ぼんやりと思考が形を成さない。気持ち悪いわけではなく、どちらかと言えば気持ちいい状態。しかし、何が、とはわからなかった。
一体自分がどういう状態にあるのか、何が起こって気持ちよくなっているのかが理解できない。ただなんとなく、気持ちいい、そう思えるのだ。
ゆっくりと目を開き、体の自由が利くのか、手の指を動かして確認してみる。目に映った右手の五指は意思に沿ってしっかりと動いた。
ならばと腕を地面へつけ、体を起こしてみる。視界は良好、体の状態も悪くなく、痛いところはどこもない。むしろ体が妙にぽかぽかと温かく、好調なほどで、室内が過ごしやすい温度であると推測する。
しかし現状が明らかな異常にあるということは、体を起こして見れた光景ですぐに理解できた。
「な、なに、これ……?」
周囲を取り囲む観客席、中央に佇む何もない正方形のスペース。彼女がぽつんといる中央を取り囲む観客はすべて、裸に近しいひどく卑猥な格好の女たちだった。
顔を隠すためか、匿名性を高めるためか、誰もが形も様々な仮面をつけている。だが体のほとんどを隠さぬ格好では性別を隠せるはずもなく、女ばかりが集う、あまりにも奇妙で恐ろしい空間であった。
彼女、日ノ本零子は自身を取り巻く異常な空間に気付き、その直後に自分の身に起きた変化に気付いた。
女らしく肉付きのいい、しかしプロレスラーとして鍛えられた彼女の肉体は、なぜか大事な部分を隠すだけの凄く小さな白いビキニによって隠されるのみ、服と言われる物は何も纏っていなかったのだ。
今にも透けてしまいそうなその薄い生地により、大ぶりの乳房の先端、二つの乳首と、股間のみ隠されている。下などは尻たぶを大きく露出し、前を見れば秘所こそ隠れているものの、存外に濃い陰毛は少しも水着に覆われることもなく露わになっている。
周囲の観客と変わらず、彼女自身ですら卑猥な格好になっていた。
零子は思わず自分の体を抱きしめ、起こしたばかりの体で座りこみ、少しでも肌を隠そうとする。しかしそんな程度で隠せるはずもなく、物言わぬ観客から送られる視線が突きささるように白い肌へと注がれた。
広がる静寂、冷たさを感じる空気。零子は自分が置かれたこの状況に対し、恐怖を覚えずにはいられなかった。
なぜ、こんな場所に。覚えの無いこんな格好で、誰とも知らぬ観客の前へ。
不安そうに表情を歪める彼女は立ちあがることすらできず、羞恥によって頬を赤らめながらも、恐怖から顔色を青くしていた。
その時、周囲へ目を走らせていたためか、ようやくその声が聞こえた。
弾むような、嬉しげに濡れる色っぽい悲鳴。音の出所を探って二階の一角へ目を向ければ、零子を見下ろす特等席のような大きなイスの上、裸の男と女が絡み合っている。
特徴的な髪型、艶めかしくも独特の強靭さを感じさせる肉体。膣に勃起した陰茎を呑みこみ、男を犯すように腰を上下へ振るのは、零子に視線を向ける女。
あっ、と声が洩れる。その顔は気を失う前、出会ったばかりだった人間のものだ。
ゼロの肉棒を呑みこみ、彼へ背面を見せながら、肘置きに足を置いて繰り返しスクワット運動を繰り返すのは、零子へ向かってジュリと名乗った人間だった。
快楽に歪み、零子を見下す、かつてとはあまりに違う表情。
ぶるりと体を震わす零子は、自分が騙されたのだとようやく気付いた。
「あ、あなたは――」
「あぁっ、んんっ、んあぁぁっ、いいっ――ははっ、いい顔だ、その顔が見たかったんだよっ。あっ、あっ、あぁぁっ――」
「な、何を……何を、しているの……? これは一体、どういうことなのよ!」
「はぁんっ、ん……そ、れは、そいつが説明する……くぅっ、ゼロ、そこっ……!」
必死に腰を振り、膣から何度もびゅっと潮を吹くジュリは、今はゼロとの遊びに夢中な様子。困惑と恥辱に混乱する零子に注意を向けようとすらしていない。
代わりに、彼女の背後からぴしゃんと、地面を打つ音が聞こえた。
振り返ってみればそこには、観客同様に卑猥な格好をした女の姿。
背が高く、凹凸の素晴らしいその肉体は零子と違って日本人の物ではなく、わずかながらにも零子を上回るボリュームの肉体は彼女同様に小さなビキニで覆われていた。
ツンと勃起した乳首は黒い生地の下からはっきり存在を主張していて、陰毛を剃られた股間は今にも見えそう、尻に至っては紐になっていて隠せてすらいない。ほとんど裸と変わりない格好だ。
長い金髪の上には真っ黒な帽子をかぶり、目元には大きなサングラス。黒い色のそれは彼女の目を隠しているが、零子にはあまりにも見覚えがある姿だった。
まさか、と思う。不思議と喉が震えて声が出せず、自分の腕を抱き締める手にも力がこもる。
言葉を失くした零子であったが、やはり見間違えるはずはなく、彼女はゆっくりと呟く。
「デキシー……あなた、どうして……?」
ランブルローズというリングに立つ女子プロレスラーとして、零子とはライバルだったはずの、デキシー・クレメッツ。少し前から行方不明になっていたはずの彼女に間違いなかった。
だが彼女は零子の呟きを聞き、フンと鼻を鳴らすと、腰に手を当ててぶるんと胸を揺らしながら答えた。
「デキシー? いいえ、そんな人間はもういない。私はクレメッツ署長――この闘技場を取り仕切る、この閉鎖的な国で唯一の警察。言わば私は、この空間の支配者」
胸を張って立つ彼女、デキシーと呼ばれていたはずの女は自らの肉体を誇示していた。
威圧的な態度と、解放的な格好に肉厚な肢体。並び立つ女たちの中でも特に見栄えのする彼女は少しも恥ずかしがっていなかった。
むしろ、自らの胸と股間に手をやり、魅惑的なポーズを取る姿は以前と比べてあまりにも違いすぎる。自分の名を捨てたとまで発言するところから見ても、失踪していた間に何かがあったのは明白だ。
良いライバルだった彼女の変貌に心が追いつかず、平静を失った零子は立ちあがって口を開いた。その時も自分の体を隠す手はどけず、羞恥もいまだ存在しているようである。
「な、何を言ってるのデキシー! あなたはデキシー・クレメッツ、ランブルローズの選手で――!」
「そう、そしてあなたのライバルだった。でもねレイコ、もう時代は変わったの。そして私自身も――いいえ、私の場合は変化じゃない。これは進化。ねぇレイコ、私は進化したの。あなたと競い合っていた時代から大きく、比べ物にならないほどに」
「デキシー……」
「あなたが私をデキシーと呼ぶならそれでいいわ。でも、それはあなたが過去にしがみついているだけ。私はすでに新しいステージへ昇ったの……ゼロ様の御力のおかげで」
そう言って女、デキシーがわずかに上を見上げ、サングラス越しに裸の男を見た。
たくましくそそり立つ男根は今、ジュリの膣内で暴れ回って悦んでいるが、以前にはデキシーのそこにも入り、荒々しく動きまわった。
その瞬間の悦びがどれほどのものか、経験していない零子ではわかるまい。過去に付き合った男が霞のように記憶から消えるほど、あの時間は幸福で、興奮に満たされ、言いようのない快感だったのだ。
今やデキシーの心は、否、心だけでなく肉体も時間も快楽も、すべてがゼロの手の内の中。彼という存在にすべてを掌握されたがっている彼女は自らの役割を与えられ、真なる支配者たるゼロを悦ばせるため、闘技場の覇者となった。
彼女はここで幾人もの女を侮辱し、侮蔑し、恥辱にまみれさせて敗北の味を教え込み、少量の快楽を覚えさせて、自身が崇拝するゼロへと献上する。すべては彼へ新たな快楽を与えるため。
つまり今、裸同然の零子の前にデキシーが立つのは、新たな獲物を徹底的に踏みにじり、絶望の淵にいる瞬間をゼロに抱かせるためとなる。
デキシーは零子すらもその毒牙にかけようとしていた。
「立ちなさいレイコ。ここへ来たからにはやることは一つ。私と戦いなさい」
「戦うって……そんな場合じゃないでしょう? ねぇ、帰りましょう。ここ、なんだか普通じゃないわ……それにあなた、世間では行方不明ってことに――」
「世間のことなんてどうでもいいわ。帰りたいなら方法は一つ。あんたが自分の力で、私に勝つことよ」
またぴしゃんと地面が打たれる。デキシーの右手には乗馬用の鞭が握られていた。
一歩、高いヒールの靴が前へ出る。それに応じて零子の裸足の足が一歩後ろへ下がった。
デキシーの体から放たれているのは、紛れもない闘志だ。それも今まで感じたことがないほどの、凶悪なまでに強い、禍々しさすら混じるそれ。
零子は思わず恐れをなして、さらに一歩を下がる。
しかしデキシーもまた一歩を踏み出し、逃げようとする彼女へ微笑みかける。
「どうしたの、レイコ。そんな逃げ腰な態度、あんたらしくもない。さぁかかってきなさい。どこからでもいいわ」
「デキシー、待って……ねぇ待ってよ。おかしいわ、こんなの。どうして私たち、こんなところで戦わなきゃいけないの?」
「あら、もう忘れたの? 私は今ここの支配者なの。一度闘技場へ足を踏み入れてリングへ立った者は、私に勝てなきゃ出られない。それがこの場でのルール」
「おかしい……あなた何か変よ、デキシー。お願い、正気に戻って……」
「私は正気よ、レイコ。わかってないのはあなたの方。でも安心して、あなたもすぐに私が連れて行ってあげる――ゼロ様が与えて下さるこの世の楽園へ」
突然デキシーが駆けだし、零子へ向かって鞭を振るう。横から迫りくるそれは腕で防御したところでとんでもない痛みを与えてくるだろう。
よって零子は膝を曲げて頭を下げ、軌道の下へ潜り込むことで攻撃を回避した。
すかさず自らも駆けだし、隙だらけの腹へタックルを仕掛けながら、零子は叫んだ。
「お願い、やめて! 私こんなところであなたと戦いたくない! 元に戻って!」
だがそれこそが狙いだったのだろう。
懐へ飛び込んできた零子を受け止め、デキシーはしっかりと地に足をつけたまま、彼女をその体勢で捕まえてしまった。首へ腕を回されては、早々簡単に逃げられはしないだろう。
口の端がにやりと上がり、改めて右腕を振り上げる。
何をされるかわかった零子が恐怖から息を呑む瞬間、デキシーは鞭を持った右手を振り下ろし、風を切りながらしなるそれを零子の尻へと叩きつけた。
白く丸い尻に黒い鞭が当たり、打たれた赤い痕をはっきりと残す。
「ああぅっ!?」
「よく見たらいい尻してるわね、レイコ……ゼロ様が気にいりそうな、なまっちろくて犯しがいのある尻だよ。でもゼロ様に触れられる前に、入念に準備しとかないとねぇ」
「ま、待って、やめ――!」
「ホラァ!」
ぴしゃり、と肉を打つ音を立てて、二度目の折檻が入る。
ぐっと強く歯を食いしばって耐える零子だが、痛みはあまりにも大きく、何度も受けてはいけないと本能が告げている。
途端に暴れ出し、なんとか頭を押さえられた現状から逃げ出そうと動くのだが、抵抗は無意味に過ぎなかった。
三度目の鞭が当たった時、零子は苦渋の表情で悲鳴を堪え切れなかった。
「うっ、ぎぃっ……!?」
「ウフフ、可愛くない悲鳴。それじゃだめよレイコ、もっと大きな声で、みっともなく鳴かなきゃ!」
「あぁっ、いやぁぁっ!」
デキシーが零子の首を解放した直後、零子の体をかろうじて隠していたビキニが、あっさりと引きちぎられる。
全裸になった彼女は勢いよく地面へ倒れてしまい、まず最初に零子がしたことは、立ちあがってファイティングポーズを取ることではなく、露わになった自分の胸元を隠すことだった。
それを見たデキシーはやれやれと首を振り、わざとらしくため息をつく。
「まだ自分が置かれた状況がわかってないみたいね。仕方ないわ……」
デキシーもまた、自らビキニを脱いで裸になった。
毛のない股間も、ずっしりと重そうな乳房も、ピンと立つ乳首も、張りのある尻も、すべてが衆人環視の前へ晒される。
この時零子はますます大きくなる胸中の恐怖に打ち勝つことができずにいた。
やはりこの空間は、狂っている。
自ら裸体を晒して、かたくなに戦いをやめようとしないデキシー。声を発することなく黙って戦いを見守る観客。そして唯一声と音を発して快楽を貪る、王様のような裸の男女。
異常な空間の中、かつてのライバルに追い詰められ、零子はもはや泣きだしたい気持ちでいっぱいだった。できることならば、誰でもいい、助けてほしい。戦いたくもなければこれ以上目の前の光景を見たくない。
しかしそんな願いが叶えられることはなく、ゆっくりと歩いて近づいてきたデキシーは、零子の体を無理やりひっくり返した。
うつ伏せになった零子の頭はデキシーの履くパンプスで踏みつけられ、叩かれたばかりの尻が晒される。その体勢で、彼女は観客に向けて大声を張り上げた。
「さて、それじゃあ始めようか――まずは十ぱぁぁつ! 行くぞオラァ!」
鞭を振り上げてそう言うと、今までシンと黙りこんでいた観客が途端に声を張り上げ、場内を盛り上げる。
しかし倒れ込んだまま後ろを振り返ることもできない零子には何が起こっているか理解できず、聞こえてくる大勢の声がさらに恐怖を掻きたてる。
わけもわからず立ちあがろうと抵抗している最中、再び、鞭による強い打撃が尻を襲った。
悲鳴をあげかけ、大口を開く。だが声を発する前にすでに、二発目が襲い掛かっていた。
「二発目ぇぇっ!」
バチンッ、と強烈な音。白い肌にくっきりと赤い線が残る打撃、零子は周囲も気にせず悲鳴をあげた。
なぜこれほどの痛みを与えられなければならないのか。どうして、変わり果てたライバル、ともすれば親友とも呼べる彼女からこんな仕打ちを受けなければいけないのか。
鞭が振り下ろされる度、強烈な痛みに耐えつつ、きつく閉じられた零子の目からはぽろりと涙がこぼれた。獣のような悲鳴をあげる一方で、彼女は子供のように泣きじゃくった。
そして尻への打撃が九発目になる頃には、意識してもいないのに裸のまま小便を垂らし、噴き出すようなそれをすべての観客とデキシーによって目撃されてしまう。
十発目を終えた後、屈んで顔を寄せてきたデキシーに責めるような言葉を向けられては、さらに涙の量を増やさずにはいられなかった。
「あーあ、おもらししちゃった。我慢できなかったのレイコ? それとも、気持ちよくて出ちゃったの? あれあれぇ、潔癖なレイコちゃんって、実は尻を叩かれて悦ぶ変態さんだったのかなぁ?」
「うぅ、うっ……デキ、シー……あなた――」
「ほら、いつまで寝てんのよ。さっさと起きな、まだ勝負は始まったばっかりじゃないの」
「うっ!?」
髪を掴まれ、嫌だと思っているのに無理やり立たされる。そんな乱暴な振るまいも、零子の心を一層痛めつけた。
確かに、本人が言う通りだった。デキシーはこれまでプロレスにプライドを持って挑んでいた。決して相手を侮辱したりしなかったし、ファイトの最中に髪を掴むなどと、卑怯なこともしなかった。
股からぽたぽたと、小便の滴を落とす零子は裸で立ち、自分の体を隠すこともなく、初めて拳を構えた。
目の前にいるのはもはやデキシーではない。その想いが、目の前の女への怒りを倍増させていた。
それを見てデキシーも笑い、裸で笑う彼女は唯一の凶器だった鞭を遠くへ投げ捨てると、サングラスすらも同じように放り捨てる。
露わになった目と目が合わさり、片やファイティングポーズを取った状態、片や腰に手を当てた仁王立ちで対峙した。どちらも一糸まとわぬ裸、妖艶な女たちが見た目にも麗しい様子で戦おうとしている。
「ようやくその気になったようね。来なさいレイコ、あっという間に返り討ちにしてあげる。あんたに本当の強さってのを教えてあげるわ」
「デキシー……私、あなたを許さない。私が尊敬していたデキシーは、あなたみたいな人間じゃない」
「そう言えるのも、今の内。すぐに忘れさせてあげるわよ、あたしのテクでね」
零子が自分から駆けだして、拳を振り上げてデキシーへ迫る。
力のこもったそれはストレスもなく前へ突き出されるため、速度も上々。怒りによってわかりやすい動きになってはいたが、十分過ぎるほど素晴らしい一撃だった。
だが、デキシーはそれを真っ正面からあっさりと片手で受け止める。パシンと軽い音を立てて止められた拳は、彼女にダメージを与えることもなく、止まった。
零子の表情が絶望に染まり、デキシーの頬が緩む。
反撃のために繰り出された右足での蹴りは、恐ろしい速度で零子の腹へ当たり、強烈な痛みと衝撃によって、胃の中にあった物を逆流させてしまう。
「ごほぉ……おえっ、げほっ、ごほっ」
「吐いちゃった。きたなーい」
「ぐっ、うっ、うぅ――」
「ほらまた休む。休憩じゃないって言ったでしょう?」
四つん這いになって動けずにいた零子の腹に、再びデキシーの蹴りが叩きこまれた。
いつしか観客の歓声は徐々に大きくなっていて、まるで尻を叩かれていた時のように、零子が痛みを感じる度に歓声が沸いていた。
彼女の中でどんどん怒りが、憎しみが膨らんでいく。しかしそれを発散する暇もなく、また新たな痛みを感じ、堪え切れない涙が溢れ出た。
それでも零子は立ちあがり、小便を垂らしても、人前で嘔吐しようとも、デキシーに勝つべく拳を構えた。
「ウフフ、いい顔よ。でもまだまだ足りない……もっともっと、必死になりなさい」
今度はデキシーから前へ出て、腕を振り抜く。すると零子が対応できない速度で繰り出されたビンタが、彼女の頬を強く打ち、ぐらりと頭が奇妙に揺れる。
倒れるわけにはいかないと零子がふらつく足で立っていれば、デキシーのビンタはさらに彼女を打った。
二発、三発目が当たった時だ。ついに零子は痛みと衝撃で立っていられず、倒れ込むようにその場へ尻をついた。
ハァハァと呼吸が荒れ、体に力を入れるのが困難になる。
そんな時にデキシーは零子の背後にまわり、膝の後ろを掴んで持ち上げ、彼女の股間を見せびらかすように観客の前に立った。
流石に零子もこの体勢で黙っていられることはできず、先程の迫力もどこへやら、懇願するかのようにデキシーへと声をかけていた。
「いやぁっ、やめてっ! お願いデキシー、やめてぇ!」
「ウフフフ、いいじゃない、みんなに見せてあげなさいよ。せっかくきれいなプッシーなんだから。なんなら、この格好でもう一度おもらししてみる?」
「い、いやぁぁ……」
「ウフフ」
ジタバタともがいても拘束から逃れられず、怒りに満ちていた表情が今度は悲しみで染められていく。
彼女を抱えて歩くデキシーにより、自身の体は余すところなく、最も見られたくない部分も含めて多くの人間の目に晒されてしまった。同性だとか、そんなものは関係ない。この望まぬ展開の中、無理やりにされ、抵抗のすべてを叩き潰されているのだ。
レスラーとして多くの勝利と、いくつかの敗北を得てきた。だがそれらを帳消しにするほどのひどい屈辱と巨大すぎる敗北感。どうしてこうなってしまっているかより、今は、変貌してしまったデキシーに完敗していることが悔しくて恥ずかしくて仕方なかった。
少しすれば零子の抵抗はぴたりと止み、和気あいあいと喜びの声を発する観客に見守られながら、涙と共に小さな泣き声が出ていた。
デキシーの顔にはとても嬉しそうな笑みが浮かぶ。
「うぅ、ぐすっ、ひぃんっ……」
「あらぁ、どうしたのよレイコ、もう諦めちゃったの? 別に死んだわけでもないんだし、まだまだ戦えるでしょう? ほらほら、かかってきなさいよ。さっきみたいに抵抗しなさいな」
「うっ、うっ、うぅ……」
抱えた零子をゆさゆさと上下に振るのだが、彼女は顔を手で隠して涙を流すばかり。もはやプロレスラーの顔はなく、少女のような弱弱しい姿のみが残っていた。
デキシーはその場でゆっくりと彼女を降ろしてやり、真っ正面にまわってから、地面に膝をついて顔を覗きこむ。
やさしげにも見える笑みはひどく楽しげで、まるで姉が泣きじゃくる妹をあやすかのよう、やさしく頭を撫で始める。
「ごめんなさい、レイコ。無理させちゃったわね。でも大丈夫。もうひどいことはしないわ」
「う、うぅ、デキシー……」
「私も悪かったって思ってるわ。だから今からは――あなたが気持ちよくってむせび泣いちゃうまで愛してあげる」
「え――?」
あまりにも突然、デキシーは零子をその場へ押し倒し、力ずくで彼女の脚を開かせた。頭を下に、股を上にするような、歪な体勢に変えてまで。
小便で濡れた股が照明の下に晒され、おおっ、と観客から声が洩れた。
子供のように涙を流していた零子だが、あんまりな体勢に顔をひきつらせ、すぐにデキシーを押しのけようと腕を伸ばす。
だがその時にはすでに彼女の顔は零子の股に埋められており、わずかに濡れたそこへ吸いつくように唇を触れさせ、舌さえも伸ばしていた。
奇妙な快感と大きな混乱、衝撃が大きすぎて、零子は悲鳴すら出せずにひっと鋭く息を吸った。
「んっ、むぅっ――ん、ふふ。レイコのおしっこの味がするわね……なんか、私まで濡れちゃいそう」
「な、なっ、なにして――やめてっ! そんな、汚いから、舐めないで!」
「いいじゃない。どうせすぐに誰が誰のかわからないほどぐちゃぐちゃになるんだから、これくらい汚くもなんともないわ――んっ、ちゅ、はっ」
「いやぁ……いやぁぁ……」
多くの人間に見守られながら、零子はデキシーに股を舐められ続けた。垂れて付着していた小便の滴も残らず舌で拭いとられ、秘所全体を舌で揉みほぐし、膣の中に差しいれて内部をしゃぶる。
できるだけ音を立たせて行われるそれは多くの観客にため息を洩らさせ、逆に零子の精神を見る見るうちに崩していった。
嫌だと思っているのに体に力が入らず、殴ることも蹴ることも逃げることもできない。それなのに舐められるそこを起点にしてじんわりとした快感が全身へ広がり、涙を流しているのに、口からは自分の物とは思えない甘い声が出る。
気付いた時にはすでに零子の抵抗は消えていた。彼女は足に力を入れることもなく、両手で顔を隠すことすら忘れて、濡れた瞳を天井に向けたまま甘い悲鳴を繰り返していた。
「んんっ、むっ、ぷはっ――ふふ、かなりいい感じ。じゃあもっと気持ちよくなりましょうねぇ」
「はぁっ、んっ、はっ――もっと、きもち、よく……?」
「ええ。ゼロ様のおチンポを頂く前に、私の指でイカせてあげる」
体勢もそのままに、デキシーの口が離れた後、彼女の細く長い指がずるりと膣の中へ侵入した。
零子がまたも悲鳴をあげ、体を震わすが、奥まで遠慮なく入り込んだ指はすぐに抜かれるかのように来た道を戻り、しかし外へ出る前にまた奥を目指して進んでいく。
あとはその繰り返しである。奥まで入って、入口まで戻って、また進む。まっすぐに伸ばされた指は何度も往復を繰り返した。
零子の喘ぎ声も徐々に大きくなっており、今や羞恥よりも快感の方が大きくなっているようだ。赤くなった頬を隠していたはずの手も力なく横へ投げ出されていて、もはや抵抗の意思は微塵も見られない。
そのためデキシーは彼女のクリトリスを唇で吸いながら、指を少し折り曲げて別の場所を刺激し始める。すると反応の素早さは素晴らしいものがあった。
「ひあっ!? あぁっ、だめっ、そこは――!」
「良いおマンコね。きゅうきゅう吸いついて、とっても熱いの。これならゼロ様もお喜びになるわ……んん、でも、ちょっと嫉妬しちゃうけど」
指をもう一本増やし、二本を挿入して内部を掻き混ぜる。今では内部から分泌された体液がぐちょぐちょと音を発していて、零子の耳にもはっきりと聞こえているだろう。
もはや言い逃れはできない。零子はデキシーの愛撫でしっかりと感じていた。
甘い声を聞きながら、気分よく彼女の体を自由に虐める。デキシーはふるりと震える胸にも手を伸ばし、いつの間にか勃起している乳首を捻ってやったりもした。
零子は面白いほどに鳴いてよがり、嫌だ嫌だと首を振りながらも、少しも逃げるような様子は見せない。
そうしてたっぷり時間をかけながら遊んでいると、背後から高い声が聞こえてきた。一定のリズムで繰り返される、いつもより色っぽい声。
振り返ってみればやはり、二階にいたはずのジュリとゼロが、繋がったままその場へ来ていた。正面から抱きあう二人は股間から一つになっていて、歩く度にじゅぷじゅぷと水音を立てながら、やがてデキシーと零子の前へ到達する。
「あら、ゼロ様。もうレイコをご所望ですか? 失礼ながらまだ勝負は終わっておりませんが」
「わかってる。でもいい加減待てそうもなくてな」
「そうですか。では、いつでもどうぞ。まだ完璧にではありませんけど、ある程度は仕込み終えています」
「そうか。なら――うっ」
「あはぁぁっ!」
ゼロが射精し、ジュリの膣内へ精液を放つ。途端にジュリは背を逸らして絶頂を感じ、びくびくと全身を痙攣させながらゼロの唇を奪った。
ねっとりと舌を絡ませながら接合が解かれ、溢れ出た精液が床へとこぼれる。デキシーはそれを、物欲しげに見つめていた。
頬は赤くなり、零子を刺激しても濡れなかった股間が見る見るうちに水気を帯びていき、触れられてもいないのに男を迎える準備が終わる。これもゼロと体を重ねた影響、或いは調教係から長い時間をかけて調教された成果であり、彼女たちはゼロを前にすればいつでも股を濡らすことができるのだ。
ジュリを解放したゼロの目は、まず真っ先に零子ではなく、デキシーへと向かう。瞬間、頬を赤らめた彼女は期待するように彼の顔を見た。
「だがまずはおまえからだ、デキシー。おまえを今この場で抱く」
「あぁ、そんな、ゼロ様……部下も零子も見ているのに、そんなこと――あっ、あぁっ」
嫌がる素振りを見せながらも、表情から期待していることは丸わかりだった彼女はあっさりとゼロに捕まり、正面から抱きあって立ったまま挿入される。
熱い怒張を腹の中で感じ、闘技場の中心で観客から見られていることをしっかり認識して、デキシーの気分はこれまでにないほど高ぶった。
「あぁっ、太い……!」
「行くぞ。今から全力で壊してやる――」
「あはぁっ、そんなっ、は、はげしっ、はげしすぎますぅっ! んんっ、ほ、ほんとに、こわれちゃ、あぁっ!」
「あぁ……デキシー……」
ぼんやりと目を開く、脱力した零子に見守られながら、デキシーはゼロに突かれて淫らに表情を緩ませる。
頭を振ったことで帽子が飛び、生まれたままの姿になった彼女も、今や支配者の仮面を投げ捨て、一匹の雌になり下がった。
この場における本当の支配者は、ゼロと名付けられた男ただ一人。横に並ぶ者はなく、ジュリであっても彼の上に立つことはない。
だが代わりに、彼女はゼロと並ぶほどに性の技術に長けており、女を落とす方法もよく知っていた。
解放されて自由になったジュリは、ぼんやりとした目でデキシーとゼロを見つめる零子に近寄り、寝転んだまま動かない彼女の足元へ座った。
「おーおー、よく濡れてんじゃねぇか。さっきまで嫌がってた奴とは思えねぇな」
「あ、あなたは……」
「クックック、久しぶりとでも言っといた方がいいか? でも今はそんなことどうでもいいだろ。少なくとも今のあんたは、あたしといっしょに気持ちよくなるってことだけわかってりゃいいんだよ」
「え……何、を――あっ」
ジュリが動いたことで、淫らにも見える様で足が絡まり、二人の秘所がぴたりと合わさって、どちらもひどく濡れているそこがキスをするかのように一つになる。
ジュリは楽しげに笑い、零子は快感を無視することができず目を細めた。
その状態でジュリが巧みに腰を振り始め、二人は同時に快感を感じて、声を洩らした。
主導権を握って余裕があるジュリとは違い、零子はただされるがままに鳴いている様子だ。
「あっ、あっ、んんっ、いやぁ、こんなの、いやぁぁ……」
「ハッ、嫌とか言いつつ、しっかり感じてんじゃねぇか。んっ、おらっ、おまえも腰振れよ。マンコ擦り付けろ。もっと気持ちよくなりたいんだろうがっ」
「ち、がうっ、気持ちよくなんか、あんっ、なりたくないぃぃ……」
ずりずりと上下に擦り合わせ、男と触れあうそれとは違う快感を得る。
そうする二人のすぐ傍ではすでにデキシーが限界へ至ろうとしており、ゼロもタイミングを合わせるため腰を前後させる速度を速めていた。
「あぁっ、レイコっ、見て、見てぇ! あたし、おマンコ突かれて気持ちいいのぉっ! ゼロ様のおチンポ気持ちイイっ! おチンポ気持ちよすぎるのぉっ!!」
「ハァ、デキシー、イクぞ」
「はぁぁっ、イッてぇ! イッてくださいゼロ様ぁっ! 私にも、私にも赤ちゃんできちゃうチンポザーメンいっぱいくださいぃっ! ゼロ様の子供孕ませてぇっ!」
「うっ、出るっ」
「あぁぁぁっ! きたぁぁぁっ!!」
ほとんど狂乱の姿であった。
ゼロは膣内へ向けて衰えを知らない射精を始め、デキシーは子宮へ感じた精液の熱により絶頂へ至り、盛大に悦びの声を出す。
他人に見られるには恥ずかしいとか、それどころではない激しい性交を終え、白目を剥きかねん表情のデキシーは大口を開けて地面に膝をつき、ばったりと倒れてしまった。
荒い呼吸もそう簡単には整えられず、ほとんど気を失っているのと変わらぬ状態である。
だがひとまず体を味わうことはできた。ゼロはデキシーから零子へと視線を移し、無表情で移動を始める。
ジュリに責められ、彼に近寄られていることに気付いていながらも反応できない零子に、彼の手が伸びる。
ふにゅりと、乳房が鷲掴みにされた。男に触れられたのならば、本来なら即座に手を振り払うところなのに、ジュリから与えられたじんわりと広がる快感に酔った今ではそう考えることすらできない。
股間にはジュリが与える快感が、胸からはゼロが与える快感が。零子の心をこれまでになく揺さぶり、首を逸らして声を出した。
ジュリが退いて、ゼロが足の間に入り、いきり立った肉棒が膣へ触れても、零子はぼんやりと彼を見るばかりだった。
「行くぞ」
「んっ、はっ……」
大した抵抗もなく、それどころか無意識の内に自ら股を開いて、零子はゼロを受け入れた。狭い膣を押し広げて肉棒がずるりと入り込む。
瞬間、何も考えられなくなっていた零子が、突然背を逸らして目を見開き、体内に入った肉棒をきつく締めあげた。どうやら挿入しただけで絶頂したらしく、大きく開かれた口の端からはよだれが垂れている。
気にせず、ゼロは動き出した。勢いをつけて前後に腰を動かし、挿入した肉棒で膣内のひだを押し割って、平常心を取り戻せない彼女をさらに追い詰める。
「かっ、はっ、あぁいやっ、だめっ……お、おかしく、おかしくなるぅ……!」
身に襲い掛かる快感はこれまでの人生で得たことがないほど大きなもの。抗いがたいと理解させるほどに強烈で、自分自身を保つことなど不可能に近い。
デキシー同様、零子もすっかりゼロに魅了されてしまい、ほんの一瞬の間に彼の首へ抱きつき、自ら腰を振るほどの変貌である。
彼女は自らも動きを加えることでゼロを気持ちよくしようと健気に頑張り、自我を失いそうなほどの快楽で頭の中がまっ白になりながら、ただひたすらにゼロの姿を見つめ続けた。
たくましい肉体、動きの凶暴さとは裏腹な小奇麗な顔、何より、膣内で暴れまわる彼の陰茎。
そのすべてが、愛おしい。
自分でも気付かぬ内、零子はそう想い、彼の唇へキスを送っていた。
「んっ、んっ、んんっ、んっ――!」
パンパンと肉と肉がぶつかる音が響いて、ゼロへ心酔する女たちに見守られ、零子は抱かれた。
愛おしげに彼を抱き締める彼女に倣い、ゼロもまた零子を抱き締め、二人はぴたりと肌を触れ合わせて下半身を必死に動かす。
そして零子が何度絶頂したかわからず、快楽に溺れそうになりながら数分が経った後。
ゼロが子宮目掛けて射精し、大量の精液が彼女を内側から汚していった。
「んんんっ、んはぁぁっ、あぁぁぁぁっ!」
全身を激しく痙攣させ、零子は一際大きな波を感じて脱力した。
もはやゼロを抱き締めることすらできない。指先一つにも力が入らず、ぐったりと倒れた彼女は呼吸音も小さく、どこを見ているかもわからない瞳を天井の方へ向けていた。
ここが限界だった。すでに半ば廃人のようになっている零子には体力など残されていないため、これ以上は何もすることができないだろう。戦うことも、逃げることも、抱かれることすら。
しかし、ゼロにはまだやめるつもりなど毛頭ないらしく、膣内で萎えた陰茎を数度腰を振ることでまた大きくした彼は、ぐっと力強く彼女の子宮口を打った。
途端に零子は声を洩らし、力も入らないひどい状態で抱かれ始めたのだ。
「いやぁ、もうらめぇ……もうむり、しんじゃう、しんじゃうからぁ……んむっ、んんっ」
本人の制止も聞かずに、ゼロは彼女の唇を塞ぎ、変わらぬ速度で膣内へ刺激を与え続けた。
そのすぐ傍、気をやっていたデキシーを叩き起こし、自分の秘所を舐めさせていたジュリはにやりと笑い、呟く。
「クックック、一丁上がりぃ。戦力確保完了っと……んっ」
ぷしっ、と膣から潮を吹いてデキシーの顔を濡らしながら、彼女は気持ちよさそうに息を吐いた。
◆
「アッハッハ、いい格好になったじゃねぇか。そっちの方がよっぽど似合ってるぜ」
暗い一室の中、ベッドの上には二人の男女が絡み合っていた。
片方はゼロ。相変わらず全裸で、ガチガチに固くなった肉棒を女の膣に挿入しており、バックから激しく突いている。
もう片方はショートカットの髪を金色に染め、裸に数回分の精液を塗りたくられ、首にかけられた首輪とそこから伸びるチェーンを掴まれ、犬のように扱われる零子であった。
四つん這いになった彼女は激しく突かれて悦んでおり、口からはだらだらとよだれを垂らして、まるで本物の犬のように鳴いていた。
目の前で股を近付けるジュリに言葉をかけられても、膣内にある熱い肉棒を感じることに必死で、他には何も考えられなさそうな様子だ。
「ずいぶんいい顔になったな。甘っちょろいレスラーの時よりよっぽどいい。で、今日からこれがおまえのコスチュームになる」
「はっ、はっ、はっ、んっ――」
舌を伸ばして息を吐き、快感に酔いながらぼんやりと視線を上げる。するとジュリが持っていたコスチュームとやらが目に入った。
彼女が持っていたのは競泳用の水着だった。ただ、股の部分には穴が開けられ、秘所が丸見えになる形になっており、さらには乳首が来るだろう胸の部分にも穴が開いている。
にんまり笑う顔は楽しげでサディスティックだとわかるもの。今の零子にノーという返事は許されなかった。
「着てみろ。おまえにはこれを着てクレメッツといっしょに闘技場を仕切ってもらう。恥ずかしがるんじゃねぇぞ、もう今さらだ」
「ん――」
「もうおまえの恥ずかしいところはぜーんぶここの連中に見られてんだ。排尿、ズタボロに負ける姿、泣きじゃくりながら股濡らして、そんでゼロに抱かれて悦んでるとこ。全部しっかり全員の記憶に焼き付いてんだ。だから恥ずかしがる必要なんざない」
「は、い――」
零子はゆっくりと体を起こし、ゼロの許可をもらって肉棒を抜くと、その競泳水着を着る。
白色のそれは肌が透けるようで、局部も丸見え、本当に着る意味があるのかわからない代物だ。これでは裸と変わらないだろう。
しかしジュリは満足そうに笑って彼女へ近寄り、露わになっている秘所へ指を触れさせながら、なぶるように囁きかけるのだ。
「いい設計だろ? 着てるのにゼロのチンポを突っ込んでもらえるんだ。一体どうしてだろうな? ほら、あたしの指も簡単に入っちゃって……あーあー、せっかく注いでもらったゼロのザーメン、どんどん出てきちゃったよ。もったいないもったいない」
「あっ、んっ、あっ――」
膣内へ指を差し込まれ、浅い場所で出し入れされると、何度出されたかもわからない精液が溢れ出てきた。
自分でそうしておきながらもったいないと言うジュリは顔を下げ、彼女の股に舌を触れさせると力を入れて舐めとり、音を立てて吸いつく。零子の声がまた高くなった。
そのまま尻の肉を掴み、外へぐっと開かせると、ジュリがゼロを誘う。このまま入れろと、言葉もなく指示しているようだ。
するとゼロもその意図をくみ取り、まだ萎えない肉棒を膣の中へ入れ、腰を振り始める。
クリトリスを舐められ、子宮の入り口を叩かれて、零子はますます声を大きくして感じる。
またしてもゼロが膣内へ射精すると、声も出ないほどの快楽に犯され、全身を震わせた直後にシーツの上へと倒れ込んだ。
「あっ、はぁ、あぁぁ……うぅ、う」
「またみっともなくイッたなぁ。おら、何勝手に寝てんだよ、ゼロのチンポをきれいにしてからって教えられなかったか?」
「あぁ、ごめんなさい、ゼロ様ぁ……いま、いまきれいに、しますから……」
「ったく、まだ体力が足んねぇな。次からはちゃんとフェラで掃除までしろよ――んっ、ちゅ」
「うぅ、すみません、ジュリ様……」
ぐったり倒れて動けない零子に代わり、ジュリがゼロの肉棒を口に含んで舌を絡め始める。じゅぷじゅぷと音を立て、いやらしく、妖艶に見えるよう丹念に。
ゼロの顔を見上げながら行われたそれはさほどもせず終わり、唇が離れ、ジュリが彼の胸へしなだれがかる。
彼もまたジュリの腰へ腕を回し、まるで恋人同士がするよう、裸で寄り添った。
寝転んだまま動けない零子は目を閉じて必死に息を整えようとしており、二人の姿を見る余裕すらない様子である。
「適当に見つけただけだったけど、クレメッツはいい拾い物だったな。ランブルローズか……美しくて強い女が集まるプロレスなんだと。あたしらにとっちゃ絶好のカモだ。楽しくなりそうだぜ」
「また攫うのか?」
「そりゃ当然。あんたもまだまだ女を抱き足りないだろ? いっそ、世界中の女をあんたのものにするのもいいかもな」
「悪い奴だ」
「あんたがそれを言うのか? クックック、あたしに全部なすりつけるなんて、ひどい奴だよ」
恋人のように唇を合わせた後、二人はまたも零子も交えて熱く深く体を重ねた。
この後も零子の体を襲う快感は止まらず、極度の快楽にむせび泣く彼女もいつしかゼロの部下らしい表情を見せるようになり、みっともないほどに緩んだ笑みを彼に向けるようになるのだ。