※この作品はR-18です。

辺境領主は銀髪ロリエルフをprprしたい   作:名もなきrlkn

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※濡れ場注意


雨ノ音

 ひとまず健康診断は終わりにする。診断結果としてはすでに手遅れ、救急車よりも葬式の手配をした方が速いレベルだ。常人ならば数回死んでもおかしくない。今こうして意識を持って会話出来ているのが不思議なほどで、これはひとえに少女の肉体の頑強さにもたらされている物だ。それを踏まえてもまぁしばらく絶対安静にしていなければいけないのは間違いない。

 

 少女の身体を直す方法は、ある。かつてダンジョンに潜った際に手に入れたエクストラポーションを使えば問題ないだろう。生きてさえ居れば瀕死の重傷からでも復活できるし、古くに無くした四肢欠損すら治ると言われている。解毒用の同ランクポーションもセットで持っているので内部の毒も回復できる。レアアイテムだからコレクションしようと思って売らずにおいてよかった。

 

 しかしこれをすぐに少女に使う訳にもいかない。ポーションの類はランクによって効果量は違えど、内容は一緒だ。これらはあくまで本人の治癒力を高める物であり、深い傷を癒そうと思えばその分多くの体力を消耗する。四肢を生やすような細胞分裂を短時間で行おうというのだ、それに耐えうる体力がどれだけ必要なのかは言わずもがな。当然当人の体力だけで耐えうるものではなく、その殆どをポーションが保有する魔力が担ってはくれるのだが、それでも最低限の体力は必要になる。回復魔法もそれは同じで、自分を回復するならまだしも他人の回復をするには魔力同士の反発を抑える技術も重要になる。俺が力任せにやっても結果は同じだ、不慣れな分負担は余計増えるだろう。

 よって致命傷を負ってすぐならなんとかなるが、衰弱しきった怪我人に使えばそのまま衰弱死するという事らしい。

 

 そして件の少女である。まぁ今すぐ使えば十中八九死ぬだろう。あるいは彼女の肉体ならばそれすら耐えられる可能性はあるが、現状そんな博打を打つほどの喫緊の事態ではない。容体が急変すれば考えるが、無駄に危険を冒す必要もない。

 

 

 

 ならば、まずは体力付けるためにも飯を食うか

 

「体力……ですか」

 

 そうだ。お前も自覚してるかもしれないが、かなり死にかけレベルだからな。暫くは飯食って寝て体を回復させる事を優先するぞ

 

「わかりました」

 

 食べ物で何か苦手な物とかあるか?

 

「…………いえ、食べられるものであればなんでも大丈夫だと思います」

 

 

 

 ですよねぇ!

 知ってた。聞いてから思ったが、そんな好き嫌いできる環境にいたわけが無かったのだ。別段ことさら優しくしてやるつもりはないが、あえて傷口をえぐるような真似をしたいわけでもない。少々いたたまれなくなって俺は隣のキッチンへ逃げ込んだ。

 

 

 

 さて何を作ろうか、などという事も無く。昨日多めに作り置きしていたシチューの鍋を温めなおせば十分だろう。最近入れ替えた最新式のキッチンは魔導コンロが付いており火をつけるのもワンタッチだ。なんなら魔力持ちなら魔石を使う必要すらない。

 

 鍋を火にかけようとしたところで思い立ち、別に小さな鍋を用意する。しっかり煮込んであるとはいえ、このまま少女に食わせるわけにもいかないだろう。小鍋の上に目の細かいザルをかぶせ、そこにシチューを移していく。液体部分は鍋に落ち、ざるに残った野菜達をヘラで濾してペーストにしてしまう。肉は消化に悪いのでおあずけだ。

 

 改めて温めなおして皿に盛る。ドロドロのシチューペースト、見た目は悪いが味はまぁ普通のシチューだ。暫く病人食になるが文句は言うまい。

 

 シチューの皿を持って戻りテーブルに並べと、ソファーから少女を抱き上げシチューの前の椅子に座らせた。テルテル装備を少し変更してやり腕を取り出してスプーンを渡そうとするが、果たしてこいつはスプーンが持てるだろうか。

 

 とりあえず試しに握らせてみるが、案の定握力が足りずに落としてしまう。予想はしていたので床に落ちる前に拾いあげるが、一人で食べるのは困難のようだ。今までどうしていたのかと思ったが、手掴みか、あるいは直接犬食いか、あまり確認もとりたくないので聞くのは止めておこう。

 

 少女の方を見れば表情はあまり変わっていないが、少しだけ申し訳なさそうにシュンとしているように見える。なんとなくだが。

 

 よしんばスプーンが持てた所で、よく考えれば目もあまり見えていないのだったと思い出した。なんとも非効率で無駄な行いをしてしまった。

 

 再度少女を抱き上げると、その椅子に腰かける。少女は膝の上に乗せ、腕と肩で固定してやる。これならそう負担もあるまい。抱きかかえられた事が分かったのか、少女はおずおずとこちらに身を預け、少し力を抜いて寄りかかってきた。良いポジションが決まったようで何よりである。

 

 シチューを掬い、息を吹きかけさます。軽く唇に当て温度を見るが、まぁ大丈夫だろう。

 

 

 

 待たせたな。食べさせてやるから口開けておけ。大丈夫だと思うが熱かったらすぐに言えよ

 

「はい、ありがとうございますご主人様」

 

 

 

 そう言って口を開けて待つさまは餌をねだるひな鳥のようだ。まぁ正しく餌付けしてるのだしあながち間違いでもないが。

 

 ゆっくりとその口内にスプーンを差し入れシチューを流していく。少女はちろりと舌が覗くその小さな口に含むと、少しずつ嚥下していった。

 

 

 

 味はどうだ?まぁ普通のシチューだから特別おいしい訳じゃないが

 

「……すみませんご主人様、あまり味覚が感じられないためどのような味だったかはわかりませんでした」

 

 そうか、味覚もだめなのか

 

 

 

 視覚はだめ、少女の反応の鈍さを見るに触覚も鈍っているだろう。そうして味覚もダメとなれば嗅覚も怪しい。ここまで来ると逆に聴覚と声がまともに動いている事に違和感を覚えるレベルだ。

 

 ため息をつきたくなる気持ちを抑え口を噤むと、代わりに少女が言葉を紡いだ。

 

 

 

「はい、ですが胸に落ちる感覚が心地よくて、こんなに暖かい食事は初めて食べました。だから、とても美味しく感じられます」

 

 

 

 暖かい食事(物理)が初めてってお前、マジか…そこまでか……いやいい、それ以上は何も言うな。今はとにかく食え、おかわりもいいぞ。

 

 その後はお互いに喋る事もなく食事を続ける。余程感動したのか少女の瞳からは涙が流れ、鼻をずぴずぴさせている。おいちょっと待て落ち着け、これからこんな食事いつでも出してやるから泣き止め、脱水症状で死ぬぞ?!

 

 涙と鼻水をぬぐってやりながらこまめに水も飲ませる。なんで飯食わせるだけでこんなにハラハラしなくちゃいかんのだ。

 

 ゆっくりとした食事だったが皿のシチューが半分ほどになった所で少女が小さくケプッとのどを鳴らした。体の小ささに加えまともな食事もなければ胃も縮小しているのだろう、食事の量は慣らしながら少しずつ増やしていけばいい。

 

 

 

 満腹になったか?

 

「満腹、なのでしょうか。よくわかりませんがとても満たされたような気持ちです」

 

 

 

 あっ(察し)はい。それは大変何よりでございます。こいつちょいちょい闇を挟んでくるな……

 

 残してももったいないので残りのシチューを食べていると、少女は目を瞑りおもむろに胸の前で腕を組んだ。

 

 

 

「神よ、日々の糧と恵を与えて頂けた事、感謝いたします」

 

 えぇ(困惑)お前それマジで言ってる?

 

「何かおかしかったでしょうか?神父様からはいやしき身で食べ物を恵んでいただいているのだから必ず言うようにと教わったのですが」

 

 その神父がいう神には会った事ないけど、どうせ碌な奴じゃないから言わなくていいぞ。感謝の気持ちを捧げるならウカミタ姉さまにしておけ

 

「ウカミタ様、ですか?ご主人様がそういうのであればわかりました。ウカミタ様、糧と恵に感謝いたします……」

 

 

 

 神棚ちゃんと作ったから届くだろ、知らんけど。

 

 さて食事が終われば次はお風呂イベントだ!と、いきたい所だったが思いとどまる。湯につかるというのは案外体力を消費するものだ、安易に放り込む訳にはいかない。それに温暖な気候とはいえ夜は気温も下がる、万が一風邪などひこうものなら即、生死判定で2D6振らされる事になるだろう。スペランカーでももう少しマシだぞお前。

 

 

 

 そんな訳で歯磨きタイムだ。口を開けさせてお手製の歯ブラシを突っ込む。初めての感覚に動揺している気配はあるが暴れる様子はない。

 

 上下表裏奥の方まで磨き残しのないように、しかし力をこめないように優しく丁寧に。他人の歯を磨くのは初めてだがめちゃめちゃめんどくさいなこれ。でも行き場なく所在無げに右往左往する小さなベロを見ているのは楽しいし少し興奮する。この乳歯とかちょっとエッチ過ぎない?元々ロリコンの自覚はあったが今ならより高みへと至れるような気がする。

 

 

 

 双方にとって危険な歯磨きが終わり、寝室に移動する。寝るにはまだ早い時間であるが、こいつにはとにかく休息が必要だろう。ベッドにその体を横たえ布団をかけてやる。そういえば少女とかこいつとか言っていたが、まだ自己紹介もしてなかった。

 

 だが待てよ、これよくない流れだ。安易に名前を聞けば、名前はありませんとか言われてショック受けるパターンだわ。ぼく知ってる。

 

 かといって聞かない訳にもいかないが、どうにか暗くならない感じでいかないと俺の体力がなくなってしまう。よし、

 

 

 

 ……そういえば自己紹介もまだだったな。俺の名前はクリストファー・エディルナだ。まぁ呼び方はご主人様で構わない。むしろそう呼ぶように。お前の名前はなんだ?いや、もしも無いなら構わない。平民の中には名前がない者もいると聞くしななんならいっぱいいるらしいぞ俺も有る意味名前なんてあってなようなものと言えなくもない事もないしだからお前だけが名前が無い訳ではないのでもし万が一無かったとしても気を落とすような事はないいいな?わかったな?よっしゃさぁこい!

 

「あ、いえ名前ならありますよ」

 

 

 

 んもぅなんだよ~ビビらせんなよ~。いや別にビビッてなかったけどね?余裕の構えだったけどね?鼻歌まじりで待ってたけどね?んでんで、なんて名前なのよ。

 

 

 

「はい、イミコやアクマと呼ばれる事が多かったので、それが名前なのだと思います」

 

 

 

 Foooooooooooooooooo!!!↑↑(そんなのが名前のはず)ないです。

 

 叫びださなかった自分を褒めてあげたい気分だ。お前わざとやってるんじゃねぇだろうな。あんまなめたマネしてると俺が泣くぞ?恥も外聞もなくギャン泣きしてやるぞ?お前にもいい年したおっさんが泣き喚く地獄のようないたたまれなさを味合わせてやろうか!!

 

 そんな風に内心でのたうち回りながら表面はどうにかとりつくろう。中身は別として体はぴちぴちの若者だからな、泣き叫んだりなんてしない。

 

 

 

 少女よ、残念ながらそれは名前ではないんだ

 

「そうなのですか……では名前は持っていないようです」

 

 

 

 若干しょんぼりしてるように見えるが、そんなの残念がる必要ないからねきみ?

 

 

 

「では、ご主人様。もしよろしければ名前を下さいませんか?」

 

 はいキタコレ、そうなりますよね

 

 

 

 テンプレ展開ではあるのだが、正直あまり歓迎していなかった。どうにも俺はネーミングセンスに欠けるらしいのだ。前世で天照様が拾ってきた野良猫に名前を考えようという事になった際、考え抜いて出した案が全員から否定され、その後名前を付けるような場で意見を聞かれることは一度もなかった。見た目の特徴をよくとらえた渾身の出来栄えだと思ったんだがな、金玉ギラギラぎんぎん丸。

 

 

 

 とはいえここで断れる場面ではない。自己中とか人の気持ちを考えないとか普段散々に言われるが、人の痛みがわからない人間ではないはずだと自分では信じている。ただちょっと人間というカテゴライズのストライクゾーンのアウトコースギリギリ目いっぱい、そこから拳三つ分くらいは外れてるので感情の機微に疎い自覚はあるが。

 

 よし、こういうのは悩み過ぎるからいかんのだ。気楽に行こう。

 

 俺は姿勢を正し、心もちわくわくしているように見える少女へと向き直った。

 

 

 

 お前の名前だが、雨音というのはどうだ

 

「アマネ、ですか?」

 

 そうだ、俺の故郷の文字で雨の音と書いて雨音と読む

 

 

 

 気が付けば厚い雲の出ていた空はいつの間にか雨となり、シトシトと部屋の窓を濡らしていた。この国では聞きなれない名前であるし、何か暗そうだから嫌だとか言われるかと思ったが、案外気に入ったのかまるでかみしめるように幾度も呟いている。

 

 

 

「アマネ、あまね、雨ね、雨音……はい、雨音は今日から雨音です。ありがとうございます、ご主人様」

 

 あぁ、気に入ったのならよかった

 

 

 

 気に入ってくれたのは嬉しいけど一人称も名前なのきみ?いや好きにしたらいいけどさ。

 

 ベッドに横たわる少女の手を軽く握ってやりながら、窓の外に降る雨を眺める。偶然の思い付きではあったが、思えば昔から雨は好きだった。時に優しく、激しく降りしきる雨の音に耳を澄ませながら静かに本のページをめくる幸福。たまたま見た何かに影響されて「雨の中、傘を差さずに踊る人間がいてもいい」とか決め顔で言う神様に連れ出され、一緒に雨に濡れながら下手なダンスを踊った事もあった。

 

 少しばかり過去に思いをはせていると、気が付けば傍らの少女――雨音は静かに寝息を立てていた。

 

 

 

 辛いばかりの人生を送ってきたこの少女が、どうかこの雨の音に包まれて、少しでも幸せな夢を見れる事を祈って。そっと、その頭を優しく撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想、評価ならびに誤字報告ありがとうございます。
ここ二日でお気に入りとUAが一気に伸びました。やっぱ皆さんロリが好きなんすねぇ。わかるよ

今回は初の濡れ場でした。窓……ちょっとエッチ過ぎて運営さんに怒られないか心配です。
 
 これはステマなんですが、「奴隷との生活 -Teaching Feeling-」というゲームをお勧めしたい。まぁこの界隈(可哀想な女の子が好き)の人には今更だとは思いますが、そこそこ古い作品なので知らない人もいるかもしれないので一応ね。シルヴィちゃん大好きなんだけどできれば傷を治すルートも欲しかったなって……当然18禁なので注意。

ここ書いてて思ったけど、雨音がシルヴィちゃんに似すぎだな。まぁある意味性癖の塊といえるヒロインが好きなキャラに似てしまうのは仕方ないのかもしれない。全然意識してなかったのに寄っていくとは……そういうの気になる方がいたら申し訳ないです。でも僕は僕の好きなヒロインを書きます。

それともう一点。
個別で質問をいただいたのですが、ほんの少しとはいえ本編にも絡む内容だったので活動報告に上げておきました。もしも気になる方がいれば見てみてください。
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