妖魔、と呼ばれる生物は忍にとって大敵であり、人類にとっても害となる。だからこそ忍は善忍、悪忍問わずに妖魔を討ち、その祖たる存在を滅ぼすことを目的としている。そのための存在と言っても過言ではない。
しかし妖魔を討つための使命を与えられるのは、忍の中でも最上位、「カグラ」の名を与えられた者たちのみ。彼らのように実力を認められなければ妖魔と戦うことすらできず、またカグラであっても必ず妖魔に勝てるとも限らない。
話は一年前にまでさかのぼり、その日、それは月下の中で行われていた。
暗闇の中で突発的に沸いて出た妖魔と敵対していたのは、たまたまその場にいて襲われていた少女と、そこに駆けつけた少年だった。
少女は戦闘の名残を感じさせる、ボロボロになった白い着物をかろうじて着ており、そこに到着したばかりの少年は黒い着流しと赤い羽織を着て、白い狐の面をかぶっていた。
忍であっても、いまだカグラに到達していない二人。少女は雪泉という名であり、少年は「若様」という愛称で呼ばれている。
「――あ」
「下がってろ。すぐに終わらせるから」
二本の刀を両手に持った若が一歩前に出ると、妖魔たちは喉を鳴らして威嚇を始め、雪泉は呆然とした様子でその背を見つめた。
妖魔は、そして雪泉もまた知らない。その少年が戦いに出るというのはどういうことなのか。
「ふむ、百や二百はくだらないか。まぁ大丈夫だろう――皆殺しだ」
この後、懐から一本の巻き物を取り出した、若と呼ばれる少年は無数に群がる妖魔たちとの戦いを始め、ただの一太刀も浴びることなくすべてを殲滅した。
それを間近で見ていた雪泉はきっと、生涯その姿を忘れることはないだろう。
自分を窮地から救い上げてくれたのは、妖魔よりもよっぽど恐ろしい人間だったのだから。
◆
夏が近付くある日。護衛の葛城が若の膝枕でうたた寝をしていた頃、彼の前には一人の少女が正座で座っていた。
噂を聞きつけて誰よりも早く動き出していた少女、雪泉はかつての自身を助けた少年の家へと足を運んでいたのである。理由はただ一つ、近頃の噂にあやかって、自分たちもまた彼らの繋がりに加わること。
半蔵が作り出そうとしている“妖魔殲滅部隊”、その頂点に立つともっぱらの噂の若の力となるため、彼に対して直談判を行うつもりなのだ。
「ずるいです」
と言っても、頬を膨らませて拗ねたようにそう言う彼女を見る限り、本来の目的を忘れて別のことを狙っているようにしか見えないのだが。
「ずるい?」
「ええ、ずるいです。半蔵学院の生徒だけならともかく、抜け忍である焔紅蓮隊のみなさんまで若様の相手をして――ずるいです」
「はぁ」
いまいちピンときてない若に向かって、雪泉は何度も言葉を重ねた。皆さんだけずるいです、と。
彼女もまた影の中に生きる忍である。女である前に影としての使命、影としての生き方は心得ている。
しかし、だからといって自分とそう変わらぬ存在である半蔵の生徒たち、並びに抜け忍である焔紅蓮隊ばかりが若と親しく、近しい関係で居続けるというのはどうなのだろうか。
これまで無理やり胸の中に押しとどめていた想いはこの時、ついに爆発し、若に直接問いかけることにしたのである。
もっともその際、先に責任者たる半蔵から許可を取っているあたり、雪泉のまじめで用心深い性格が伺えるのだが。
「というわけで、ぜひとも
「なるほど。じゃあ妖魔討伐任務の際にはいっしょに――」
「そしてもちろん、私たちも若様の護衛につき、若様の性処理にもお役に立ちます。これはもう、護衛に就いた者の宿命なので」
「はぁ」
小首をかしげつつ、眠りこける葛城の髪を撫で、金色の長髪を指で遊ばせる若。その姿は明らかに納得できていない様子だ。
しかし雪泉はえっへんと胸を張ってそう言い、満足げに頷いたりもしている。結局のところ、口では忍だからとか妖魔だとか言っている彼女もまた、女を捨て切れていないだけのようだが。
いまいち理解できていない様子の若はそれでも頷き、彼女の申し出を受けた。断るような話でもないし、むしろ戦力が増えることは好ましいことだ。
よって雪泉の提案、「月閃女学館のメンバーも若の護衛につく」という提案はいともあっさりと受け入れられ、つまりは善忍を排出する二つの学校が手を組んだという事実が生まれたわけである。
雪泉はさっそく、獣のように四つん這いで前へ進みだし、ゆっくりと若に近付きながら笑みを浮かべた。頭の中を占めているのは、ずっと以前から望んでいたことだ。
「というわけで、私たちも若様のお役に立てるのだということを証明致しますので、しばしお付き合いください」
「もうやることは決まってるんだな。でも、今日は葛城がいるし――」
「問題ありません。その辺に転がしておきましょう。さぁ若様、そういうわけで私と――」
「ちょっと待ったァ!」
おずおずと若に抱きつこうとしていた雪泉を押しのけるようにして、若の膝枕で寝ていた葛城が飛び起き、場の空気が一瞬で変わる。妙に桃色の雰囲気を醸し出していた雪泉と、やけにぽかんとしていた若の間に怒った様子の葛城が立ち、ビシッと指を突き付けながら叫ぶのである。
当然、指し示されたのはそれでも熱っぽく若を見つめる雪泉だった。
「こら、黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって。護衛のあたいを無視して若に手ェ出そうなんざ、百年はや――ってこらァ! 言ってる傍からッ!」
「はぁんっ、若様――ずっとこうしたかった……」
「ん、よしよし」
しかしこの日の雪泉はなぜか様子がおかしく、少し前に起こった学炎祭の頃の姿もどこへやら、一直線に若へ向かって葛城の話を聞いていない。
両肩を出した白い着物姿で、遊女か何かのように若の胸へしなだれかかって、うっとりとしたため息を吐きながら安心したように目を閉じる。そうした雪泉を抱きとめた若は彼女の頭をやさしく撫で、拒否するような態度は見えない。
これにより、結果的に無視された葛城は血相を変えて雪泉に詰め寄り、声を荒げて自分の想いを主張した。それを聞かされた雪泉はむっと眉をひそめ、強く若に抱きつきながらも葛城を見上げる。
それから、至近距離にいる若を放っておいたまま、二人はそれぞれの主張を曲げずに言い合いを始めたのである。
「あのなぁ、こっちはただでさえ紅蓮隊が増えたせいで困ってるんだ。今さらおまえらが来ると余計に若に会う時間が減るだろうが」
「むっ、しかしこうでもしなければ私が――いえ、我々が若と体を重ねられな、もとい、協力して妖魔を滅することができないでしょう」
「本音が漏れ出て支離滅裂だな。要するに若に抱かれたかったっていうことなんだな?」
「私をそんなふしだらな娘みたいに言わないでください。私はただ、若様の御体を心配して、常に傍で守って差し上げなければと思っただけです」
「だったらその手を話せ。今日はあたいの番だ、あたいに譲れ」
「それは断ります。それと若様を物みたいに扱わないでください」
ぎゅうっと力強く抱きつき、ともすれば着流しを挟みながらも若の胸板へ頬ずりする雪泉は至福の表情を浮かべている。それがまた葛城の神経を逆なでしているとも知らずに。
気分は自分の主人を奪われた愛犬にも近い。せっかく膝枕で安心して寝ていたのに邪魔しやがって、と思う葛城は尚も若にすり寄る雪泉に厳しい顔を見せ、今にも襲いかからんばかりにわなわなと肩を震わせていた。
我慢をしていたのはほんの数秒。キッと目の色を変えた葛城は突然の訪問者の肩を掴み、無理やり若から離そうと力を込めた。だがそれを見越していたのか、肩に触れられた瞬間にはさらに強い力で若へ抱きついていた彼女を剥がすのは至難の技で、どれほど力を入れても離れない。
結局彼女たちは若を巻きこみながらぐいぐいと引っ張ったり引っ張られたりを繰り返し、雪泉は若に頭を撫でられて幸せそうに頬を緩ませ、そんな彼女を見る葛城はますます眉をひそめていった。
「このっ、離れろぉ……!」
「むぅ、私と若様の邪魔をしないでください。人の恋路を邪魔する者は、馬に蹴られて死んじまえ、などと言うじゃないですか」
「邪魔をしてるのはどっちだ!? それにあたいは馬に蹴られて死ぬほどやわじゃねぇよ!」
「ふぅ、仕方ないですね。ここまで認めてもらえないのなら、こうするしかありません――
しばらくは見苦しく抵抗していた雪泉がついに諦め、ため息交じりにそう言うと同時、屋敷の外へと繋がる縁側の傍に何者かが現れた。
気配を察した葛城がそちらを見ると、そこに立っていたのは般若の面をかぶった見覚えのある少女。すでに忍の本領発揮するための衣装に着替える“忍転身”を終え、古風な鎧にも思える少し露出の高い服を着た、叢という少女が大きな包丁と歪みを持つ槍を持って存在していた。
途端に葛城は表情を引き締め、彼女を見つめてゆっくりと立ちあがる。制服の胸元を緩めながら、戦闘の気配を感じて佇まいを直した。
その間に隙を見つけた雪泉はちゃっかり若の頬や首筋に軽いキスを送って、ちゅっと小さな音を出し、興奮した面持ちを見せている。そんな状態でちらりと叢へ視線を送った後、またしても葛城を見た雪泉は頬ずりし続けながら言う。
「私もこんなことはしたくありませんが、認めていただけないなら仕方ありません。叢さん、わかっていますわね?」
「……役目は果たそう」
「ヘッ、結局はそういう心づもりだったってことか。望むところだ、言ってもわからん奴は力ずくで――!」
「では葛城さん――ウチの叢さんは好きにしてくださって構いませんよ」
「「――は?」」
葛城が準備運動をするかのように足首を回し、叢が手の中にあった武器をくるりと回して、今にも戦いが始まろうとしていたその時。さも当たり前のように告げられた雪泉の一言によって、二人は突然ぴたりと動きを止めた。
ひどく緩慢な様子で恐る恐る視線を動かし、若の腕の中に居る雪泉を見る。すると彼女は若の胸に耳を当て、とくんと静かに鳴る鼓動を聞きながら二人に対して言った。
それは言ってみれば自分の邪魔をさせないための、策を用いた発言とも取れた。
「残念ながら私は若様のお相手で忙しいですが、こちらも何もせずに認めてもらおうとは思っていません。ですのでとりあえず、葛城さんには叢さんを好きなように抱いてくださっても構わない、と言ったのです」
「なっ、ま、待てっ、そんな命令は聞いていない――」
「ふっ――ふっふっふ。うっふっふっふっふ」
「ひぃっ」
雪泉が何を言っているのか理解した途端、表情を隠したままでもわかるほど狼狽し始めた叢と違い、葛城は肩を震わせながら俯き、怪しく笑い始めていた。
おかげで叢は反射的に自分の体を抱きしめ、後ずさりをする。葛城の醸し出す雰囲気に押され、嫌な予感を感じたらしい。
だがその頃にはすでに葛城は自分の欲望に素直になっていて、ギュピィーンと目を光らせながら叢を見ている状態、もはや若でも止められない姿だ。
そして葛城は少しずつ息を荒くしながらも必死に自分を抑え、ゆっくりとした調子で雪泉へと尋ねた。
「つまり、それは、アレか――あの乳をあたいの好きなようにしてもいいってことだよな?」
「ええ、もちろん。お好きにどうぞ――こちらは私が十分に働いておきますから」
「ふふっ、うふふっ、ふっふっふっふ――」
「ひっ、待て、来るなッ。我はそんなことをするために来たのでは――」
小動物のように体を震わせて怯える叢へ向かって、葛城がゆっくりと一歩ずつ進んでいく。すでに頭の中ではありとあらゆる妄想が繰り広げられているため、危機迫る表情を見せる彼女は明らかに怖い。
その頃になると雪泉の眼中にはすでにその二人の姿などなく、心行くまで若の顔をじっと見つめ、遊ぶようにキスを繰り返す。若もされるがままを受け止めているため、必然的に二人の姿を見ることはできない状態にあった。
そのため、どうしようもない恐れを抱いて動けない叢を助ける人間などおらず、葛城の歩みを止める者などいない。
結果、鋭い動きで走り出した葛城は叢へ向かって飛びつき、しかし寸前で避けられたことにより叢はそのまま走って逃げだし、目を血走らせる葛城は地面からすぐに起き上がってその後を追って同じように走り出した。
「待て待て待てーーッ! その乳をあたいに揉ませろーーッ!!」
「ひぃぃっ、来るなっ、来るなァァァッ!?」
ドタドタと騒がしく走り去っていく二人を気にもとめず、雪泉の愛情が込められた愛撫は続けられる。そのまま二人は屋敷を囲う高い塀を越え、外へ向かって姿を消した。
そして雪泉は舌をちろりと伸ばして、頬や首筋を舐めながら熱い吐息を洩らし、ゆっくりと怪しく動く手が着流しの内側へと差しこまれ、するすると緩慢な動きで胸板を撫でる。
至福の笑みをこぼす雪泉に対し、どこかへ去った二人を見ていた若はどことなくぽかんとした顔で、発される言葉も彼女たちを心配するかのようなものだった。
「……いいのか? 叢、物凄く嫌がってたように見えたけど」
「仕方ないのです。この世は無情なものですから――多かれ少なかれ、犠牲がなくては生きていけません」
「そういう話なんだろうか……」
「そんなことよりも若様、今だけは、この時だけは私に集中してください――若様のすべてを、私だけのものに……」
そう言って、普段よりも目を潤ませた雪泉は小さく唇を尖らせ、目を閉じてからひどくゆっくりとした動きで若の顔へ唇を寄せる。
呆然と二人の行方を見守っていた若の唇に、ちゅっと柔らかいそれが押し付けられて、ようやく彼の視線も雪泉に向く。ぱちくりと驚く視線にしっかりと気付いているのか、それだけで雪泉は幸せそうに頬を緩めて、彼の首に回した腕にぎゅっと力を入れた。
その時になって若も彼女の背に腕を回して強く抱きよせ、さわさわと動く雪泉の手に倣うかのようにやさしくその背を撫で始める。
「んぅ、ふぅん――若様っ、もっと、もっと愛して……」
「あぁ、いいよ雪泉。おまえがそう望むならいくらでも――」
小さな呟きが終わると同時にぴったりと唇が重なり合い、先程よりも深く繋がる。感触を確かめるように押し付け合っていたのもほんの少しの間で、どちらからともなくすぐに舌が差しだされた。
ぺろりと唇を舐めて、雪泉が甘えるように舌を伸ばすと、誘われた若が舌を伸ばして彼女の口内に侵入し、物足りないと感じるほどのゆったりした動きで歯の列をなぞり、舌を絡ませる。口では呼吸が出来ないほどくっついた状態で、雪泉はそれを嬉しそうに受け取っている。
だが逆に、若が彼女を迎え入れるような動きを見せる瞬間もあった。さっきまで好き勝手に、しかし焦らすように動いていた舌が雪泉の舌を引き寄せ、それらは共に若の口内へと入っていったのだ。
おずおずと雪泉が舌を動かし、自分がされたように若の口内を撫でていく。舌先に力を込めて、愛情が込められた動きでゆっくりと、若のすべてを感じるように舐めつくしていく。
その時の彼女の表情はこれまでにないほど緩んでだらしなく、頬を真っ赤にしてうっとりと潤んだ半目を開き、快楽に溺れきった姿を晒していた。
「んんっ、んふぅ、んんむっ、若様ぁ――」
蕩け切った表情で、若を捕食するかのようにしっかりと自分の方へ抱きよせ、頭を抱え込みながら舌で口全体を味わう。そうする雪泉はもはやいつもの毅然とした姿を投げ捨て、冷静さや誇りさえも隅に追いやった、ただの一人の女と成り変わっている。必死すぎる姿はむしろ獣のようにすら見えた。
しかし今さら、様々な性癖を持つ女を相手にしてきた若が引く様なこともなく、彼は己の口内を雪泉の好きにさせておいたまま、両手を動かして彼女の纏う白い着物へと手をかけた。
露出した肩の白い肌に触れ、やさしくさすって彼女へ意思を伝えると、迷いの無い手がゆっくりと着物の胸元へと入りこんでいく。まだ若いながらも男らしさのある右手が、手のひらも甲もむにゅりと柔らかい乳房に挟まれ、そこで指を動かせば彼女の胸は簡単に形を変えて指を埋めた。
その一方で若は左手を使って帯をほどき、かすかに開いた着物の裾へと手を忍ばせるとむっちりと肉付きのいい太ももへ手を這わせ、焦らすような動きを見せながら手を移動させる。
そして右手がきゅっと乳房の先で立つ乳首を捻った頃、左手は白い下着の中へするりと入り込み、すでに水気を帯びている秘所へとやさしく触れていた。
「んふっ、んぅ……若様、そこは――あっ」
「大丈夫だ。俺に任せろ」
「あっ、んっ、はっ、はいっ」
誰にも触れられたことがない大事な場所へ触れられ、少しの戸惑いを見せた雪泉だったが、若の声を聞いた途端に身を震わせてすぐに従う。そのままより一層強く抱きつき、彼の首筋に舌を這わせながら全身を預けるほど信頼しているらしい。
その信頼に応えるべく、若も丁寧な様子で指を動かし、彼女の秘部を撫で始める。ゆっくりとやさしく、雪泉の反応を楽しみながらの愛撫だった。
同時にもう片方の手は彼女の大きな乳房を楽しんでいて、触れるだけでふるりと揺れるそこははだけた着物からはみ出している。すでに肩ひものないブラジャーも外され、勃起した乳首も両方露わになっている状態だ。
若は片手で膣の入り口を弱弱しく撫で、片手で乳首を摘んで弱い快感を与えている。これには思わず雪泉も羞恥と興奮で頭がおかしくなりそうになって、自分からもっと強い快感を望む声を発していた。
「わ、若様っ、どうか、どうかもっと激しく――」
「ん、そうか? 雪泉も初めてだって聞いたから、やさしくした方がいいのかと思ったけど」
「んっ、んぅ、た、確かに私は初めてですが、これでは――これでは気が狂ってしまいます。お心遣いは嬉しいですし、十分に気持ちいいですが、んんっ、できればもっと一思いに強くしていただきたいのです」
「そうか。それじゃあもうちょっと強くする」
そう言って若は雪泉の声を聞き、指先にぐっと力を込めた。すると雪泉の乳首がぎゅっと摘まれ、膣にはつぷりと指の先だけが侵入する。
これだけで先程とは全く違う感覚を得る雪泉は首を逸らして声を出し、甘い悲鳴で若の耳を楽しませた。
気分を良くした若は膣に挿入した指をさらに奥までずぶずぶと押しいれていき、そこで指を折り曲げたり、激しいとは言わないまでも素早く指を出しいれさせる。胸を揉んでていた手もさらに力が加わって、ぎゅうっと乳房が掴まれる度、口元をだらしなくさせた雪泉が甘い声を出しつつも若の唇を塞ぐ。ちろちろ舌を動かすという弱い力の、小動物が甘えるような姿だった。
雪泉はしっかりと若を抱きしめながら、彼から与えられるすべてを受け取って笑みを浮かべた。ようやくこの時が来た、やっとこの人に愛してもらえた、胸の中に溢れる想いはそんな嬉しいものばかりだ。
彼女がそうして喜びに包まれながら幸せそうに鳴いている間も、若による愛撫は続けられている。
「んんっ、んんぅ、はぅ――気持ちいいです、若様。私、今とても幸せです……あぁっ」
「そうか。雪泉、俺のも触ってくれ。ほら、こっちの手でさ」
「あっ、は、はい」
若がそう言いながら雪泉の手を取り、自分の下半身へと触れさせた。柔らかい布地の着流しを押し上げる股間に、白い指がきゅっと絡みつく。
その途端に雪泉はほぅとため息を洩らし、固くそそり立つそれを握って手を上下に動かして若への奉仕を始める。初めてという割に事情をわかっているらしいその動きは若が感じる場所を上手く捉えており、戸惑う様子すらなく速度をあげていく。
同時に彼女も膣の中を掻きまわされて、身を捩りながらも悦んでいる。先程まで胸を揉んでいた片手が、今は背に回されて抱きしめられているため、とても気分がいいらしい。
雪泉は手を動かす一方で己の舌でまた若の首筋を舐めていき、若は彼女の好きにさせながらも首の角度を変え、大ぶりの乳房に強く吸いついた。乳首やその周りすらも、大口を開けて食べるかのように、豪快な様子で口の中へ迎え入れている。
「んんっ、ふあっ、そ、そんなに強く……んんんっ」
「んっ、ふっ、はっ――」
「あぁっ、若様が、若様が私の体で興奮をっ……!」
肉体から快楽を得て、精神から幸福を得る、今の雪泉はまさに充実した一時を感じていた。
いつからだったか頭から離れなくなった男に出会い、普通に声をかけることを許され、あまつさえ自分が理想としていた瞬間を味わうことができる。荒々しい姿で並び立つ大量の妖魔を皆殺しにした男に、今は自分の体が思う存分喰らわれている。
頭で少し思うだけで心が反応し、自然と若の指が入り込む膣内がしっとりと濡れていき、そこへ快感も合わされば見る見るうちに彼女の体は性交のための準備を終えていった。
そしてそんな彼女に触れて、どこまでも素直な想いを吐露する若は小さく呟く。ぎゅっと頭を抱えてくる雪泉の乳房を舐めながらだ。
「ん、すごい濡れてきたな……雪泉、気持ちいい?」
「は、はいぃ……すごく、すごく気持ちいいですっ」
「そうなのか。それじゃあもう、いれてもいい?」
「あぁっ、んんぅ、き、来てください――若様との子作りをずっと楽しみにしてましたからっ」
ぐいっと雪泉が若の体を抱きよせ、自分から畳の上へと背をつけた。これで若が彼女を押し倒す形で体を重ねるようになり、二人の顔が至近距離にまで近付いた。
今にも唇がくっつきそうな距離で若は口を開き、言葉を発して、ドキドキと胸を高鳴らせる雪泉は彼の目をしっかりと見つめながら言葉を失くしていた。
彼女の下半身、詳しく言えば期待と愛撫によって濡れそぼった膣の入口に、我慢汁を垂らす亀頭が触れていたのである。
「雪泉、いくぞ。体の力を抜いて」
「は、はいっ」
「……そう緊張しなくていい。大丈夫、やさしくするから」
そう言った直後、若の肉棒はずぶずぶと彼女の体内に埋め込まれていき、ぶるりと体を震わせた雪泉の口からは高い嬌声が放たれる。
「あぁっ、はぁっ――若様、あぁ、あなたが愛おしい……」
ぎゅっと彼へ抱きつき、着流しから垣間見える胸板へ頬を寄せ、気持ちが溢れた言葉が吐かれた。
若は非常にゆっくりと肉棒を前に進めていき、まだほぐれていないそこの感触を味わいつつ、雪泉の唇を塞ぎながら腰を前後させる。やさしさが溢れる動きは確かに彼女へ快感を与えるためのもので、実質、雪泉もすぐにその行為の気持ちよさというものを理解した。
愛しい男の体の一部が体内へ入り込み、形や熱がはっきりと伝わり、彼の感情までも伝わるかのような状況下で自分の大事な場所がずるずると動きを感じている。その感触は一瞬で雪泉を性行為の虜にし、彼女はすぐさま若の首に腕を回してさらに深くキスをして、先程とは比べ物にならないほど興奮した様子で若の口内を荒らし始めた。
雪泉は初体験でありながらもその行為を確実に楽しんでおり、もっと強く若を感じたいと、本能で理解したのか自らも腰を振る始末であった。
若は思わず頬を緩めて、尚も彼女の好きなように口内を舐められまくっている。
熱心なキスが続けられる間も、若はゆっくりと腰を前後させていて、しかし雪泉が順応して自分から腰を振るようになってからはだんだんと速度を速めていった。
膣の全体をほぐすかのように大きく前後していた肉棒は小刻みに入口を突くようにもなっており、素早いそれは雪泉の快感を更なるスピードで高めていく。
二人の体液が混じり合い、屋敷の一室から縁側を通して外にまでぐちゃぐちゃと卑猥な音が響くようになった頃、ようやく雪泉の口は若から離れて大きな嬌声をあげる。
その顔にはやはり至福の表情が存在していた。
「あぁっ! はぁんっ、んんあっ――若様っ、すご、いぃぃ……!」
「ふっ、はぁ、凄い感じ方だな。雪泉、可愛いよ」
「んんっ、ふぅんっ、う、嬉しい、若様ぁ――うんんっ、んんっ、ふぅぅ……」
最初の時とは違って、パンパンッと肉がぶつかる音が鳴るほど激しくぶつかる腰。そこに雪泉の嬌声が混じって、二人の淫靡な行為は次第に佳境へと向かっていった。
もはや自分から愛撫を施すことができないほど感じている雪泉はただ必死に若の体に抱きつくばかり。ぶるんと胸を揺らしながら、必死に若の名を呼んで愛おしいという感情を伝える。
若もそんな彼女を可愛いと想い、ぶつける腰に力を入れ、膣内を抉る肉棒をさらに固くしながら雪泉の唇へ吸いついた。
二人は呼吸を荒くしているにも関わらず口づけを交わし、その状態のままでラストスパートへ突入していった。
「んんっ、んんっ、んんっ!」
「んっ、ふっ、ちゅっ――」
激しく肉棒を出し入れし、狭い膣内を荒々しく掻き混ぜて、そうして二人は絶頂を迎えた。
先に雪泉が全身を、足の指すらもピンと伸ばして激しいオーガズムを感じ、ただでさえ狭かった膣がぎゅううと締まったことで若もすぐに射精する。タイミング的にはほぼ同時、ほんの一瞬しか違いがない状態だった。
亀頭の割れ目からびゅくびゅくと精液が放出され、同じようにぴくぴくと震える膣の中へと付着していく。その熱がまた雪泉の心を満たすかのように気持ちがよく、彼女は若に唇を吸われながらも嬉しそうに頬を緩めた。
そのまましばらく繋がったまま、最後の一時まで楽しもうと腰をゆるりと動かしていた若は、すべての精液を出し切ってから陰茎を抜こうと腰を浮かす。しかしそれを阻止するために、素早く動いた雪泉の両足が彼の腰をがっちりと捕まえ、彼が解放されることはなかった。
不思議そうに若が首をかしげ、すぐ傍にある雪泉の顔を見ると、彼女は幸せそうな表情で唇を尖らせ、ちゅっと若の頬にキスをした。
「若様……もう少し、このままで……」
「わかった。いいよ」
再び唇同士がちゅっと重なり、繋がり合ったまま二人はお互いの位置を入れ替え、若の体の上に雪泉が乗る形となった。大きな乳房が胸に合わさり、ふにゅりと形を変えている。若はそれを手で揉みながら雪泉の口内を舐めていく。
そうして性交後の、独特の気だるさや疲労を感じながら、ゆったりとした時を楽しんでいた時のことだ。二人は突然、どちらからともなく唇を離し、縁側の外へと目を向ける。
そこには素早い動きで高い塀を乗り越え、庭の中に侵入し、ドドドドッという音を立てながら猛烈な速度で走ってくる二人の少女がいた。
「ごめんなさいごめんなさい! 我なんかが言うこと聞かずに逃げちゃってごめんなさいっ! でもお願いですからもう許して下さいっ! あの、それと、そのお面だけは、早く返してくださ――!」
「ふっふっふ、返して欲しいなら方法は一つだ! 今すぐ立ち止まって、その乳をあたいに揉ませろーーッ!」
「ひぃぃぃっ!?」
般若面を外して可愛い素顔を晒し、やけに泣き言を連発しながら逃げる叢と、彼女のお面を奪って形相を変えたまま突っ走る恐ろしい時の葛城。二人はドタドタと庭の中を駆けまわり、それぞれ自分のために躍起になっていた。
それを見た若はまたしてもぽかんと口を開け、猫のように頭を胸に擦り付けてくる雪泉の頭を撫でながら、そのままぼんやりと空を見上げた。
「はぅぅ、若様のたくましい胸板……愛しております若様。あなたこそが、私の正義ですぅ……」
「……平和だなぁ」
騒がしかったり、何かを間違えてるらしかったり、そんな少女たちに囲まれて呟いた言葉は、穏やかに雲を流す青空へと消えていった。
◆
少し前に起こった「学炎祭」の時に、ほんの少しだけ顔を会わせていた月閃女学館の忍たちが若と再会したのは、その筆頭たる雪泉の手引きによるものだった。
見事に自分から若の護衛となった雪泉の紹介により、日ごとに四人の生徒が交代で現れ、顔合わせと同時に初体験を迎えていったのである。
まず最初に訪れたのは実年齢よりよっぽど下に見える少女、言ってみれば子供っぽいと表現できる美野里だ。
彼女は無邪気な様子で若の元に現れ、迷う暇もなく自らすっぽんぽんになって、若と楽しく性交した。
「あはぁっ! 若ぁ、若ぁっ、気持ちいいよぉっ!」
弾むような腰振りと、底知らずの元気さで若を圧倒した彼女は膣の狭さも相まって、これまで若が経験したことがないような性交で感じさせ、しっかりとすべての精液を体内へ注ぎこまれた。
次に現れたのは青いおかっぱ髪に白い花をつけた少女、今となっては若一筋でおかしくなってしまった雪泉よりまじめな夜桜である。
貞操観念が強く、一生を共にする男以外に体を許すなど言語道断、などと思っていた彼女もいつの間にか若に陥落されていたらしく、さほど問題もない様子で彼と体を重ねた。
「ハァ、ハァ、ふぅ――若様、で、できれば子供は、わしの兄弟を越えるくらいの人数を……」
幸せそうな顔や髪、どころか膣内だけでなく大ぶりの胸や下腹部や尻に至るまで精液を塗りたくられた彼女は、そんな状態で荒く呼吸をしながら若の子供をたくさん産むことを望んでいたという。
その次に現れたのはブロンドの長髪とやけに妖艶な雰囲気を持った少女、いわゆるギャルに分類される性格の四季であった。
見た目や言動に反して、これまで男を知らなかった彼女もこの時を持って立派な女となり、若との時間を楽しみながら繰り返し快楽を貪ったらしい。
「んっ、ぢゅっ――ぷはっ。やっぱり濃いねー、若様のせーえき。……ね、まだ出そう?」
小悪魔的に笑う彼女はその足で若を連れ回し、深夜の町を徘徊した後に彼女の遊び仲間と合流して、朝まで激しい性交を楽しんだ。無論、集まった女友達全員に若が与える快感の凄さを教え込んで。
そして最後の一人、に少し我慢をさせて、もう我慢できなくなった雪泉が若との幸せな一日を楽しんだ後、ようやく月閃女学館の忍で最後となった彼女が送り込まれた。
名は叢。おかしな正義を胸に抱くようになってしまった雪泉により、とある一日は葛城の生贄となって心行くまで体を弄ばれ、決まっていた順番すらも勝手に変更された不運な彼女は若に会える日をとても楽しみにしていた。
般若の面をつけたまま、自分がイニシアチブを取って若の体を思う存分味わおう。そんな風に思って喜び勇んで現れた彼女の立場は、呆気なく逆転され、若の下で愛らしい嬌声を響かせることとなる。
「あぁっ、だめぇっ――若っ、お面、お面は返してっ、んああっ!」
般若面を取り上げられてしまったことで羞恥心が倍増された叢に若を抱けるはずもなく、一方的に抱かれる彼女は最後までようやく感じられた幸せに鳴いていたのだ。
そんな日々が続き、半蔵学院と焔紅蓮隊の面々がイライラしながらも黙認していたある日、「ようやく全員の顔合わせが済んだので、一度全員でご挨拶に伺います」と告げた雪泉を筆頭に現れた五人の少女たちは、一斉に若との性交を楽しんでいる最中だった。
具体的な現在の状況は、全裸になった美野里が仰向けで寝る若の肉棒を膣に銜えこみ、ほとんどが紐でしかない、乳輪や秘所の大部分が出てしまっている水着を着た四季が玉をしゃぶり、時に尻の穴を舐めている。サイズの小さいスクール水着姿の夜桜と、般若面にブルマ姿の叢はそれぞれ若の指によって膣の中を掻きまわされており、喘ぐ彼女たちは呼吸を荒げながらも若の乳首を舐めていた。そして新妻気分で裸エプロンとなった雪泉は若の唇をむちゅっと塞ぎ、無防備となっている口内をれろれろと遠慮なく舐めまわしていた。
一人の男に群がる美しい五人の少女たち。若の屋敷の中では、誰にも見せられない淫靡な宴が繰り広げられているのである。
「ひゃぁぁんっ、んぅっ、やんっ、気持ちい――あっ」
「んふ、むちゅ、もー若様ってばやっぱり変態だね。お尻の穴舐めてたら、物欲しそうにひくひくしてるよ? んふふ、何か入れてあげた方がいい?」
「あぁっ、ひゃああっ――若様っ、そこっ、そこがいいっ……!」
「はぁっ、はぁっ、んんっ……若、気持ちよいか? 我は早く、あなたの男根が欲しい……」
「んんっ、ふっ、むちゅ――あぁ、私じゃない女性でも感じていらっしゃる若様も愛おしい」
五人それぞれの声が耳を打つ中、若は目を閉じ、素晴らしいほどの集中力で五感すべてから彼女たちを感じていた。
狭くきゅうきゅうと締めつける美野里の膣、淫らに動く四季の舌、固さがほぐれていないながらも誰よりも強く指を締めつける夜桜と、凄まじいほど愛液を垂らして若の手を濡らす叢、そして吐息や舌使いから感じられる雪泉の愛情。それらはどれも心地よいものだ。
よって若にとってはこの状況に不満はなく、ただ求められるままに快楽を楽しんでいる。そしてそれは彼女たちも全員が同じ気持ちだ。
誰もが自分の力を存分に振るって若を気持ちよくしようとする中で、まず真っ先に若の息子を銜えこんだ美野里はぷるぷると巨乳を揺らしながら腰を上下に振っており、その表情はもはや限界が近いことを物語っていた。
「若様っ、若様ぁ、美野里もうだめだよ――もうイッちゃうぅ」
「んっ、はっ、いいよ美野里。俺もイキそうだから、もう出すよ」
「んんっ、んんんっ、若様ぁ――あっ」
「うくっ」
最後の精一杯で強く腰を振った美野里はやがて膣の奥まで若の肉棒を押し込み、体の位置をぴたりと固定したまま、ぷるぷると全身を震わせた。絶頂を感じて肌が震える度、大きな胸がぷるぷると揺れる。射精された精液はすべて彼女の体内に呑みこまれていたのだ。
やがて射精が止まると、美野里はくたりと若の胸の上に倒れて、嬉しそうに頬を緩めたままあっさりと寝息を立て始めてしまった。これには同じ学校の仲間たちも驚いて、汗を掻いたまま全裸で眠る少女を見つめる。
しかしいつまでもそうさせておくわけにはいかず、このまま美野里が若の陰茎を銜えていたのでは続きが出来ない。そこでそそくさと動き出した四季が何も言わずに美野里の体を持ち上げ、膣から陰茎を抜き、ごぽりと精液を吐き出すそこを気にしながらも美野里の小さな体を運んだ。
四季は畳の上に美野里を仰向けで寝させると、彼女の足元に体を移動させて足の間に割って入り、両手で両足を広げさせると、精液の垂れ流れる秘所へと目を向けた。
ふふっ、と小さく笑みをこぼした彼女の頭がゆっくりと動き、吸い寄せられるように美野里のそこへ舌を近付ける。
「すっごくいっぱい出てるね、若様のせーえき――あたしも欲しいから、ちょっとだけもらっちゃうね」
眠り続ける美野里にそう告げると、四季は恥ずかしがりもせずに秘所を舐め始め、膣から溢れ出るそれを舐めとっていった。感触や味、生温かさなどを楽しんで、四季は嬉しそうに目を細める。
高々と掲げた尻を振っている彼女がそうして更なる痴態を見せている時、すでに夜桜と叢は位置を変えており、それぞれ若との繋がり方を変えようとしていた。
叢は濡れそぼった秘所を若の陰茎の上に置いており、夜桜は若の顔を跨いで指で掻きまわされた秘所を見せつけている。その間、同じく移動した雪泉は若の腹に舌を置いていて、ぺろぺろと薄く割れた腹筋やへそを舐めていた。
「はぁっ、若、行くぞ。今日こそは我があなたを犯す」
「わ、若様、よろしかったらわしのおまんこを――若様の舌で、ほぐしてください……」
二人の少女が腰を降ろすと同時、甘い声が室内を満たした。むっとするほどの熱気と、乱れた女が発する独特の匂い、それらが充満する場所に新たな音が加わったのである。
叢の膣はひどく濡れていたこともあってひどくあっさりと若の肉棒を体の奥まで迎え入れ、夜桜の膣には元気に動く舌が入った。どちらも慣れた様子で彼女たちの内部を刺激して、快感を与えている。
特に反応がよかったのは濡れやすい体質を持つ叢で、前に抱かれた時と同様にぴゅっ、ぴゅっと少量の潮を拭きながらの性交であった。おかげで若の腹付近を舐める雪泉の顔にまで彼女の愛液が届き、驚いた雪泉は困ったように笑いながら二人が繋がるそこへと口を寄せた。
夜桜が膣の中やクリトリスを舐められて感じている時、肉棒を銜えこんで悦んでいた叢は雪泉の舌でクリトリスをつつかれ、更なる刺激に快感を得ていたのだ。
「はぁんっ――な、何をっ」
「ふふふ、叢さんが気持ちよくなるお手伝いですよ――さっさとイッて、さっさと代わってください」
「なっ、そ、そんな――あぁっ」
ぐちゃぐちゃと卑猥な音が鳴るほどに濡れた膣と、立派にピンと自己主張するクリトリスを同時に責められ、ただでさえ感じやすい叢はすぐに背を逸らし始めていた。
もはや限界も近いのだろう。呼吸を荒くして、いつしか鳴く声もなく頭を振り、側面で縛ったサイドテールをぶんぶんと揺らしている。そして気付けば、叢が片時も離さない般若の面はぽろりと畳の上に落ち、だらしなくよだれを垂らす気弱そうな顔が露わとなっていた。
しかしそんなことに気を回している余裕がない叢はひたすら感じ、絶頂へと近付いていく。
彼女が声もなく全身をぶるりと震わせ、大量の潮吹きで雪泉の顔を濡らしたのはすぐのことだった。
「あっ……あっ……あっ……!」
「あんっ、んっ――もう、叢さん、顔にかけないでくださいよ。私の顔にぶっかけしてもいいのは、若様だけです」
透明の愛液でびっしょりと顔を濡らされた雪泉は困った顔でそう呟き、騎乗位の状態からゆっくりと後ろへ倒れて畳に背を預け、やがてずるんと若の陰茎を膣から滑りださせて解放した後、荒い呼吸のまま目を閉じた。気絶したわけでもないが、こうなった彼女はしばらく動けないことに変わりはない。ずらされたブルマの奥に見える膣はぱくぱくと物欲しそうに動いていて、しかし精液は出て来ない。若はまだ絶頂していなかったからだ。
上手く叢だけを絶頂させた雪泉は尚も勃起したままの肉棒にぺろりと舌を這わせ、ちろちろと亀頭の割れ目を舐めながら、若の顔に股を乗せる夜桜へ視線を向けた。
雪泉は余裕の態度で肉棒を扱き、舐めつつ、顔を真っ赤にして秘所を舐められる夜桜へと声をかける。
「夜桜さん、お先にどうぞ。ふふ、その顔ではもう我慢できないのでしょう?」
「うぅ、はぁぁ――う、は、はいっ。そうさせて、もらいます」
「あれー? 夜桜ちんってばもうイッちゃったの? 相変わらず早漏だよねー。ねぇねぇ、それじゃあ二人でいっしょにしてもらおっか。んふふ、その方が若様も興奮するでしょー?」
舌で舐められただけでふらふらになり、今にも倒れそうな危うい状態にある夜桜は顔を真っ赤にしたまま畳の上に寝そべり、若を迎える準備をする。そこへ美野里の秘所を舐め終えた四季が乱入して、胸をぴったりと合わせて体を横たえた。
愛する男と一体一で体を重ねたい夜桜は不満そうだったが、快感のせいで上手く動けないこともあって渋々ながらもそれを受け、言葉もなくぱたりと横たわって大人しくなる。
上に乗る四季は自らの秘所を指で撫でながら、ゆっくりと起き上がって背後に来た若へ向けて、膣を広げて挑発を始める。
体を隠す面積が極端に違う水着を着た二人が、上下に重なって秘所を並べる。どちらも違う魅力があって、先程は射精出来なかった若の肉棒がぴくんと震えるほど、いやらしい光景だ。
「若様、どちらからになさいますか? なんなら両方いっしょに、でもいいんですよ」
「ああ、じゃあそうしようか」
そう言って、背に抱きつく雪泉をそのままにした若は二人へ近寄り、腰をぐっと突き出した。膨れ上がった亀頭はまず下にある夜桜の膣へと入りこむ。
しっかりと濡らしておいたおかげでずるりと入った肉棒は瞬く間にぎゅううと強く締め付けられ、あまりの強さに若は天井を見上げて小さく吐息を洩らした。目を閉じて光悦とした表情はひどく幸せそうだ。
雪泉はそんな彼の顔をすぐ横から眺め、ますます胸の鼓動を大きくしながらも、片手で自分の秘所を撫で、勃起した乳首を裸になった若の背に擦りつけ、自慰を始める。
夜桜が突かれて悦んでいる時、自分は尻を掴まれているだけで何もされない四季は拗ねるように唇を尖らせ、強く目を閉じて喘ぐ夜桜の顔を見つめながら言った。
「あーあー、いいなぁ夜桜ちん。こんなに気持ちよさそうな顔しちゃって――マンコだけじゃなくて、子宮まで感じさせられちゃってる感じ?」
「四季、おまえもいくぞ。いっしょにだ」
「えっ? それって――あっ」
退屈そうに呟いていた四季に若が声をかけた瞬間、夜桜の膣からずるりと抜けた肉棒が四季のそこへと押し当てられ、驚く暇もなく挿入が行われた。
若からの満足な愛撫はされていないものの、精液を舐め、激しい自慰を行っていたそこはあっさりと若の肉棒を呑みこみ、すぐさま巧みな動きを見せて彼を翻弄する。初めてからたった数日、あまりにも早い成長である。
彼女はずぶずぶと子宮口にまで押しあてられる亀頭を感じて、笑みを浮かべながら大口を開けて声を出していた。
「あはぁっ、きたぁぁっ――若の、生ちんぽっ……!」
「うっ、ハァ、ハァ……わ、若様、わしはまだ――」
「わかってる。二人一緒にするからさ」
亀頭を奥まで差しこんでから、小刻みに腰を振って四季の奥ばかりを刺激する若は、彼女の好みをわかっての動きをしているのだ。流石に一晩中彼女とその仲間たちを抱き続けていただけはあり、弱点を集中的に狙うようなそれは瞬く間に四季の気分を高めていく。
「んっ、んっ、んぅ」
「じゃあ次は夜桜だな」
「えっ? あ、ちょっと――んあっ」
しかし彼女がようやく気持ちよくなってきたところ、美野里にいいところを取られたためにしばらく我慢していた彼女がやっと若に気持ちよくしてもらった時に、若はあっさりと彼女の膣から肉棒を抜いた。
そして下にある夜桜の膣へもう一度突きいれ、今度は彼女が好む腰の動かし方で快感を与える。四季が驚いて後ろを振り返る瞬間には、すでに夜桜が歓喜の声をあげていた。
四季が不満の表情で彼女の顔を見つめていると、油断したところを狙って彼女の膣へも肉棒が突っ込まれる。少しの間嬌声をあげて悦んでいると、また抜かれて夜桜が声を出す。
繰り返される行為は興奮と物足りなさを積み重ねさせ、実際に感じている快感よりもそれらが加わったことで気分だけがどんどん高まり、二人はいつしか気が狂いそうな状態で声を出し、もっと激しい快感が欲しいと必死にねだるようになっていた。
そこで若は二人の秘所がぴったりと重なるように体を動かさせ、多量の水気を帯びた二つの秘所が重なる間に、自分の肉棒を差し込む。
包皮を剥かれたクリトリスを同時に刺激され、二人は声を重ならせて感じていた。
「あっ、あっ、んんっ、これ、すごいぃ……」
「ふぅっ、はぁぁっ、あぁぁぁっ――」
「あっ、はっ、これはいいな」
気分が高まっただけでなく、非常に敏感な場所を亀頭で擦られていることもあって、これほどまでにクリトリスを弄られたことがない二人はあっという間に限界を迎えた。
若が射精しようかというその直前、二人はほとんど同時に絶頂を感じて体を震えさせ、互いの体を強く抱きしめながら絶叫した。
そして若が快感に任せて精液を放とうとしたその瞬間には、一瞬早く行動していた雪泉によって若の陰茎の根元がぎゅっと強く握られ、勢いよく後ろに腰を引かされたことで寸止めのような状態で快感から引き剥がされた。
「あぁぁっ、はぁぁぁっ!」
「イクイクっ――イックぅぅぅっ!」
嬉しそうに絶叫する二人を見る若はどことなく切なそうで、肩で息をしながら背を雪泉の胸に預けていた。
かくいう雪泉は幸せそうに微笑んでおり、腕の中に抱えた彼を愛おしそうに見つめ、やがて若をそこへ立たせて勃起したままの陰茎を口に含んだ。
愛おしそうに亀頭へ舌を絡ませながら、この瞬間をずっと待っていた彼女は上目遣いに若を見上げ、熱い吐息と共に話しだす。うっとりとした様子は可愛らしく見えると同時、ひどく妖艶な雰囲気にも見えた。
「若様、あとは私だけです。皆さんは気持ちよくなって満足しています――だから今度は私に、思う存分あなた様の性欲をぶつけてください」
「あ、ああ……雪泉、とりあえず一回、イッてもいいか?」
「はい、来てください――すべてこぼさず受け止めますから」
言葉と共に雪泉は若の陰茎を口内に含み、勢いよく頭を前後に振った。口をすぼめて歯を立てないように気をつけつつ、舌を絡ませて更なる刺激を与えながらだ。
一度とはいえ、これまで滅多にされたことがない寸止めをされたせいで息を荒くしていた若はすぐに歯を食いしばって目を閉じ、今度こそ射精を始める。
びゅくびゅくと飛び出す精液がすべて雪泉の口内へ吐き出され、彼女はそれを嬉しそうに受け止めると同時、喉を鳴らして飲み干していく。
竿の脈動が止まり、ようやく射精が終わった時、雪泉は微笑んだままで若の顔を見上げ、すべて飲み干したことを見せるために舌を精一杯伸ばした。
「若様、ごちそうさまでした。次はぜひ、私のここに、若様の子種を――」
「「ちょっと待ったァッ!!」」
そしてついに若と繋がろうと、雪泉も立ちあがって萎えた陰茎に膣を擦り付けた瞬間。突然、若を含む六人がいる部屋の襖がパンッと勢いよく開かれ、怒っているらしいことが容易にわかる少女が二人、現れた。
両手にそれぞれ武器を持ち、肩を並べて若に寄り添う雪泉を睨むのは、すでに忍転身を終えた状態の飛鳥と焔であった。
「雪泉さん、今日までは仲良くしたいと思って我慢してきたけど、今日という今日は許さないよッ!」
「おまえら、いい加減若を独占しすぎだッ! 後からやってきたのに私たちの予定まで押しのけて――これ以上の好き勝手が許せるかッ!」
抜き身の刃をを突き付けられ、本気の怒りを向けられる雪泉。しかし彼女はそんな状況下でも若の傍を離れず、冷静な面持ちで彼女たちを見据え、若の胸に頬をぴたりと寄せながら口を開いた。片手では若の陰茎を勃起させようと、激しい動きで扱いている最中である。
「むぅ、仕方ないではありませんか。ずっと若様の傍にいたあなた方と違って、私たちはようやくこの時を得られたのです。少しくらい大目に見てくださっても――」
「それにしたって限度があるだろう! 特におまえはひどいッ!」
「若様も若様だよ! みんなを平等に愛してくれるって約束したのに、こんなのひどいッ!」
怒り狂う二人が武器を納めるよう説得するのは容易なことではないだろう。若はそう思うわけだが黙っているわけにもいかず、徐々にむくむくと陰茎を大きくしながらも、口を開こうと二人の少女を見つめていた。
しかし、その時に気付く。いつの間にか、彼が気付かない内に飛鳥と焔の背後には一人の少女が立っており、まるで妖怪かと言わんばかりに毛を逆立てて怒り狂っている。
怪しげな雰囲気と、怪しげな笑い声。それを発する長刀を持った少女、斑鳩はゆっくりと飛鳥と焔を押しのけ、若へ向かって進んできた。
途端に、月閃女学館が若を独占していたことに怒り、同時にこれを恐れていた二人の顔からさっと血の気が失せ、思わず後ずさりして怒りを潜める。
それでも雪泉の表情は変わらず、若に抱きつく姿も、陰茎を扱く動作も変わらない。うねうねと毛を逆立てながら目を血走らせた斑鳩は、そんな彼女に向かって声をかけた。
「雪泉、さん、といったかしら、この女狐は――どうして、こんなにも、私が大好きな若様にくっついているのかしら?」
目は恐ろしいほど血走り、体からは恐ろしいほどの迫力を醸し出して、両手をぶるぶると病的なほどに震わせる彼女は声すらも震わせていた。まるで強く自制をしていなければ、今すぐにも雪泉を切り捨ててしまいそうだ、とでもいうかのようである。
しかしやはり雪泉の態度は変わらず、むしろ見せつけるかのように若に抱きついた彼女はふっと勝ち誇った笑みを浮かべ、しっかりと斑鳩の目を見ながら伝えた。
後になって飛鳥と焔が語るには、その時の彼女はまさしく意地の悪い女狐のようだったという。
「どうして、とは不思議なことを。そんなこと、考えずともおのずと答えが見えるでしょう? そうですねぇ……敢えて説明するのでしたら――私と若様が深く愛しあっているから……でしょうか」
「愛し、あう? はて、それは、あなたと若様が? 私と若様ではなく? あら? そうだったかしら? うふふ、うふふふふ――」
「ひぃぃ、恐れていたことが――ど、どうする飛鳥、おまえの仲間だろう」
「ええっ、私? む、無理だよ、禁断症状が出ちゃうと斑鳩さんは止められないもんっ」
斑鳩の腕の震えはさらに大きくなり、彼女はゆっくりとした動作で左手に持った長刀の鞘を持ち、居合いを行う構えを取った。若に出会えない時間が長すぎると出てしまう禁断症状、若の傍にいる女へ刀を向けてしまう癖が出たらしい。
しかも今回は運が悪いことに、その相手は彼女と同じくらい深く若に執着している雪泉であり、話し合いで物事を解決できるような状況ではない。
よって二人の視線はバチバチと音が鳴りそうなほど激しくぶつかり合い、同じような人種であると匂いでわかったためか、両者一歩も引かない状態で睨みあった。
そして突然、斑鳩の服が弾け飛んだその瞬間、黒い上下の下着を露わにした斑鳩は目にもとまらぬ速度で居合い抜きを放った。その時の斑鳩の顔は、理性を失くした獣のようだった。
「――若様の前で、そんな物騒な物を抜かないでください」
だが相対する雪泉も相当なもので、どこから取りだしたのか一本の鉄扇で斑鳩の刀を受け止め、怪しく光る目を下着姿の斑鳩へ向ける。もっともその雪泉も裸エプロンの状態なので、下着すらつけずに尻を丸出しにしているのだが。
二人はまんじりともせず睨みあい、互いの武器を持つ腕に全力の力を込めて対峙し、やがて素早い動きで同時に庭の方へと勢いよく跳び、若に被害が及ばぬようにと配慮を見せながら戦いを始めた。
「今すぐ、若様に近付けないよう、去勢してやります女狐ッ――!!」
「二度と、若様に触れられないよう、調教してやりましょう駄犬――!!」
一瞬のうちに屋敷の庭では半裸の女性二人による激闘が始まり、甲高い金属音と強い冷気とが支配する戦場の風景が繰り広げられた。
残された三人は呆然と立ち尽くし、乱入してきた二人に至っては怒りすら忘れてぴくりとも動けず、妙に青ざめた顔のままその光景を眺めている。
先にぽつりと言葉を洩らしたのは、この場へ来ることを提案した飛鳥だ。
「ど、どうしよう……斑鳩さんが暴走する前になんとかしようと思ってたのに……」
「あ、ああ……でもどうするも何も、今さらあれを止めることなんてできないぞ」
「そうだよね……でも、このままじゃ若様のお庭が――」
「飛鳥、焔」
どうするべきかと頭を悩ませる二人の少女のすぐ傍に、裸のまま近付いてきた若がいた。彼は股間にある肉棒を完全に勃起させたまま、まだ顔を青ざめさせている二人に声をかける。
すると彼女たちはひさしぶりに見るその顔にほっと安堵の表情を見せ、次いで裸であることと勃起していることを確認し、ぽっと頬を赤らめた。
今さらな話ではあるが初心な反応を見せる彼女たちの肩に手を置き、ぐっと引きよせて部屋を後にするように動きつつ、若は小さな声で言った。
「俺、まだ寂しいんだ。相手を頼めるか?」
「う、し、しょうがないな。そこまで言うのなら、まぁ、なんだ、その……あ、相手をしてやらんこともない」
「ふふふ、もう焔ちゃんったら、素直じゃないんだから――斑鳩さん、ごめんなさい。でも若様から誘ってくれたことだから……」
そんなやり取りをした三人は、縁側に面した部屋を後にし、疲れきって倒れたままの少女たちもそのままに別の部屋で楽しみ始めた。
寝ている四人は良いとしても、そのすぐ傍で戦っている二人は止めなければいけない、という事実から目をそむけたまま。
「うふふふ、うふふ、うふふふふ――若様、若様、待っていてください。今、あなたを狙う女狐を絞めて、私が傍に参ります――」
「そうはいきません。私の正義は、若様という存在すべて――盲目な駄犬に彼を任せることなどできません」
結局、放っておかれたまま戦い続けた二人が止まったのは、騒ぎを聞きつけて強力な睡眠薬を持ってきた春花の協力が得られた後のことであったという。