(ぱっつん)ヘアと彼シャツとはだし 作:ナルキケーネ(ハーメルン支店)
身体にこもっていた熱を逃すように、ゆったりと身体を洗っていたせいで、思ったよりも時間がかかってしまった。
この向こうには、エッチな魅力全開のおかゆが待っている。平静を装うため息とともに、意を決して脱衣所のドアを開いた。
「あ、おかえりー♪ ゆっくり温まれたみたいだねー、よかったよかった♪」
既に髪を乾かしていたおかゆが、ベッドに寝転がったまま出迎えてくれた。
おかゆはよく我が家に泊まりにきてくれるため、家にはボトル系の常備品が置いてある。化粧水と乳液を肌に染み込ませたらしく、もちもちのほっぺたが艶やかさを増していた。
よく見ると――いや、目が勝手に彼女を見てしまっただけなのだが――おかゆの格好が微妙に変わっている。
おっぱいの肉感が溢れる胸元に、学校の制服のようなリボンがゆるーく結ばれていた。
「えへへ、やっぱり気付いてくれたねー♪ こうしたら半脱ぎの制服みたいでかわいいかなーって思って、きみのクローゼットからちょちょいと拝借しましてねぇ」
シャツの打ち合いから見える谷間の健全度合は相変わらずだったが、リボンで飾られたことで布地面積が増え、可愛らしさとエロさも増していた。
魅力の進化がとまらないおかゆの直視は危険だった。チラチラとバレないようにおっぱいを見ながらドライヤーを受け取って、風呂上がりの支度を整える。
「あっはっはっは! もー、めっちゃ見るじゃん。きみはどんだけおっぱい好きなんだよー、このこのー! えっちー、すけべー♪」
案の定バレていた。そして期待していた通り、おかゆは嫌がらずに笑ってくれた。こんな風に、気兼ねなく自分を出せる相手と結ばれたことが何よりも嬉しい。
心地良いドキドキを感じながら、冷凍庫から二個入りのまんじゅうっぽいアイスを取り出してシェアをした。
「ん~、皮がもちもちでおいしーい♪ このアイスを見てると、なんとなく、ある人を思い出すんだよねー。誰とは言わないけどさ」
ベッドの縁に腰掛けるように、横並んで座って丸型のアイスを食べていた。
そのポジションでは、こちらは当然、シャツの隙間から見える肉肉しいおまんじゅうを意識してしまう。
シャワー程度では、煩悩と欲望を洗い流すことはできない。それがおかゆに対して抱いたものなら、当たり前のことなのだろう。
おかゆのボーイッシュな立ち振る舞いの中でも、滲み出る女の子らしさは至るところで感じられる。もちろん見た目だけでなく、内面的な意味でもそうなのだが。
「……僕の『これ』も食べたいの? どっちがいい?」
まんじゅうの皮をぺろぺろと舐めていたおかゆが、こちらの邪な視線と目を重ねるように身体をひねり込んでいた。
雌豹のように背中をしならせて、女体のボディーラインを余計に強調している。それが自然な仕草だというのだから恐ろしい。
ごまかすように目を逸らして、アイスを一息に食べ尽くす。ニヤニヤしたおかゆの視線を浴びながら、かすかな頭痛を感じていた。
それから、通販で買っておいたアニメのブルーレイボックスの封を切る。おかゆと鑑賞しようと思い、この日まで寝かせておいたのだ。
「あー! それ、すっごく観たかったんだー、うれしーい! でも、今から全部観たら……夜遅くなっちゃうよね……?」
いつものように泊まり込みで鑑賞すればいい。そんな風に提案をするが、おかゆは残念そうに首を振る。
「今日はね、てまにゃんのお世話を誰にもお願いしてないから、帰ってあげないといけないんだ。ごめんねー」
美少女猫が飼う愛猫というのもなかなかに不思議なことだが、その存在は、おかゆにとっても、自分にとっても大切なものだ。
惜しい気持ちはあるが、このボックスはまたの機会にとっておくことにしよう。一気見をしないと、その良さを最大限に味わえない名作だというのだから仕方ない。
今日はまったりとおうちデートと洒落込もう。またいつかのお楽しみとなったボックスを戸棚にしまって、おかゆが積んでいた漫画本に手を伸ばそうとする。
「……そうだ! いいこと思いついちゃった!」
こちらの無粋な動きを止めるように、おかゆが両手をポンと合わせた。
身体の向こうで尻尾がゆらりと、シャツの向こうでおっぱいがぷるりと揺れた。
「今晩一緒にいられないお詫びに……きみの言うこと、なんでも聞いてあげるよ!」
突然そんなことを言い出したおかゆのせいで呆気に取られる。そう言われても、急には何も思いつかない。
特に『なんでも』と言われると、つい邪なことを考えてしまう。あまりそういう期待をさせないでほしいものだが。
「……ほんとに、『なんでも』いいんだよ? 僕が、きみの気持ちを全部受け止めてあげるから……♡」
おかゆは迷っている視線を吸い込むように、シャツの胸元をちらりとめくる。
いつしか夕焼けとなっていた陽光を柔らかく反射させる、存在感が強い魅惑のラインに心が惹かれた。
夕方になりかけた、昼の終わり。ダラダラと過ごすには長く、腰を据えて遊ぶには短いその時間で、シャワーを浴びた恋人同士ができること。
それはどうやら、おかゆなりのお誘いらしかった。
「さっきの質問の答え、ちゃんと聞かせて……?」
『どっちがいい?』。おかゆは言葉に出さず、唇だけを色っぽく躍らせた。
あまりにも強い色香の誘引に、思わず喉が鳴る。おかゆに対する情欲は、どんなときでも、どれだけ回数を重ねても新鮮さを損なわない。
乳房に誘われ、星の如き引力に惹かれていく。男の手が描くみだらで純粋な軌跡を、おかゆは止めようとしなかった。