魔法少女が堕ちた果て 作:グリモア廃れないで
8/9 書き直しました(エロの霊圧は消えました)
「いぎぃっ!?」
身体中に激痛が走り目を覚ます。身動ぎしたことで鎖がジャラジャラと音を立て、夢うつつな私を現実に引き戻した。
鎖。私は今、暗い石造りの牢屋で両手に手枷を嵌められ鎖で天井から吊るされていた。
牢屋の鉄格子は腰の辺りだけポッカリと空いており、下半身は通路側にあるが上半身は牢の中に乗り出した姿勢で両手を吊るされているためかなりキツい体勢を強いられる。
檻は大きく膨らんだお腹と肥大した胸の間に収まるようになっているため、檻から抜け出そうにも肥大した胸がつっかえて出られず、それ以前に手枷を外す手段がないため逃げることは不可能だった。
そんな体勢で休める筈がなく、睡眠も眠るというよりは気絶しているといった方が正しい。
けれど私の事情など彼らが考慮するはずもなく、今日も地獄の日々が始まるのだった。
この牢獄には私以外にも複数の少女達が捕まっている。横の仕切りはなく同じように捕まっている少女が両隣にズラリと並んでいる他、通路を挟んだ向かい側にも同じように少女達が虚ろな目で捕まっているようだ。
それだけの人数に食料……餌を与えるのは手間がかかる。なので私たちの目の前にはレーンが設置され、そこに餌が入った器が流れてくるようになっていた。
食べる時は首をめいっぱい突き出さないと届かず、ただでさえキツい体勢がさらにひどくなるが、食べないと罰を受けるため皆無理にでも食べ切るのだ。
タイミングは朝昼晩の三回だが、その内容は犬用の皿に並々と注がれた精液という、顔を近づけるのすら躊躇われるものだ。手が使えない以上どうしても犬食いになり、そうなると顔に精液がべったりとついてしまう。臭いも直に感じるため最初は誰もが拒絶するものの、その度に朝のような激痛に襲われ今では私を含めて誰も抵抗せず無心で喉に流し込むようになっていた。
この激痛は私たち魔法使いの身体に埋め込まれた機械から発せられ、調教や懲罰に使われる。他にも発情させられたり失禁させられたり、挙句の果てには絶命させられたり。この装置を埋め込まれた時点で私たちは常に生殺与奪を権を他人に握られているのだ。
まともではない食事が終わると胸の先に付けられた搾乳器が動き出す。一日のうち大半はこの搾乳の時間であり、その間私たちは絞られる感覚に耐えながら何も無い時間、虚ろな目で石壁や床を見つめて過ごすことになる。
……どうやら今日はイベントがあるようだ。といっても楽しいものではなく、新しい犠牲者がやって来るというだけの話なのだが。
「…………」
「…………」
荒い息だけが響く牢獄にペタペタと裸足で歩く音が微かに響く。振り向くことが困難なので見ることはできないが、自分と同じであれば男女二人組みが無言で歩いているはずだ。
男が鎖を持ち少女を導くのだが、この男が支配者なのかと思えばそれは違う。彼もまた私たち同様魔法使いであり奴隷である。
日本は男性の魔法使いは女性と比べるとかなり少ない。そのためたった数人で何十倍もの女性を相手にしなければならず、その労力は女性の比ではない。毎日食べている精液も彼らが射精したものだし、お腹の子も彼らとの間に出来た子だ。それだけの精液を魔法で無理矢理搾り取られ、さらに産まれた子の回収や周囲の掃除、今回のような出入りを案内したりと多忙を極めている。
驚いたことに、彼女が入れられたのは私の隣だった。さっきまで隣にいた少女が連れ出され、代わるように入ってきたのだ。
魔法か何かで鉄格子を超えてきた青年が少女の手枷の鎖を天井に括り付ける。そして一連の作業が終わると男は黙ってその場を去っていった。
新たしく連れてこられた少女をチラリを見るが、髪はボサボサで虚ろな目で床に視線を落としている。特に反応が無かったことに特に思うこともなく、私も黙って視線を元に戻した。
夕方頃になると静かな牢獄に変化が訪れる。
「うぐぅぅぅぅぅぅっ!!」
「ぎぃぃぃぃぃぃっ!」
陣痛が始まった。来たばかりの隣の少女を除く全ての少女達が一斉にガチャガチャと鎖を揺らし、歯を食いしばり苦悶の叫び声を上げる。
私も例外ではなく、周期的に発生する激痛に襲われ動ける範囲で体を暴れさせる。
「ふぅ”ぅ”ぅ”ぅ”っ!! うぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”っっっ!!」
これが毎日の疲労の大きな理由。魔法で改造された体は一日一回のペースで強制的に出産させられ、気力と体力をごっそり削り取る。母体への気遣いなど一切無く、さらにこれだけ苦しんで産んだ子供を見ることすらできない。ただ機械的に孕まされ子供を産み落とす家畜。それが私たちだった。
鼓膜が破れそうなほどの大音量を気にする余裕すら無くひたすら激痛に苛まれ続けてしばらく経った頃、やっとの思いで出産が完了した。
「おぎゃあ、おぎゃあっ!!」
「はぁ、はぁ……」
全身から力が抜ける。普段であれば胸元の鉄格子に体重を預けるのはかなりの痛みを伴うが、出産直後の疲労困憊の状態では僅かに楽になれる貴重な支えになっていた。手首も痛いが陣痛に比べれば遥かにマシだった。
悲鳴が収まり赤子の鳴き声が聞こえるようになった頃になると男たちが現れ赤子を回収していく。赤子達は硬い床に文字通り生まれ落ちるため打ちどころが悪かった子は死んでしまうのだが、それでもお構い無しに回収してはキャリー付の箱にしまっていく。
あまりにも扱いが荒いが、今の世の中では魔法使いは人間では無く魔物だとされている。犬の子供は犬であるように、魔物の子供は魔物という括りで扱われるのだ。そこに魔法使いかどうかは関係ない。
こうして産まれた子供は親を知らず、産まれた瞬間から奴隷として酷使される未来が決まってしまうのが現状だった。
出産を終えた少女達には短い安息の時間が訪れる。赤子の回収が終わった後に三回目の食事の時間がやってくるのだ。
まともな食事でなくとも、肉体的な痛みから解放され精神的な苦痛がないこのタイミングは少女達にとってかけがえのない一時である。
「じゅる、ふじゅるる!」
一心不乱に精液を啜りとる。味は最悪だが、子供のためか栄養価だけは整えられており、疲れた体を癒すため、そして明日の出産に備えるためにも隅に残った精液すらも舐めとる。反抗心を持っていた頃の千佳は既に死に、毎日の激務を乗り越えることしか考えられない家畜へと堕ち切っていた。
食事が終われば種付けの時間だ。青年達は出産によって開いた子宮口や傷を魔法で癒し、その後具合が戻った膣に肉棒を挿入する。こうして順に犯された後は就寝時間である。
出産直後は支えとなっていた鉄格子が今度は睡眠の邪魔になる。就寝時間になってすぐに眠れる少女はおらず、誰もが限界を迎えて気絶するまで眠ることが出来ないのだった。
このような過酷な生活が長続きするはずはない。体調を崩しても無視され続けた結果目を覚まさなくなったり子供が産めなくなると檻から連れ出されることになる。
この日、私は子供が産めなくなったことが判明した。卵子を使い切ってしまったのである。
次の日には新しく連れられた少女と入れ替わるように牢から出された。そして簡素な箱の中に座るように入れられて通路を進む。もう長い間歩いたことが無く、足の筋肉がやせ衰えて歩けないからだ。
ガタガタとひどい揺れに襲われるが、全身の力を抜いてゆっくりできることに比べれば些事だと断言できる。最も、力を入れることができないというのが正解なのだが。
そうしてついに牢獄から出された。どうやら地下にあったらしくエレベーターに乗せられ上へと上がっていく。
どのくらい閉じ込められていたのかはわからないが、少なくともまともに生活していた頃は見たことがない建物のように思える。エレベーターはもちろん通路すら近代的というよりは未来的な、まるで研究施設のような雰囲気だ。閉じ込められていた間に技術が大きく進歩したのだろうか。
エレベーターが目的の階に到着したらしい。ここで運び手が青年から少女へと代わった。どうやら青年はまた地下に戻るようだ。
「(あの子もいつか出られるのかな……)」
そう考えてすぐに考えるのをやめた。そもそも千佳自身も解放されるわけじゃない。家畜としての役割を果たせなくなったから連れ出されただけだ。
「(私、どうなるんだろ……)」
働かされるのか、魔物と戦わされるのか、それとも性的な目的で使われるのか。どちらにせよ禄な未来がないのだけは確実だろうと思っていた。
しかし、考えが甘かったとすぐに知ることになった。
「ぇ……?」
ガコン、という音と共に箱から投げ出される。そして……
「ガルルルルル……」
「バウッ! バウッ!」
「ぃぬ……っ!?」
久しぶりすぎて声が掠れてしまうがそれを気にする余裕は無かった。
涎を垂らし明らかに荒ぶっている犬の群れの前に転がり落とされる。目に入ったのは血塗れになって倒れている少女とそれに群がる小さな子犬。何が起きていたのか、そして何が起きるのかは明白だった。
「ぃや、……こなぃで……!」
逃げ出そうにも体は満足に動かせない。そして……
「ガアアアっ!!」
「いやあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!?」
その断末魔は誰の耳にも届くことなく、儚く消え散るのだった。