朝目覚めて、知らない天井があると、思わず呟いてしまいたくなるセリフがある。なんて思う俺はいまだに子供なんだろうか。
昨日、呂布に紹介された俺の家はひどく豪華な場所だ。一人じゃ使いきれないだろってくらいたくさん部屋があるし、置いてある家具も明らかに高そうな物ばかり。風呂場なんて広すぎだろってくらいスペースがあって、どうやら俺を愛してくれているらしい女の子全員と入っても余裕があったほどだ。
小市民でしかない俺には場違いすぎる場所としか思えない。だが、今日からここが俺の自宅になるのだ。交代で俺の世話をしに来るらしい女の子たちと過ごすために。
なので、俺が起きたその瞬間にはすでにしーさんが俺の愚息を口に銜えていたとしても、なんらおかしくはないのである。だってこれからはおそらく毎日こんな調子だろうから。
「んふっ、んっ、んっ――ん、おはようございます旦那様。今朝のご気分は?」
「あー……悪くない、んだけど、どうしていきなりこんなことになってるんでしょうか……?」
「旦那様のおちんぽが大きくなっておられたので、このままでは辛いでしょうと判断しました。もう少しお待ちください、すぐにイカせますので」
「い、いや、別にイカせる必要もないし、舐めなくてもいいんだけど――うっ」
後から聞いてわかったことだが、しーさんは趙雲という名前なんだそうだ。で、知らない間に俺は彼女のご主人様とやらになってしまったらしく、彼女に対しては命令するように話しかけろと、本人から指示された。
とにかく彼女は出会った日から俺にかしずいて、まるで俺の部下か奴隷になったかのように忠実な態度を取っている。俺を手助けするという点では他の女の子と変わりないのかもしれないが、彼女だけは特別な感じもした。
呂蒙が「彼氏」、関羽が「夫」、意味合いは同じかも知れないが呂布は「ダーリン」など、みんなは俺のことを勝手にそんな風に扱ってる。それが嫌かと言われればそんなわけでもないが、むしろ嬉しかったりもするが、あまりにも一人の時間がないと嫌になったりもする。
だがこの趙雲は初日に俺の世話をすると言って、他の子がそれぞれ帰路についたのに俺の家に残り、色々と家事をやってくれたあと、なんと俺を気遣って一人にしてくれたりもしたのだ。無論、それは俺から指示したのだが、他のメンバーならまず却下されることを趙雲だけは納得してくれた。
目を閉じたまま、笑顔で「ご主人様もお一人になりたい時間はありますものね」と言ってくれた時は、俺も思わず彼女を抱きしめそうになったほどである。こうも誰かに密着されてる生活が続くと、そんな言葉が嬉しかったりするのである。
そういう経緯があって、俺は自室に設定された部屋のキングサイズのベッドの上で、ひさしぶりに一人でのびのびと大の字になって寝たのであった。
そして朝、起きてみればこの有様だ。俺の下半身にはなぜか浴衣姿の趙雲が覆いかぶさっていて、大きくなった俺のモノに彼女の舌が絡みついている。彼女のやさしい態度に油断して甘えてみれば、あっさりと急所を握られていた状態だ。
「んっ、ふっ、また固くなった……気持ちいいんですね。ここですか?」
「うあっ、はぁっ、あぁっ――」
「うふふ、その調子です旦那様。すべてを私に委ねて、今はただ気持ちよくなってください――」
力のこもった舌先がぐりぐりと先端の割れ目へ押し付けられる。非常に気持ちがよく、知らない内に少しだけ背を逸らしてしまっていた。
趙雲はすでに俺の感じる場所とか、感じ方とかをよく理解していたようだ。巧みな動きでどんどん俺を責めてきて声が抑えられない。
愛情や尊敬、そういったものが感じられる丁寧な動きだった。手は使わずに口と舌だけで色んな角度から快感を与えてくる。頬の裏側に先端を押しつけたり、舌を竿に絡みつかせたり、時にはちょっとだけ歯を触れさせてみたり。色んな感触が同じ口の中で与えられていた。
気持ちよくて、落ち着く様な行為とはまた違う、興奮を抑えるのに苦労するほど強い快感が与えられる行為だ。射精感が見る見るうちに高まっていくのが自分でも理解できる。
そうしている間にあっさりと堪え切れなくなった俺は、彼女に懇願するように頼んだ。我ながら情けない声で、男らしくない態度だが、やっぱりエロゲーやらAVやらで見るような態度は俺には無理らしい。
ゆっくりと頭を上下させる趙雲の銀髪に触れながら、我ながら恥ずかしいお願いをしてみた。
「あっ、ちょ、趙雲――お、俺も趙雲のが舐めたい……」
「んふっ? んっ――ぷはっ。本当ですか? ふふ、旦那さまが私のあそこを――はぁっ」
嬉しそうに吐息を洩らした後、「わかりました」と答えた趙雲は体の位置を変え、お互いに顔の前に股間が来るような体勢になった。ちなみに俺がベッドの上で寝そべっていて、彼女がその俺の上に乗っている。
はだけられた浴衣の奥に水色のショーツが見える。秘所に触れるその場所はすでに少し湿っていて、彼女もまた興奮しているらしいことがわかった。
俺は手を伸ばしてぐっと彼女の尻に触れ、むっと強い雌の匂いを放つそこへ顔を寄せながら、彼女へ尋ねてみた。すでに趙雲は再び俺の愚息に食いついて嬉しそうに頭を振ってるが、律儀に答えようとしてくれたために口が離れる。
「あのさ趙雲、どうして浴衣なんだ? 昨日はこんなの着てなかったけど……」
「んんっ、むふっ、はっ――こ、この方が脱がせやすいかと思いまして。胸元や足の間から手を差し込みやすく、旦那様が私を犯しやすいでしょう?」
「あ、ああ、そういう……」
「その、じ、実は昨日、裸で寝ていたのですが旦那様が夜這いに来られず、いつ来られるのだろうと悶々としながら眠れなくて――旦那様から一晩中焦らされてしまったので、今朝から激しくなるかもしれないと想い、脱がせやすい物を選んでおきました」
「あ、う、うん、ありがとう。そこまで考えてくれてたんだ、ははは……」
まるで褒めてくださいと言わんばかりの口調と共に尻を振りながら、趙雲はさっきよりも激しい動きで俺のモノを銜えこんだ。視界は彼女の股間とショーツで埋め尽くされているためその光景が見えないが、我がいきり立った愚息が暖かい場所へ包まれたのでよくわかる。
そうか、どうやら彼女は俺を気遣って一人にしてくれたわけではなく、それも一種のプレイだと思って命令を聞いてくれたらしい。一旦別々に寝ておいて夜這いに来るのか、もしくは一晩中焦らすというプレイだったと認識しているのだろう。なぜか今凄く上機嫌なのはそういう理由だ。
もちろん俺にはそんなつもりなど一切もなかった。ほんの一ミリたりとも考えていないのである。ここ最近はずっと女の子に拉致やら誘拐やら監禁やらされてたからとりあえず一人になりたいと、そういうつもりで言っていた。
どうしてこれほどまでに食い違うのだろう、などと想いながらも嬉々として趙雲の秘所へ舌を這わせ始めるあたり、かなり俺も毒されてきたようだ。たった一夜、たった数時間とはいえ一人で休めたことが功を奏したのか、今さら趙雲を跳ねのけるような気分にはなれない。むしろ思い切り彼女とエロいことをしたい気分だった。
少しだけ湿り気を帯びていたショーツに舌を伸ばし、その奥にある秘所を刺激するために強く触れる。それだけで彼女のショーツは外と内からどんどん濡れていくようで、あっという間に下着の意味を成さないほどびしょびしょになってしまった。
同時に趙雲からの奉仕も速度や力強さが変わっていく。動きの巧みさはそのままで、激しさばかりが増していた。
俺の舌の動きを感じているようで、彼女の甘い喘ぎ声は部屋いっぱいに広がるようだった。
「んんっ、んむぅ、んふぅぅ――だんなひゃまぁ……!」
「うっ、ふっ、ふぅっ――」
二人分の激しい息遣いが室内に広がり、与えられる快感と共に気分も盛り上がっていく。少なくとも俺の限界は間近だった。
丹念にねっとりと舐められ続けたせいで限度が近くなり、さらにそこで彼女の手が玉をぎゅっと握って、もう片方の手で竿を扱かれたため、俺はあっさりと絶頂へ到達する。
何も告げずに、あっさりと達した俺は彼女の口内で射精を始めて、いつもの異常な量の精液を勢いよく放ってしまった。でも趙雲は一瞬も口を離そうとはせず、むしろより一層深くにまで先端を押しこんだ。先端が喉の奥にまで呑みこまれる。
そのまま喉の奥でびゅーびゅーと精液を吐き出し続け、数分が経ってからようやく終わると、趙雲は肩で息をしながら身を起こした。感触でわかっていながらもちらりと見てみたら、俺の下半身には精液がこぼれていない。すべて彼女が呑んでいたようだ。
趙雲は俺の顔が見えるように体勢を変えると、中にある物をこぼさないようにしながらゆっくりと口を開いた。やはりそこには俺が出した濃厚な精液があって、ひどく卑猥な様子で舌と絡み合っている。
思わず顔が熱くなってしまった。しかし趙雲は見せつけるように舌を動かしつつ、少しずつ喉を鳴らして飲み干していきながら、いつの間にか腰を降ろして秘所とモノとを触れ合わせていた。このままだと間違いなく挿入されるだろう。
だが今の気分で抵抗するはずもなく、俺はあっさりとその行為を受け入れた。趙雲の目を見ながら小さく頷くと、彼女が嬉しそうに喉を鳴らした直後にずぶりとモノが膣の中へと入りこむ。
暖かく、締まりのいいそこは挿入しただけで出してしまいそうなほど気持ちいい。今出したばかりでなければやばかったかもしれない。そう想いながらも俺は手を伸ばして浴衣の中に手を滑りこませ、趙雲の乳房へと触れていた。どうやら彼女はノーブラだったようで、いきなりふにゅりと柔らかい感触が手のひらに伝わる。
胸を揉みながら腰を動かそうと思ったその時だ。趙雲も開脚してベッドに足をつき、腰を上げようとしたところ、部屋の扉ががちゃりと開いた音がした。
「おい、まだ寝ているのか? 休日だからっていつまで――なっ」
嫌な予感をビンビンに感じながらもそちらへ視線を送ってみれば、案の定そこには一番こんな姿を見てほしくなかった相手、呂蒙の姿が。まるで浮気相手との情事を正妻に見つかってしまったかのようだ。つまり完璧に詰みの状況である。
その証拠に呂蒙は瞬間的に怒髪天を突くくらいのイメージで怒り始め、今にも俺たち二人を殺せそうなほどに危機迫る迫力を放っている。情けない話だが、その姿が怖すぎて勃起してたはずのモノが縮んでしまったほどだ。
挿入したはずのそれが縮んでしまったことでようやく振り向く気になったのか、趙雲は俺よりも遅いタイミングで呂蒙に目をやった。そして、興味なさげな声でぽつりと告げる。
「ああ、あなたでしたか。旦那様に何か御用でも?」
「なにか、だと……ふ、ふふ、ふふふ、どの口がそう言う――なんでおまえがここにいるんだッ!!」
見ていたはずなのに、全く見えなかった。気付けば俺の体の真上では、呂蒙が本気の怒声と共に拳を突き出していて、趙雲は俺の息子を銜えこんだままで体を捻り、彼女の拳を受け止めている。しかもいつの間にかもう片方の手には日本刀が握られていた。
状況は一転して天国から地獄へ。気持ちよくて幸せだった時間は終わり、この場はもはや本気の殺し合いにも発展しかねない戦場へと変化している。
そうしているのは俺よりよっぽど強いお二人なため、一瞬で縮こまった俺にはどうすることもできない。ただ呆然と、ガタガタ震えながら見守るしかないのだ。
「趙雲、なぜ貴様がここにいるッ――こいつの世話は日替わりで担当すると約束したはずッ。渋々納得してやったというのにあっさりとその掟を破るとは、今この場で殺されても文句はないなッ」
「はて、なぜそういった話になるのでしょう。確かにその約束には同意しましたし、裏切るつもりもありませんよ。私だって旦那様のことが大事ですから」
「よくもまぁぬけぬけとそんなことを……! 今日は私が担当で、貴様は昨日の担当だろうッ! 交代するのは遅くとも朝の七時! それ以降はこいつの部屋には立ちよらない約束だろうがッ!」
「ええ、お世話係の約束で言えばそうです――しかし、私は個人的に旦那様の下僕となりました。家事はお世話係がやるにしても、彼の護衛をするのは日常のこと。彼に危険が及ばぬよう、毎日お傍でお守りするのが私個人の役目です」
「き、貴様ッ、そんなわけのわからん理由で私たち全員を出し抜くつもりだったのか……!? ふざけるなッ! そんな話があってたまるか――今すぐこいつの世話係からはずれろ! そうすれば命だけは助けてやる、非常に不本意だがこいつの前だしな……!」
「残念ですがお断りします。私の忠誠はあなた如きの言葉で変わるものではない――もしあなたの言うことを聞いて、旦那様の身に危険が起こった場合はどうするのです? 私が傍に居続けるということは、あなたたちのためにもなることなんですよ?」
「こいつの身は私が守るッ。たとえ誰が相手でもな――つまり、貴様が相手になってでも、私の彼氏は守り通すということだッ!」
長らく語り合ってた二人だが、ついに呂蒙がブチ切れたことにより、事態が動き出してしまった。凄まじい一撃で趙雲をぶっ飛ばそうとうねりを上げる呂蒙の拳と、ついに俺の息子を解放した趙雲が構える刀の鞘とがぶつかり、広いとはいえ限りのある部屋の中に嘘みたいな暴風が吹き荒れた。
爆心地のすぐ傍にいた俺はいまにも気を失いそうな想いだ。いや、失ってた方が楽だっただろう。普段は臆病な自分が嫌になったりするが、こんな時だけはもっと臆病に生まれたかったと真剣に思ってしまう。
ギリギリと拳と鞘とで押しあう二人は間近で顔を突き合わせ、なお且つたまにちらりと俺に視線を投げかけながら、今度は同時に動き出した。一般市民の俺に見えたのはそこまでで、その後は目にもとまらぬ攻防を始めていたことだけはわかった。
「大体が呂布のバカの提案そのものが気にいらなかったんだ! こいつは私が最初に見つけたというのに、後から後からウジ虫のように湧いてきやがって……! そもそもの権利から言えば、こいつを抱いていいのは私だけだッ! 私の彼氏なんだからなッ!」
「フンッ、それもあなたの勝手な押しつけでしょう。旦那様が誰を抱き、誰に抱かれるかは旦那様が決めること。殿方を自分の勝手で縛りつけるなど愚の骨頂。男は自由に遊ばせつつ、なお且つ手のひらの上で転がすのが良き女というものです」
「貴様の意見など知るかッ! そう思ってるなら他所の男を転がしてろッ! こいつは私のものだ、やっぱり他の誰にだって渡してなるものか――特に貴様なんかにッ!」
「やれやれ、南陽の四天王ともあろうものがはしたない。あなたは冷静沈着な武人かと思っていましたが、蓋を開けてみればただの狂犬でしたか――いいでしょう。首輪が必要なら私がつけてあげますよ。そして二度と旦那様に害を成さないように調教してやります、バカ犬」
そんなこんなで始まってしまった激闘だったが、最近当たり前のように女の子に組み敷かれてる俺に止められるはずもなく、声をかけることすらできるはずがない。
というわけで俺は自分でも驚くほどの速度で部屋の隅にエスケープし、二人の激闘を見守ることにした。さすがに命を奪うようなことはやめてほしいので、もしもの時に止められるようにと念のための保険だ。
ちなみに、できれば第一希望としては部屋から逃げ出して誰かに助けを呼ぶか、争いが終わるまでどこか別の部屋に逃げたかったところだが、出入り口の扉付近で二人が戦っているために逃げ出せなかったのである。だって見えないほどのスピードでパンチとか蹴りとか日本刀とかが飛び交ってるのだ、あそこへ行けば確実に死ぬ。
結局俺は豪華な新居を手に入れても彼女たちとの付き合いがある限り、部屋の隅っこで三角座りなどしているのがお似合いのようだ。
「誰がバカ犬だッ、バカは貴様だろう! 上等だ、もう二度とこいつに近付かないと宣言するまで全力で締め上げてやる――失禁だけで済むと思うなよッ!」
「いいでしょう、お相手します――腕一本で済むとは思わないでください。私の旦那様に近付く危険因子は、すべて排除します」
「貴様が後から近付いてきたんだ、横取り強欲女ッ!」
「ふっかけてきたのはそっちでしょう、ヤンデレわがまま女」
あぁ、早く終わらないだろうか――
◆
結局勝負の決着はお預け。散々暴れ回って部屋に置かれてた物をある程度破壊した二人は、その破片が俺の間近の壁に突き刺さって俺が悲鳴を上げたことで勝負を止め、ひとまず休戦することとなった。
どちらも渋々といった様子でお互いを睨みあうのを今でもやめていないが、とりあえず俺に危害が加わるくらいなら、と我慢してくれることにしたらしい。ただこの二人が一歩でも俺の家から外へ出た時、またさっきのような激闘が始まるのではないかと心配でならない。
ただまぁ少なくとも俺といっしょにいる間は大人しくしてくれるようなので、今はまだ大丈夫だろう。俺は呂蒙に促されるままリビングへ赴いて、彼女が用意してくれたらしい朝食を食べることにした。
テーブルの上に置かれていたのは見事な料理ばかりだった。といっても朝だからボリュームも控えめで、バランスも考えられているようだ。以前からの料理上手にさらに磨きがかかったらしい。
食べるのが楽しみだ、なんて思いながらイスに座ったその時、またしても問題が起こってしまう。呂蒙が作っていたのは俺と彼女の分だけで、本来は世話係の交代によって帰るはずだった趙雲の分は作っていない。
だというのに彼女は帰ろうともせず俺たちといっしょにリビングへ来て、あろうことかイスに座った俺の足元の床にぺたんと座り、裸でいるように言われていた俺の股間に顔を寄せてきたのである。はだけられた浴衣はそのままで、大ぶりの乳房が片方、ぽろんと外へこぼれている。
瞬時にその状況に気付いた呂蒙はまた顔を真っ赤にして怒り、視線だけで人を殺せそうな表情でテーブルの下へ潜り込むと、萎えていた俺のモノに舌を這わせる趙雲に掴みかかった。一発目に拳を突き出さないあたり、多分さっきの反省が利いているんだろう。
彼女たちはテーブルの下でまたちょっとした争いを始め、どうしていいかわからない俺を置いてきぼりにしたままごちゃごちゃと言い合っていた。
「貴様、やっぱりバカなのかッ!? もう交代だと言っただろう、とっとと帰れ!」
「あなたこそバカですか? 言ったでしょう、私は常に旦那様の護衛として傍にいます」
「そんなわがままが通用するか! とにかく帰れ! 今日は私が護衛も兼ねるから問題など起こらん!」
「信用できるんですか? 大体があなた、彼と共に暮らしていたというのに次から次に他の女性に旦那様を取られてこんな状況になってるんでしょう――このまま任せては、また新たな女性に奪われてしまうのでは?」
「うぐっ、う、うるさいッ! 二度と同じミスは犯さない! 誰が来ても私が近付けさせないに決まってるだろう!」
「ふふん、それはどうでしょうか。あなたも自らの過ちを理解しているのでしょう? ならば同じ轍を踏まないためにも私をここに置いておく方がいいと思いますが」
「うぐぅ……!」
人の下半身を目前にしながらの会話だろうか、これが。呂蒙に攫われた日から奇妙な体験はかなりしてきたが、こんな体験は初めてだ。
だがもうさっきみたいな派手な喧嘩はしないだろう。そう判断して、俺は先に呂蒙の料理を頂くことにする。冷ましてしまうにはもったいないし、腹も減ってるので早く食べたい。
というわけで俺が箸を持って食事を始めようとしたところ、テーブルの下では少し進展があったようだった。
「ではこうしましょう。ひとまず今日一日、私を外へ追い出せるか、それともここへ置いておくか――どちらが早く旦那様を絶頂させられるか勝負です」
「はい?」
「チッ、不本意だが他に方法がないか――いいだろう。私が先にイカせられるに決まってるからな」
「いや、ちょっとお二人さん、俺これから食事なわけだからそんな――うっ」
抗議をしようと口を開いたその瞬間には、俺のモノはぱくりと口内へ迎え入れられていた。テーブルの舌を覗きこんでみれば、そうしていたのは趙雲だ。
彼女は頬の裏側へ先端を押しつけながらも舌を動かし、俺に刺激を与えながら視線を合わせてくる。やめてほしい、と目で訴えれば、彼女は目を閉じたままにこやかに微笑んで口を離した。
「ええ、わかっていますよ旦那様――必ず、私の方が旦那様を早くイカせてみせます。大丈夫です、早いことは恥ずかしいことではありません。だから我慢せずにあっさり出してしまって構いませんよ」
うん、全然伝わらなかった。しかも俺のコンプレックスを真っ正面から直撃する言葉のおまけつき。絶望感のせいで思わず握った箸を落としそうになったよ。
ともかく、やはり俺を取り巻く女性たちに俺の言葉は通用しないらしい。気を取り直した俺はそのまま食事を続けることにした。幸い股間を弄られる以上の妨害はないようで、上半身は自由に動かせる。
などと思っていたのは間違いだったようだ。趙雲の奉仕は最初から全力で、ベッドの上でしてくれたやさしい感じとは真逆なほど力強く、速度が速い。どうやら唇をすぼめて離さないようにしながら、高速で頭を振ってるらしい。その上で舌も絡みついてくる。
しかも丁寧にやってたさっきとは違って、今回は最初から両手を使ってきていて、片方は勃起した息子の根元を扱いて、片方は尻の間に入り込んで穴の入口を探っている。俺の弱い部分を知っているからこそ、最初から全力でイカせようとする動きだ。
あまりにも刺激が強すぎて、力が入らなくなった俺は箸を持っているのも必死で、テーブルの上に頭を伏せて声を抑えるのが精いっぱいだった。食事を続けようなんてこと、できるわけがない。
ただ、声を我慢してることに気づいたのか、趙雲の声が聞こえた。頬張ったまましゃべってるせいか聞き取りづらく、おまけにその口の動きが更なる快感となって腰の奥まで突きぬけてくる。
「んふぅ、んほぉ――だんなひゃま、がまんなひゃらないでくだひゃい。いつでもだひてくだひゃってけっこうでふ」
「ううっ、くぅ、あぁっ……!」
腰を中心にしてビリビリと痺れるような強い感覚が全身を駆け巡って、頭の中が蕩けそうになる。結構前からただれた生活を送っていて抵抗力も薄くなっているのか、もう我慢できそうになかった。
我慢の甲斐もなくあっさりと達した俺は、本日二度目となる射精を趙雲の口内へと行う。今度も彼女はすべて飲み干すつもりらしく、竿の部分がどくどくと脈打ってる間は一瞬も口が離されることはなかった。
「うむぅ、んむっ、むふぅ……」
「三分二十秒。フン、まずまずだな――だが私ならもっと早くイカせられる」
射精が終わって、テーブルに頬を乗せて荒く呼吸を繰り返してると、イッた直後だというのにまたしても俺のモノが銜えこまれた。声と状況から察するに、おそらく今度は呂蒙だろう。
ちゅう、と弱く吸いつき、感触を楽しむように舌が先端の割れ目を撫でてくる。イッたばかりの今ではそれだけで脳が痺れるほど快感が強く、思わず腰が引けてしまった。だけどそれを見越していたらしい呂蒙が腰を掴んでいるため、逃げられない。
そのまま舌がちろちろと動いていると、今度はテーブルの下から趙雲の声が聞こえてきた。語りかけている相手はどうやら俺ではなく、俺のモノを銜えている呂蒙のようだ。
「待ってください。旦那様は今イッたばかりです。ただでさえ敏感で早漏な方ですから、これではあなたの方が圧倒的に有利というものでしょう。これは不正になりますよ」
「先を選んだのは貴様だろう――だがまぁいい。ハンデとして一分加算でやってやる。始めるぞ」
駄目元でもう一度抗議してみようか、と思う俺の声を待つこともなく、呂蒙も先程の趙雲のように激しく頭を振り始める。口から喉まで使うような深いストロークが、竿の全体を呑みこんでいるのが感触でわかる。
その上で彼女の両手は俺の尻の穴を弄っていて、片方で広げながら、片方は奥深くまでずぶずぶと侵入してきていた。そこで俺の弱点を執拗に責めてくる。
じゅぷじゅぷと音が鳴る激しい口淫。俺のツボをわかっているそれは非常に巧みで、俺をイカせることにこれでもかと言うほど特化していた。
そのせいで俺は趙雲の時よりも早くイッてしまい、またしても大量の精液を呂蒙の喉の奥へと吐き出していく。すると呂蒙もすべて飲み干すまで口を離さず、同時に俺の尻穴の内部を刺激し続けた。
長い時間をかけて精液を吐き出し終えた後、美味そうな料理を前にして箸を持ちあげることすらできない俺はぐったりと倒れ込んだままだった。
「んっ、ぷはっ――どうだ?」
「むっ――ハンデの一分を加算して、二分三十秒……」
「フフン、どうやら私の勝ちのようだな。ハンデまでつけたんだから、これ以上ないほど完璧に、完全に」
テーブルの下からは二人分の声が聞こえる。しかし立て続けに二回イカされた今、集中してそれを聞き取れるほどの冷静さはない。ぼーっとする頭はいつもより重く、荒いままの呼吸を整えるのも一苦労なのだ。
これで終わってくれればいいなぁ、などと思う俺は冷えていく美味そうな料理を目前にして、ずっと「待て」をさせられている飼い犬の状態にも等しい。
「しかしこれは卑怯です。確かに順番を選んだのは私ですが、ハンデをつけるのならばもっと時間をもらわなければいけなかったはず。一分だけでは覆せないのが旦那様の早漏でしょう。やり直しを要求します」
「チッ、わがままなのはどっちだ――ではどうする気だ? これで文句をつけるようではイカせるまでの時間を競っても同じことの繰り返しだぞ」
「ならば別のことで競いましょう。このまま旦那様を犯し、全員でやった時の痴態を引き出した方の勝ちです」
「それではまた順番が関わってくるだろう。私はそれでも勝つ自信があるが、今度負けても文句は言うなよ」
「ええ、もちろんです。勝つのは私ですから」
なんだか失礼なことを言われた気もするが、今や気にしてられるような状況ではない。正直朝だというのにもう疲れたのでこのまま眠ってしまいたい。
などと考えても無駄らしく、裸体を晒したままぐったりしていた俺はひょいっと軽く呂蒙に横抱きにされ、いわゆるお姫様だっこの状態で運ばれていた。どうして彼女は俺のプライドを粉々に潰すのがこれほど上手なのだろう。羞恥と情けなさで死にそうだ。
そんな俺の心情とは裏腹に、俺たち三人はさっきまでの激闘の名残を残す寝室に戻り、俺の体は再びベッドの上へ転がされる。そして俺が呆けて動けないのをいいことに、呂蒙は慣れた調子で俺の両手首を手錠で拘束し、動けないような状態にしていた。
萎えていた息子を扱きながら腰に跨ってきたのはにやりと笑う呂蒙で、そのサディスティックな表情を見せられた俺は思わず背筋を凍らせて意識を覚醒させた。
まずい、このままでは犯されてしまう。勾玉のせいで限りがないのに「全部搾りとるまでやる」と言って延々やられた時のように。
「さて、そもそもを言えば、おまえがあっさり関羽に拉致されたあげく監禁されて、その後懲りもせずに呂布にほいほいついて行ったことが悪いんだったな。ふ、ふふ、今一度の教育が必要だと思ってたところだ――今この場で、二度と他の女に目がいかないように教育してやる」
「ま、待ってください呂蒙さんッ! 元はと言えばあれもこれもそれも俺のせいじゃなく、俺がもらった勾玉――」
「その話は聞き飽きた。勾玉が女を寄せ集め、私とおまえを引き合わせたというならば――そのことだけに感謝して後の女は力ずくで振ればいいだけの話だろう。それができないというなら、できるようになるまで教育してやる」
「ちょ、ちょっと待って、考え直して――!」
「なぁに、心配するな。今日という日はまだ始まったばかり、時間はたっぷりある――明日になっても私を離したくないと、おまえの口から、おまえの意思で言えるようになるまで、今日はたっぷり可愛がってやるから……ふふ」
そう言って呂蒙の膣に俺のモノが入りこんで、痛いほどの締めつけがぎゅっと俺の分身を襲う。直後にはすでに彼女の腰は上下に激しく動いていて、我慢できないほどの快感が一瞬で俺の全身を満たしていった。
遠慮も気遣いもない様子で勢いよく腰を振られ、右手は俺の乳首をきつく抓り、左手の指が俺の口に入り込んで思うように舌で遊んでいる。息が苦しくて、痛みと快感が混ざり合って、考える暇もなく頭はぼーっと蕩けていた。
何も考えられずにただ喘いでいると、俺の首筋に舌を這わせた呂蒙が何事かを呟いてくる。熱に浮かされたような小声はひどく艶めかしく、普段の彼女とは違う色気を持っていた。
「なぁ、気持ちいいんだろう? ふっ、はっ、女を抱いてる時より、女に抱かれてる時の方が――はぁぅ、うくぅ、ほら、鏡があったら見せてやりたい。私に犯されてる時のおまえは、最高にいい顔してるぞ」
されるがままに俺の声が徐々に大きくなっているのがわかる。何も考えられない頭の中へ、俺自身の平常心を失くした声と、ひどく感じている呂蒙の声だけが響いてくる。
「んぅ、出してもいいぞ。壊れてしまえ。私の手で、マンコで、いつもみたいにアヘ顔晒して壊れてしまえ――」
「んんっ、あぁっ、あぁぁっ!」
気付いた時にはすでに射精していた。呂蒙の膣の中でとめどなく体液が溢れ出て、自分の下半身すらもびしゃびしゃに濡れる。
どくどくと動いていた竿が止まると、包まれていたはずの俺のモノが外気に触れて、呂蒙が上から退いたのがわかった。だけど数秒もしない内に再び暖かい場所へ取り込まれ、きつく締めあげられる。
「さぁ旦那様、次は私です――今日は私のおマンコで壊してあげますから、存分に気持ちよくなってくださいね」
射精の直後にまたしても強い快感が全身へ広がっていく。趙雲が俺の腰に跨って挿入し、呂蒙と同じように激しく腰を上下に振っていたのだ。
ただ彼女と呂蒙で違ったのは、呂蒙が指で口を弄ってきたのに対し、趙雲は唇を合わせて舌を入れてきたということ。彼女の長い舌が俺の口内を這いまわって、歯列や舌に入念なほど絡みついてくる。
息苦しさと同時に快感がやってくる感じだ。腰の動きも単調なものだが、だからこそ気持ちいい。自分から目を閉じた俺は、彼女にすべてを任せていた。
でも余裕があったのはそこまでで、さらに強く腰を押しつけてきた趙雲の動きで、子宮と思われる場所に先端が強く激突し、自然と俺の目は見開かれていたのである。しかし大口を開けた趙雲に唇ごと口内へ迎え入れられているため、苦悶の声を上げるくらいにしか抵抗ができなかった。
「うむぅっ、うぐぅ、んおぉぉ……!」
「んっ、ふっ、ぢゅ、む……」
犯されるような速度で一方的に腰を振られ、またしても俺は呆気なく射精する。趙雲に唇を塞がれて息苦しいまま、気がおかしくなりそうな快感に襲われて声すら出せなかった。
自分でも長いと思うほど大量に、趙雲の膣内へ精液を送り込んでいる。その間も彼女は俺の唇を解放してくれず、俺の口内はされるがままに舐めつくされていた。
長かった射精が終わると、ようやく趙雲は俺の口とモノを解放してくれた。と思ったのも束の間で、その瞬間を狙っていたかのようにまたも呂蒙が挿入する。出しては抜かれ、抜かれては入れ、違う感触の膣に交互に取り込まれる感触。
気が狂いそうなほどの快楽だった。イッた直後に勢いよく膣へ挿入されたせいで全身が痺れ、知らぬ内に俺は舌を伸ばして目を見開いていた。そうでもしなければ、もうおかしくなりそうなのだ。
俺が必死に最後の一線を越えないように頑張っていると、楽しげな呂蒙の声が聞こえてくる。すでに腰はリズムよく上下に振られていて、俺のモノへ凄まじい快感を与えていた。
「ふふ、もうすでに墜ちそうだな。いや、これはもう何も考えられないだろうから墜ちたと言っても過言ではない――今度も私の勝ちなんじゃないか?」
「おや、そうなると私の勝ちとも言えるのでは? 旦那様は私に中出ししている時からそんな表情でした。ならば自然と勝ちは私になるのではないかと」
「む――前言撤回だ。まだ堕ちてない。こいつが本当に墜ちた時はもっと凄い顔をしているからな」
「ええ、そうでしょうとも。私もまだやめるつもりはありません」
楽しげな二人の声を聞きながら、一方で俺は浅ましく大声を発していた。もはや意識があるのかもわからない宙ぶらりんな状態が続く。
それからのことはよく覚えていないが、後になって聞いてみれば、結局は二人がかりで俺を徹底的に犯し抜いたらしい。俺もすぐに自分を見失うほどに乱れて、二人も当初の目的を忘れて気付けばもっと俺を乱そうと協力していたらしい。
つまり後になって振り返ってみれば、結局は呂蒙の念願がかなうように状況が変化したわけでもないので、俺の犯され損だったということである。今までもこれからも、頼むからそれだけは勘弁して欲しい……。