これは、若がまだ頻繁に任務に駆り出されていた頃の話。
飛鳥たちとは知り合いながらも、まだただの仲のいい友人、体を重ねることはなかった日の出来事。
任務を終えて帰路につく若が、飛鳥の話に出てきた少女と出会い、彼女の提案によって軽く剣を合わせることになったのはとある秋のことだった。
紅葉芽吹く森の中で向かい合った二人の戦いは、まさに熾烈を極めていた。
「くっ……!?」
ガキィン、と甲高い金属音が響いたその時には、黒いセーラー服を纏う少女の右手から三本の刀が弾き飛ばされる。
両手の指の間に日本刀を挟んで持ち、動物の爪のようにして振るっていたその武器が、ひどくあっさりとした様子で奪われたのだ。
そう、弾き飛ばしただけでなく、奪われた。宙を舞ってからバラバラに落ちてくるそれを見た若は、右手でそれらを掴みとり、見よう見まねで彼女の構えを同じくしていた。
自身の刀は左手と口に一本ずつ、右手には少女から奪った三本の刀、まるで彼女の戦法をそのまま真似したかのような立ち姿。
しかしあまりにも形になっているその立ち姿はただの真似ではなく、刀と同時に戦法まで奪われたかのようにも見える。
少女は思わず表情を引き締め直し、頬を伝い落ちる汗を自覚していた。心の中を占めるのは大きな驚きと、少しの困惑、そして抑えようがない興奮だった。
黒い着流し。赤い羽織。今は頭の側面にある狐面。左手には自身の長刀、口にもう一本の刀を噛み、右手には敵から奪った三本の刀。そして何よりも目に残るのは、冷たく、怪しく光る青い眼光。
その男は間違いなく、これまで出会った中で最も強い。
常に自身の強さを求める少女にとって、そう思えるだけの現状はとても嬉しいものなのだ。
「ふっ、くっくっく……まさか、ここまでとはな。あぁ、認めよう。私は今、確かに恐怖を感じている――それもこれまでの経験なんか比べ物にならないほどに」
今、少女は笑っていた。
黒いセーラー服の胸元を縦に切り裂かれ、その下にある黒い下着すらも左右に分かたれて、同じくスカートも腰の部分を見事に縦に両断されて今や遠く離れた地面に落ち、露わになった黒いショーツを隠そうともせず、それでも少し浅黒い肌には微塵も傷がない状態。
若は完全に手加減をしている。それが飛鳥という共通の知り合いを持つからだということは少女も理解しているが、それでもここまで侮辱されたことがあっただろうか。
裸に剥きたいからそうしているのではない。その気になればいつでも殺せる、無表情の男の太刀筋はそう語っているのだ。
それを理解できるからこそ、少女の中でとてつもない闘争心が燃え上がる。必ずこの男に勝ってみせる、その想いは今や全身から見て取れた。
「飛鳥め、何がやさしくていい人だ。忍としてのこの姿は――噂通りで鬼のようじゃないか」
そう呟く少女は左手に残った三本の刀を若へと向けて突き出し、同時に右手で背中に背負った一本の刀を抜き取る。
その瞬間、少女の体から沸き上がる何かがあった。
「いいだろう。ここからは試合であると同時に、本気の戦いだ――焔、舞い殉じよう」
少女は刀を抜くと同時に長い黒髪を真っ赤に変貌させ、獣のように歯をむき出しながらそう言い、駆けだす。対して若も静かにその行動を見続けた後、黒い着流しの裾を翻しながら駆けだした。
二人が持つ刀がぶつかったのはその直後のこと。
その戦いの行く末は、当人同士しか知らない。
◆
焔紅蓮隊。それは、元々は秘立蛇女子学園に所属していたものの、現在は抜け忍となって共同生活を送る集団の名だ。
元は選抜メンバーと呼ばれ、焔という少女を筆頭にした五名。それぞれが学生でありながら、一流と呼んで遜色ない少女たちばかりである。
そして抜け忍とは、忍の掟では本来始末されるべき存在だ。今までもこれからも、それは事実として変わらないだろう。
だというのに、忍の世界では近頃、ある噂で持ちきりだった。
「半蔵学院の半蔵が、抜け忍の集団と同盟を組んだ」
詰まる所、忍ならば誰もがその名を知っている男、半蔵から抜け忍へと声をかけ、始末されるべき彼女たちを保護する代わりに自身の戦力にしようとしたようだ、という話である。それを聞いた多くの忍、及び忍の集団は揺れ動いた。ある者は動揺し、ある者は疑い、ある者は憤慨した。
あの最強の男がなぜ、それほど愚かしい行動をするのか。普通に考えればあらゆる忍から非難され、半蔵自身の立場や評価を下げかねない。なのに、なぜ。様々な憶測が飛び交ったが、誰もがすぐに一つの答えへと辿り着く。
今では誰もが囁いている、「鬼の子を使って何かを始めるつもりだ」と。
そして事実、半蔵が懐へと迎え入れた五人の少女たちは今、「若様」と呼ばれる少年の傍で仕事をしている。
それは夏が近づくある日、暑い日差しが照りつける中、半蔵の護衛たちが学校で授業を受けている頃、彼女たちは若と共に山奥にある滝とそこにある大きな川で涼を取っていた。
腰まで冷たい水が来る深さで、バチャバチャと水を掛け合って遊ぶ二人の少女を遠巻きにしながら、若の傍には二人の少女がいる。
大きな木の下に敷かれたビニールシートの上に、水着姿で寝そべる若。彼の頭は春花という、上半身裸でとても大きな胸を露わにし、下半身には隠す面積が少なすぎる桃色の水着、そういったやけに妖艶な姿の少女に膝枕されている。しかもその大ぶりの乳房を、仰向けで寝る若の顔に押しつけながら、さらりと手触りのいい黒髪を撫でながらであった。
さらには彼の下半身の上には、自身は着ていた水着をすべて脱いで裸になり、若の水着をずりおろして、隆起する陰茎を口に含む緑の短髪の少女がいた。彼女の名は、日影。妙に生気が薄い半目をいきり立つ肉棒に向けつつ、あまり感情が感じられない姿を見せていた。
「へぇ、そんなことがあったのね。焔ちゃん、初めて若様と出会った時から妙にライバル心むき出しにしてたから、何かあったんだろうなぁとは思ってたけど」
「ああ。それ以来、顔を合わす度に勝負を挑まれるようになったんだ。みんなと会った時もそうだったっけ」
「んっ、んっ――そういえばそうやったな。若様と出会った時、焔さんだけやたらと牙剥いとったわ」
若が昔話を語る中、それを聞く二人の少女は平気で淫靡な姿を晒しているのだ。春花は自らの手で乳房をたぷたぷと波打たせながら若へと与え、日影は大きく口をあけて亀頭を口内へと迎え入れているのだから。
じゅぷじゅぷと音を立てて口で亀頭を扱き続けていた日影が顔を上げた後、ちろちろと舌先で割れ目を舐めながらそう言うと、若は「うっ」と声を洩らし、春花は嬉しそうにくすくすと笑う。
辺りはひどく爽やかな様相だった。多くの緑が生い茂り、木々の間と滝の真上からは青い空が覗き、燦々と照りつける太陽は暑さを感じさせながらも気持ちのいい情景を降り注がせる。
だというのに、その下にある姿はひどく淫靡なものである。若は股間を隆起させて露わにし、日影がそれを口に含んで、春花は胸を若の顔へと押し付ける。近くで水着姿の二人の少女が遊んでいるというのに、三人共恥じらうこともなくそうしているのだ。
もしも今この場に、アルバイトのために遅れているリーダーがいたとすれば、きっと顔を真っ赤にして声を荒げることだろう。
なにせここ最近、若とのふしだらな行為に耽る仲間たちへ向けられる言葉は「は、破廉恥だッ!」という言葉が大部分なのだから。もっとも彼女もまたその破廉恥な行為を経験し、例に漏れることなく夢中になっているのだが。
「それにしてもやっぱりすごいのね。焔ちゃんに勝てる人なんて少ないのに……私も若様が戦ってるところ、一度でいいから見てみた――あら? ふふっ、若様ったら、こんなに表情を蕩けさせて……気持ちいいのね?」
「あ、あぁ……日影はフェラチオが上手いな。すごく、はぁっ、気持ちいい……」
「ふふふっ、それはもう。若様のためにいっぱい練習したものね、日影ちゃん」
「んっ、んっ、ふっ――まぁ、春花さんにやらされた、とも言えるけどな」
そう言う日影ではあったがやはり声からは感情が感じ取れず、無表情のまま。しかし若の陰茎を舐めるその仕草や、動作、それらは妙に嬉しそうに見えるのだから不思議である。
ぷっくりと膨れた亀頭を口内に迎え入れて頭を振り、蛇のように怪しく動く舌を絡ませて、そこを解放したかと思えば裏筋を丹念にゆっくりと舐め、竿に唇を当てたままずるずると下へ下がっていく。そうした後は、薄く陰毛が整えられた根元に唇を寄せ、鼻先に縮れ毛を触れさせたままじゅるじゅると音を立てる。大量の唾液がまんべんなく彼の肉棒に付けられ、垂れた分が玉までを濡らす。
春花の指導を受けながら練習しただけあって、日影の口淫は見事なものだった。長い舌がまるで別の生き物のように艶めかしく動いて、余すところなくねっとりと絡みついていく。その姿は、さすが春花を持ってして「天才的な舌使い」、或いは「フェラチオの天才」と言わせただけのことはあるというもの。
若はその技術を自身の体で存分に堪能し、目を閉じて歯を食いしばりながら、だんだんと呼吸を荒くしていった。当然、顔の大部分を春花の乳房で押さえられながら。
「はっ、くっ、はぁっ――日影、春花っ……んぅ」
「うふふ、若様、イキそうなの? いいわよ、このままイッて。日影ちゃんの口の中に出してあげて。彼女もそれを望んでるから」
「んんっ、むふっ、うむぅ」
再びぱくりと亀頭を銜えた日影がそこに舌を絡ませながらこくこくと頷く。やる気のない目はしているが、右手でしっかりと竿を扱いている姿を見る限り、若を気持ちよくさせようという気持ちが伺える。
若は思わず春花の両手をぎゅっと握りしめ、彼女の胸に自分から顔を押しつけながら、最後に小さなうめき声を出した。
それと同時に、銜えられた亀頭の割れ目から大量の精液が飛び出し始める。その量は多く、質も濃厚で、常人ならばすぐにでも顔を離してしまうほどの勢いだろう。しかし日影は微塵も頭を動かすことなく、表情すら変えず、当然とばかりに飛び出てくるそれをすべて口の中に迎え入れる。右手は尿道に精液が残らないようにと激しく上下に動いていた。
春花のくすくすと笑う声が聞こえる中、長い射精が終わった時、ようやく日影は若の肉棒から口を離した。いつもと変わらない半目を中空に漂わせ、膨らませた頬をもごもごと動かしている。
それを見た春花は日影に笑いかけつつ、荒い息を吐く若の上から胸を浮かせた。
「ねぇ日影ちゃん。若様のザーメン、おいしい?」
「んー……あんまりわからん。でも、あんまり悪いもんでもないかもしれん」
「ふふ、そう。ねぇ、少しでいいから私にもちょうだい? 匂いを嗅いでるだけで我慢できなくなっちゃったの」
「ん、ええよ。わしもちょっと呑んだから、残りは春花さんにあげるわ――ん」
「ありがとう――んん」
ぐったりと体から力を抜く若の上で、二人の少女が口づけを交わす。春花は若の呼吸を邪魔しないようにと配慮しつつ首を伸ばし、日影は彼に覆いかぶさるように移動してから舌を伸ばした。
長く赤い舌に乗せられていた、たっぷりの濃厚な精液。それは舌ごと春花の口内に絡め取られてから、残すことなく飲みこまれていく。
喉を鳴らしながら、少しだけ頬を赤らめながら精液を飲む春花。その表情はとても幸せそうで、心から溢れ出る喜色を全身からにじみ出させるかのようだった。
日影はキスをしたまま半目を開けて、目を閉じながらも感情を表す春花の顔をじっと見つめていた。まるで興味深そうに観察するかのように。
そんな彼女の胸が真下からぎゅっと掴まれたのはそんな時だ。
「む?」
「んっ、ちゅ、はっ――どうしたの、日影ちゃん?」
「いや、若様が胸を、な」
「あら――ふふっ、もう若様ったら、私のおっぱいもあるのに日影ちゃんのおっぱいを触っちゃって。私のを揉んでもいいのに」
「あーいや、なんとなく」
二人がそちらに目を向ければ、そこには寝そべったまま頭上にある日影の胸を揉む若の姿。遠慮のない手つきで彼女の双丘をがっちりと掴んでおり、指を動かしてぐにぐにと乳房の感触を楽しんでいた。
それに合わせて、日影の体がぴくぴくと震える。表情が変わらないからわかりづらいが、どうやら感じているようなのだ。
若の経験上、日影は彼と夜を共にした女たちの中で最も感度がいい。ほんの少し体に触れた程度で途端に快感を得て、無表情で声を出さないままに絶頂することもざらにある。
今も体が触れていないとわからない程度に小さく身を震わせ、奥が見えない半目を若に向けたまま動かない。抱かれる間にどういう反応を見せていいかわからない彼女は、抱かれている間微塵も動かないことが多いが、今回もそうした反応だった。
若はさらに手に力を入れると共に、腰を動かして更なる行動を始めようとしていた。
「ほぉら若様、おっぱいですよー。日影ちゃんのだって大きいけど、私の方が大きいですよー」
「んっ」
「どうしたの日影ちゃん? 何かあった?」
「いや、若様のちんちんが、な」
「あん、もう――若様、相手を一人一人選ぶのは悪い癖よ。抱かれてる相手は嬉しくても、まわりでほったらかしにされてる女の子はすごく辛いんだから。指でも口でも使って、その子も相手にしてくれないと――だから、はい、若様の手は私のおっぱいに」
再び完全に勃起した若の陰茎が日影の秘所に触れると、眉をひそめて怒る春花の行動によって、若の両手は彼女の胸に移動させられた。大きくも張りがあって形が崩れず、なによりやわらかいその肉の中に手が沈む。すると春花は嬉しそうに微笑んだ。
その間も若は腰を動かして位置を調整しており、日影の膣を探して自身の亀頭を割れ目全体に撫でつけていた。唾液と先走りで濡れるそこが割れ目を押し上げながら形を変え、何度かそうして擦りつけているとようやく位置が定まる。
若の目は自分たちの下半身から日影の顔に向かい、そこでようやくお互いの視線が合う。しかし二人が何か言葉を交わす前に、若は腰を上へと突きあげた。
「んっ、あっ――んんんっ」
「あ、また。もう日影ちゃん、挿れられた瞬間にイッチャだめじゃない。相変わらずイキやすいんだから……それじゃ若様が満足できないでしょう?」
「んんっ、はぁっ、あぁっ――」
「一回スイッチ入っちゃうとイキまくっちゃうし。自分ばっかり気持ちよくなっちゃダメでしょ、日影ちゃん。膣を締めて、若様のおチンポじゅぽじゅぽしないと。いつまでも若様のザーメン受け取れないんだから」
「んっ、んんっ、んはぁっ、あっ、あっ――」
ぼんやりとした半目は変わらないが、確実に今の日影は快楽に酔っている姿であった。
半目はそのまま、表情も何もないままで、すでに水着を脱いだしなやかな裸体を若に弄ばれる。自分から動くことはないものの、日影は若の体の上で悦んでいる。
若が上手く腰だけを動かし、ずぷずぷとゆっくり肉棒を抜き差ししている内、またしても日影の膣内がぎゅっと一際強く引き締まった。ただでさえ全体をきつく締め付けているのに、その感触たるや凄まじいものである。
若はぐっと歯を食いしばって耐え、春花はやれやれと言わんばかりに首を左右に振っていた。
確かに日影は常人以上に感度がいいが、ここまですぐに絶頂してしまうのはどうなのだろうか。仲間たちの中で最も性的なことに興味がある春花は常々そう想っていたが、こればかりはどうしようもない。
若がまだ本気を出さず、時間をかけて楽しもうとしているその間に絶頂してしまう日影は、春花が若に胸を揉ませながらそう考えている間にまたも全身を震わせていた。
あくまでも無表情、まわりには悟らせないような姿で。
「んんっ、あぁっ、はぁぁっ――」
「うくっ、締め付けが、また……」
「日影ちゃんったら、自分だけ何度もイッチャって――まぁいいわ。その分、私が若様を気持ちよくすればいいのよね」
合計で三回。日影は若から愛撫程度に膣の中を貫かれて、表情を変えぬままに絶頂した。
しかし、彼女が目の色を変えたのはその直後のことだ。
先程までは眠たそうにも見えた目をギラリと光らせ、赤い色を灯しながら、やけに興奮した様子で若を見つめ始め、日影は突然勢いよく腰を振り始めた。腹に手を置いて繰り返されるそれにより、二人の接合部から聞こえる水音はさらに大きくなって、二人の身に走る快感はさらに高まる。
若が驚いた様子で声を出すその時、日影はべろりと長い舌で己の唇を舐めながら、猟奇的な笑みを浮かべていた。
「あらあら、狂乱モードに入っちゃったのね。これはこれで問題なんだけど――まぁ大丈夫でしょう。若様、少しだけ付き合ってね。日影ちゃんがこうなるのは若様だけだけど、感度は変わらないからすぐへばっちゃうわ。今だってイキ続けながら腰振ってるみたいだし」
「うっ、くっ、あぁっ――これ、は、すごい……」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、あぁっ」
全身と膣内、両方をびくびくと震わせながらも日影は必死に腰を上下に動かし、絶え間ない絶頂を感じながらも止まろうとはしていない。ぐねぐねと怪しく動く膣にすっぽりと肉棒を銜えこんで、まるでそれは自分の物だと言わんばかりに奥へ奥へと呑みこんでいく。
これまで何度か日影と体を重ね、すでにこの出来事も体験している若であっても、その他の人間では味わえない動きには声が洩れる。まだまだ余裕だと思って気楽に考えていたのに、日影が動き出した途端に限界へと高められていったのだ。
人は日影のこの状態のことを、狂乱モードと呼ぶ。本来は戦いが激化した時にしか見れない、異常なほど攻撃的な姿なのだが、最近の彼女は若との性交中に何度も絶頂すると、いつの間にかこうなっている。
その後はこの日と同じ。自分は感じまくってイキ続けているのに、とにかく必死に若を押し倒して犯し続ける。
そして最後には自分の方が限界になって、最後に激しく絶頂した後に意識を飛ばすのだ。
「あっ、あぁっ、あぁあああああっ!」
「くぅ、で、出るっ……!」
限界を迎えたのは、二人同時に。
日影は普段は聞かせないような大絶叫と共に天を仰ぎみて背を逸らし、ぶるりと大きく体を震わせた。また同時に若が陰茎から大量の精液を噴き出し、膣の中でどくどくと竿を脈打たせる。
そのまま一分ほど繋がったままだった二人は、ぐったりと力を抜いて倒れ込み、目を閉じたまま荒い呼吸を繰り返していた。
その時にはすでに日影は自分の意識を手放しており、小さな寝息を立てていた。若は右手を春花の胸から離して、自分の胸に頬を預けて眠る日影の頭を撫で始めた。
一部始終を見守っていた春花もまた、若の頭をやさしく撫で、やさしい声で呟く。
「うふふ、若様、日影ちゃんの膣内で気持ちよくなれた?」
「うん、すごく」
「ふふ、それならよかった。でも――お腹のあたり、すごく汚れちゃったわね」
春花がそう言いながら、二人が尚も結合している場所に目を向ける。若の陰茎は射精の影響ですっかり萎えてしまい、先程よりも威圧感のない姿となって、今にも膣からどろどろと垂れる精液に混じって出てきそうだ。しかしそうならなかったのは、意識を失いながらも日影がそれをきゅうきゅうと締め付けているからだろう。
ふふふ、という小さな笑い声に混じって、二人分の少しだけ荒れた呼吸が聞こえる。
そんな中で、春花はゆっくりと動き出し、若の頭を膝の上からどけてから立ちあがった。
そして彼が見ているその前で、ゆっくりと股間を覆っていた水着を脱ぎ、完全な裸の状態になる。そうすると若の視界に、きれいに整えられてはいるものの、他の面々より少しばかり濃い陰毛がすぐに視界へ飛び込む。
春花はその視線を感じながらも背に太陽を背負ったまま微笑んで、若を誘うように言葉を吐いた。
「若様、せっかくここまで来たんだから、私たちも涼みましょう。汚れも流さなきゃいけないし、それに――あの二人だって気付かないふりしてるだけで、ずっと待ってるから」
「ん、わかった。じゃあ行くよ」
春花の問いかけに、そう答える若は丁寧な動きで日影をビニールシートの上に寝かせ、汗を掻きながらも穏やかな寝顔を見せる彼女を見てくすりと笑う。立ちあがったのはくしゃり、と柔らかい髪を撫でてからだ。
「ん……」
小さな呟きが洩れる。思わず抱きしめたくなるような欲求が生まれたが、日影は寝ているし、春花と他の二人は待っている。そうした理由もあって若はそのまま立ちあがり、豊かな体を隠しもせずに陽光の下に立つ春花と並んで歩きだした。
裸の男女が森の中にある滝壺に近づいて行き、砂利が多いそこを裸足で歩いていく。一歩前に出る度に、若は己の陰茎をぶるんと揺らして、彼と自然に手を繋いだ春花も豊かな乳房をぶるりと揺らす。
誰にも見せられないような光景であった。が、若がお気に入りにしているこの場に入ってくる者は、彼の許しを得た者以外にはいない。なにせあたりには無数の罠と、若が用意した結界が張られているのだから。
ここは彼らにとっての安全な遊び場で、すべてをさらけ出せる楽園だった。
「さぁ若様、こちらへ。私が洗って差し上げますわ」
「うん、頼むよ」
二人で手を繋いだまま、ゆっくりと水の中へと入っていく。近頃はだんだん気温が高くなって、暑い気候になっているとはいえ、水はやはり冷たかった。
腰まで浸かる深さまで歩いた後、思わず若は体を震わせて驚く。それを見た春花は楽しそうにくすくす笑うだけで、水の冷たさにさほど驚いたような様子もない。
自然と彼女は動き出していた。すぐ傍にある若の体を両手でぎゅっと抱きしめ、自身の柔らかい体を密着させて肉体の温度を分けるようにしながら、左手だけをするりと下へ落としていく。
愛液と精液で濡れる下腹部を撫で、普段は半蔵学院の斑鳩が整えているらしい陰毛を撫でて、それから迷いのない動作で若の陰茎を掴む。
それだけで春花はうっとりとしたため息をつき、若はくすぐったそうに身をよじった。一部の者が「愛らしくてたまらない」と表現する微笑みを称えて。
「あ、若様のおチンポ、また大きく――うふふ、いつもながら素敵。何度出しても元気なのね」
「鍛えてるから。こういう時のために」
「それならよかった――私のことも、たくさん可愛がってもらえるのよね?」
「もちろん」
二本の指で輪っかを作り、竿を強く締め付けて扱きあげる度にだんだんと陰茎が固くなっていく。
同時に春花の頬はどんどん赤く上気していき、若の下半身に向ける視線に熱が入っていった。しばらく彼女がそうしていると、若もまた彼女の下腹部へ手を伸ばしていき、ひどくゆったりと白い肌を撫でた後に秘所へと触れた。割れ目をなぞるように指が動き、何度か往復した後、すでに内側から濡れているそこにつぷりと指が差しこまれる。
二人は抱き合い、お互いの肌のぬくもりを感じ取りながら、上から降り注ぐ暑い日差しと下半身を包む冷たい水を全身で感じ、ひどく落ち着きながらも気分を良くしていた。
春花はくすくすと笑い、若は不思議そうに小首を傾げた。
「なんだか不思議な気持ち……これまでと変わったつもりはないのに、なんだか、忍として生きるようになってから初めてこんなに楽な気持ちになったような気がする。若様のおかげ、なんでしょうね」
「そう。ここに連れてきてそう想ってもらえたんなら、よかった」
「ええ……ありがとう、若様。私たちをここへ連れてきてくれて。あの子たちだってきっと喜んで――いいえ、違うわね。お礼を言うのはそこじゃないわ――若様、ありがとう。私たちを、抜け忍である私たちを受け入れてくれて」
話す内にだんだんと小さくなった声は、最後には囁くかのような大きさになり、春花は語りながらも上体を傾けて、若の胸に頭を預けた。
そのまま目を閉じ、小さく息を吐く。やけに顔が熱っぽいのは、おそらく暑さのせいではないのだろう。
若はそんな彼女の頭を片手で撫で、もう片方の手は相変わらず膣の中を掻きまわしている。若もまた、固くなった陰茎を扱かれ続けている。
まじめなのか、ふざけているのか、なんとも判別しにくい姿のまま、二人は言葉を交わしていた。無論、相手の体に触れる手を止めずに。
「本当なら私たちは、あなたたち善忍にも、昔の仲間である悪人からも疎まれ、狙われる存在。それだけのことをしたんだもの、仕方ないわ。だけど、あなたは――いいえ、あなたたちは、私たちを受け入れてくれた。それがどれほど難しくて、それだけのことがどれほど嬉しかったか、きっとあなたはわからないんでしょうね」
「うん、まぁな。抜け忍になった経験がないから」
「ふふふ、ええ、そうね――若様、あなたは決して抜け忍にはならないで。悪に染まるあなたなんて、きっとらしくないもの。今日と同じ、今と同じ、あなたは影の中に生きる忍だけど、ずっとこうして陽だまりの中にいて。そのためなら私たちはなんでもするから――命を救われて、生きる意味を与えてもらった代わりに」
「――うん」
春花はすでに知っている。自分たちを半蔵学院に迎え入れるよう、最高責任者の半蔵に進言したのは、他でもないこの男なのだと。焔紅蓮隊の一人と戦ったことがあるが、妖魔の動きが活発になっている現状において、あの力を失うのは惜しい。そうした提案によって、彼女たちは対妖魔の戦闘員として迎え入れられたのだ。
もっとも、現状のような裸で陰部を刺激し合う関係になるなど、提案した彼にも予想できていなかったことだが。
尚も片手を動かしつつ、快感を与えあいながら抱き合う二人。大きな音を立てて水を落とす滝を後ろに置く春花の背から、声がかかった。
今までその二人が、若と日影が何をしていたのかを知りながらも、火照った体を水の中で治めていた二人がついに近付いてきたのだ。春花はそのことに気付き、ゆっくりと若の前方を開ける。
そこへ一人の少女が一目散に進んできた。
「あぁっ、若様っ」
腰まである水をざばざばと掻きわけながらまず彼に飛びついたのは、きれいなブロンドの長い髪を濡らし、豊かな肉体を小さな水色のビキニに押しこみ、たゆんと大きな乳房を揺らす詠という少女であった。
彼女は我慢できないと言うかのように目にこぼれんばかりの涙を溜めて、勢いよく若の胸へと飛び込む。手を彼の胸へと当て、同時に頭も強く押しつけ、ぐりぐりとさらに押しつける。まるで自分の匂いをなすりつける動物のようだ。
といっても、彼女がそうするのはめずらしいことではない。若は微笑んで彼女を受け止め、猫や犬にそうするようにやさしく頭を撫でてやった。
それだけで詠はうっとりとしたため息をつき、嬉しそうに身をよじりながら顔を真っ赤にする。それからさらに自分の体を若へと押しつけ、胸板へ頬ずりを繰り返す。
彼女の熱は独りでにどんどん高まっていく。
そうしている間、近くまで来ていたもう一人の少女は春花に掴まり、後ろから手を伸ばす彼女によって体を弄ばれていた。
「はぅ……若様、切ないです――どうかわたくしのお相手を、どうか――」
「わかった、いいよ。よろしくな、詠」
「は、はいっ。若様、どうかお願いします、わたくしの名前をもっと、もっとお呼びください」
「詠」
「はぁぁん……!」
頭を撫でられ、名前を呼ばれて、それだけで詠は満足そうに嬌声を洩らした。先程まで水の中でこっそりと自分を慰めていただけに、念願であるものを手に入れた彼女は小さく体を震わせ、ほんの少しの満足を手に入れる。
だが、足りない。求めていたものはそんな程度では全く足りないのだ。
もっと欲しい、そう小さく呟きながら詠は自分の両手をするすると若の体に這わせ、柔らかい女のものとは違うその感触を楽しみ始めた。
それを認識してから、若もまた両手を伸ばして詠の肉体に触れ始める。
「ふぁ、はぅ……うんんっ」
「詠も結構感じやすいよなぁ。それになんか小動物みたいだ」
「あんんっ、わ、若様ぁ……」
詠の手が、脱いだら意外としっかりしている胸板や薄く割れた腹筋、背中などを撫でまわすと、若も同じところを手で撫でる。時に彼は詠の頭をぎゅっと抱き寄せ、髪を撫でたりもする。
肝心な部分は触られていないというのに、それだけで詠はひどく幸せそうに表情を蕩けさせ、少し尖らせた唇をちゅっと若の胸に触れさせた。
詠は、若から言わせれば斑鳩に似ているとの評価だ。ぴったりと体を密着させることを好み、行為は二人きりで行う時が最も燃え、それぞれ若に対して望むものがある。大きな違いはその部分、斑鳩がキスをしたままずっと離れないのに対し、詠は若に名前を呼ばれながら甘やかされるのを好みにしているところだ。
「詠、可愛いよ」
「はぅぅ、若様ぁ……」
頭を撫でられる、体を撫でられる、キスをされる。愛情が含まれたそれらを受けただけで、彼女は酒に酔ったかのように体の力を失ってしまうのである。
現に今も、するすると体を撫でながら移動した片手が大ぶりの胸をむにゅっと掴むと、詠は官能的な悲鳴を上げながら若の胸の中へ倒れ込んだ。彼が咄嗟に受け止めなければそのまま水の中へ沈んでいただろう。
「大丈夫か、詠? 川から上がるか?」
「い、いえ、大丈夫です。それよりも早く、若様のものを、わたくしのなかへ……」
「ん、もういいのか? まだちょっとしか触ってないけど」
「だ、大丈夫ですの。その、準備は――じ、自分で終えておきましたから。後は若様の固いもので、わたくしを――」
「わかった。それじゃあ、あー……うん、このままやろうか」
そう言うと、若は軽い調子で詠の体を抱え上げた。両足の膝の裏を持ち、ぐっと股を開かせて、詠が「きゃっ」と悲鳴を上げるのも構わずに二人の股間を密着させたのだ。慌てた詠が両腕を若の首へと回す。
勃起した陰茎が水着越しに秘所へと触れて、そのままずりずりと上下に擦りつけられる。恥ずかしいやら、気持ちいいやらで、詠は顔を真っ赤にしながら目を閉じて、されるがままだった。
若が小さく呟く。いつもとは変わらぬ声色で、いつもと同じ微笑みで卑猥なことを言うものだから、詠を襲う羞恥はさらに倍増する。
「詠、水着ずらして、おマンコ出して。このまま挿れるから」
「ええっ、うぅ、でも――わ、わかりました。恥ずかしいですけど、若様のためなら……」
非常に小さな声でそう呟く詠は恐る恐る、自身の股間へと右手を持っていく。そして陰茎がすりつけられるそこへ到達すると、大事な場所を覆っている水着をぐいと横にずらした。
その途端、若の陰茎が秘所へと触れ、冷たい水の中で熱い肉棒がそこを擦る。詠は背筋がぞくぞくと震えているのを自覚し、大きく、ゆっくりと息を吐く。
陰茎の先端が膣内に押し入ったのは、彼女が息を吐ききった時だった。
「――ッ!? かっ、はぁぁぁ……す、ご、いぃ……」
亀頭で閉じた肉を押し上げ、奥に進む途中、若は詠が絶頂したのを理解していた。挿入された瞬間に肉の壁がぎゅうぎゅうと締めつけてくるのだからバレバレである。
詠は背をのけぞらせて震え続け、浅ましくも舌をだらりと伸ばして目を見開いている。しかし若はそれをくすっと笑いながら見て、さほど気にせず腰を動かし始めた。
ひどくゆっくりとした速度で陰茎が前後にずるずると動き、詠の震えはさらに大きくなる。
「うっ、うぅ、うぅぅ……!」
「はぁ、きついな。詠、ひょっとしてイキっぱなし?」
「あぅ、はぅぅ、すごいです、若様っ……す、すごく、あぁっ」
「そっか。気持ちよかったんならよかったよ」
冷たい水の中で、熱を持った肉棒がゆっくりと動いて膣を出入りする。その度に詠は甲高い声をあげて膣内を締め付ける。
腰まで届く川の水に波紋を生みだし、二人の腰が繋がったままゆるりと動く。
詠は若に抱えられながらしがみつくので精一杯で、若はそんな彼女を可愛がるかのように微笑み、キスを送って、突き続けた。
二人の体液が、すぐに水に混じって流れていく。
「んんっ、んぅ、はぅぅ――わ、若様ぁ……」
「はぁっ、はぁっ、んっ――気持ちいいよ、詠」
「う、嬉しいですっ、若様が、わたくしの体で――あぁっ」
「ふっ、ふっ、ふっ……」
上半身には暑い日差しがじりじりと照りつけているのに対し、下半身は冷たい水の中、陰茎はさらに別の場所に入り込んでいる。
詠の蕩けた表情も相まって、いくら安全とは言え外で行為を行う興奮にどんどん若は埋没していき、いつの間にか自然と強く腰を振っていた。そしてこの時、彼は我慢しようとはしていない。
「詠、なかで――」
「はぁ、はいぃっ! 若様のっ、子種を――わたくしの膣内にっ!」
「うっ、出る……」
故に、若はいつもよりもあっさりと射精を開始した。ぎゅっと詠の体を自分に寄せ、一番奥に亀頭を押しあてた瞬間、どぴゅりと精液を吐き出していく。
途端に詠の膣は喜びだし、ぐねぐねと蠢きながらもそこはそれをすべて受け取っていった。
「あはぁっ! 出てるぅ、若様の子種が、わたくしの膣内にっ!!」
「くぅ、全部、全部なかに出すぞ、詠」
「はいっ、ください――全部くださいっ、若様ぁっ!」
抱きつく力が一層強まる。二人は体をぴったりと合わせたまま、どくどくと脈打つ振動と、それに伴って感じられる熱を二人で共有していた。
二人はそのまま静止し、触れるだけのやさしいキスを交わした。
結合が解かれたのは約一分が経った後のこと。名残惜しげに目を潤ませる詠の頭を撫でた若が、腰を引いて萎えた肉棒を抜きだした。
直後には彼の視線は、先程から春花の手によって大きな嬌声を上げている、外見が幼く見える少女へと向かっていたのである。
「うふふ――次はこちらですか、若様? 相変わらずの絶倫ね……さぁ未来ちゃん、ぐずぐずに蕩けちゃったおマンコ、若様のおチンポですっきりさせてもらいましょう。まずはあなたから、ね」
「んぅ、ふぅ、はぁぁ――わ、若ぁ……」
春花の腕の中にすっぽりと収まるほどの小さな少女、未来は妖艶に動く彼女の手に撫でられながら、よだれを垂らして悦んでいる。すでに肉体の準備は万全なほどに終えられていて、それ以上焦らされたのでは精神に支障をきたすだろう。
若は水を掻きわけながら二人の傍へ寄る。その間に春花は抱きしめていた未来の膝の裏に手を回し、彼女の足を大きく押し広げながら持ち上げた。まるで小さい子供に小便をさせるかのような格好である。
しかしそれでも、水の深さの関係で未来の下半身は見えにくいまま。それを不満に想ったらしい春花は唇を尖らせ、体の横からぴったりと抱きついて、熱心に陰茎を扱く詠の頭を撫でる若へと提案する。
「若様、もう少し浅瀬にいきましょうか。これじゃあせっかくの濡れ濡れおマンコが全然見えないもの。せっかくならおチンポだけじゃなくて、五感すべてで楽しまないと」
「そうか? わかった。それじゃあ、移動しようか」
「はーい。さぁ未来ちゃん、行くわよ。あなたのおマンコ、日の光が当たる場所まで持っていくからねぇ」
「えっ、えっ、ちょっと――きゃあっ」
春花は未来の体を抱えたまま先に行き、次いでお互いの体を撫で合う若と詠とが続く。
やがて四人は水の高さが膝あたりまでしかない場所で足を止め、改めて向き直る。
若の陰茎は詠の手で扱かれたことにより、すでに勃起した状態。未来の体はたび重なる軽い絶頂と多大な我慢のせいで少しばかり紅潮しており、黒い眼帯をつけていない方の目はすっかり潤み、春花が着用を強制したらしいスクール水着は股間部分をずらされて、すっかり準備が整っている秘所を露わにしている。
若はゆっくりと未来の体に歩み寄り、右手で掴んだ陰茎の狙いを定め、ぴとっと先端を膣へと触れさせた。
「うん、準備はよさそうだな。それじゃあ行くぞ、未来」
「う、うん……若、お願いだからやさしく……」
「ああ、わかってるよ」
微笑む若の手が未来の頭を撫でる。するとくすぐったそうに目を細めた未来は、喜びを表すためなのか自分からその手に頭を押しつけていた。
そうして少しばかりの交流をしながら、ずぬっ、と凶悪な様相を見せる亀頭が未来の膣に侵入を試みる。
狭く、小さく、きついそこに入るのは濡れそぼっていても容易ではない。下手をすれば両者に痛みが走ることだってありえるのだ。
だから若はできるだけゆっくり腰を前に突き出し、徐々に陰茎を進めていく。そうしている間にも快感は得られていて、凄まじい締め付けに歯を食いしばりながら。
未来もまた、感じていた。他の面々に比べて体が小さい彼女にとって、平均程度の若の陰茎を受け止めることすら難しい。しかし春花のねっとりとした愛撫を受け、若に気遣いをもらい、やさしく挿入されたとあっては受け入れることも不可能ではない。
ひどくゆっくりと肉の壁を押し上げ、奥へ向かって侵入してくるそれを感じ、未来はだらしなく開いた口の端からよだれを垂れ流す。それを、彼女を持ちあげる春花が舐めとった。
「うふふ、未来ちゃん、すごく気持ちよさそう――さすがは若様。どんな女でも陥落させる男よねぇ」
「はぅ、羨ましい……できれば私も、もう一度……」
「あら、ダメよ詠ちゃん。順番は守らなきゃ。次は私、それから――うふふ、そろそろ来る頃かしらね、あの子も」
「あぁ、うぅぅ、ふぅぅぅ――」
未来はできるだけの深呼吸を繰り返す。腹の中にまで異物が入り込む感覚は、彼女の体が小さいからかもしれない。しかし、膣内に肉棒を迎え入れて快楽を得ているのも事実。
動きはひどくゆっくりで、丁寧なものだ。何度も繰り返してはいるものの、本来ならばさほど快感を得られないかもしれない。
だが未来のそこであれば別であった。痛いほどに締め付けてくるそこは動かなくとも快感が感じられ、また未来の外見のこともあって、非常にいけないことをしているようにも思えてくる。
長身の女に後ろから抱きかかえられ、無理やりとも思える姿で腰を突き出し、男の陰茎を銜えこむ。しかも彼女は目を潤ませて荒く呼吸を繰り返し、事あるごとに膣内をビクビクと振動させ、全身も同じように震わせるのだ。
体位が特別過ぎることも原因だった。ゆったりと腰を動かす内に、二人は自然と高みへ昇っていき、やがて限界を感じる。
若は何も言わずに未来の唇へ己のそれを重ね、片方の目が見開くのも気にせずに目を閉じた。
そして、射精する。
「んっ、んんっ、んんんっ――」
「あらあら、二人共イッチャったのね――羨ましいわ。私も早く、若様に抱かれたい」
「わたくしもですわ。んん、若様の背中、たくましい――」
詠の時とは違い、今度は水に浸からないままどくどくと撃ちだす。しかも二人は、唇を合わせながら。
未来はくぐもった嬌声を上げて全身を震わせ、若の両手が自身の薄い胸に触れたことを認識しつつ、目を閉じる。
柔らかい女のそれとは違う、少し固さのある指が水着の中に入り込んで立ちあがった乳首を弄っていく。まわりの薄い乳房を弱弱しく撫でたり、乳首をピンとはじいたり、若は舌を絡ませながら指を怪しく動かした。
その一方で腰を引き、ずるり、と様々なもので濡れた陰茎が出てくる。するとすぐに詠が手を伸ばしてそれを掴み、弱くそれを握って弄り始めた。
はぁ、と一つ息を吐き、若は達してから動かない未来に目を向け、やさしい声で言った。
「ありがとう、未来。気持ちよかったよ」
「はぁっ、ふぅ――う、うん。私も、すごくよかった……」
「ん、そっか」
「うん――えへへ」
またも頭を撫でられ、未来は嬉しそうに笑う。それを見た詠は羨ましそうに頬を膨らませ、春花は、笑みを浮かべながらもすぐに動き出した。
抱え上げていた未来の足を降ろし、彼女の背を押して移動させたかと思えば詠へと押しつけ、二人を若からぐいと離す。
驚いた様子で、同時に拗ねるような表情を見せる彼女たちを気にすることもなく、春花はしなやかな腕を伸ばして若の首にまわし、恋人のように顔を寄せてから呟くのだ。
「さぁ若様、私の番よ。たくさんの女の子を鳴かしてきたこのおチンポで、私のおマンコをたっぷり味わって」
「うん、それじゃあ――お待たせ、春花」
「うふふ、待たされた分、たっぷりサービスしてくれるんでしょう? 期待してるわ――若様」
ちゅっ、とまずは口づけを交わす。そのまま春花は詠によって起たされた陰茎を激しく手で扱き、若もまた手を伸ばして彼女の体へと触れる。彼が見た中でも最も大きい乳房を持ちあげ、柔らかい尻を揉み、女ならではの感触をその手で楽しんでいく。
図らずもお預け状態となった二人はすぐ傍でその姿を見つめ、不満そうに唇を尖らせていた。
「むぅ……春花さんばっかり、ずるいですわ。わたくしもああいう風に、恋人みたいなイチャイチャを――」
「わ、私なんて、春花様に抱えられたままだったんだからっ。そ、そりゃ場所が場所だけど、もうちょっと普通にしてくれたって――」
ぐちぐちと不満をこぼす二人を傍に置き、二人の行為は進んでいく。
舌を絡ませ、口内に含む唾液を交換し合い、そうしながらも彼らの手は止まらない。春花の手は片方で陰茎を擦る一方、若の乳首を撫でるようにして怪しく動き、若の手はゆったりとした動きで乳房や尻、今はさらに彼女の秘所を触れていた。
そうし続ける時間は、傍にいる二人にとっては地獄のような瞬間だ。若が他の女と寝ることは多少受け入れてはいるが、本来であれば自分だけを見てほしいという想いもあるし、なんなら自分以外の時はさっさと終わって交代して欲しい。だからこそ彼女たちは協力し合ってお互いに愛撫を施したりするのだ。
だというのに、春花と若がやっていることは最初の段階から。二人がまだ満足していないことを知っていながら、纏めて焦らすかのような手順で行為を始めたのである。
二人は恨めしく春花を見つめ、羨ましそうに若を見る。
それでも二人のペースが変わることはなく、彼らは三分ほどそうし続けてから次へと移った。
「春花、後ろからがいいな。頼める?」
「ええ、いいわよ。ふふ――いっぱい突いてね」
若が春花にそう言うと、彼女は自分から体の向きを変え、自分の背を若の胸へと預けた。若もすぐに手を伸ばし、彼女の腰と胸に手を回す。乳房に指が沈められると同時、二人の腰が合わさった。
「行くぞ」
「はいっ――」
興奮した面持ちで春花が答えると、若の陰茎が彼女の膣へと入りこむ。
彼がこれまで経験した女たちの中で、彼女ほど巧みに男へ絡みつく膣を持つ女はいない。入り込んだ陰茎の亀頭へ、竿へと怪しく動くひだが絡みつき、柔らかい感触を固いそれへと押しつける。
若が腰を前へ動かせば押し返すように力をこめ、腰を後ろへ動かせば呑みこもうとするかのように絡みつき、飽きさせないように動くそれは若の快感をどんどん高めていった。
思わず彼は唇を噛みながら目をきつく閉じ、両手で春花の胸を掴んでぎゅっと抱きついた。腰の動きは意識しないのにどんどん素早くなっていき、普段は余裕を持って動く若が余裕のない状態で動き続けている。
それを全身で理解する春花は貫かれながらも微笑み、妖艶な声を出しながらも悦んでいた。
「あはぁっ――さすがはっ、うぅっ、若様……こんなに気持ちいいの、んんっ、女の子同士じゃ無理ぃ……」
「くぅ、すごい――はぁっ、すごく、絡みついて……」
「ああんっ、んぅっ、ふっ――ああっ」
膝まである水に波紋を作り、それとは違う水音を響かせ、二人の腰がパンッパンッという音を立てながら激しくぶつかる。
二人の少女が見守る中、二人の動きは上手く意思を同調させたまま続けられ、何度となく同じ音を繰り返した。
肉を抉り、大事な部分を抉られ、快感ばかりが高まっていく。しかしその中でも二人は互いへの愛情を確かに認識し、頬をだらしなく緩ませながら声を洩らす。
限界は近い。二人が共にそう思っていた時のことだった。
「すまない、遅くなった――なぁっ!? な、何をやってるんだおまえたちは!? は、破廉恥だぞッ!」
そんないつもの悲鳴を耳にしつつ、しかしそれどころではなかった二人はラストスパートへ向けて全力を出していた。
大きな胸に手を埋めて必死に抱きつく若は、そのままの格好で勢いよく腰を前後し、それを受け止める春花もまた下腹部にきゅっと力を入れて一層膣を強く締める。
二人の口からは荒い呼吸と共に嬌声が吐きだされて、それがどんどん大きくなっていったのだ。
「こ、こらっ、おまえら! とりあえず服を着て私の話を――!」
「あぁっ! あはぁっ、あんんっ――イックぅぅぅっ!」
岸から聞こえる声の途中に、二人は絶頂を迎える。
若は本日四度目となる膣内射精を開始して全身を震わせ、強く春花の体を抱きしめ、春花もまた全身を震わせながら背を逸らせ、天を仰ぎ見る。口の端からよだれを垂らし、同時に水面に向かって勢いよく潮を吹きながら。
ぴったりと体を合わせる二人は、後から遅れてきた少女、焔に見守られながらイッた。
だからこそ、日焼けした顔を真っ赤に染めて、一つに結った黒髪を大きく揺らし、「踊り子号」と書かれた白いTシャツの胸元をぶるんと揺らす焔は憤慨し、また再び同じ言葉を飛ばす。
「は、は――破廉恥だぞっ、おまえら!?」
川べりに立って裸、もしくはそれに近い格好でお互いの体を触り合う四人にビシッと指を指し、真っ赤な顔で叫ぶ焔。彼女とてこれまで何度か若に抱かれたことがあるのに、その初心な部分はいつまでも消えないものらしい。
そんな焔がわなわなと震えながら川の中にいる四人を見つめ、わりとあっさり無視されていると、彼女の背後にぬっと現われる人影があった。
絶頂した後に力尽きて眠っていた日影がようやく起き出し、音もなく焔の背に近付いてから、突然彼女の巨乳をわしっと掴んだのである。
「なぁっ!? ひ、日影、一体何を――!」
「いらっしゃい、焔さん。みんな待っとったで。特に、若様が」
「うっ、うぅ――わ、若が私を? そ、それは、つまり、その――」
「まぁとりあえず脱ごか。それでみんなのところに行こ。話はそれからや」
「うわっ、ちょ、日影――ふ、服を脱がすなっ。外だぞ、ここはっ」
手慣れた様子で次々に服を脱がし、瞬く間に焔を裸に剥いていく日影。淡々とした様子に見えるが、実は焔がほとんど抵抗していないことに本人以外の全員が気付いていた。
あっという間に焔もまた裸になり、日焼けした肌が白日の下に晒される。顔は真っ赤なままで、両腕を使って胸の頂点と股間を隠してはいるが、さほど嫌がっていないことは明白な姿である。
焔はぎゅっと自身を抱きしめつつもちらちらと川の中にいる四人に目を向け、彼らが自分の姿をじっと見ていることに気付きながらじっと立ちつくしたままだ。
日影がそんな彼女の手を取り、歩を進める。向かう場所は若と彼に群がる三人の少女がいる場所だ。
「ほら、はよ行こうや。みんな待ってるから」
「ちょ、ちょっと待て日影っ! や、やっぱり、こういうのは、その――よ、夜に布団の中でするものでは――」
「なにを乙女みたいなこと言うてんねん。生娘やあるまいし」
「し、しかしこんな時間から、こんな場所で――あっ」
ざぶざぶと水を掻きわけて進んでいく日影と焔ではあったが、ある時焔はぴたりと足を止めてしまった。
彼女が見ているのは自分が向かうべき方向、体に三人の少女を纏わりつかせた若。
焔を見つめてにこりと微笑みかけ、手招きしながら穏やかな声を発する彼がいた。
「おいで、焔」
「――あ、ああ」
若の声を聞いた途端、焔は繋いでいた日影の手を振り切って歩き出し、先を歩いていた彼女よりも早く若の下へ到着する。そして勢いよく水の下にある地面を蹴って、彼の胸へ飛びついた。
日影は思わずその場で立ち止まり、いつもの半目をキスし合う二人へ向けながらぽつりと呟いた。
「ふぅむ――わしと若とのこの違いはなんやねん、焔さん……なんやかんや言うて、あんたも結構好きなんやんか」
呆れたようにそう言いつつ、日影もまた歩を進めてそこに加わった。
今、若の体は若々しい少女たちの肉体に囲まれ、包まれている。
夏の日差しと、豊かな自然の爽やかさ、女体の甘さに酔いしれる一時だった。
◆
学校の授業が終わるとすぐ、斑鳩は学校を飛び出して若の家へと向かっていた。この日は待ちに待った彼女が若の護衛をする日、つまりは、若と二人きりの一時を過ごせる日だったのである。
五人の中でも特に若への依存が強く、四六時中彼のことを考えては悶々しているような彼女だ、この一時をどれほど心待ちにしているかは他人では理解できない。
だというのにこの日、若の家に喜び勇んで辿り着いた斑鳩は、若の自室へ行くとさっと顔を青ざめさせて、途端に顔を俯かせて震え始めた。
「あぁっ、んんっ、んあぁっ、はぁぁっ!」
「おー、焔さん、気持ちよさそうやなぁ。帰って来てからもう三回くらい出されてんのに、全然若様のこと離さへんし」
「うぅ、もう――っていうか、日影もなに静観してるのよ! 焔ってば若のこと独占しすぎでしょ!? あの二人がいないからって調子にのっちゃって、これじゃあたしたちに順番回ってこないじゃない!」
なにせ、若の私室へと早足で到達し、勢いよく襖を開けて真っ先に見ることができたのは、若と焔との性行為の真っ最中という姿。
畳の上に敷かれた布団に焔が背を預けて寝そべり、大きく股を開いて、その間に入った若が肉棒を膣内へと差し込んでいる。正常位のままで上体を倒して焔の体を抱きしめ、首筋に舌を這わせながら勢いよく腰を前後に振っているのだ。
そのすぐ傍では日影と未来の姿がある。夕食の準備のために台所へと向かった春花と詠とは違い、彼女たちもまだ若の相手をしようと残ったのに、妙に興奮しているらしい焔が若を離さないために手持無沙汰らしい。
おかげで日影は若の尻の穴に指を這わせつつ、長時間続く激しい運動で汗まみれになった若の背中を長い舌でべろりと舐め、空いたもう片方の手は若の乳首を弄っている。
未来もまた、頬を赤くしながら悔しそうに小さな声を洩らしつつ、片手で若の尻を揉み、片手で自身の秘所を慰めながら彼の傍を離れない。
全員が全員裸であり、室内にむっとした熱気がこもるほどの行為を続けていたのだ。斑鳩が待ち望んでいた、その日に限って。
ぷつん、と小さな音が聞こえた直後、斑鳩はかっと目を見開いて声を発していた。
「あなたたち――いつまで若様の家にいるつもりですか! 今日は私が護衛をする日です、早く自分の家に帰りなさいッ!!」
「あ、斑鳩さん。こんにちは」
「ひぃっ!? よ、よりにもよって今日の当番が斑鳩だったなんて……他の人ならちょっとくらいはって想ってたのに――!」
「んあっ、んふっ、んはぁぁぁっ――わ、若っ、舌を……ちゅー、ちゅーして欲しいっ」
「ああ、いいよ。んっ、気持ちいいよ、焔――」
明らかに激怒していることがわかる怒声。それが聞こえると日影はのんきに挨拶を返し、未来は即座に怯え始めた。これまでにも彼女の逆鱗に触れ、ちょっととは言えないまでの損害を生みだす激闘が行われたりしたせいである。
しかし若に抱かれている真っ最中の焔には彼の姿しか見えず、両手と両足を彼の体に絡ませた状態でキスをねだり、唇を合わせると幸せそうに目を閉じ、より一層の嬌声を上げ始めていた。
これを見た斑鳩の怒りはさらに燃え上がる。ただでさえこの時間は自分と若だけの時間、それを邪魔されただけでなく、自分が最も好きな体位で、自分が最も好きなキスをされながらというシチュエーションで焔が若に抱かれている。
すらり、と斑鳩の手の中にあった日本刀が刀身を露わにしたのも仕方のないことである。
「ふ、ふふふ、うふふふふふ――あぁ、なるほど、これも修行の一環なのですね。若様の護衛役として、若様に傷一つ負わせることもなく敵を排除できるかどうか、私は今試されているのですね」
「や、やばっ――ちょっと若、焔、斑鳩のスイッチが入っちゃったわよ!? ちょっと二人とも、とりあえずそっちは後回しにしてこっちをなんとかしてよっ!?」
「あー、これはなんかやばい感じやなぁ。しゃあないわ――ほんなら、わしらで相手するしかないな。わしらも若様の護衛役やし」
「ほ、本気なの日影!? いや、でも、護衛役同士でこれはまずいんじゃ――って言ってる場合でもないんだけどっ」
「うふふふふ――うふふふふふふ」
怪しげに笑う斑鳩は刀を抜き、目から光沢を消してただ笑い続け、まるで幽鬼のように体をふらふらと揺らしていた。
思わず日影と未来も、己の武器を手に取り、立ち上がる。日影はナイフを、未来は様々な武器を仕込んだ洋傘を持ち、素っ裸のままで斑鳩の前に対峙した。
そして、今も焔の膣内を味わい続ける若の邪魔になってはならないと、日影と未来は斑鳩に襲い掛かり、咄嗟に後ろに跳んだ斑鳩が広い庭に下りたことによって、本格的に戦闘の構図が出来あがる。
部屋を守る護衛に、素っ裸の日影と未来。若を奪おうとする泥棒猫を懲らしめる護衛に、斑鳩。そして部屋の中では焔を抱く若と、彼を独占し続け、甲高い嬌声を上げる焔。
なんともシュールな構図である。
「こ、こんなことして大丈夫なの、日影!? 護衛同士で戦っちゃって、あたしたち若の傍から離されちゃうかもしれないし――!」
「どっちにしてもこのままやったらあの人に殺されるやろ。それやったら、多少のリスクは承知で、また若様に抱かれるチャンスを得られるように生き残った方がええやんか」
「うっ、うぅぅ、どうしてこんなことに……」
「うふふふふふふ――若様ぁ、もう少しだけ待っていてください。今すぐこの試練を乗り越えて、私があなた様のお相手をいたしますぅ」
覚悟を決めた三人は誰からともなく駆けだし、武器を振るって戦いを開始した。大きな和風の屋敷を囲む塀と屋敷との間にある広い庭の中、甲高い金属音が何度も反響する。
この場が人里離れた山のふもとでよかった。でなければすぐに警察かどこかへ通報されていたことだろう。
結局、怒り狂う斑鳩と、それを押しとどめようとする全裸の少女二人との戦いは、夕食を作り終えた春花と詠がその姿を見つけるまで続けられた。
「ど、どうして斑鳩さんが、お二人と戦っているのですか? それに、なんだか――す、すごく怖いんですけど!?」
「あーらら、こうなることは予想できてたけど、まさか本当にやってるとは――若様ったら、ほんとに罪作りなんだから」
戦いが終わったのは春花と詠とが協力して三人を押しとどめたことによってなんとかなり、斑鳩には後にお詫びをするということもあって一件落着となった。ついでに春花からの「今日は六人で若様を相手しましょう」という提案があり、怒りがおさまらない様子の斑鳩も半ば無理やりに納得させられることとなり、事態は終結を迎えた。
ただ彼女たちがそうした騒動を起こしている間も、自室にいた焔と若はずっと繋がったままで快楽を貪っており、仲間たちがどれほど苦労したかも知らずに高い声をあげていた。
つまりこの日、最も幸せな時間を過ごしていたのは、他ならぬ焔だったということである。
「あぁっ、あぁぁっ、若っ、ダメだ――ま、また、イクぅっ……!」
「ぐっ、俺も、イクぞっ……!」
とはいえ、何度膣内に射精されたかわからない焔だけが、女性陣全員からの反感を買い、夜の時間の若の相手をさせてもらえなかった。
そういう意味では、彼女を除く全員が抱かれ疲れて気を失うまで、若の相手をさせてもらえなかった焔こそ、この日一番の不幸を体感していたと言えるのかもしれない。
ただそれでも、楽しみにしていた一対一の時間を邪魔され、焔紅蓮隊に混じってでしか若との時間を過ごせなかった斑鳩ほどではなかっただろうが。