俺と呂蒙が、多分だけど恋人同士となってから一週間ほどが経った。
飽きもせずに毎日毎日セックスして、平穏なんだか激しいんだかわからない日々を過ごしていたのである。たまに思うんだが、あれだけやっていまだに元気に生きてる自分を褒めたくなるほどだ。
俺が彼女と出会ったのは、そんなだらけきった毎日の中でだった。
「す、すまない。ちょっといいか?」
学校へ行こうと一人で道を歩いている時、後ろから女の人の声が聞こえたのだ。
振り返ってまず見えたのは、少し紫がかった長い黒髪。左目を隠して、後ろは地面につくんじゃないだろうかってくらいに長かった。
それから目に入ったのは、かなり整ったきれいな顔と、やけに露出度の高いセーラー服だった。かなりのミニスカなのはいい、まだ理解できる。しかしなぜかその人は腹を露出していて、高校生としてどうなんだ?みたいな格好をしていた。
しかも、その手に槍的な何かを持っている。明らかに怪しいと思わざるをえない。予想でしかないが、きっとこの人も闘士とかいう存在だろう。
そんな怪しい人がなにやら顔を赤らめながらもじもじと、照れた様子で俺の方を見ながら声をかけてきているのだ。これはつられて俺もいっしょに緊張してもおかしくないはず。
「あのー……何か用ですか?」
「あ、ああ、その……す、少し聞きたいことがあって……」
やけに挙動不審だが、どうやらそれほど怖い人ではないらしい。俺より身長が高かったり、妙に鍛えられた体だったり、明らかに武器だろっていう棒を持ってはいるけども、おそらくそんなに悪い人ではないだろう。っていうかそう信じたい。
彼女はおどおどしながら、俺の顔をちらちら見つつ、小さな声で言った。
「え、えっと、そうだな……み、道を教えてほしいんだ!少し、困っていてな……」
そうだな、なんてところが不審に思えたが、どうやら彼女は道に迷っているらしい。
ということで俺は彼女の目的地を聞いて、自分が知ってる場所かどうかを確認する。そうすると、彼女の口から出た場所の名前は俺の知ってる場所だったのだ。
「ああ、そこなら知ってますよ。えっと、ここからなら――」
それなら任せろとばかりに、俺が後ろを振り向いて頭の中に地図を想い浮かべていた時のことだ。
突然、首の後ろにトンッと何かが触れた感触がして、その直後にはなぜか体から力が抜けていく。
「――へ?」
急に体から力が抜け、なぜだか意識が遠くなっていく。気付けば視界は暗くなっていた。
ただ一言。俺の意識が完全に消え去る一瞬前。
「……す、すまない……だが、もう、我慢の限界なんだ……!」
そんな、なんだかやけに力のこもった声が聞こえた、気がした。
気がついてみれば、どうやら俺の唇はまたも奪われているらしかった。
とても柔らかい何かが俺の唇に押し当てられて、ちゅっちゅっと弱く吸いついてくるのだ。
「んんっ、ふぅ……んむっ、ちゅ……」
あぁ、きっと呂蒙がまた起きぬけにイタズラしてきてるんだな。朝になるといつもしてくることなので、自然とそう思うことができる。
ただ気がかりだったのは、相手が呂蒙にしては妙にやさしかったことだろうか。いつもなら有無を言わさず舌をねじ込んできて、とにかく俺の口の中を舐めまわしてるはずなのに、今日はかなりやさしく唇を吸われてる。というか、舌すら使われてない。
何かおかしいな、とは思いながら、俺は自分から舌を伸ばしてみた。彼女がちょうどキスをしてきた瞬間に、その唇を舐めてみたのだ。
「んん!?……んっ、はっ……」
どうやら舌が触れた瞬間に震えたみたいだけど、唇が離れていくことはなかった。
何かおかしいという感じは消え去らないが、まぁ問題はないだろう。いつもやってることだから抵抗もない。
めずらしく攻めてこないのをいいことに、俺は自分から攻めを開始する。舌を彼女の口内に挿しこみながら、両手で胸を揉んでみる。その瞬間、また妙に体が震えたみたいだし、いつもよりすこーしだけ胸が大きいような気もするけど、まぁ多分気のせいだろう。まだ寝起きだからよくわかってないだけだ。
「んっ、ふっ……あぁっ、はぅ……!」
色っぽい声が耳に聞こえる。いつもよりやけに感じてるらしい。
どうやら今日は受けに徹してくれる日のようだ。かなりめずらしいことだがたまにある。呂蒙は攻めるばかりでなく、たまにすべてを俺に預けてくれる日があるのだ。めずらしすぎて普段は男のプライドが粉みじんにまで砕かれそうになるけど、これがあるからやめられない。
俺は俄然調子に乗って、さらに動きを激しくする。舌を乱暴に動かして、彼女の口内をすべて舐め上げ、両手で大きな胸をぐにぐにと揉んでやる。するとやっぱり甘い声が聞こえた。
「んぁ、はぅん、んむぅ……ひぁ……!」
あぁ、どうしたんだろうか。やっぱり今日の呂蒙は変だ。いつもより女らしい声を上げるし、唇や手から伝わってくる限りいつもよりよっぽど感じてる。
そんなことを想いながら愛撫を続けていると、やはりいつもとは違う異変が起こった。
彼女の体が大きく痙攣したのである。
「んんっ!ふむぅ!んんっ、あっ、はぁぁっ!?」
服の上から両方の乳首を思いっきり引っ張って、彼女の舌を思いっきり吸った時のことだ。
いつもならじゃれあいくらいのこの行為で、彼女はその肉付きのいい体をびくびくと震わせ、まるで絶頂したかのような雰囲気を醸し出していた。
やっぱり、おかしい。呂蒙ならもっと長くやらないと怒ってくるくらいだし、この程度でイッたりしない。
不思議に思った俺がちらっと目を開けて、まだ唇に感じる柔らかい感触の元を確認した時だ。
「ん……ふ……あ……」
「……あれ?」
まさかとは思ったが、間近にあった顔は呂蒙のものではなく、まだ名前も知らない、気を失う直前に見た長髪美人のもの。
あのやたらと露出度の多い制服を着ていた美人さんが、俺を見ながらうっとりしていたのである。
「あ……き、気がついたか?す、すまない、別に私もこういうことをする人間ではないつもりだが、その……おまえを見た瞬間に、なぜか、そういう気持ちになってしまってだな……」
可愛い、というよりは美しいとかかっこいいという言葉が似合いそうな女の人が、俺を横抱きにして正座しながら、可愛らしい様子でそわそわと俺の手を握っていた。
どうやらここはどこかの道場らしい。木目の床と、木で造られた天井、シーンとした空間が目の前にある。
そんな中で俺と、美人さん。俺は正座した彼女に膝枕された状態で寝かされていて、いつの間にか片手を繋がれて、もう片方の手はわしっと胸を掴んだまま、朝っぱらから顔を突き合わせていた。
えっと、なんだこの状況?
「あのー、これって一体どういう……?」
「あ、ああ、そういえば忘れていた。私は関羽。そう呼んでくれ」
うん、自己紹介は大事だよね、なんてことを言う前にもっと大事なことがあるだろ。
俺は今朝、学校へ行こうと制服を着て、多少いやらしいことをされた後だが呂蒙の家を無事に出たはず。そしてその後、学校へ向かって歩いていたことは覚えている。
問題は、そう、その時だ。その時この、関羽さんとやらが声をかけてきて、道を教えてくれというから教えようとしたんだ。そしたらその後、なぜか気を失ってしまって――
あれ?俺、ひょっとして誘拐されてる?
「あの、関羽さん?そういうことではなくて、この状況のことを――」
「わ、私のことは、か、関羽と。さんなどつけなくていい」
「……えっと、関羽」
「……ッ!!あ、あぁ……そう呼んでくれると、嬉しい……」
ぎゅっと手を握られて、もう片方の手で俺の頭が撫でられる。しかもかなり顔を真っ赤にして、目を潤ませながら俺を見てる状態だ。
試しに、握ったままだった胸をぎゅっと揉んでみる。すると関羽は顔をさらに赤くしながら、目を閉じてぐっと歯を食いしばって、だけど俺の手を払おうとはしない。
調子に乗ってもう何回か揉んでみる。やっぱり関羽は俺の手を止めようとはせず、かなり感じてる様子を見せながらも、俺の顔を見てにこっと微笑んできた。
なにこの子、すごく可愛いんだけど。
「か、関羽、いいのか?俺、ずっと関羽の胸揉んでるんだぞ?」
「うっ……だ、だが、先に手荒な真似をしたのは私だ……それに」
視線を俺の目からはずした後、恥ずかしそうな表情で関羽が小さく告げる。
「できれば、私も……おまえと、その、こういうことを……」
彼女がそう言った時、俺はすべてを理解した。
こんなのもう、我慢できるわけないじゃん。
「だ、だから、もし嫌でなければ……私と――きゃあっ!?」
関羽が何かを言っている途中で、俺は上半身を起こして関羽を押し倒した。道場の磨かれた床に、黒く長い髪がバサッと広がる。
まずは唇を合わせる。舐めるように、つつくように舌を出して、関羽の唇や口内へとにかく舌を触れさせた。彼女の口の中は熱く、たどたどしい舌使いがまた俺をひどく興奮させる。
同時に両手で胸を揉んでやった。セーラー服の下にある大きな塊が、俺の手の動きに合わせてぐにぐにと形を変えていくのが面白く、気持ちいい。夢中になってしばらく揉んでいたが、途中で気がついて動きを変えてみる。
関羽のセーラー服はかなり丈が短い。腹とへそがずいぶんと見えてるほどだ。
なので、セーラー服の下から手を突っ込んで、思いっきり上へ引っ張る。すぐに服を脱がすことができて、関羽の下着が目の前に現れた。
「あっ……!」
関羽の口から驚いたような吐息が聞こえたが、気にしない。どうせもう止められるわけがないのだから。
俺の目の前に現れた関羽の胸は、やはりでかい。揉みごたえがあるのも納得、見ているだけで幸せになれるようなサイズだ。
そして彼女がつけているブラジャーは、黒だった。やけにセクシーで、上半身にそれしか纏ってないということもあって、もう嫌でも興奮してしまう。もちろん嫌なわけがないが。
ついでに、超ミニのスカートも脱がしておく。やっぱりその下には黒いパンツがあって、それがまた肌との対比もあって非常に色っぽいのである。
すでに俺の方の準備は万端だ。が、ちらっと目で確認した限り、彼女もかなり準備ができているらしい。
「あぅ……あ、あんまり見ないでくれ……恥ずかしい……!」
自分の体を抱きしめるかのように腕を回す関羽。しかしその動きのせいでさらに胸がむぎゅっと強調させていて、さっき以上に官能的になっているだけだ。
そんな事情もあって、俺はゆっくりと手を伸ばして、関羽の胸に触れる。一瞬体がびくっとしたけど、拒否されることはなかった。
「か、関羽……」
「やっ、ま、待っ――!」
するり、とブラジャーの中に手を滑りこませてみた。まずは右手、それから左手。
すると見事に関羽は敏感に反応して、目を閉じて歯を食いしばりながら、襲ってくる快感に耐えているらしい。
そこでピンと思いつく俺。すっかり恋人気分で、普段はできないことをやってみたいという気持ちに包まれているせいだろう。
「なぁ、関羽……声、我慢しないで……」
「ひゃう……そ、そんな……!」
髪に隠れた耳に近付いて、できるだけ声を低くしながら言ってみた。
関羽はそれだけでびくっと体を震わせて、俺の手の下にある乳首をさらに固くしている。なんという可愛らしい反応だろうか。
だんだん理解できてきた。途方もないドSな呂蒙に対し、関羽はいささかM寄りのようである。これは非常に良い反応だ。
両手で円を描くように胸を揉みながら、俺はさらに囁いてみる。
「関羽、気持ちいい?言ってみて」
「うっ、はぁっ、なに、をっ……!」
手のひらや指の腹を使って、すっかり自己主張し始めた乳首をイジってみる。それだけで関羽は面白いほど体を震わせて、俺の背中に腕をまわしてぎゅっとしがみついてきた。
うんうん、とてもいい反応である。
「気持ちいいんだろ?気持ちいいって、言ってみて」
「んふぅ、はぁぁ……き、きもちいい……!」
「じゃあ、こっちは……?」
「んひゃ!?」
非常に心が満たされる一言を言ってもらえたので、すぐさま右手を下へと降ろす。
これはわりとお気に入りなんだが、関羽が履いたままだったパンツの中へと手を入れて、脱がせることなく秘所をイジる。関羽のそこはすでにびしょびしょだった。
手をパンツの中に入れただけで手が濡れて、指でそこへ触れただけで指が濡れる。そのまま軽く指を動かしてみると、ぴちゃぴちゃと卑猥な音が道場に響いた。
「んああっ!そこは……だめっ……!」
「関羽、すごい濡れてる……」
「なっ、んんっ……言うなぁ……!」
なんとも分かりやすい、そして嬉しい反応だ。俺に抱きついたまま、頭を俺の首筋に埋めて、いやいやと首を振っている。非常に愛らしい仕草である。
ただ、俺の方が身長が低いので、ともすれば俺が抱かれてるような印象を受けることだけが悲しい。いや、考え過ぎかな?うん、考え過ぎなだけのはずだ、大丈夫。
「はぁっ……んっ、そこはっ……あっ……!」
指の動きを早くしてやると、それだけで声が大きくなった。しかもいまだに左手で乳首をイジッてる途中だ。初めてらしいし、かなり感じやすいみたいだから、これだけで凄まじい刺激だろう。
だが正直、もう俺の方が限界だ。これ以上はもう余裕がない。
というわけで俺は一度関羽への愛撫を止めて、自分の服をすべて脱ぎ去る。ついでに関羽のパンツも脱がして、片足だけ抜いた状態にしておいた。うむ、やはりなんかこの方がいい。
「関羽、俺もうだめだ……い、いくぞ……!」
「あ、あの……できれば、やさしくしてくれ……」
彼女の呟きに、こくりと頷きつつ、俺は自分のモノを関羽の秘所へと触れさせた。
先端の感触で入口を確認して、腰を前に突き出す。それだけで濡れそぼったそこへずるっと入っていって、熱くてキツイ場所へとモノが入っていった。
かなりキツクて、でもやさしく包み込もうとする呂蒙に対し、関羽のそこはただキツイだけのものだった。やはり俺を相手に経験値を積んだ彼女とは違う。だけどそれだけに刺激が強く、ぎゅうぎゅうと痛いほどに締め付けられる感触が気持ちいい。
気付けば俺の腰は自然と動いて、やさしくなんて言葉が似合わないほど、本能のままに激しく腰を振っていた。
「ああっ!ま、まてっ!はやすぎ、んああっ!」
「うあっ……これ、ヤバい……!」
「んんんっ!あはぁ!だめだ、か、感じすぎ、るぅっ!」
俺は必死で腰を振っていた。関羽は、舌をだらりと伸ばしながら喘いでいた。
俺たちは二人とも、必死になって快感をむさぼっていた。
しかしふと気付いたんだが、俺たちは今日会ったばかりのはず。名前だってさっき教えてもらったばっかりだし、なんだったらまだ俺の名前教えてない気がする。
……それに今さらだが、たとえ俺から手を出したんじゃなく、関羽に誘拐された結果だとしても、こんなことが呂蒙にバレたら――
「んああっ!き、気持ちいいっ……ああんっ!」
いや、しかし今はそんなこと考えてる場合じゃない。もうこれだけ気持ちいいんだ、仕方ない。
邪念を振りはらって、腰を動かすことだけに集中する。それだけで関羽は面白いように大声でよがっていた。
「くはぁっ!はぅんっ!んあっ!いいっ!」
「はぁっ、はぁっ、関羽……そろそろ……!」
「あっあっ、わ、私、もっ……んんっ!」
俺たちは二人で意識を合わせて、同時にラストスパートへかかっていた。
さっきまでは腰を掴んでいたが、上半身を倒して、唇を合わせる。両手で胸を揉みながら、お互い舌を絡めて、体を一つにする。
タイミングは全く同じだった。
「んんっ!んんっ!んんっ!」
「はぁっ、はぁっ……くっ!」
「んんっ!?んあっ、はっ、んはぁっ!!」
腰を思いっきり押しつけて、俺はいつもの癖で一番奥に射精していた。関羽もそれを受け入れて、全身で俺にしがみついて体を痙攣させている。
ドクドクとすべてを出し終えてからようやく、体の力を抜いて彼女に覆いかぶさった。大きな胸に俺の顔が挟まる。
すると、少ししてからようやく落ち着いたらしい関羽が俺の頭を撫で始めた。目線を上げて見てみると、彼女はやさしく微笑んでいたのだ。
とても美しくて、真っ赤なままの可愛い表情で。
「あ……その、できれば、もう一度……」
「……あぁ、関羽は可愛いなぁ……」
「なっ!?か、かわ……!?な、な、何を言って――ひゃん!?」
再び激しく腰を動かす。今度はさっきより速くしようと、腰を掴んで全力でだ。
「んっ、もう一回だけじゃなくて、何度だってやるよ……あっ、関羽の、ためなら……」
「はぁっ、んっ、あっ、あっ!あぁっ、嬉し、いっ、あっ!」
「はぁっ、気持ちいい……気持ちいい……」
「んんあっ!私、もっ、気持ち、いいっ……!」
それから俺たちは、何度も何度もセックスした。
合計で、結局はいつもと変わらない十発くらいは中に出しただろうか。
終わってから当然二人ともぐったりしていて、道場の真ん中で抱き合ったまま、色んな液体にまみれながら横たわっていたのである。
「ありがとう……それと、すまなかった。突然、それも無理やりこんなことを……」
行為が終わってから、関羽は俺の頭を胸に抱きしめて、やさしく撫でながらそう言った。
始まる前と違って妙に落ち着いた、すっきりしたかのような表情に見える。相当に溜まってたのか、それとももう我慢せずによくなったからなのか。
しかし不思議なこともあるもんだ。初めてなのに、俺を見た途端に我慢できなくなるなんて普通じゃ考えられないだろう。こんなことが起こるということは、やっぱり俺自身に妙な変化が起こってるのかもしれない。
「私は、知らなかったよ……別段興味もなかったが、案外いいものだな……」
憑き物が落ちたかのような表情でそう言う関羽。その手つきはかなりやさしく、頭を撫でられるだけで気持ちがいい。
だが、正直言ってこれは、まずいことになった。せっかく呂蒙の行動の意味を理解して、恋人的な関係になったというのに、あっさりと別の女性に連れ去られて流されてしまって、この状況。明らかにまずい。
そりゃあ気持ちよかったし、嬉しかったし、後悔はないけども、これがバレてしまうと俺の命がどうなってしまうかわからない。
ひとまず、心苦しい想いがあるが、一刻も早く関羽の元から去らないと――
「いや、今まで結婚に対して興味を持ったことはなかったが、それほど悪いものではないんだな」
「……あれ?」
「ん?どうかしたか?」
はて、俺の聞き間違いか、或いは俺の耳が妙な電波を受信し始めたのか。
今関羽はなんと言った?結婚?何かの間違いではないのだろうか。
つまり、なんだ、俺と関羽はたった今体を重ねたがばっかりに、もう結婚したのだと。ひょっとしてそういうことなのだろうか。
「ふふ、どうしたんだ?そんなに驚いた顔をして……あぁ、そうか。まだ言ってなかったな」
やけに余裕たっぷりな表情を見せる関羽が、俺へ微笑みかけながらゆっくり、わかりやすく伝えてくれる。
俺にわかりやすいように、はっきりと単刀直入に。
「私は、おまえを、愛している……」
直後に、ちゅっと可愛らしい口づけを送られた。すごくやさしくて、すごく愛しいキス。
それだけに俺はもう笑うことしかできなかった。いや、この状況下で笑わずにいられる奴などいるだろうか。きっといないに違いない。
「は、はは、そうか、そうだよね……あはははは、はは、は……」
「ふふ、ありがとう。それほど喜んでもらえるなら、思い切って声をかけてよかった。ま、まぁ確かに、その後のことは少し乱暴にし過ぎたが……」
これは非常にまずいことになった。せっかく俺を脅しながら抱いていた呂蒙とわかりあえたというのに、どうやら俺は彼女の知らないところでいつの間にか結婚してしまったらしい。いや、俺も知らない間にだったんだけど。
だが、こんなにも嬉しそうに笑う女性を見て、「実はそんな気はなかったんだよ、ははは」なんて言える男がいるだろうか。いや、いない。存在していいはずがない。
「これからは私がおまえを守る。だから安心してくれ。……それに、その、なんだ……い、いつでも、おまえの相手もしてやるし、な……」
「……はーい……」
「きゃ!?ちょ、ちょっと待て、確かに相手はするが、いくらなんでも今は早すぎ――ひゃうんっ!?」
どちらかに本当のことを言えば、きっと俺はこの世にいられなくなるだろう。だってどっちも俺の百倍以上強いんだから。
だから結局、俺はどちらにも本当のことを言えるわけはなく。
「んっ、関羽は可愛いなぁ……」
「んんっ、こらぁ……そんなこと、言うな……あんっ」
もはや俺は考えることをやめて、関羽とのイチャイチャを楽しむことにしたのである。