注意、今回のお話は本番なしです。
主役は、ゲヘナ学園の常識人メガネエルフ耳風紀委員。
赤手袋と赤タイツがなんか良いと思った。
先生は気だるくため息をついた。
暇をもて余しているためである。
現在位置は病院のベッド。理由は右手右足の単純骨折。
いつものようにシャーレの顧問として銃弾飛び交う現場で指揮していたら、相手の投げた手榴弾が建物の看板を破壊。崩落した瓦礫に巻き込まれそれなりの傷を負う羽目となった。
幸い負傷だけで済んだものの、利き手を封じられたため仕事を持ち込んでも作業効率がいちじるしく下がるし、そもそも栄養失調や過労の診断も受けたのでさせてもらえない。
あとできることといえば、物を食べるかテレビや動画を見るか。しかしこれも三日間で飽きた。少なくとも一週間は入院しているようにとのお達しなので、あと数日、虚無期間が続く。
これでなかなか、忙殺されているときとは別種の気疲れだった。
根本から仕事人間なのも困ったものですね、と、様子を見にきた連邦生徒会会長代理は苦言を呈した。
せめて、誰か見舞いにきてくれるなら気も晴れるが、あいにく平日の昼間に訪ねてくれる学生はいない。来るとしたら数時間あとのことだろう。入院初日の、血相を変えて雪崩れ込む生徒たちの姿を思い出して、笑いを噛み殺した。
手足に大袈裟に巻かれたギプスの重みに慣れを感じながら、先生は結局時間を潰すためタブレットで動画サイトを開いた。シッテムの箱とは別の、ただの個人用端末だ。男心的に、アロナに観察されていると困る場面も多々あるので。
そこで、こんこん、と個室にノックが響く。
看護婦か、でも少し前にきたような? 違和感を覚えながら先生は相手を招いた。
「失礼します」
/チナツ?/
病室のスライドをくぐってきたのは、二つ結びのお下げ髪に、尖り耳がのぞく赤縁フレームのメガネをかけた少女、
「お加減はいかがですか、先生」
/暇なくらいで好調だよ。どうしたの、まだ授業の時間じゃない?/
「事情を説明して早退しました。風紀委員長にも報告済みです。・・・・・・ヒナ委員長から、謝罪の言葉を預かってきました」
/え、なんで?/
「先生が怪我をしたのは、そもそもゲヘナ学園の抗争にあなたを巻き込んだことが原因。本来わたしたちが収めるべき案件に、あなたを関わらせてしまった。風紀委員会の失態です。まことに申し訳ありません、と、代理として申し上げさせていただきたく。加えて、業務を理由に代理を立てている不義理も」
深々腰を折るチナツを慌てて制し、シャーレ顧問としての責務を果たしただけだと告げる。
「確かにそうですが、風紀委員としても、わたし個人としても、ありがとうございますと温情で済ませるのは無責任です。だから、これからは、わたしが先生をお世話します」
/はい?/
「病院、学校双方に諸々の手続きは行いました。しばらくの間、どうぞよろしくお願いします、先生」
毅然とした顔つきで少女は宣言する。
こうして、チナツのお世話が始まった。
一体何が待ち受けているのか、恐れ半分期待半分で体感したところ、別にどうということはなかった。点滴や治療に関わる類いは本職任せであるし、何か制限をかけられているわけでもない。手足を使う運動、安静さを心がけるように指摘を受けている程度だ。
では、チナツは何をしにやってきたのか。
言ってしまえば雑用兼話し相手。
利き手が使えず、タブレットも慣れない左手操作、水差しなどの飲み物を持つのも少し危うい先生の補助であった。
ただ、本人的には前者を引き受ける心づもりだったようだが、先生の提案で暇潰しの相手にも任命された。
どうやら退院までの数日間を丸々補助するつもりだったようで、朝から面会時間の締め切りまでを病室で共に過ごしている。
ともすれぱ、お互い倦怠期の家内別居夫婦みたいに沈黙しているのも気まずい。話を振ってみても、面白いことなど、と初めは渋い顔だったが、風紀委員としての活動を掘ってみれば出るわ出るわ、愚痴と文句と憤懣の数々。それは委員会内の人間に向けられていたり、暴れた生徒の動機のしょうもなさだったり様々だった。
一通り溜めこんだものを発散して、はっと気を取り直したチナツは恥じ入って縮こまってしまう。
生徒だけに恥をかかせるわけにはいかないと、先生のターン。話せる範囲内でシャーレが引き受けた案件の無茶苦茶加減、業務内容の不満や関係者の理不尽さをこぼし、受け持つ生徒へのささやかなわだかまりを冗談混じりであっけらかんとさらす。
口が軽くなった先生たちは仕事に無関係なことも語り合った。
相手の好きなこと、嫌いなもの、自由時間の使い方、流行りのスイーツや学生のニーズ、時事ネタのディベートなど。本当に、益体なく、無節操に。
真面目で勤勉なチナツは仕事や生徒の分析、時事については饒舌だったが、なんのドラマがお気に入りか、最近見たマンガは何かといった社交性を披露する話題には付いて来づらい印象だった。そんな様子も、なんだか彼女らしくて、唇が弧を描くのを止められない。
億劫だった時間の流れはあっという間に過ぎ、気がつけば退院予定日を明日に控えていた。
「見てください先生、この子、とっても可愛いんです!」
チナツが差し出してきたのはペットの日常を配信するチャンネルの動画。投稿主はいろんなペットを飼っているようで、毎日投稿なのにネタが尽きないと動物好きに愛好されているらしい。
生まれて数日だという子犬と子猫の仕草ひとつひとつが愛くるしく、それに反応するチナツはもっと可愛かった。普段のキリッとした印象は薄まり、年相応にはしゃぐ少女の顔をのぞかせている。
「はぁぁ・・・・・・いいですねぇ。一生に一度は自分の子が欲しいです。ゲヘナの女子寮はペット禁止なので、憧れます」
前半の発言がちょっと危ない。いや、女性が子供を欲しがるのは別に不埒でも不純でもない。そこに妙な邪推を含ませる自分の心が汚れているのだ、と先生は首を振る。
オフィスで書類と睨めっこしているうちには隠れていた情動が顔を出してきているのを自覚する。病院で休養したお陰で健康を取り戻しつつある身体は、雄の性質を沸き立たせる。
それは、隣にいる少女の存在も関係していた。
わずか数日、されど数日。これまでの距離感を著しく狭めるに足る時間を過ごした経験は、先生の中にある教師としての倫理を揺らがせている。
端的に言って、先生はチナツに異性の魅力を見いだしてしまっていた。そして、一度傾いた気持ちは戻ることなく、より深みへ続く坂道を転がっている真っ最中。
独りよがりでなければ、チナツからも好意の片鱗のようなものが見え隠れしている気がした。己の目が曇っていなければ。少なくとも憎からずは思ってくれている・・・・・・と思う。
明らかにさせるのは怖い。勘違いだと知れたとき、傷つくのが、傷つけるのが怖い。けれど、悶々とし続ける気持ちを押さえているのも辛かった。
進退極まり、結局は曖昧なままを通すしかなく、時間だけが過ぎていく・・・・・・と、思われたが。
「先生、んっ、どうでしょう。痛くありませんか?」
/ああ、気持ちいいよチナツ/
よかった、という声を背中越しに聞き、濡れタオルが裸になった肩から肩甲骨を丁寧に
やましいことはない。
チナツの訪問から翌日には、彼女は自ら先生を清める役目を買って出たのだ。出来た子だと感心する反面、近い距離感にドギマギするのもお約束。早い鼓動がバレやしないかと毎度ひやひやしている。
男心の葛藤を知らず、水平に伸ばした腕を片方ずつ綺麗にした少女は、先生の耳に瑞々しい唇を寄せて囁いた。
「前、失礼します・・・・・・」
/っ・・・・・・/
断りを入れてくれるのはいいがなぜそのような艶っぽいやり口を・・・・・・勘違いしてまうやろ。
思わず息を呑んだ先生の腋から胸元へ、赤手袋に包まれた手先が回される。
むんにゅ、と背中に触れ形を変える少女の豊満。あまり生徒の身体的特徴を意識しないようにしていたが、実際触れてみると存外の大きさを誇るチナツのおっぱい。真面目堅物系委員長に備わった女の魅力が、背後から圧をかけて無自覚に先生を追い詰める。
「固くて、んっ、ゴツゴツしてますね。やっぱり、女性とは全然違います。んふぅ」
だからなぜ、色っぽい吐息を吹きかけるのか。なぜ性別の違いを強調するような発言をするのか。
わざとではないはず、たぶん。というか、そもそも後ろから腕を回して拭わずとも、正面から普通に拭けばよいのでは? ・・・・・・そんな理性の訴えは、少女のパイタッチに絆された本能に棄却された。
もはや裸の胸筋や腹を撫でる布の動きすら、何かエロティックなアピールに思えてならない。
若返った健康的な身体、継続された禁欲生活、淡い恋慕抱く少女の吐息と感触。
位置をずらしてチナツの視界に入らないようモゾモゾするも逆効果。不審に感じたチナツが肩から顔をのぞかせてきた。
「先生? さっきから何を・・・・・・あっ」
/いや、なんでもないけど/
咄嗟にギプスに包まれた右腕でひさしを作り平静を装うが、琥珀色の眼はガッツリ股間のテントを凝視していた。見る見るうちに頬と尖った耳の先が赤くなっていく。
伏せたチナツの頭は後ろに消え、ぽすん、とベッドに座ったようだった。
「・・・・・・・・・」
/・・・・・・・・・/
気まずいアトモスフィアが場を漂う。
いままで築いてきた真っ当な教師像を崩れさせ、さぞ幻滅されているだろうと内心ひどく落ち込んでいると、判決を下す少女の震えた声音がぬるりと耳朶に入り込む。
「先生、その、苦しいのですか?」
/・・・・・・・・・/
「わたしのせい、ですか? いえ、決して
/・・・・・・チナツは、十分女性として魅力的だよ。じゃなきゃ、こんなハッキリ勃起しない/
「ぼっ!? ・・・・・・そ、そうですか。ありがとうございます・・・・・・?」
半ば自棄になった心地の表明に、チナツは面白く飛び上がる。
「先生・・・・・・わたしでよろしければ、お手伝いさせてもらえないでしょうか?」
/えっ/
「ペニスが張りつめると、射精しなければ収まらないのですよね? わたしのせいでそうなったのでしたら、責任はわたしにあります。是非、お手伝いさせてください。嫌じゃ、なければですが」
どくんどくん、心臓が早鐘を打つ。
何が起こっているのか。片思いの相手に軽蔑される最悪なビジョンが、よもや性処理の補助まで担ってくれるという童貞の妄想みたいな現実に様変わり。期待感に胸が膨らみ、口内がカラカラと乾いていく。
もつれそうになる舌を懸命に動かして、先生は『お願いします』の言葉を口にした。
びよんっ、と解き放たれた肉棒が琥珀の瞳に見つめられる。
「っ」
息を呑んだチナツはグロテスクな男の象徴に若干怯んだようだったが、おずおずと手袋に包まれた左手で陰茎を握った。ゴムのような滑らかな質感があてがわれ、少女の手のひらに息子の熱を伝えていく。
「熱い・・・・・・不思議な感触ですね。固いのに柔かいような・・・・・・芯に骨でも入ってるよう。このまま、動かしていけばいいんですね?」
首肯し、指示したやり方で行わせていく。
仰向けになった男の隣に付き添うように、少女がこしゅこしゅと腕を動かし始めた。
初めての手淫は不安に満ちているのがありありと分かり、力加減とスムーズさに欠けていた。しかし、その拙さが一種の興奮剤でもあって、ムズムズとした快感が腰下からにじんでくる。何より、魅力的な眼鏡美少女に手ずから性処理を手伝ってもらって不満などあろうはずがない。
それでも、贅沢を求めだしたら止まらないのが人間だ。機械的に指示をなぞって上下される手コキに対して、先生は改善点を述べていく。
「滑りが悪い? 確かに、皮のところが少し引っ掛かりますね。何か滑りがよくなるものを・・・・・・わ、わたしの唾液ですか? 汚いですよ。・・・・・・わかりました。他に代わりもありませんから。ん、れぇぉ・・・・・・」
先生の目の前で、器にした手のひらに唾液を落とす風紀委員。
口からこぼれた赤い舌先からとろりと雫を落とす卑猥なさまはチンコをさらにいきり立たせる。
もごもごとよだれを溜めては垂らすこと数回、透明な粘液をたっぷり帯びた手が細い触手のようにペニスに絡み、粘っこい水音を伴ってぬるぬると竿を上から下から滑らかに行きかう。抵抗の減じたスムーズな手コキは今までにない官能を引き出していった。
「はぁ、あぁ、びくびく震えてる。気持ちいいんですか? ちゃんと、できてますか? 指を、カリ首・・・・・・膨れたエラの裏側をこするんですね。はい。やってみます」
耳を傾けつつ従順に指摘した部位を責めるチナツ。いつしか目じりはうっとり崩れ、寄り添った肢体をすりつけるように密着してくる。潰れた胸の触感が、性感にアクセントを加えていた。
「ふぅ、んん、先から何か・・・・・・これがカウパー腺液。なるほど、本当に精液の前段階に出てくるのですね。もう、射精しそうですか? 遠慮しないで、いつでもよろしいですよ」
慈愛に満ちた面持ちで見上げながら、前腕から先の挙動は大胆さを増すばかり。先生の身体が訴える無言の要求をつぶさに読み取り、行為に逐一反映して精を吸い上げようと没頭していく。補助期間を経て培われた観察力がいかんなく発揮されている形だった。
逆手で握る力は強めに、唾液の代替として先走りを塗り広げ、幹の間を捻るように上下。かと思えば亀頭の赤ぶくれを包み込み、子供の頭をぐりぐりと撫でるように手のひらを押し付けてくる。自由な五指は敏感な傘の裏や皮の間にもぐりこんで、ピリピリとした痺れをもたらしていた。
/っく、さすが優等生。性技の覚えも早い・・・・・・っ/
「はあっ、ん、んふぅ・・・・・・わたしも、身体が熱くなってきました。少し、失礼」
/おおっ/
リボンタイをほどき、胸元のボタンを片手で器用に外していくと、ピンクのブラカップに収まったまろやかな谷間が露わになった。左胸の谷間付近にぽつっとある一粒の黒子がセクシーさをアピールしている。
思わぬサービスにペニスの硬度は増強され、小さな手中でのたうった。
「きゃっ、すごい、まだ固くなるなんて・・・・・・胸を見て興奮したんですか? さっきまでよりカウパーの出が良くなってきてますよ。こんな、ぐちゃぐちゃと、いやらしく泡立って。先生って、思ったよりエッチなひとだったんですね・・・・・・はぁぁあ」
陶然と潤んだ琥珀色と、間近で見つめ合い、どちらからともなく唇を合わせた。
「ちゅっ、ちゅぷ・・・・・・実は、わたしも、先生が思うほど、真面目でも優等生でもありません。こういう、いやらしいことも、結構調べたりして、夜に妄想の中で自分で慰めて・・・・・・悪い面もちゃんとあるのです」
懺悔じみた告白は、しかし男の情欲を炙る燃焼剤でしかない。目の前の愛しい生徒が、夜ごとオナニーに耽る情景が生々しく脳内に再生され、その淫らさに昂揚するばかり。
/悪くなんかない。ヒトとして当たり前のことだよ。表面上では凛と気を張って規則に忠実な風紀委員が、実はエッチなことに興味津々なむっつりっていうのは、王道。すごくいい。最高。しかも眼鏡とエルフ耳とか、贅沢盛りもいいところだ/
「そう、なのですか? よく、わかりませんが、嫌いじゃないのなら、よかった。ん、震えが、強くなってきました。手のひらが弾かれそうなくらい、暴れてます」
ぐっちゅぬっちゅ、と、肉棒全体を激しく往復させるチナツが絶頂の兆しを感じ取る。
腰が浮き上がりそうな快感がひとすりごとに精嚢へわだかまっていき、解放の瞬間を待ち望む。
スナップを生かし振りたくるような情熱的手コキ。露出したおっぱいはいつの間にかカップから零れ落ち、つんと屹立した乳首を先生の胸板にすりつけて微弱な快感を貪っていた。足に絡むタイツに包まれた太ももの感触も心地よく、まるで蛇の交尾のように接触密度を高めている。
/はあ、うっ、く・・・・・・チナツ、もう/
「はいっ、出してください、ちゃんと受け止めますからっ」
フィニッシュにのぼらせる献身的な奉仕に限界を迎え、先生は一切の我慢を止めた。
どくん―――っ!
尿道が破裂するかと思うほどの熱塊が鈴口を突き抜け、半固形の濁りがドプドプと噴火する。
蓄積された欲望の現れは瞠目するチナツの手袋を白く染め上げ、先生の胸元までを汚していった。
「ぁぁ、なんて勢い、ほんとに、爆発するかのような・・・・・・んはぁぁっ」
/うっぐ、はっ、チナツ・・・・・・っ!/
教えられるでもなく、射精直後の竿をこしゅこしゅとすり上げて、最後の一滴まで雄汁を搾りだす。敏感なところを刺激され、歯を食いしばる先生をうっとり見つめながら、チナツは愛おしげに接吻を交わした。
よく混ぜられたとろろのような粘液から漂う濃い精臭が、無機質な白い病室を淫靡な空間に仕立てていた。
たまにはこんな形もどうでしょう?
せっかくのオムニバスですから、色々と試験的にやっていければ。
物足りないと思ったら、別の子を読んでいただくか、
別パターンが投稿されるのをお待ちください。