※この作品はR-18です。

蛇獣書房   作:ヘビとマングース

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未来設定です。キャラクターの年齢が法律的に問題ないようにと。オリ主の設定が自分でもなんだかよくわからなくなってるので、ヘタレ系なんだな、と想っていただければと思います。
目指したのは、ラブラブ系です。


IFストーリー(ネギま!・近衛木乃香)

 近頃、彼女は浮かれている。確かに季節的にも春が近くなっていたが、それ以上に彼女の頭の中はお花畑になっていたと言ってもおかしくはないだろう。

 普段からおしとやかで、ぽわわんとした雰囲気を纏っていて、誰に対しても笑みを浮かべるような少女。しかし今の彼女の姿はそれとも違って、いつも以上に頬を緩めて、ともすれば「うへへへ」と怪しげな笑い声を洩らし、抑えきれないからしょうがないとばかりに常ににこにこと笑っている。

 そうなってしまったのは他でもない。

 近衛木乃香に、幼い頃から兄のような存在だった秋人が愛の告白を行った。すでに学園中に広まった噂が真実だったからに間違いはないのだ。

 そんなわけで彼女、近衛木乃香16歳には、長年待ち望んでいた春がようやく訪れていたのである。

 その幸せぶりたるや、まわりにいる人々が思わずげんなりしてしまうほどに甘く、常にべたべたとしたものだった。

 二人がいっしょに歩いている姿を見た者は必ず言う。

 

 「えへへー、秋人さーん」

 「木乃香、ちょっとくっつきすぎだって。これはさすがに、歩きにくい――」

 「ええー、ちょっとくらいええやんか。うちはずっと待ってたんやから、これくらいのわがままは」

 「いや、だからそれは悪かったって――ハァ、わかったよ。そのままでいい」

 「うん。んふふ、秋人さん、愛してるえー」

 「はいはい……まぁなんだ、オレも、その――あ、愛してる、よ」

 「う、うん……えへへ、なんや、恥ずかしいなぁ――でも嬉しいえ、秋人さん」

 「お、おう……」

 

 女子校の真ん中で、リア充爆発しろ、と。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 二人の愛の巣になっているのは、もっぱら秋人の家である。とある事故で両親を亡くし、学園長の計らいで用意された学園都市内の一軒家に、たった一人で暮らしている。といってもいつからだったか友人が多くなった彼であるから、そこを訪れる者は多いのだが。

 それでも二人が恋人になってからその家に近付くのは、何年も通い妻のように訪れ続けていた、元は妹のような存在、現恋人。近衛木乃香ばかりである。

 では若い二人が家に帰って何をしているかと言うと、とても他人には言えないような、できれば隠していたいようなことをしているわけだ。

 詰まる所、秋人と木乃香はまるで新婚夫婦のような生活を送り、暇があればべたべたとひっついて、周囲の目がなくなった瞬間にはキスを交わしたりしているのだ。

 

 「んっ、ちゅ――はぁ……」

 

 リビングにあるソファに秋人が座って、その膝の上に木乃香が座り、二人は頬を赤く染めながら顔を寄せている。

 触れるだけの、やさしいキス。柔らかい感触を味わい、上唇を唇で噛んで遊び、飽きることなく口づけを交わす。欲求に従いながらも愛情を示すその行為にはまっていたのは二人共だが、特にわかりやすいのが木乃香だ。

 長年溜めこみ続けた恋心が成就し、その反動なのか、彼女は時間の許す限り秋人を離そうとはしない。とにかくぴたりとひっつき、ところ構わずキスをねだる。二人揃って外出しにくいのもそれが原因だった。もっとも木乃香は「見られても構わない」と割り切っているので、外出もいとわないらしいのだが。

 そのため、二人が口づけを交わすのはこれが初めてではない。今となっては毎日、何時間も繰り返している。おかげで二人して唇が荒れたことも一度や二度ではない。

 それでも二人はその行為に飽きもせず、何度も何度も唇を重ね合う。それはこの日も例外ではなかった。

 

 「んっ、んんっ――んむぅ」

 「んっ、はっ――こ、木乃香……」

 「むふぅ、んちゅ――はぁぁ、秋人さぁん……」

 

 ちゅ、と軽い音を立てて離れる唇。それと共に木乃香の目は開かれ、潤んだ瞳が秋人の眼前に現れる。

 これまで何度もその目を見てきたおかげでわかるが、完全に興奮が抑えられない時の目だった。心の中が激しく動き、体をぎゅっと抱きしめても足らず、抱きしめられても足らず、何度もキスをしたところで満たされない。伝えたいだけの愛情が伝えきれない。

 彼女はその溢れそうになった心を、愛情を全身から醸し出し、まだ心臓の鼓動を大きくしたままの秋人に抱きつき、首筋に顔を埋めてぐりぐりと擦りつけるような動きを見せていた。まるで自分の匂いをすりつけようとする猫のようである。

 秋人はそんな木乃香の頭に手を置き、さらさらと柔らかい感触を持つ黒髪を、ゆっくりと撫でた。

 

 「ふぅぅ、うんんっ――秋人さん、秋人さん……」

 「あ、ああ。聞いてるよ」

 「好き、好きやえ、秋人さんのこと大好き――愛してる」

 「……ああ。オレも、同じ気持ちだよ。木乃香のこと、大好きだ」

 「うん――」

 

 我慢できないというように、再び木乃香が動き出し、二人の唇が重なる。

 またしても舌を使わない、体を重ねる時とは違う触れるだけのキスだ。二人は何度も首を傾け、むっちりと唇を押しつけ合い、目を閉じてその感触だけに集中し続けた。

 何度触れあっても足りない。何度体を重ねても足りない。ならばもう何度でもそうするしか、満足する方法などないのだ。

 じゃれあうように口を動かし、愛情を確認し合うために唇を押しつけて、お互いの存在を感じ合う。

 ひどくゆったりとした時間が流れる中で、二人はしばらくそうし続けていた。

 

 「はぁ、ふぅ――秋人さん、もっと――」

 「ちょ、木乃香、ちょっと待て――ん」

 

 息が荒くなっても、酸欠でヤバいと思っても、それでも二人はキスを続ける。唇を一つにして、ただ相手の存在を確かめるために。

 木乃香は秋人の頬をしっかりと掴んで、逃がさないようにと力を込めながらキスをねだった。

 

 「んんっ、ふぅ、ふぅ、んむっ――んちゅ」

 「んっ、むぅ――」

 

 しかしその行為はすでに何十分と繰り返している。そして、それだけで満足できるほど、二人は子供なわけでもない。

 いつしか自然と、木乃香の舌は動き出していた。それもひどく淫らな様子で、快感を求める動きを持って。

 唇を割って出た赤い舌がちろりと伸び、秋人の唇をぺろりと舐める。その瞬間、驚いた秋人が体を震わせるが、逡巡は一瞬のことだった。彼がすぐに自分から口を開けると、焦るような調子で舌が割り込む。

 木乃香の舌は、ひどくゆっくりとした動きで口内を這いまわった。歯を丁寧になぞって、歯ぐきを舐めまわし、舌を絡ませる。淫らなようで、愛情が込められたやさしい動き。木乃香はやさしく、秋人の口内を味わっていった。

 秋人もまた彼女の頭を撫でつつ、それを受け止める。勢いがすごい木乃香を受け入れつつ、お返しをするようにやさしく舌を絡ませるのだ。

 

 「んんっ、ちゅ、はむ――ふぅ、はっ、秋人さん……」

 「ああ――いいよ、木乃香」

 

 一度唇を離した後、木乃香が潤んだ瞳で秋人を見つめると、彼は彼女をぎゅっと抱きしめた。

 あまり多くの言葉はいらない、何を言いたいのかは目を見ればわかるのだから。

 秋人は木乃香の思惑通り、するすると手を伸ばして制服の胸元へ触れる。ふにゅり、と小さな乳房が形を変えることを認識しながら、指は服を脱がすために動いていく。

 ボタンが外され、次々と丁寧に服が取り除かれていき、木乃香の体は裸に近付いていった。その間、彼女は秋人の顔にキスの雨を降らし、額に、頬に、鼻の頭に、瞼に、そして唇や口内に至るまで、あらゆる場所に口をつけて愛情を示す。

 そうして、時間をかけて木乃香の上半身が下着だけになった頃、秋人は自分から木乃香の唇にキスを送り、ねっとりと舌を絡める。彼女はそれを、嬉しそうに頬を緩めながら受け入れていた。

 

 「んっ、ちゅ、んっ――えーっと、木乃香。ここまでやっといてなんだけど、部屋に行こうか。リビングでっていうのも、な」

 「んふふ、たまにはええやんか。大丈夫、ここは秋人さんの家やねんから、どこでえっちしてもかまへんえ」

 「いや、でも――ゴムもないしさ。部屋に行けばあるから、それで――」

 「なぁ秋人さん。それ、前からずっと言おうと思っててんけどな」

 

 やさしく背や腹を撫でる秋人の頭を胸に抱えながら、木乃香が不満そうな声で呟く。頬には控え目ながらも柔らかい感触が触れていた。

 どうやら彼女は秋人の振る舞いを面白く思っていないらしく、どこか拗ねたような姿にも見える。

 

 「コンドーム、いる?」

 「へ? そりゃ、いるだろ。だってあれがなかったら――」

 「うちは秋人さんとの子供、欲しいのに」

 

 言われた瞬間、秋人の顔が真っ赤に染まる。予想もしていなかった言葉を向けられ、羞恥が表に出てしまったようだ。

 子供が欲しい。確かに恋人として愛情表現が豊かで、凄まじく、常日頃から「結婚しよう」と囁かれてはいるが、まさかそんなことまで言われるとは。

 戸惑った秋人はまっすぐ覗きこんでくる目を見ることができず、恥ずかしそうにしながら視線を漂わすのだが、木乃香はそんな彼の頬を掴んで自分の顔を見させ、むっとした表情で告げた。

 

 「うちはずっと待たされっぱなしやえ。秋人さんからの告白待って、結婚してって言ってから答えを待って、いつまで待っとけばいいん? お爺ちゃんもお父様もお母様も、みんなうちらの結婚許してくれてるのに」

 「う……そ、それは、そうだけど――その、大事にしたいと思ってるんだ。木乃香もまだ学生だし、せめて卒業してから――」

 「大事にしてくれてるのは伝わっとるよ。でも、うちは早く答えが欲しい――秋人さん、愛してるって言ってくれたやんか」

 「え、えっと……」

 「それやのに、えっちはしても結婚はしてくれへんし――もう子供作って既成事実作るしかないやんか」

 「いや、そもそもえっちにしたって、木乃香の方から――ああいや、そういうことじゃないよな、うん……」

 

 はぁ、と小さくため息をついた後、秋人は表情を変えて木乃香の目をまっすぐに見つめた。そこには期待が込められた瞳がある。

 彼はようやく覚悟を固めて、小さな声で囁くように言った。

 

 「わかった――木乃香、結婚しよう」

 「え……?」

 「まぁ、その……まわりから急かされてたのもほんとだし、誕生日に言おう、と思ってたんだけど――木乃香がそう望むなら、いつだっていいよ。何度も待たせて、ごめん」

 「……」

 

 木乃香の顔が、ぽすんと秋人の肩に押しつけられる。彼もそれを受け止めて、頭を撫でた。

 シャツが濡れるような感触はしていたが、さすがにそれを指摘するほど、秋人も空気が読めないわけでもない。

 

 「うち、急かしてもうたな――もうちょっとだけ、待っといた方がよかった?」

 「いいさ。それで木乃香が安心するなら」

 「……うん。なぁ秋人さん」

 「ん?」

 「もうちょっとだけ、わがまま言うてもいい?」

 

 頬ずりするように頭が動くと、美しい黒髪がさらりと揺れる。手触りのいいそれは秋人の手の中で愛でられ、秋人は薄く微笑む。

 

 「うちの誕生日に、もう一回、今の言うてくれる? せっかく秋人さんが真剣に考えてくれてたんやし、それに――それが一番嬉しいプレゼントになるから」

 「ああ、わかった。それじゃあ、もうちょっとだけ待ってくれるか? 今度はちゃんと――オレの口から、オレの意思で伝えるから」

 「――うん」

 

 どちらからともなく、再び口づけが交わされる。触れるだけのやさしいキスは、何度も交わしたはずなのに、この時がこれまでで一番幸せな気持ちになった。

 二人はしばらく身動き一つ取らないまま、唇を合わせ続け、ただそれだけで時間を過ごしていた。

 離れた時も、どちらからともなく。ゆっくりと互いの顔が離れていき、再び真っ正面から視線がぶつかる。

 その時に二人は、自然と微笑みを浮かべていた。

 

 「ふふ、楽しみやなぁ。誕生日ももうすぐやし、秋人さんがそんなこと言ってくれるの滅多にないし。うちはもっと言って欲しいのに」

 「う……これでも結構言ってる方だろ」

 「ぜーんぜん足りへんえ。こういうのは何回言っても言い過ぎにはならへんのやから」

 「そう言われても、やっぱり、その……」

 「もう、こんな時だけ恥ずかしがるんやから。えっちする時は平気なくせに――ん」

 

 ちゅっ、と小さな音を立てて軽いキスを送ると、微笑む木乃香はまたぎゅっと秋人に抱きついた。

 彼女はそのまま、やさしく抱き返す秋人に向かって言うのである。

 

 「秋人さん、えっちしよ」

 「あ、ああ――えーっと、ちなみに聞くけど、ゴムは?」

 「そんなんいらんよ、子供作るためのことなんやから。んふふ、結婚するんやったらもうどっちが先でもええやろ?」

 「……順序は大事にって言ってたのは、木乃香じゃ――」

 「ほな秋人さんも脱ごかー。うちが脱がしてあげるえ」

 

 にこにこと上機嫌そうな木乃香の手が動き、秋人の服を脱がせにかかった。フード付きの白いパーカーを脱がし、その下にある黒いシャツも脱がして、無抵抗な彼に向かって赤ん坊をあやすかのような言葉をかけつつ、すぐに下半身を覆うジーンズにも手を伸ばす。

 秋人もまた手を動かして、木乃香の胸を覆っていた下着を取り除き、露わになった小ぶりの胸に触れた。ふにゅりとした柔らかい感触が手の中に納まり、指を動かすと乳房が形を変える。

 木乃香は少しだけ息を荒くし、甘い声を出しながら、ソファに膝をついて秋人の上から退き、彼のジーンズを脱がした。黒い下着の股間部分は、すでに大きく隆起している。

 

 「えへ、おっきなってる」

 「そりゃ、まぁな……木乃香だって、乳首大きくなっ――もがっ」

 「もーややわー秋人さん。そんな恥ずかしいこと言わんといて」

 

 バシッ、と手で秋人の口を塞いだ後、いやんいやんと首を振る木乃香。自分が言うのは平気でも、面と向かって言われるのは恥ずかしいらしい。その照れ隠しの行動で、秋人は窒息しそうになっていたが。

 手を離してから、二人はまたも顔を寄せ、先程のように唇を合わせる。しかし今度は初めから舌を使った愛撫を始めていたのだ。

 小さな水音を発しながら唾液を交換し合い、指でお互いの胸に触れる。特に巧みな動きを見せたのは秋人だった。ツンと立った乳首に指の腹を当て、潰すように強く押したり、二本の指で挟んだりと、休む暇もなく遊んでいる。

 それを受ける木乃香はぴくぴくと体を反応させつつ、尚もキスに没頭しようと舌を深く押し進めた。秋人の口内に、ぬらりとした赤い舌が差しこまれる。

 

 「んんっ、ふむっ、むふぅ」

 「んっ、ふっ」

 

 やさしい力でありながらも荒く動きまわる舌を受ける秋人と、胸を這いまわる手を享受する木乃香。二人はそれぞれの役割をわかっているかのように、息を合わせて動いていた。

 そんな中、秋人の手はゆっくりと木乃香の体を伝って移動していき、スカートとショーツに包まれた尻に到達する。

 木乃香は嬉しそうに身を捩って、それでも口を離さずにそれを受け入れていた。同時に、勃起している秋人の陰茎へと手を触れる。

 その頃になってようやく、二人はキスを中断し、至近距離からお互いの顔を見つめながら口を開く。

 

 「ふわぁ――すごいカチカチやね。もう我慢できへん?」

 「ああ、まぁ――って、あー木乃香さん? いきなり何を――」

 「えへへ、ご奉仕や」

 

 そう語る木乃香はするすると体を下に降ろしていき、ソファから降りて床に座り込むと、秋人の股間に顔を寄せてにこりと笑った。片方の手はやさしい手つきで盛り上がった下着を撫でており、愛らしい顔とは裏腹な淫らな手つきを見せている。

 彼女が言うご奉仕とは、これまでも何度かしたことがある、フェラチオのことだ。

 楽しげに下着をずらしていく木乃香とは対照的に、眉を寄せる秋人はどこか戸惑いがちである。以前は妹のように思っていた少女の痴態を見て、というよりも、大体の場合において彼女がノッている時は全体を通して行為が長くなることを知っているからだろう。今日も一回では満足しそうにない。

 そうこうしている内に、天井を向いてそそり立つ肉棒が解放され、膨れ上がった亀頭にちゅっと口づけが送られる。木乃香はすでにそれを握り、竿を強く扱いている。

 

 「秋人さん、気持ちええ?」

 「あ、ああ。それはいいけどさ、木乃香――あんまり何時間もするのはやめような。その、明日もあるわけだし」

 「大丈夫やって。うちらまだ若いんやから――んっ、むっ」

 「それはまぁそうだけど――うっ」

 

 伸ばされた舌が亀頭に触れ、思わず声が洩れる。さらにちろちろと舌先が動き始めると、与えられる快感はさらに高まっていく。

 木乃香の動きは巧みとは言い難い、まだ発展途上の段階だった。快感を得るには十分だが、そのまま射精をするにはまだ惜しい。

 しかし頭がよく、要領を掴むのが上手い彼女はその技術をどんどん向上させており、初めてやってみた時よりも格段に上達していたのだ。

 舌が陰茎を這いまわる度、秋人は小さな声を洩らして、快感に表情を歪める。木乃香はそれを、幸せそうに見つめていた。

 

 「んっ、ふっ、ちゅ――秋人さん、かわええなぁ。こういう時だけは子供みたいな顔してる」

 「うっ、はぁ――そりゃどうも……」

 「えへへ――ん」

 

 ぴちゃぴちゃと音を立てながら、先端から根元まで丹念に舐められていく。やさしい動きは丁寧で、確かな快感を与えてくるが、同時にじれったいような感覚だけが溜まっていった。

 思わず秋人は歯を食いしばり、呼吸を乱しながら木乃香の頭に手を置いていた。

 すると陰茎のすべてに舌が這わされ、唾液にまみれるようになった頃、木乃香は口を開けて亀頭を銜えこんだ。舌が淫らに絡みつき、頬の裏側が突かれて大きく膨らむ。

 堪らず、秋人は声を震わせた。

 

 「あっ――この、か……それは、やばっ」

 「んんー、んふぅー、んろぉ――」

 

 頬をすぼめて頭を小刻みに振り、淡い快感を与える木乃香は目を閉じていた。行為に集中するためである。

 されている秋人もまた目を閉じ、されるがままを受け止めて荒く呼吸を繰り返すばかり。二人の位置関係もあって、反撃することすらできずにいる。

 口淫は続き、静かな室内に小さな水音だけが響く。

 しかしそれが終わった時、まだ秋人は達しておらず、生殺しのような状態で陰茎を解放された。眉をひそめて辛そうな表情になる秋人とは対照的に、木乃香は片手に陰茎を握りながら笑顔だ。

 

 「はっ、くぅ、はぁ――こ、木乃香……終わりか?」

 「うん。うちもいっしょに気持ちよくなりたいから――秋人さん、お願いできる?」

 「あ、ああ、いいよ――おいで」

 「ん」

 

 ぽすんと広げられた腕の中に飛び込み、服を着ていない二人の胸が合わさった。

 そこから二人の役割は変わり、木乃香はただ秋人の首筋に舌を這わせるばかりで、今度は秋人の手が木乃香の体を這いまわった。

 小ぶりの乳房を撫で、細い腰や腹を伝っていき、まだ制服のスカートに包まれている足元に触れる。成熟しきっていない太ももを撫でながら上に進むと、ショーツを履いたままの小さな尻に到達した。

 動きはひどくゆったりで、焦らすかのような速度だった。やさしい、と表現することもできるが、どうしても物足りなさが消えない動きだ。

 おかげで木乃香はやさしく触れられる度、体を小さく震わせながら感じ、もっと触れられたいと心を揺らす。

 ついにショーツ越しに大事な部分が触られたのは、そんな時だった。

 

 「はぁん! んっ……」

 「濡れてる――もう、辛そうだな」

 「んんっ、そんなん、言わんとってぇ……」

 

 割れ目に沿うように指を動かし、指の腹で撫で、ぎゅっと抱きついてくる木乃香を抱きとめる。そうしている秋人自身も辛い状態だが、焦ることなく愛撫を続ける。本当は今すぐ押し倒したいような衝動を抑えて。

 垂れ落ちるほど液体を吸ったショーツはもはや本来の用途を果たしておらず、これ以上ないほどに濡れている。そこで秋人は両手を使って、木乃香の下半身からショーツだけを抜き取った。秘部はスカートに隠されたままだが、これで直接触れることができる。

 そこに指が触れた途端、くちゅりと音が鳴ったせいで、木乃香は思わず顔を真っ赤にした。秋人の首筋に顔を埋めていたせいでバレていないかもしれないが、少し震えてしまったせいで、彼女をよく知る秋人にはバレているかもしれない。

 秋人の呟きが耳に届く。

 

 「うわ、すごいな――こんなに濡れてる」

 「んんんっ」

 「痛ッ、か、噛むなって。わかった、もう言わないから」

 「んっ、ふっ――」

 

 木乃香が首筋を舐める一方で、彼女の秘所はゆっくりと表面を撫でられていく。触れてほしい場所はすぐに通り過ぎてあまり触れられず、もどかしさがどんどん溜まる。

 早く奥に触れてほしい。指を入れて、感じさせてほしい。言葉にはできないだけで、叫びたいほどの想いが心の中を揺さぶった。

 木乃香の呼吸はどんどん荒くなり、首筋に甘噛みして口を塞いでいなければ、蕩けた声を出しそうなほどだ。

 その時、秋人の指が、木乃香の膣へと挿しこまれる。

 

 「んっ――!」

 

 びくりと背が震え、思わず声が洩れた。しかし先程の強い噛みつきから学習した秋人は何も言わず、焦ることなく奥へ進んでいく。

 自身の体液で濡れているそこはひどく熱くて、押し進む指を絡め取るかのような動きが絶えず行われて、秋人が動かずとも独りでに動いているかのようだった。

 それでも秋人は指を前後させ、すでに準備が整っているそこをほぐし始める。その度に小さな水音が鳴って、沈黙に包まれる部屋の中ではよく聞こえた。

 同時に、木乃香の恥ずかしそうな声も響いている。

 

 「んっ、ふっ、ふぅ――んんんっ」

 「はぁ、木乃香――可愛いよ」

 「んんっ、やぁっ」

 

 さらに強く抱きついてくる木乃香をそのままに、片手は尻を揉みしだき、片手は膣内を弄る動きが続けられる。

 二人共余裕がない中で、しつこいくらいの愛撫だった。そのせいでお互いの気分は際限すらなく高まっていき、やがて二人は視線を合わせて、キスを始める。

 その一方で、木乃香の膣から指が引き抜かれ、代わりに入り口にはグロテスクなほどに肥大した亀頭が当てられた。

 

 「んっ、むぅっ、ふむっ」

 「んっ、ふっ、ふぅっ」

 

 挿入が始められたのは、両者が意思を合わせて動いた結果によるものだ。

 秋人が片手を使って狙いを定めながら腰を上げると同時、木乃香もまた腰を降ろしてそれを受け入れようと動く。言葉もなく、ただ目を合わせただけの行動により、二人の肉体は一つになった。

 ずぶりと入りこむ陰茎が、ゆっくりと肉の壁を押し上げながら奥へと進み、やがて一番奥まで届く。根元まで入れられないのは、体のサイズに違いがあるせいかもしれない。

 しかしそんなこと、二人にとっては些細なものだった。包みこむような熱い膣内はぐねぐねと動き続け、力強く入った亀頭は木乃香の体を内部から支配するかのように、熱を持ったまま凄まじい刺激を与えていく。

 すぐに彼らは快楽の中に埋没していき、ソファに座ったまま正面から抱き合い、そのままの体勢で腰を動かす。

 

 「はぁっ、はぁっ、木乃香、気持ちいい――」

 「うんんっ、あぁっ、んっ、んっ――」

 

 膣の中で陰茎を動かして快楽を貪りながら、秋人の口が木乃香の乳房に触れる。ツンと立ったままの乳首を口内に含み、強く吸いつきながら舌で刺激を与えたのだ。

 

 「んんっ」

 

 木乃香の体はまた大きく跳ね、それに合わせて腰の動きも大きくなる。

 一定のリズムを保って行われる行為は時間をかけて行われ、二人は挿入してからも焦りを見せずに動き、できるだけ長く繋がっていられるようにリズムを崩そうとはしなかった。その一方で秋人は木乃香の胸を弄ったり、尻を掴んだりと動きに変動を見せている。

 二人が繋がってから、どれほど経った後だろうか。

 玉のような汗を掻きながら、絶頂を目前にして尚動き続ける二人はついにリズムを速め、ラストスパートに差しかかる。

 その瞬間に、秋人は木乃香の軽い体をソファへと押し倒し、上からのしかかって突き始めた。されるがままだった木乃香も、大きな声を出しながらそれを受け入れている。

 

 「んあぁっ、んっ、んんっ、ひゃんんっ――」

 「あっ、くぅ、木乃香――」

 「あっ、あっ、あきと、さ――」

 

 舌足らずな声と共によだれが垂れ落ち、木乃香の限界は目の前に差しかかっていた。それに合わせようと考える秋人も必死に動き、彼女の体をすべて感じて、限界へ辿りつこうとしていた。

 二人の息遣いがぴったり重なり、唇が重ねられる。舌を重ねながら、乳房が揉まれ、腰の動きもまたぴったりと合わさっていた。

 そして再びキスが終わった時、限界を告げる秋人の声が囁かれた。

 

 「くぅ、もう、やばい……で、出そう――うわっ」

 

 秋人が限界を告げたその瞬間、木乃香の両足がにゅっと動いて、がっしりと彼の腰を固定した。

 まるで、逃しはしない、と言わんばかりの動きである。

 そのせいで秋人はかなり驚き、思わず木乃香の顔を見て抗議しようとするのだが、その頃には彼女はすでに蕩けた顔を微笑ませながら、彼の唇を奪おうと首に腕を回していた。

 

 「ちょ、木乃香、待っ――んむっ」

 「んっ、ちゅ、ふぅんっ――」

 

 舌が絡まり合い、声すら出せぬ状態でも腰は動き続けており、最後の階段を昇っていく。

 そして二人が息を合わせて限界へ達した時、タイミングを見計らっていた木乃香の両足は秋人の尻をぐっと引きよせ、射精するその瞬間に自分の最奥へと亀頭を押しつけた。

 

 「んんっ、ふっ、んんぅ――!」

 「んんんっ、んんんぅ――はぁぁっ」

 

 結局、吐き出される精液はすべて膣内に納められ、たとえ秋人が抵抗しようと体に力を込めようとも、どくどくと脈動する陰茎が止まるまで結合が解かれることはなかった。

 絶頂後の余韻を楽しみ、同時に体内にある愛しい男の子種を感じる木乃香は幸せそうに微笑み、ぎゅっと抱きしめる秋人を離さず、しつこいくらいに彼の口内に舌を這わせた。

 だが逆に、口を離してもらえない秋人は顔を青ざめさせ、膣内に出してしまっただとか、混乱して呼吸が出来ずに苦しいとか、違う意味での限界を迎えそうになっている。

 二人が唇を離した時、秋人はようやく息が出来たとばかりに荒く呼吸を繰り返し、木乃香は緩んだ頬もそのままに小さな笑い声をこぼしていた。

 

 「ハァ、ハァ……こ、木乃香、おまえ――な、なかに……」

 「はぁぁ、気持ちよかった――これ、すごい気持ちええなぁ。えへへ、秋人さん、これからはずっとこうしよなぁ。気持ちよかったし、なんや幸せな気持ちになれるんやえー」

 「こ、これからって――ず、ずっと?」

 「うん、ずっと――はぁー、もっとはよからやっとけばよかったなぁ。赤ちゃんもできるし、気持ちええし、一石二鳥や」

 

 すっと木乃香の両腕が伸ばされ、また秋人の顔が強く引き寄せられる。直後にはまた二人の唇が触れあい、少しすると軽い音を立てて離れていった。

 間近で見る彼女の笑顔はとても輝いていて、もはや文句を言うことすらはばかれるような姿である。

 これまで長年、それこそ幼少期の頃から待たせ続けてきたという負い目もあって、秋人はそれ以上何も言えず、最終的には自身も微笑みを浮かべて納得することにした。

 確かにまわりから色々と言われ、せっつかれたという事実はあった。しかし彼女を選んで、恋人になり、期待に応えて結婚しようと思ったのは自分の意思なのだ。

 その笑顔を壊してまで伝えるようなことではない。そう思う秋人は自分から体を倒し、木乃香へキスを送った。

 すると彼女はやはり、嬉しそうに笑うのだ。

 

 「えへへ、秋人さん、愛してるえー」

 「あーはいはい、よくわかってるよ」

 「むぅ、秋人さんは? うちのこと、どう思ってるん?」

 「そりゃ――オレも、あ、愛してる、よ」

 「もーなんでここで照れるかなぁ。うちのあそこ触って『濡れてるよ』とかすぐ言えるくせに」

 「うっ、いや、それとこれとはまた別物で――」

 

 汗にまみれた体を重ね合って、べたべたと体をひっつけながら語り合う二人。

 その姿はまさに幸せいっぱいに見えた。

 

 「好きだよ、木乃香。愛してる」

 「えへへ、うちもやえー」

 

 だからこそ二人は仲の良い人、さほど近しくない人、家族以外の人々から言われてしまうのである。

 わりと切実に、リア充爆発しろ、と。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 ある休日のこと。二人は海へやってきていた。

 普段デートなんてあまりしないから、と秋人の方から誘って、ただのんびりとするためだけの小旅行だ。

 とはいえ、季節的にも泳ぐような感じでもない。観光地を巡って、美味しい物を食べて、散歩しながらなんでもない話をする、それだけの時間。しかしその時間を、木乃香はずいぶんと楽しんでいた。

 そして夕暮れが近付き、誰もいない海の傍、岩礁がある場所にやってきた秋人と木乃香は、人目から忍ぶかのように岩陰に隠れ、口づけを交わしていたのである。

 これもまたいつものように、戸惑う秋人を木乃香が誘ったからだった。

 

 「んっ、ちゅ――はっ。今さらだけど木乃香って、よくキスしてくるよな――キス魔?」

 「んー、そうかな? でもええやんか。秋人さんも嫌じゃないやろ?」

 「まぁな。ただ、あれだぞ? 唇が荒れるまでっていうのはさすがに――」

 「気をつけてるから大丈夫――んっ」

 

 この日だけでも何度目かはわからないが、再び木乃香から秋人へキスが送られる。彼もそれを受け止めた。

 いつ誰にバレるのやも知れない場所での口付けである。当然のように秋人は抗議を送り、せめて宿に帰ってから、と諭してみたりもしたのだが、結局は彼女に勝てずにそうしている。

 おまけに木乃香の両腕は怪しげな動作を見せており、これから何が始められるか予想するのも困難ではない。だからこそ秋人は小さなため息をついて、自分の体を這いまわる手を無視して、彼女を抱きしめて頭を撫でながら呟く。

 

 「なんていうか、いつの間にか木乃香もずいぶんエロくなってきた――痛ッ」

 「ややわー秋人さん、女の子にそんなこと言うたらあかんえ」

 「……否定はしないんだな――痛ッ」

 「もーそんなん言わんとって。それを言うたら、秋人さんだってえっちなこと好きやんか」

 「いや……そりゃまぁ、なぁ」

 

 服越しにとはいえ、お互いの体をまさぐりながら、熱烈なキスを野外で繰り返す秋人と木乃香。彼らは服を脱ぐことなく、少しだけずらしながら、お互いに刺激を与えていき、外で行為を始めようとしていた。

 

 「こんなとこでなんて――バレても知らないぞ?」

 「大丈夫やって。ここやったらまわりから見えへんし――ちょっと刺激的で、マンネリ化を防ぐにはちょうどええやんか」

 「……それにしたって、いきなり難易度が高すぎるような――うっ」

 「んふふ、おっきぃ……」

 

 チャックを開けて、間から取り出した肉棒に頬ずりしつつ、そう呟く木乃香の先導によって行為は始められ、二人は一通りをそこで行った。

 外で始めてしまった彼らは、最後まで誰かにバレることなく事を終えることができた。といってもそれはそもそもの旅行先があまり人気のない場所だったことに加えて、木乃香の護衛役として隠れてついてきていた少女が、周囲に“人払いの結界”なるものを作っていたせいでもある。

 もっとも、彼女も他者が近寄らないそこで静かに自分の体に指を這わせ、愛しあう二人の姿を覗き見しながら自慰などしていたのだが。

 

 「あぁっ、お嬢様、秋人さんのものを、あんなに……!」

 

 結局この後、一人で絶頂して呆けているところを発見された少女、刹那もまた二人に連れられて同じ宿に帰り、一夜を三人で過ごしたことによって、愛妻公認の愛人が生まれたとかなんとかという話があるらしいのだが。

 それはまた別の話。

 

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