ざっくりしてます。
夜の帳が降りた後。
時刻はすでに深夜に差し掛かり、辺りは静寂に包まれていた。
山の中に在る小さな和風の屋敷からはすでに灯りが消されている。
寝室とも言うべき一室に、一人の青年が居た。
なぜか布団の上に正座していて妙に緊張した面持ち。下着を履いて上半身は素肌、その上には薄手の浴衣を着て、身軽な格好をしていた。
だが妙に熱い。暑いのではなく体も頭も熱いのだ。
緊張しているせいか自分自身でも訳が分からなくなっていて、混乱は深まるばかりの様子だ。
目の前には一人の女性が居る。
年の頃こそ高校生だが、体の肉付きは常人のそれではない。胸と尻が大きく張り出て、腰は括れてほっそりしており、脚は長くて身長も高く、肌は白くきめ細やか。どこからどう見ても完璧な出来栄えの美少女。その身に纏う雰囲気さえ美しい。
長い銀髪を持ち、常時目を閉じる彼女は今、彼と同じく薄い浴衣一つを着るのみ。
本来ならその下に下着をつけていてもおかしくはないのだが、これから始まる時間を知っているためかあらかじめ自ら外しており、経験のない彼を気遣っている。
そうは言っても彼女自身、経験はない。
その方がいいのかという予想で動いていただけであった。
どちらにとっても初体験の時間。両者による緊張感が室内を満たしている。
二人は正座して向かい合い、少し俯いて体を固くしていた。
知り合って少しになる二人は互いの名を知っている。
彼は司馬炎という名を持ち。
彼女は趙雲という名を持っていた。
暗い一室で正座したままどちらも動かず、ただし今から何を始めることだけはわかっていて、しばらく黙り込んだままで時が止まったかのようだった。
「そろそろ、始めましょうか」
先に口を開いて沈黙を破ったのは趙雲の方だ。
ぽつりと小さく呟いただけで司馬炎の肩が震え、緊張は明らか。声を出そうにも気付けば口が上手く回らなくなっていて動揺し、返答を出すだけでひどく慌ててしまった。
それでも彼は身じろぎ一つせぬまま、小声で返答を出す。
「そ、そ、そうだな。いつまでもこうしてたって、仕方ないし……」
「ええ」
「あぅ、その、あの」
「ご心配なく。私はすでに心の準備は出来ていますから」
暗闇の中で趙雲がにこりと笑って、彼を安心させようとする。司馬炎の目にもその顔は見えた。
緊張はますます大きくなり、喉が大きく鳴る。
どうすればいいかはわかっていない。そのため動き出すのが遅れた。
自分から何かをしなければと思う反面、緊張で全身が硬直し、それは気付かれていただろう。
司馬炎がリードする前に趙雲が自らの服へ手をかける。
浴衣がゆっくり脱ぎ捨てられて、裸体が露わになる。
息を呑むほど美しい体だった。
肌の一切が隠されず、ピンク色の乳首も、下腹部に少しだけ生えた銀色の陰毛もよく見える。
どれもこれも初めて見る物。ただ映像や写真では見ていたものの、それらとも違う気さえする。自分の目の前にある女性の裸体は迫力という物が違っていた。
時間や思考すら忘れてじっと見入る。司馬炎の目は彼女の全てに釘付けだった。
露わになった肉体。ほんのり桜色に染まる頬。障子越しに差し込む月明りで輝く銀髪。
全てが今、自分の手の届く場所にあって美しい。
それらを今、触ってもいいと許可されているのだ。
震える右手をそっと持ち上げた瞬間、自らの体をきゅっと抱きしめ、しかし恥じらいながらも胸を隠さなかった趙雲は、彼の視線を受け止めて小さく呟く。
「司馬炎様も、脱いで頂けませんか……」
「あっ、そ、そうだよな。う、うん。じゃあ――」
緊張しながら浴衣に手をかける。
一人で部屋に居た時は裸になるのが恥ずかしかったが、今になってどうでもいい。緊張が大き過ぎるせいで自身の体がどう見られるかなど気にならなくなり、あっさり脱いでしまった。
すでに股間の異物が硬くそそり立っている。
司馬炎は恥じる余裕を失って趙雲の体を上から下まで見つめていて、彼女は勃起するペニスをちらりと確認し、わずかだが目を開いていた。しかし彼が気付く素振りはない。
今度こそいいだろうと手が伸ばされる。
趙雲も抵抗しなかった。
指先が触れて、ふにゅりと形が変わった。予想以上の柔らかさだ。
荒くなる鼻息は落ち着けることができない。
右手だけでなく左手も伸ばし、両手で乳房に触れる。やさしく押し当て、すぐに掴んだ。掌に伝わる柔らかさは言葉では言い表せないほどの感動を持っている。
しばし無言で揉み続けた。趙雲もそれを受け入れている。
恥ずかしそうに顔を俯かせ、正座したままで手は居場所が分からず膝の上にある。
「ハァ、はぁっ……」
「んっ……いかがでしょうか。私の、胸は」
「う、うん。すごく、やわらかい……」
「お気に召して、頂けましたか?」
「もちろんっ」
興奮した面持ちで顔を真っ赤にし、司馬炎は尚も揉み続ける。
相手を気遣うというより、遊ぶかの様子でぐにぐに、自分の好奇心のままに指を動かす。お世辞にも技巧に優れる姿ではないが相手も初体験。それだけで羞恥心が掻き立てられ、快感とはまた別とはいえ、自らの肉体に与えられる何かは感じ取っていた。
緊張した空気に包まれたまま時間が過ぎていく。
司馬炎が一方的に胸を触り、趙雲はそれを享受して、そんな状態がしばらく続いた。
どちらも初体験。知識はあってもそれを実践した経験がなく、緊張のせいで思うように動くことができずに、悪戯に時間が過ぎるばかりだ。
わかっているが手を離せない。司馬炎は胸にだけ興味を持って触れ続けた。
身じろぎする趙雲はそんな彼を気遣い、自らそっと手を伸ばす。
触れたのは彼のペニスだった。
痛いほどに勃起したそれをやんわり握ってやり、ぴくりと反応する様に驚きつつ、恐る恐る指で揉むように触れてみる。明らかに司馬炎の表情が変わった瞬間だ。
気持ちよさそうに声を漏らして、きつく目を閉じ、甘い声は可愛らしいと思ってしまった。
趙雲の顔がより一層柔らかくなる。
「うぅ、うあっ……!?」
「いかがですか、司馬炎様。痛くはありませんか?」
「ぐ、だいじょう、ぶ……うぅぅ」
声が上ずる。
司馬炎の手の動きが目に見えて弱々しくなった。どうやら余裕が薄れてきたらしい。
自身のペニスから発する快感に負け、見る見るうちに状況が逆転していく。
今や彼の手は乳房に触れているだけで、指先に力を入れることさえ叶わず、趙雲に触れられてされるがまま。しかしそれを喜んでいることは確かだった。
触れているとまた硬くなってくるような気がする。
限界だと思っていたのに、気の持ちようか。趙雲がほぅと溜息をつく。
我を忘れて触ってしまう気持ちを理解できた。
女性である彼女は女の胸に対して興味を持たないため、ずっと触られていて不思議に思う部分もあった。だが男のそれを触ってわかる。好奇心か、それとも別の感情か、手が離せなくなるのだ。
今になって彼の感動を理解する。
趙雲もまた、一心不乱な様子で彼のペニスを刺激し続けた。
「う、はぁぁ……!」
「気持ちいいですか? 出したい時はいつでも出して構いませんから」
触れるだけで体が震える。びくびくしている様は可愛いとさえ思う。
しばしそうして弄り続ければ、負けじと司馬炎も手を伸ばした。趙雲の胸に触れて揉み始める。
互いの体を刺激し合い、ゆったりとしながらねっとりした空気に包まれる。
異常な興奮があった。
同時に熱量が上がっていく。
熱中している姿で触れ続けて、やがて司馬炎が先に動き、手を降ろす。指先が肌を撫でながら下腹部まで達し、わずかに生え揃った陰毛へ到達する。
趙雲の体が小さく震えた。
下腹部を通り過ぎてさらに下へ行き、ぴたりと閉じられた陰部へ触れる。
そこはまだ男を知らない場所だ。それを意識すれば二人とも顔が熱くなって、注意していても意識せずには居られなかった。
割れ目にそっと指を這わせる。
趙雲の口から吐息が漏れ、ぴくぴくと腰が反応する。
その姿が素直に嬉しく、鼻息が荒くなって動きが大胆になったらしい。
指先に力を入れて陰部を撫でる。もはやそれは愛撫というより、好奇心を満たすための自分勝手な動きだった。しかし触れられていることは事実で趙雲にも刺激が伝わる。
慣れないながら、彼女は快感を得ていたようだ。
「んっ、ふっ、あっ――」
「ハァハァ……うっ。あのさ、そろそろ……」
「は、はい」
冷静に振舞い、なんとかしたいと思うものの、茹った頭では冷静な判断ができない。本当ならば技巧があるところを見せたいのだがそれだけの余裕がなかった。
趙雲をその場へ寝かせ、布団に体を横たえた。
彼女は自ら脚を開き、司馬炎はその間へ体を入れる。
いきり立ったペニスが彼女の股間に触れていた。
いよいよこの時が来た。
性に興味を持ってからずっと、この時を待っていた気がする。期待していた通り、自分はこれから彼女の膣に挿入して、童貞を捨てる。
ただただ嬉しく、気付けば心が躍っていた。
右手で押さえて位置を合わせる。そうすれば微調整は趙雲がやってくれた。
わずかに腰を動かし、先端が膣の入り口へと触れたようだ。
「え、えっと……」
「んっ、もう少し下です」
「あ、ああ」
焦った様子で位置を直して、ゆっくり押し当てる。
ぐっと力を込めれば柔らかな肉がぐにと動き、女体の神秘に驚いた。その柔らかさは不思議だと感じるもので、今まで感じたことがなく、蜜壺はまだ少ししか濡れていないが彼を受け入れようとしているかのよう。それだけで暴発してしまいそうだった。
必死に堪えつつ、腰を前に出す。
ペニスはゆっくりと小さな穴の中へ入っていった。
まだ硬さの残るそこはなんとも狭い。初体験であっても締め付けが半端ではないと理解できた。
強い力を込めて包まれるそこに溜息が漏れる。
司馬炎は動きを止めてしまって微塵も動けなくなったらしい。
今すぐにも射精してしまいそうな快感があった。全身が震え、目を瞑り、歯を食いしばって耐えようとするのだが、これが意外にも難しい。普段の感覚とは全く違った。
本能に従い腰を動かそうとする。
しかし些細な動きによってペニスがびくりと跳ね、暴発の恐れを感じてまた動きが止まった。
司馬炎は趙雲に抱きついてわずかに呻く。
「うぅ、おぉぉ……!?」
「あ、あぁ……来ましたよ。司馬炎様の、おチンポ、奥まで」
趙雲もまた司馬炎を掻き抱き、胸に顔を埋めさせて吐息を受ける。
どちらも余裕は失っていたものの、抱き合う姿はどことなく幸せそうだった。
できれば動いて彼女に快感を与えたいところだが、今少しでも動いてしまえばそれよりも先に自分が参ってしまいそうで動けない。幸福を感じる一方、もどかしさも感じていただろう。
そこに気付いている趙雲は目を閉じたまま、彼の頭をやさしく撫でた。
「うぅ、くっ、やばっ……!」
「いいんですよ。我慢しないで、イってください。私のことはお気になさらずに」
「ハァ、でも、それじゃ」
「私も……嬉しいんです。司馬炎様が私で感じてくださると」
慈愛を感じる微笑みである。
息を呑んだ司馬炎は彼女に多大な感謝をした後、ゆっくり腰を動かし始めた。
戸惑いを持ったままペニスが前後する。
まだ男に慣れていないそこは痛いほどに締め付けてきて、楽しむ暇も無ければ慣れようとする素振りすら許可しない。ほんの些細な動作一つが命取りだ。
肉を押し広げてずるりと先へ進む。そして引き抜こうとしてカリがひだに引っかかる。
大口を開けた司馬炎は耐え切れずに涎を垂らし、もはや思考を投げ捨てていた。
非常にゆったりした動きで数度のピストン。
何も処女である趙雲を気遣ってのことではない。そうしなければ彼が耐えられないからだ。
それも長くは続かず、彼は唐突にあっと声を漏らした。
何も告げずに射精してしまう。突発的にびゅっと精液が飛び出し、一度堰を切って出てしまえば抑えることはできないようで、全てを注ぎ込むまで勢いは止まらなかった。
びゅくびゅくと大量に吐き出しつつ、恍惚とした顔で司馬炎は背を反らす。
趙雲は抱きしめる手に更なる力を加えて、彼の姿を見ながらそれを受け取っていた。
「おぅ、おおっ、あぁっ……!」
「あっ、んっ。出てます、司馬炎様の、精子が……」
ぶつけるように精液が子宮口まで届けられ、射精が止まるとぐったり倒れ込む。
脱力した司馬炎はペニスを抜く気力すらないらしい。挿入したまま趙雲の上に寝そべり、大ぶりの乳房に手を添えて、穏やかな顔になって目を閉じた。
甘えられている。趙雲は嬉しそうに彼の頭を撫で始めた。
ねっとりした熱気に包まれて静かになる。
夜の静寂は彼らをやさしく包み込み、しばし荒い呼吸音だけが木霊した。
酔いしれるとはこういうことを言うのだろう。二人は共にそう思っていた。
やがて呼吸が落ち着く頃。
司馬炎のペニスは硬いままで、一度射精したところで少しも萎えずに彼女の中にある。出したばかりなのにびくびく震えてすらいた。これは、足りないと言っているに違いない。
期待を込めた視線がちらりと顔を見た。
趙雲は待っていたと言わんばかり、迷わずに頷く。
「ご、ごめん。それじゃ――」
「はい。満足するまで、お付き合いしますから。好きに動いてください」
こくりと頷いて反応する。直後、すぐに動き始めた。恐る恐るながらペニスが膣を穿ち、慣れない動きだが確実に体は反応していて、両者は小さく声を漏らす。
拙い動きで必死に快感を追い求める。
その様は惨めにも見えただろうが、彼らが喜んでいるのは確かだ。
単調だが速度はどんどん速まっていく。
一度目の射精で滑りが良くなったようで、見る見るうちに慣れていくらしい。
きつく抱きしめ合ってひたすら無言で行為を続けた。
「んっ、ふっ、んっ、んっ――!」
突く度に股からしぶきが飛び、彼の体を濡らす。
唇を噛むが声は止まらず。必死にしがみつく趙雲にはすでに余裕がない。
激しく動いて汗が浮かんで、一心不乱になっていた様子だ。
柔らかな肉ひだを硬くなったペニスで押し上げて、ただ前後するだけが驚くほど気持ちいい。
もはや余裕や思考などかなぐり捨てた姿だった。
司馬炎は淡々と腰を振り、趙雲はそれを受けて小さく喘ぐ。
しばらくただそれだけの行為が続けられる。時を忘れて淫らな瞬間を過ごした。
我を忘れ、どれほど動いただろうか。
再びペニスが律動した時、やはり膣内に射精されて、趙雲があっと甘い声を出した。
「う、うぅぅ、こんなの、耐えられるわけない……!」
「あぁっ、はぁ、い、いいんですよ。いつでも、出してください」
「あああっ、だめだっ、イクっ!」
「あっ、はっ――」
一際強く押し付けて注ぎ込まれる。
どうやら彼のペニスは子宮まで届いていたらしく、熱い精液がかけられる度に体が震えていた。息を乱す趙雲はひどく幸せそうにしており、両手と両足を彼に絡みつけてしがみついている。
司馬炎もまた、言葉にできぬほどの幸福感を味わい、尻に力を入れて深く息を吐いた。
どちらも脱力して倒れ込む。抱き合ったまま、互いの汗が全身を濡らし、疲労感も大きい。
重くなってはいけないだろうと司馬炎が趙雲の上から降り、隣に寝そべる。
呼吸を整えようとする一方で、じっと見つめ合うとどちらからともなくキスを始めた。顔の角度を変えて唇を合わせ、淫らに舌を絡めて、体をまさぐり合う。
心が穏やかになり、落ち着いた状態で口を離し、やっと平然と話せるようになったようだ。
「はぁ、ん……すげぇ気持ちよかった」
「うふふ。そう言って頂けると、私も嬉しい限りです」
「趙雲は気持ちよかったか?」
「ええ、もちろん。司馬炎様のお相手ができて幸福でした」
「そ、そうか。よかった」
照れがあるからか、直視することができなかった。
咄嗟に司馬炎が視線を逸らし、初心な反応に趙雲の頬が綻ぶ。
抱き合い、体に触れ合って、まるで恋人同士のような雰囲気に包まれる。彼らは事実、この時にはすでにその自覚があっただろう。上辺ではない相手への愛情があった。
二人はそれを自覚するからこそ、互いを見つめる瞳に温かな感情が生まれている。
また何度かキスをした後。
胸をそっと押して、司馬炎を仰向けにした趙雲が微笑んだ。
彼の肌をやさしく撫で、不思議とその笑みが妖艶に見え、司馬炎は少し緊張した面持ちになる。
「私ので汚れてしまいましたね。きれいにします」
「あ、ああ。それじゃ、えっと、ティッシュは――」
「必要ありません。これで」
そう言うと趙雲は室内を見回す司馬炎を押し留め、胸元に舌を這わせると、そこから肌を舐めながら下腹部へ向かっていく。それだけで司馬炎の顔は期待に満たされていった。
疲労からか萎えていたペニスが掴まれ、ゆっくり口が寄せられる。
やはり期待している通りで、わずかに目を開いた趙雲が目を合わせた。
「よろしいですか?」
「そ、それって、ひょっとして……」
「うふふ」
ちろりと伸ばされた舌が亀頭へと触れ、それだけで司馬炎が息を呑んだ。
手で触れられることにさえ慣れていないのに刺激の強い光景である。まるで慈しむように、穏やかな表情で右手が添えられ、ゆっくり口が付けられる。
趙雲はペニスを口内に含み、舌を絡めて刺激し始めた。
初めてのフェラチオに強く歯を食いしばる。
半ばほど勃起していたペニスは瞬く間に硬くなり、再びそそり立った。
未知の感触と感動を得たらしく、今や司馬炎の顔は普段が嘘のように緩み切っていた。
唾液を塗りたくり、口をすぼめて頭を振ることによって卑猥な水音が立っている。小さなそれは決して聞き取りやすい物ではないが、なぜかよく耳に残った。
「んっ、んんっ、ぢゅる――」
「おっ、おおおっ……!」
初めてとは思えぬほど、彼女の動きは大胆だった。
亀頭から口を離したかと思えば、裏筋に舌を這わせて下へ向かい、根元まで舐める。
ペニス全体に唾液を塗りたくるようだ。そうしながら時には唇を尖らせ、ちゅっと吸い付き、一際強い刺激を与えてくる時もある。遊んでいる風にも見えた。
余裕ができたのか、いつしか趙雲は楽しそうにしゃぶっていた。
司馬炎の嬌声が甘くなったことに気を良くし、右手でゆるりと扱きながら完全に口を離した。
小さな笑い声を漏らすと、睾丸を舌でつつきながら話し始める。
「司馬炎様。こういうのはいかがでしょうか」
「はぁ、はっ……え? な、なに」
「胸がお好きなようですから、気に入って頂けるかと」
そう言うと趙雲は自身の胸の谷間に唾液を落とし、指を使って塗る。
もはや呆けきって動けない司馬炎はその動きを見ることすら叶わない。ただされるがままだ。
彼の視界の外、楽しげな笑みを浮かべて趙雲の胸が、司馬炎のペニスをぎゅっと挟み込む。
「うおおっ、や、やわらかっ」
「これもお好きなのではありませんか?」
「す、好きですっ。大好きですっ」
「それはよかった。それでは、んっ――」
両手で重そうな乳房を支え、上下に動かし始める。胸を使ってペニスを扱くのだ。
柔らかい感触にすっぽり包まれてしまい、力を感じて圧迫され、快感と同時に安堵を感じる。
上機嫌な様子で動かす趙雲に見守られながら、司馬炎は体を震わせてシーツを掴んでいた。
「はぁぁ、うぅぅ、無理だってっ。こんなの、耐えられない……!」
「いいですよ。我慢なんてしないでください。いつでもびゅっびゅっしてくださいね」
「うああっ、ああぁ――!」
そう長い時間は我慢できなかった。
再び司馬炎が射精し、勢いよく飛んだ精液が自身の腹に、趙雲の胸に、顔に降り注ぐ。それらを浴びて嫌がるどころか、趙雲はどことなく嬉しそうだ。
指を使い、舌を伸ばして、顔に付着した物を舐め取る。
そればかりか自身の胸を拭い、舐め取った後で司馬炎のペニスを口に含む。じゅるりと音を立てて漏れ出た精液を口にし、全体をきれいに舐めあげると彼の腹をも舐め、全ての精液を口にする。ぐったりして動けない司馬炎は顔を上げる気力もないが、肌に触れる舌の感触でそれを知った。
時間をかけて体をきれいにされ、どちらも息を吐き出す。
意識せずともそれが事の終わりを告げる一息だったらしい。
趙雲が司馬炎の体へ寄り添い、半ばのしかかるようにしながら足を絡め、そっと抱き着く。彼もそれを嬉しいと思いながら疲労感には抗えず、指先を動かすことすら億劫だ。
それでも何かしらの想いはあっただろう。
なんとか左腕を趙雲の腰に回し、抱き寄せる。些細な仕草だがそれが精一杯で、趙雲も嬉しそうに口元を緩ませ、彼の頬にキスを与える。
風が冷たくなる夜に温かな空気があった。
安堵する二人は互いの体温に気を良くしつつ、心地良い疲労感に包まれて脱力する。
語る声にも力が入らず、しかしどこか幸せそうだった。
「すっかり汗だくですね。大丈夫ですか?」
「あ、ああ。でも、ちょっと」
「お疲れのようですね。少し休みますか」
「悪いけど、いいかな。ちょっと眠くなってきた……」
「ふふ、いいですよ。ゆっくりお休みになってください」
趙雲は彼の頭を胸に抱き、襲い掛かる睡魔に抗えなかった司馬炎は目を閉じる。
母の如き慈愛で頭を撫でてやり、その影響で、穏やかな心のままで眠りに就こうとしていた。
「おやすみなさい、司馬炎様。また明日」
笑みを湛えてそう言った。直後には司馬炎は眠りに就いたらしく、力なく趙雲に抱きついた状態のまま、しかし離さないための力を失わずに意識を手放した。
長らく安眠できずに居た彼が落ち着いた寝息を立て始めたのだ。
趙雲は彼が眠りに就いても傍を離れず、安心させるよう頭を撫で続ける。
その出自や立場が故、これまで人を信じようとしなかった彼にもようやく変化が現れたのか。
今日まで護衛として傍で支え続けた意味はあったに違いない。
彼を深く知り、理解し、体を重ねた今、趙雲もまた安堵して眠ろうとしていた。
明日になればまた司馬炎との日々が始まる。これから先もずっとそうなのだろう。
不思議と気分が良くなって、彼女は人知れずくすりと笑った。