用だ。時間が惜しいから端的に言うぞ。その場から東北に500m、シーンがいる。ただ、上級術師隊長と交戦していると思うから手助けしてくれ。倒さなくてもいい。隙を見て、シーンを逃してあげてほしい。」
『――――――――――――。』
「あぁ、分かったよ。今度埋め合わせでご飯奢るよ。だから、頼んだ。」
『――――――――。』ザザッ
通信が途切れる。やっぱり、あの飄々とした雰囲気と直接的に好意を伝えて茶化してくる意地悪な彼女は苦手だ。
しかし、一人でも場の戦況を変えるだけの戦闘技術と生存率。
現状シーンを助けるのに適役は彼女しかいないだろう。
私はこれ以上何も出来ないことを察して、近くの椅子に座って祈る。
無事に皆がロドスに帰ってきてくれと。
―――――――――――――――――――――――――――――
レンズ視点
シーンお嬢様を守る。
ただそんな単純なことなのに、どうしてこんなにも難しいのだろう?
そう考えながら二体目の疑似レンズは、目の前にいる黒のローブを纏った奴のアーツに貫かれて爆ぜた。
爆発音と周りの木々が燃え移った際に出た灰が合板につく。
『シーンお嬢様!下がってください!時間は稼ぎますからッ!』
新たに疑似レンズを起動する。計5機。
内2機は破損。残り3機でせめてシーンお嬢様だけでも逃したい。
後ろにいるお嬢様は怯えた表情で、へたりこんで戦える状態ではない。
『貴方は戦意喪失した敵でも、殺るんですか…?』
目の前の上級術師隊長に問いかける。
口元は見えないけれど、彼の声は酷く冷淡で威圧的だった。
「たとえ戦意喪失した敵でも首を刈らねば、いつか自身の首を刈られる世だ。情けは自分を追い詰める。戦場では当たり前だろうが。」
そして奴は喋りながら自身の腕を前に構え、黒のアーツを溜める。どこかロドスのCEO様に似ていると感じたのは多分、勘違いだろう。
「……ッ…だ…めっ!!」ガシッ
シーンお嬢様は本体である私を掴んだ。
その力は弱々しかったけれど『離さない』という意思が私の動きを止めた。
見ると泣きそうな瞳、その奥にどうしようもないほどの絶望。
このまま戦えばレンズ達は全機破壊され、もうシーンお嬢様のもとには帰れないだろう。
私は私のすべてを掛けてシーンお嬢様を守りたい。
たとえやられても時間を稼いでやると意気込んだ。
それをお嬢様は分かっている。
『すみません、シーンお嬢様。お願いです。離してください…。こうしている間にも疑似レンズの車軸を撃たれ、あと一手で残り2機になってしまいます…。』
私は伝える。
何故か締め付けられるような気持ちがあった。
ロボットにも心はあるのですね…。
これじゃ、シーンお嬢様の心はもっと辛くて苦しいのでしょうか…?
そう考えながらお嬢様の手を振り解く。
スルリと抵抗なく解けた。
けどお嬢様は顔を左右に動かしながら、「…まって…!」と声を震わして懇願している。
あと少し待てば他のオペレーター方が助けに来てくれる。
私じゃなくてもいい、最期までお嬢様の側にいるのは。
『お嬢様!大丈夫です!ゼッタイに戻ってきますから!ゼッタイのゼッタイです!約束しましょう?!逃げ切れたら、またいつか!一緒に撮影するためにどこかに行きましょう!』
『絶対』なんて無いと知って約束した。
その誓いが私とシーンお嬢様の愛や友情に遠く及ばないとしても。
「―――――――――ッ!!!」
後ろから聞こえる声はミュートして聞こえないようにした。
前方、50m標準。敵一体。疑似レンズと接続。
『パーノーラーマーッ!!!!』バッ
疑似レンズとともに眩い光線を放つ。
2000ルクスのフラッシュを瞬間的に焚いた。
閃光弾のようなものだ。
ストロボはいざというときに敵の失明を狙い、その隙に攻撃するための物で連発してはできない。
「うっ…ぐ…」
突然のことに敵は怯んで後退りする。目も見えてないのかあらぬ方向にアーツを飛ばしている。
ふらついて、立っていられないのか膝をつく。
チャンスだ。
私はそう思い、素早く拘束するため車軸を加速させて体当たりを試みる。
が、しかしそんな都合よくはならなかった。
瞬間、アーツが私の合板に突き刺さる。
レーザービームのように、早く狙いも正確に。
フレームはヒビが入った。
屈折したレンズ越しに見える敵を見て驚く。
二重に見えるがそれでもはっきりと映る。
黒ローブは彼の目を覆って、閃光を防いでいた。
怯んだのは演技だったらしい。
奴はあざ笑っていた。
あぁ…すみませんドクターさん。後はお願いします。
シーンお嬢様…、今までありがとうございました…。
スローモーションのような走馬灯。
目の前がブラックアウトするには、長すぎて。
楽しかった日々のメモリーが流れていく。
あと数秒で消える前に最後、私は願う。
消えたく…ない、ですね…。やっぱりシーンお嬢様の隣は私でいたかったです。
シーン視点
頭が…いた…い。涙もとまらない…。
本機であるレンズが破壊されたためか疑似レンズも、停止。
わたしは独りになってしまった。
失ったものが大きすぎて、目元が熱くなり嗚咽とともに俯き泣き出しまう。
どんなときでも側にいた家族を失った反動は激しくて、今にでも吐きそうな感覚に襲われる。
「レ…ンズ…、ぅ…わぁ…ッ…。」ポロポロ
私を置いていったレンズに話しかけても帰ってこない。もう二度と。帰ってこない。
レンズの破損した部品を寄せ集め、無意識に守るように身体を丸める。
もう、事態は遅く取り返しがつかないというのに。
嘆いている。そんな状況でも関わらずザッザッザッと足音が近づいてくる。
あと数mのところで聞こえなくなり、代わりに黒ローブから冷めた声が聞こえた。
「最後の最後まで煩わしい機械だったな。ロボット如きが勝てるわけ無いだろう?まぁ…そんなことはどうでもいいんだ。あんたを殺れば失った仲間のケジメも取れる。」チッ
上がっていく脈拍。滴った脂汗。
キィィィィィッッとアーツが頭上で収束していく音が響く。
空気が裂かれるような突風。
「怨むなよ。時代が悪かったんだ。…じゃぁな。」
もうだめ…。
そう死を悟った。死にたくはない。
けど、生きる目的もない。
苦しんで死ぬより一瞬で消えたほうが楽だ。
……………。なんで…。
ぁぁ…っ…、こんなにもなみだがあふれるの…?
いやだなぁ…。やだよぉ…。レン…ズ…。
「お嬢さんがそんな顔をしちゃだめよ?」ニコッ
どこか聞き覚えのある声が聞こえた。
まるで、始めからそこにいたように何事をないように。
両手には見た目が灘に近くナイフとして扱うサクス。
それは血塗られていて彼女の頬にも返り血がついていた。
「ぅぅ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッッッ!!!!」
突然、目の前から叫び声と黒赤い血が滴り落ちてきた。
わたしは顔を上げて確認する。
「……えっ……。」
驚きのあまり声が出てしまう。
しかし、それは仕方ないはず。
だって黒ローブの左腕は切断され、倒れ込んでいるじゃないか。
痛みで蹲って叫んでいる。
「死角からの攻撃ならカジミエーシュの騎士にとって得意だってのに…、ドクターたらあたしの力を信じてないのかしら?酷いわよね。」
綺麗な褐色肌の脚を曲げて、身体を私の近くでかがみこむ。
そして腰に彼女の得物であるサクスを装着して、空いた手を差し伸べてきた。
「大丈夫かしら?ドクターから何かあったら逃げろって言われたけど、捕虜にすればあの人は喜んでくださるでしょ?怪我はない?ないなら早く立ってあたし達の居場所に帰りましょ?」サッ
「…、ぁ…。」
私は一瞬戸惑った。
圧倒的な存在と実力に。
作戦では顔を合わせるけれど、喋ったりするのは初めてでどうしたらいいか迷ってしまった。
すると彼女は何となく察したようで「ぁぁ…」と言うと話し始めた。
「一応、話すのはハジメましてよね。なら自己紹介でもしたほうがいいのかしら…?あたしはカジミエーシュの騎士のグラベルよ。よろしくね。」
「よ…ろしく…?」
そうわたしとグラベルさんの初めての会合はレンズを失った直後のことだった。
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ー 選択 ー
ー ー
ー A√ 逃げる ー
ー ー
ー B√ 戦う ー
ー ー
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現場裏
ドクター「グラベルって、上級術師隊長倒すほど強かったっけ?」
グラベル「んー?愛よ?(昇進2Lv70)」
ドクター「アッハイ」
次回が終わってからのキャラ候補
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ホルン
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リィン
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ケオベ
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シュウ