辺境領主は銀髪ロリエルフをprprしたい 作:名もなきrlkn
ダンジョン都市、そう呼ばれる街がある。
ダンジョンを中心として発展してきた都市であり、王国の中でも極めて特殊な都市だ。
ダンジョンとは、曰く、神の与えた試練である。曰く、神の恩寵である。曰く、悪魔が手招く地獄の門である。曰く、曰く……様々な説がささやかれる中、その真実を知る者はいない。しかし、どの説も一様にして上位存在を前提にしているものであるのは同じだ。
それも当然だろう、もしダンジョンの中に一歩でも足を踏み入れた事があるならば、その存在を嫌でも意識せずにはいられない。何せそのゲートの先にはもう一つの世界が広がっているのだから。天には空があり、昼と夜があり、大地には草原が、林が、森が、動植物が存在する。しかし同時に天にも地にも果てがあり、確かにそこが箱庭であると認識させられる。
更に言えばダンジョンには意思があるとも言われている。
ダンジョン内には野生生物だけでなく、様々なモンスターが跋扈している。それはダンジョンを調べようとする者――探索者達の前に立ちはだかりその行く手を阻もうとするが、それらを倒した時には何故か時折宝物が”ドロップ”するのだ、まるでそれが褒賞であるかのように。更に階層を進めばダンジョン内には宝箱が設置されており、その中には人類にとって有用な物が多く安置されている。しかも奥に進めば進むほどそのアイテムはより有用性を増し、人類が魔領を拓いていく手助けとなった。
そうなればその利益を独占しようという者も当然現れる。事実過去には何度も様々な国がこのダンジョン都市を支配し、自国のみでその利益を独占しようと考え、しかしダンジョンから氾濫したモンスターにより滅ぼされたという歴史がある。
ここまでくればダンジョンを作った何者かが人類をその奥へと誘っているように感じるというのも頷ける。
現在の王国が支配してからは、ダンジョン都市は王家の直轄地として扱われ、ダンジョンから産出する魔石は全て買い取りその内1割を徴収するという点以外はほぼ制限をされていない。そしてその体制になってからモンスターの氾濫は起こっておらず、現在に至るまでそれは維持されている。
ダンジョンとは何か、その意思は何を求めているのか。それすら定かでないままに、栄光と宝を求めて探索者は進む。果たしてその先に待つのは救いか、罰か。
と、いう事らしい。
「ダンジョンの意思にお宝ですか、ロマンですね」
そんなこんなで俺たちはダンジョン都市へと訪れていた。事前に調べていた通り通行税も徴収されることなく街の中へと入る事が出来た。
以前来た時は見つからないようにこっそりダンジョンに忍び込んだため、こうして市街を見るのは初めてになる。街の中を一言で表すなら混沌、だろうか。人々が活気に満ちているのは間違いないが、そこかしこで諍いも絶えずお世辞にも治安はよろしくないようだ。
王家の直轄地であるのにどういう事かとも思うが、王家としても直接的な支配はしないが積極的な統治もしないといったスタンスらしく、ダンジョンから産出する魔石に対する徴収以外はほとんどノータッチであるらしい。過去に起こった魔物の氾濫はダンジョンに入る人を大きく制限してしまったため、それがダンジョン意思に反したために起こったと考えられていて、実際に今の方法で問題が起こっていないので変更する気もないようだ。触らぬ神に祟りなしということだろう。
では取り締まる者がまるで居ないかといえばそうでもなく、この都市特有のクランやファミリーと呼ばれる団体の大手のいくつかが協力して自治しているそうだ。目に余る者はこういった相手に捕らえられ、一応駐在している国の士官に引き渡されたり闇に葬られたりしているらしい。
特に犯罪者を取り締まる事を目的とした治安維持クランもあるらしく、住民達から大きな支持を受けているのだとか。
こうしたクランやファミリーというのはギルドとはまた別の組織であり、元々はダンジョンの探索を目的とした探索者同士の相互扶助組織を前身としている。
冒険者ギルドもまだ設立されたばかりの頃、ギルドはあくまで人類の領域を広めるために注力しておりダンジョンにまでその影響力を及ぼすことは出来なかった。
そういった関係で都市内のみという狭いコミュニティーの中で発展していったのがクランという組織という訳だ。ちなみに組織としての立ち上げに特に決まりはなく、本人が名乗りを上げればそれで結成だ。そんな事なので市内には無数のクランが存在しているが、有象無象のクランを傘下に大量に抱える有名どころが舵取りすることで、どうにか都市のバランスを保っているらしい。
正直考えるだけで頭が痛くなりそうな状況なのだが、これでどうにか崩壊せずに都市が成り立っているのだから驚きだ。恐らくはクランだけでなく、国も色々と噛んでいるからどうにかなっているのだろうが、担当者には頭が下がる思いである。
なぜそんなダンジョン都市に来ているかといえば、ずばり何か良い感じのレアアイテムを探しに来たのだ。
色々とこなしている内に間近に迫ったロイドの結婚式に当たり、雨音も何か贈り物をしたいと言い出した。色々と案を考えてみたものの、中々良い案が思い浮かばなかった時に思い出したのがダンジョンのドロップアイテムだ。
ダンジョンでは魔物を倒すとなぜか死体は残らずに魔石だけが出るのだが、たまにアイテムを落とすことがあるのだ。これらはドロップアイテムと呼ばれ、その魔物にちなんだ素材だったり、全く関係ないお宝だったりする。
他にもダンジョンの奥へ進むと宝箱があり、中には貴重な鉱石やマジックアイテム等が入っていたりと物によっては一財産築けるような物もあったりする。それも宝箱は周期的に置き換わるらしく、取りつくされて無くなるという事もない。
宝箱がある階層に辿り着くのも難しいのだが、一攫千金の夢を見てダンジョンに潜る探索者は後を絶たない。
今回はそんな宝箱から出る良い感じのレアアイテムをゲットしてプレゼントしよう、という考えの元街へと繰り出してきたという訳だ。
ちなみに俺はもう贈り物は済ませている。領主館のすぐ近くに一軒家をドドンと立ててやった。意外と銭湯好きなロイドのためにめっちゃ広い浴槽も完備だ。ロイドは感動のあまり言葉も出ない様子だったので満足してくれたと思う。
さて、宝箱が出る様になるのは20層超えてからなので少し長丁場になるはずだ、気合いれていくぞ!
「はい、頑張りますよ!」
「……はぁ、これ本当に私も行かなきゃダメなやつ?」
どうした特別ゲストのメイド長、テンション低いぞ
「ちょっと、外でメイド長呼びは止めて。つーか朝方いきなり装備一式持たされて連れて来られてやる気なんて出る訳ないでしょ!」
「うぅ、ごめんなさいですアリサさん……」
「あっ、別に雨音を責めてる訳じゃないのよ」
おいおい、謝ってるんだから許してあげろよ?
「あんたが!元凶なんで!しょうが!」
止めて!ごめんなさい!ちくちくするからナイフで突くのは止めて!
突然の凶行に周りの通行人もぎょっとしているが、特に血が出てたりする訳ではないのでただの痴話げんかと思われたようだ。しかし最近どうもメイド長のスキンシップが過激すぎる。暴力系ツンデレとか今時人気出ないゾ。いやすんませんなんでもないっす。
人を射殺せそうな眼光で睨んで来るメイド長、もといアリサだが、一際大きいため息をつくとどうにか怒りを納めてくれたようだ。どうにも彼女は煽ると反応が面白いので調子に乗ってしまうのだが、本気で怒らせるのも本意ではないので自重しようと思う。
まぁ思っててもついノリでいってしまうのであまり意味は無いのだが。
アリサは切れ長で意志の強そうな瞳とくっきりとした顔立ちの正統派美人といった容貌だ。一見キツイ印象を与えるが笑顔は驚くほど柔らかで、そのギャップが堪らないと主に部下のメイド達から大変慕われている。
まぁその笑顔を見せるのが本当に稀なので近しい者しか知らないのだが。
今日の衣装はいつものメイド服ではなく、かつての暗殺者スタイル、でもなく俺が以前プレゼントした軽量のコンバットスーツだ。各所に小型のポケットを多数配置し、暗器や使い捨て魔道具を無理なく保有出来るようにしている。スーツ自体が魔物素材で作られており、軽量でありながら防刃性に優れ刺突にも強い作りになっている。その上に黒色で艶消しのされたレザーアーマーを要所に付け、身軽に動けながらも全身鎧ばりの防御力を持った軽戦士といった装いだ。
愛用の短剣は腰の剣帯に下げ、イライラを納めるようにその柄を撫でている。こちらで刺されなかった分まだ優しさが含まれていたのかもしれない。
「そもそも戦力としてはクリスが居るんだから必要ないでしょ、賑やかしならミリスでも連れてくればいいじゃない」
ミリスなんて連れてきたら一生喋ってそうで探索にならんわ
「ミリスさんはとっても賑やかですからねぇ、ダンジョンに入ったら”マジバイブスアガるんですけどw”ってすごく喜びそうです」
雨音、ミリスの真似は止めなさい……とにかくミリスは無い。それにアリサには宝箱を開けるという大事な役割があるんだ
「宝箱、ね。期待されても別に本職って訳じゃないから罠の解除なんて出来るかわからないわよ?」
ダメなら仕方ないさ、少なくとも俺がやるよりはマシだろうし
「そもそもクリスは一回ダンジョン潜ってるんでしょ、その時はどうしてたのよ」
基本は漢探知だな
「聞くからに頭悪そうな方法ぽいけど一応どんな方法か聞いてあげるわ……」
ずばり罠があっても無視してそのまま開ける。罠はライフポイントで受ける物
「凄いですご主人様、そんな解除方法があったなんて!」
「はぁぁぁぁ……予想以上に頭悪すぎて頭痛がするわね。それで死なないのなんてコイツくらいなものだから雨音はマネしちゃ駄目よ」
漢探知馬鹿にすんなよ、昔から続く由緒正しき解除方法の一つだぞ
ただしTRPGに限る。常人がリアルでやるには少しばかりリスクの高い方法であるのは間違いない。
最初のうちはこれでも良かったのだが、途中から爆発するタイプの宝箱が頻発するようになり中身も一緒にダメになってしまうのだ。GM対応してるんじゃねーぞ。案外ダンジョンには意思があるというのもあながちただの噂とも言い切れないかもしれない。
「そういえばクリスはダンジョンのどこまで潜ったのよ。たしか一番進んでるクランで50層くらいとは聞いたことがあるけど」
今のトップ攻略クランが54層って話だったかな。前回はとりあえず100層までいってみたが飯の時間になったんでそこで引き上げた。多少なりと探索しながらだと日帰りは厳しいわ
「ひゃく……いや、なんかもう今更よね」
「はえー、ダンジョンってそんなに広いのですねぇ」
んー、広いと言えば広いけど階層毎に次元をずらしてるみたいだから単純に広い空間があるわけでもないんだがな
ダンジョンの構造については長年研究されているがあまり多くの事はわかっていない。
ダンジョンに入るポータルと呼ばれる入口をくぐるとダンジョン1層のどこかに転送される。転送は基本的に個別に行われるが、手を繋いだり一本のロープを全員で持つことでパーティーや団体で同じ場所に出る事も可能だ。
階層内は広くおおよそヘルゲン領と同じ程度はあるらしい。その中に進行ポータルと退去ポータルが複数設置されており、探索者は階層の探索をしながらそれらのポータルを探す事になる。
進行ポータルは次の階層に進むのみだが、退去ポータルはどこまで進んでいてもダンジョン入口に戻る事ができるため、探索の際は退去ポータルの位置を確認してから進行ポータルを探すのが基本となる。
階層内は常に少しずつ変化しているらしく、時間を置いて入ると同じ階層の同じ場所でも地形が変わっているという事があるそうだ。だがポータルの位置が大きく変わる事はなく、階層毎のポータル位置を記した地図が人気商品の一つになっている。
定期的に地図の更新が必要になるため地図の作成を専門とするマッパーと呼ばれる職種も出来ているとか。
10の倍数階層には進行ポータル前にボスフィールドというものが設置されており、1PT毎に階層ボスと戦い勝利しなければ次の階層には進めないようになっている。だがボスを倒す事ができれば次回からボスを倒した次の階層へと入口から直接降りられるようになる。
現在の攻略最前線は54層である。低いように感じるかもしれないがダンジョンを踏破するには様々な能力を要求される、それらを全て兼ね備えたPTなど中々揃うものではない。入場人数の制限が有るわけではないが、人数が増えればその分必要な物資は増え進みは遅くなるし統率も取り難くなる。故に要求されるのは少数精鋭の部隊か、あるいは全ての障害を力ずくでどうにか出来る圧倒的な戦闘能力だ。
かつては国を挙げての攻略も試みた事があったそうだが、人類としては貴重な人的コストを割くには少々割に合わないと判断したようだ。同じだけのコストを割くなら魔領の開拓に充てた方がリターンが大きいのだ。ダンジョンで有用なアイテムは手に入っても領土は手に入らない。ダンジョン内に街を作ろうとした事もあったそうだが、内部で長期間活動していると突然外に弾き出されてしまうという事態が起こりこの計画は頓挫する。
総じて国としてはダンジョンの価値は高く評価するものの積極的な攻略はせず、探索者に魔石を掘らせたまに出土する強力なアイテムを買い取るという姿勢に落ち着いた。
今後人類が本格的にダンジョンの攻略に乗り出すにはまだしばらく時間がかかるだろう。もっともその前に魔物勢力に滅ぼされなければ、と注釈が付くが。
今回の目標であるレアアイテムの取得だが、ある程度価値のある物となると30層を過ぎてからドロップし始める。宝箱自体は20層過ぎてから出てくるのだが始めのうちは少し高品質なポーションや少量の貴金属くらいのものだ。
そこそこの値段で売れる物だがそこまで価値の高い物ではない。本当に極稀に浅い層でも不自然な程にレアなアイテムが出る事があるそうだが、もしこれをダンジョンの意思が用意しているのなら大したものだ。人類の射幸心の煽り方を良く心得ていると言っていい。
そんなSSRを自分も引けるかもしれないと、こうして人が群がってくるのだから。
前世では定期的にガチャ爆死していたので探索者達の気持ちはよく分かる。もっともこちらではベットするのは金ではなく自分の命なので一度爆死したらおしまいの鬼畜難易度だが。
もっとも今回はそんなSSRを狙いたいという訳ではなく、そこそこ良い感じのレアが欲しいだけなのだ。雨音自身、自分が頑張って手に入れた物を贈り物にしたい、くらいの気持ちのようなので内容としては高品質なナイフとか価値のある昔の貨幣とかでいい。
それくらいならダンジョン都市の市場にはよく出回っているし、実際に前回ダンジョンに潜った際に拾っているので問題ないだろう。
探索に関しても30層までは平原がメインでマップの一部が森や砂地になっている程度で踏破困難な場所は少なく、出現するモンスター達も今の雨音やアリサの敵になるほど強い個体は極一部なので問題は無いだろう。
そんなちょっとした蘊蓄を語りながらダンジョンの入口へと向かう。街の中心にあるダンジョン周辺は探索者とそれを狙った商店とでその混沌さを更に深めている。
それほど広いとは言えない道は人で溢れ、ぶつからないように歩くのすら難しい。その上人の流れを作るのは鍛えられた探索者ばかりとあって、人波に呑まれれば抜け出るのも困難だろう。
無用なアクシデントに見舞われるのも面倒なので雨音を腕に抱え、アリサを背に隠すように人波を割いて歩く。時折迷惑そうに舌打ちされるがこちらと目が合うとすぐに逸らされる。無駄にデカくなったガタイの良さと厳つい顏が役に立つ数少ない場面だ。
途中の出店を冷やかしつつ少し歩けば、その特徴的な建物はすぐに見えてきた。
「あれがダンジョンの入口、ですか?」
「なんだか想像していたのとだいぶ違うわね……」
二人が困惑しながら漏らすのも無理はないだろう。そこにあったのは縦長で謎の光沢を放つ金属製の建物なのだから。周囲の景観から浮きまくりな事この上ない。
この街の住人や長い人間はもう慣れているようだが、俺たちと同じように来たばかりなのだろう探索者は珍しそうに、あるいは訝し気に見上げている。
建物の大きさとしてはそれほど大きなものではない。精々が3階建ての建物くらいの大きさであり、どの街にもあるとは言わないが旅慣れた物ならば貴族の屋敷なり砦なり城なりこれより大きな建物は存在する。
しかしその全てが金属製であり、鉄や鋼などの見慣れた物とは異なる輝きを放つとなれば話は別だ。少なくとも王国内にこれと同じ規模の金属製の建物など存在しないだろう。
その上だ、この建物は王国が出来る遥か昔、それこそ人類の版図が伸びる以前から存在していたはず。加えて数多の戦乱やモンスターの氾濫を経たにも関わらず、建物には一切の損壊、どころか傷の一つも見当たらないというのだから驚きだ。
言うまでもなく現在の人類に作れるような物ではなく、神が作った試練場だとか、前文明の遺産だとか様々な説が出ているもののどれも確証はない。その最深部に辿り着けばその謎も解けるのではないか、という考えの元ダンジョンに潜るロマン派と呼ばれる探索者もいるとかいないとか。
いつまでも見上げていても仕方がないので建物へと向かう人波に乗って移動する。そのまま謎金属の自動扉を潜れば、そこは外観からは想像できない程に広がった空間だった。
「わぁ、凄いですね!」
「本当に、凄いとしか言えないわねこれは。いったいどうなってるのかしら」
建物の内部空間をいじってるんだろうな。まぁダンジョン内部のでたらめさを考えればこれくらいは出来て当然なんだろうけど
「どこを基準にした当然なのよ……はぁ、今からでも帰りたくなってきたわ」
ぼやくアリサを宥めながら進み内部を見渡すが、以前来た時と特に変わりはないようだ。
中は区切られる事無く、一つの広大なフロアとなっており、数多の探索者を内包してなお余裕がある程だ。そしてフロアの中心には巨大な鳥居が鎮座しており、その境界に渦巻く闇は某国民的RPGの旅の扉を彷彿とさせる。
あれがダンジョンへと入る為の進入ポータルと呼ばれる物であり、今も次々と探索者達を飲み込みその内部たるダンジョンへと送り込んでいる。
時折入る前に境界の前で何やら手振りしているのは階層指定している探索者だろう。別の探索者が同時に侵入しても別個の目的階層に転送しているあたり、その技術力の高さが伺える。
少し離れたところには進入ポータルよりもやや小型の鳥居が数個並んでおり、こちらは境界から探索者を吐き出す退出ポータルとなっている。それを囲うように国の買い取り所が設置されており、ダンジョンで入手した魔石の徴収と買い取りを行っていた。
ダンジョンへ挑む探索者は多いが、入口となる進入ポータルが大きいため待ち時間は殆どない。探索者間でのトラブルを避けるためにパーティー単位で固まり、他のパーティーとは多少距離を開けてポータルへ入るのが一応マナーとされている。
何組かのパーティーが境界に飲み込まれていくのを見送れば、すぐに俺たちの番となった。
「ちょっ、本当にこれ大丈夫なんでしょうね?故障して変な所に飛ばされたりしない?」
「うわぁ、近くで見ると更に不思議ですね。どういう構造なのかわくわくします!」
腕にヒシっと抱き着きながらも腰が引けているアリサと、首に抱き着きながら目を輝かせている雨音。対照的な二人に苦笑いを零し、普段は強気なアリサをからかってやりたい所だが後ろの邪魔になっても悪い。
腕を引いて抵抗しようとしていたアリサを小脇に抱き抱えると、文句を言われる前に俺は一気に境界へと飛び込んだ。
感想、評価、誤字報告ありがとうございます。
正直書きたいエロは前回で書ききった感があり、自分のモチベ的にもここで完結にするべきかと思ってたのですが、せっかくなのでもうちょい書いてみようかと思います。
今後も不定更新になると思うので気が向いた時にでも読んで頂ければ幸いです。