※この作品はR-18です。

蛇獣書房   作:ヘビとマングース

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Fateのstay nightです。ただしシリアスなんてものは存在せず、ふざけた上にふざけたような作品です。サーヴァントの女体化あり。
ただ一つ重要なのは、作者はジョージの声がするネコ的な生物に惚れてしまったためにこれを書いたということ。
そのネコとオリ主が存在してしまったために、原作のシリアスがぶち殺されてしまったのです。


英霊に好かれる男(Fate/stay night・セイバー)

 その男は人間として、魔術師として、誰にも真似できないような才能を持っていた。

 アベレージ・ワンに届くはずもなく、贋作の剣を投影する固有結界を持つわけでもなく、どころか基礎性能ですら並にもなれない、魔術師としては完全なポンコツ。もう目も当てられないほどに何もできない人間である。

 しかし人間には誰しも一つは才能というものがあるようで、彼の場合それはかなり特殊すぎたが、確かに自分だけの力があった。それは、常識を軽んじる膨大な魔力と、なぜかは知らないがサーヴァントという特殊な存在に愛されて仕方ないということにある。

 そのせいで現在、本来ならば五度目となる聖杯戦争が始まり、奇跡の遺物をめぐる戦いが繰り広げられようとしたその期間を、ひどく混沌とした状況に変える程度の力は持っていたのだ。

 剣の英霊に会えば、まず一言目に「私の妻になってください」と求愛され、それからは男なのに「妻」として扱われ。

 槍の英霊に会えば、やけに親しげな態度で「俺の苦労をわかってくれんのはおまえだけだよ、相棒」と告げられ、出会った瞬間から「親友」として見られ。

 弓の英霊に会えば、まるで弟を見るかのような目で見つめられて「まったく、君は本当に目が離せない男だな」と、妙に生き生きと「弟」として世話を焼かれ。

 騎乗の英霊に会えば、メガネの奥にある目をぎゅぴーんと光らせながら「……かわいい」と言われ、姿を見せた瞬間には「獲物」として追われ。

 魔術師の英霊に会えば、やさしい微笑みと共に「あなた、うちの養子にならない?」と誘われ、全く望んでいないのに「義理の息子」のように手を引かれ。

 狂戦士の英霊に会えば、ひどく怖い顔を向けられながらよくわからない言葉を向けられ、まるで「友達」にそうするように頭を撫でられ。

 暗殺者の英霊に会えば、甘いマスクに笑みを称えながら「あの女に代わって、我が主にならんか?」と頼まれ、理由も告げられずに「主」に認定され。

 そして英雄王を自称する存在に会えば、嬉々とした調子で「我(おれ)の配下にしてやろう」と捕まえられ、言葉通り「配下」として思うがままに連れ回され。

 それはもう、古くに作られた聖杯戦争、そのルールがすべて崩壊する事態に陥り、さらにはサーヴァントを召喚したマスターたちが軒並み蚊帳の外に置かれ、聖杯なんてそっちのけで一人の男の取り合いが始まっていたりするのである。

 聖杯戦争を監督する役目に立つ男はこう言う。「我が息子、なんという愉悦」と、ひどく楽しそうに。

 そしてその監督の義理の息子、とある災害で拾われた男は言うのだ。「最近、幸せなのか不幸なのかわからない」と。

 これは聖杯戦争を根底から破壊した、とある男子高校生の異常な日常。全く理由がわからないのに、すべてのサーヴァントから例外なく異常なほど愛される物語である。

 それと同時に、件の男に「同じ匂いを感じる」と言って呼んでもいないのに姿を現した彼のサーヴァント、なんか灰色のネコ的なナマモノは、彼の義理の父である神父とやけに似ている渋い声で語り、たびたび彼と絡んでいく。

 

 「んー、相変わらずの不幸の香り……苦労してるようだにゃあ。さすがは混沌属性、バッドキャット科のボーイ、そして我が同志。いまだかつてこれほど異常な奴らに囲まれた人間が――いや、いたなぁ、そういえば。死神系の黒ぶちメガネとか。ふむ、君もぜひとも彼のように強く生きてもらいたいにゃあ。ぶっちゃけ両方ともどうあがいてもバッドエンドだけど――まぁとりあえず少年、これから吾輩のように強く勇ましい姿でカッコよく生きていくためにも、共に煮干しでもいかがかな?」

 

 ともかく、煙草を銜えながら二本足で歩き、やけに渋く話すネコ的なナマモノが平気で町を闊歩する程度には、冬木市という場所は混沌に包まれていたようだ。

 

 「あと、そろそろ吾輩専用の新しいエンディング絵が欲しいのにゃが、君、絵とか描ける人? できれば吾輩が選別する嫁たち(マイディアー)に囲まれウハウハな感じのものが望ましいのにゃが――え? 無理? ですよねー」

 

 

 

 ◆

 

 

 

 冬休みに入ってからというもの、言峰誠義は毎日が危険と隣り合わせの生活を送っていた。

 それはなぜか、と問われてしまうと説明が難しいのだが、ともかくなんだか貞操の危機がすぐ傍にあるような気がしてならないのである。逆にいえば、目下のところ感じている危機は貞操に関することのみである。

 例えば、肌寒い空気が漂いながらも、晴れ渡る空が鮮やかな青を見せるある日の朝。

 義父が住む教会から追い出され、「なんだか面白いことがありそうだから一人暮らしをしなさい」と言われるがままにあらかじめ用意されていた一軒家に移り住んだ誠義は、いつものようにエプロンをつけてキッチンに立っていた。自分の手で朝食を作るためである。

 コンロに火をつけ、フライパンで卵やソーセージを焼きながら、サラダを用意しようと手を動かす。その動きはわりと手慣れた様子で、男にしては上出来な様子だ。

 それはいつもの光景である。ただしこの日、いつも通りではなかったのは、すべては彼女が存在したからに他ならない。

 ちゃっかりとキッチン近くにあるテーブルに座り、じっとその背中に熱い視線を送る少女がいたのだ。

 

 「――鼻血が出そうです」

 「なんですか突然ッ!? 一体何を、どこを見ればそんな発言がッ!?」

 

 その少女、結った金髪が映え、小柄でありながらも整った容姿のおかげで聖女のようにも思える存在、セイバーは頬を赤らめながらそう呟いた。とても美しい外見をすべて台無しにしてしまうかのような発言である。

 あまりにも突然過ぎる発言に驚いた誠義は思わず体を震わせ、慌てた調子で背後を振り返り、感情のままに絶叫する。やはり尻のあたりに感じていた視線は勘違いじゃなかった、と想いながら。

 普通というものを考えれば、その光景はおかしなものだっただろう。男がキッチンに立って料理をし、女はその後ろ姿をただ見守り、セクハラまがいの発言すら送る。普通ならば考えられない異常によって誠義が怯えるのも無理はない。

 

 「いえ、お気になさらず。ただ少しだけ――感情がとめどなく溢れ出て、思わず手を出してしまいそうになっただけです」

 「いやいや、それを気にしないなんて無理に決まってるでしょ!? 僕、抱かれる寸前だったんですか今!? どこでそんな風に思える部分があったんですか!? やめてくださいよ、食事前に!」

 「わかりました。では、食事の後に」

 「はぁ、よかった、わかってくれたんならそれで――って食事の後でもダメですよ!?」

 

 これが、近頃の彼を悩ませる要因の一つである。

 ほんの数日前、たまたま出会ってしまったサーヴァントと呼ばれる外国人らしき人々に好かれてしまった誠義は、初対面のはずのその人たちから熱烈な好意を向けられ、粘着質なほどにつき纏われているのである。

 この日は、早朝から家にやってきて、にこにこと愛らしい笑顔で彼に会いに来たセイバーに悩まされている。彼女は嬉しくて仕方ないとばかりに頬を緩め、騎士としての外見すら投げ捨てて、ただ愛する妻への愛情を示すことに精一杯になっているらしい。

 例えばその愛情を伝える方法も一つではなく、視線で愛でる、言葉で好意を伝える、直接体にわからせる、と様々な手段が用いられる。こうして朝早くから顔を合わし、何かをするわけでもなく一日中べたべたとするのも初めてではない。

 それだけに、初めはただ怯えて言われるがままだった誠義もようやく自分の意見を表すことができるようになっていた。声を張ってツッコミを入れるのもその証だ。

 もっとも、結局は出会うサーヴァントすべてに押し切られ、されるがままになっているのだから別段意味があることとも思えないのだが。

 

 「むぅ、セイギはわがままですね。あれもだめ、これもだめと、少しも私のしたいことをさせてくれない――それではいい妻になれませんよ?」

 「いやだから、妻って、普通は逆でしょう。僕は男だし、セイバーさんは女の子なんだから、どちらかと言えば絶対セイバーさんが妻にならなきゃおかしい――っていうかそもそも付き合ってすらないんだから結婚してるような感じがおかしいんじゃ――」

 「というわけで、今日は素直じゃないセイギを良き妻とするために教育しに来ました。さぁ、さっそく始めましょうか――もう我慢できませんので」

 「あぁ、やっぱり聞いてない!? 僕の言うことがほとんど聞かれてない!? まぁこれまでもずっとそうだったけど!」

 「ではさっそく」

 

 今日も今日とて、力ずくでキッチンの中であっさりと押し倒された誠義は腹の上に乗るセイバーを振り切ることもできず、抵抗する間もなく首筋に舌を這わせられる。たったそれだけで、彼のスイッチも入ってしまったようだ。

 魔術師、と呼ばれる存在であっても、彼が童貞を卒業したばかりの高校生であることに変わりはない。今にも性交を始めようとしている女体を前に、じたばたと暴れて中断されるのは嫌だった。露わになった首筋にちろりと舌を這わされ、Tシャツの裾から冷たい手が差しこまれると、誠義はぎゅっと目を閉じながらも抵抗しようとはしていない。

 しかも相手は可憐な美少女で、自分を妻として見ているせいで非常にやさしい愛撫をしてくれる相手だ。断じてどこかのサーヴァントのように、興奮に押し切られて無理やり、などということもない。その点でも安心できる相手だった。

 するすると裾をまくり上げて、されるがままに誠義の服は脱がされていく。上半身が裸になると今度は下半身に手が伸び、下着と同時にズボンが降ろされ、すでに勃起しかけている陰茎が露わになる。微笑むセイバーに見られながら、誠義は完全に裸になったのである。

 しかし対するセイバーは服を脱ごうとはせず、その前にまず裸に剥いた彼の体を楽しみたいようだった。首筋に触れていたはずの唇は誠義の唇の上に移動していて、力を込めて閉じるそこを舌でこじ開け、その奥を舌先で刺激し始める。すぐに二人の唾液が混じり合い、セイバーはそれをすすり取ろうと音を鳴らした。

 小さな水音が合わさった唇の隙間から聞こえる一方、セイバーの女の子らしい小さな手は這いまわるようにして誠義の体へ触れていた。薄く筋肉がつきながらも、男らしいと称するほどではない胸や腹に指先だけが軽く触れ、今にも離れそうな感触でゆっくりと移動する。完全に焦らそうとするような動きだ。

 もう片方の手はすでに下半身へ伸びていて、キスを続けるだけで見る見るうちに大きくなる陰茎へ触れ、触れるか触れないかという弱弱しい感触を彼へ与えている。それが誠義にとっては非常にもどかしく、触れるのならもっと強く触れてほしい、と思うような感覚だった。

 セイバーの振る舞いはまさしく男のそれで、逆に現在の誠義の姿は女のそれに近かった。すっかり男女が逆転してしまった二人はいつも通りの体勢で事に臨むのである。

 

 「んんっ、ふっ――せ、セイバー、さんっ……」

 「ふふ、セイギは可愛いですね。もっと鳴いてください、私の手で――」

 

 非常にゆったりとした動きで陰茎の竿が掴まれ、上下に扱き始められる。速度は遅すぎるほどで、あまり力が込められていない手つきだった。

 舌での愛撫も続けられており、言葉を言い終えてすぐに再開されたキスは尚も深いものだ。丹念すぎるほどに舌先が歯ぐきや歯列をなぞって動き、執拗なまでに彼の舌を絡め取る。しつこいほどの愛撫であった。

 すでに誠義の方は準備が万端なのだ。もういつでも本番を迎えられるほど、彼の陰茎は固くそそり立っている。亀頭はパンパンに膨れ上がり、びくびくと震えるのは暴発する恐れがあるようにすら見えた。

 にも関わらず、セイバーは愛情をこめて入念に愛撫を施す。どうやら彼女の目的は焦らすことよりも誠義を傷つけないことらしく、必要以上に時間をかけているのもそのためのようだ。

 しかしあまりにも大切に扱われ過ぎては、辛いのは誠義の方であった。もう早く挿入したい、気付けば誠義は表情や肉棒の動作だけでなく、甘えるような声色で言葉にして伝えようとしているほどである。

 

 「あっ、んっ、セイバーさん――もう、い、いれさせてくださいっ。もう我慢できないぃ……」

 「おや、もうですか? ふふっ、相変わらずこらえ性がないですねセイギ――いいでしょう。妻の望みを叶えるのも夫の勤め。あなたの肉欲、私の体で解消させてあげます」

 

 そう言ってスカートの下から純白の下着を抜きとったセイバーは、誠義の体を跨いで立つ。そして自らの両手でスカートをまくりあげると、挑発するように真下にいる誠義へ見せつけた。

 ごくり、と興奮から息を呑む音がする。誠義の目はあっさりと彼女の下半身へ注がれ、顔を赤らめながら呼吸を荒くしている。すっかり場の雰囲気に呑まれている様子であった。

 結局はいつも通り、セイバーの意思のままに行為を進めた二人はすぐにも腰の位置を合わせ、どちらからともなく結合を開始する。セイバーがゆっくりと腰を降ろすことで、その真下にあるガチガチになった肉棒がずるずると膣の中へ入り込んだ。

 一番奥へ辿りつくまで、非常にゆっくりと腰が降ろされ、その感触を楽しむセイバーは安堵したように小さく息を吐いた。瞳は潤みながらも嬉しそうで、表情も普段の凛とした雰囲気を失っている。

 その状態で、セイバーは自ら腰を振って誠義を責め始めた。嬉しそうに動く膣内がまるで別の意思を持っているかのようであり、そこへ上下左右に動きが加えられる。

 

 「うぅ、はぁ……せ、セイバーさん……」

 「うっ、ふぅ。ふふふ、気持ちいいですかセイギ? とてもいい顔をしていますよ。すごく――そそられます」

 

 最初はゆっくりと、しかし誠義の表情が切なげなものになるとどんどん速度を増していく。興奮しているのは押し倒された誠義ばかりではなく、彼を心から愛しているセイバーも同じだ。

 裸の胸に手を置き、じっとりを汗を掻いて白いシャツを濡らしながら、笑顔を浮かべるセイバーは丹念に腰を振った。単調に上下させるだけでなく、腰をくねらせて角度を変えたり、お互いが感じられる場所を探るように動きを変え続けている。

 そうして数分もすれば、こらえ性がないらしい誠義はどんどん喘ぎ声を大きくしていき、足や腕をピンと伸ばしながら限界を訴えた。その際にセイバーの体を押しのけるような動作は見せず、あくまでも大人しく抱かれるままの姿である。

 

 「あっ、せ、セイバーさん、もう無理です……い、イキそうっ」

 「はぁっ、ふぅっ――もうですか? まったく、相変わらず早いんですから……ふふ、でもいいでしょう。いつでも好きにイッてください。私はそういうあなたも愛していますから――」

 

 セイバーの動きの速度がさらに加速し、叩きつけるようなものに変わる。肉がぶつかり合う音が大きく鳴り響き、キッチンの床だというのに体液を撒き散らし、喘ぎ声が室内に広がる。

 興奮した面持ちのセイバーに犯され、誠義はあっという間に射精へと至った。膣内に肉棒を銜えこんだままであったため、子宮口へ叩きつけられるように精液が撒き散らされる。勢いが強いために逆流した精液が膣口から溢れだし、誠義の股の間を通って床へ落ちる。

 すべてを受け取ったセイバーは背を逸らしながらもぶるりと体を震わせ、より一層笑みを深めた。体内にバシャバシャとぶちまけられる体液の熱を感じるだけで、彼女の中に溜まる快感もさらに高まっていくようだ。

 射精している間も腰を動かしていたせいで、二人の周囲は見事に溢れ出た体液で濡れてしまい、普段の姿が失せるほどに汚されている。その中で横たわる誠義は安堵したように表情を緩め、全身を脱力させていた。

 しかしまだ軽くしか達しておらず、このままでは終われないセイバーはほんの少しの休憩の後、尚も腰を動かし始めた。混ざり合った体液がじゅぷじゅぷと音を立て、膣内が掻きまわされたことにより、またも精液が溢れだしてくる。

 朝っぱらから行うにしては中々ハードな光景であった。

 

 「うぅ、うっ、セイバーさん、も、もういいでしょう? さ、さっき僕といっしょにイッてたんじゃ――」

 「まだですよセイギ。今のはほんの序の口です。これからもっと、たっぷりと可愛がってあげますよ」

 

 上体を倒し、胸を合わせた状態で腰を振りながら、セイバーは誠義の首筋に舌を這わせ始めた。赤い色のそれがちろりと動き、艶めかしい様子で彼の肌の上を走る。

 今度は非常にゆったりとした動きで、徐々に感度を高めていくような動きだった。二人の体液が混じり合う膣内に何度も肉棒が押し込められ、内部を掻きまわして出入りを繰り返す。愛がこめられたやさしい動きである。

 絶頂を感じたばかりでまだ息を整えることすらできていない誠義は、この一方的な責めに耐えるように歯を食いしばり、ひたすら声を押し殺すだけだった。彼から動いてセイバーを責めるような、そんな意思を見せることすらできていない。

 しかしセイバーからしてみれば、そんな彼の態度こそ最高と称することのできるものなのだ。一国の王であり、騎士であり、夫である自分が妻である彼を悦ばせる。これこそ性交の醍醐味なのだから。

 ずいぶんと前から気分を良くしている彼女は己が持つ技術のすべてを用い、誠義をイカせることに全身全霊で取り組んだ。両手を怪しく動かして乳首を抓ったり口に指を突っ込んだり、舌を使ってあらゆる場所を舐めながら、艶めかしく腰をくねらせて肉棒を刺激することで。

 何度も絶頂へ辿り着きそうになり、しかし何度も耐えた末、二人の行為は非常にねっとりと事が進んだ。そして、三十分が過ぎた頃。ようやく我慢が利かなくなった誠義が根を上げる。

 汗だくになって喘ぐ彼は懇願するようにセイバーへ抱きつき、それを嬉しそうに受け止めたセイバーは汗で濡れたシャツを脱ぎ棄てながら、応えるように両者の舌を絡ませた。

 

 「んっ、ふっ、むっ――セイギ、もうイキそうですか? それなら、また出して下さい。また私の膣内に、あなたの子種をたっぷりと」

 「あぁっ、セイバーさんっ」

 「ふふ、ええ、いいですよ。さぁ来て下さい、私の膣内へ――」

 

 彼女の呟きの直後、我慢をやめた誠義はまたも射精を始める。先程よりも量は少ないが、勢いは治まる様子の無いものである。

 肉棒が何度か律動を繰り返し、セイバーの膣内を汚すと、うっとりと頬を染めた彼女が甘い吐息を洩らす。そのまま力を抜いて体を重ね合い、疲れた様子で抱き合って目を閉じる。

 しばらくは静かにしていた二人だが、ある時誠義がふと気付いた。彼の尻は二人分の大量の体液で濡れており、つまりは床がそれほどの範囲で汚れているということである。そしてその場は彼が一人で住む家だ。

 掃除は自分でしなければならない。おまけに朝食の準備を邪魔されたものだから、せっかく作った料理もすっかり冷えてしまったことだろう。ようやくそのことに気付いて小さくため息をこぼすと、目ざとく気付いたセイバーがむっと眉根を寄せた。

 自分に抱かれながらなぜ不満そうなんだ、と伝えるかのような表情。セイバーはその顔のままで、詰問するように誠義へ声をかける。その声色にも納得いかない様子がありありと込められていた。

 

 「セイギ、なぜそんなに嫌そうな顔をしているのですか? あれほど気持ちよさそうだったというのに、まだ物足りないことがあるとでも?」

 「ち、違いますよ。ただ、ほら……こんなに汚して、また僕が掃除しなきゃいけないじゃないですか」

 「む、それはまぁ……申し訳ないことをしたとは思います。しかし、セイギが私を誘うように尻を振るからいけないのであって――」

 「振ってなんかいません、一度だって!」

 

 不満げな顔の誠義と、謝る気がなさそうなセイバーであったが、そこに漂っている雰囲気は決して悪いものではない。むしろそれが当たり前というような、ひどく和やかな雰囲気であった。

 出会ってからまだ一か月も経っていないが、実際には長年連れ添っているかのような姿である。口ではあーだこーだと言いながらも、お互いを抱きしめる力はやさしく、愛情があるものだ。

 抱き合う二人は汚れた床から立ちあがる間際も会話を続けていて、仲がいい様子に見えた。

 

 「ハァ……とりあえず、先にこっちを掃除しますから、セイバーさんは座っててください。ご飯も温め直しますから」

 「それならセイギ、せっかく裸なのですから裸エプロンというものを――」

 「やりません!」

 

 結局は中々にお似合いの二人は喧嘩をするようなこともなく、休日のある日を和やかに過ごすのであった。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 その日の夜のことである。

 一日中家の中でごろごろと、セイバーの口から言わせれば夫婦らしくイチャイチャと過ごしていた二人は夜も更ける頃、同じ寝室に入り、同じベッドの上で体を重ねている。

 現在は股を広げて座るセイバーの股間に誠義の顔が埋められ、しっとりと濡れた膣の入り口がぺろぺろと舐められている最中。普段はセイバーが愛撫を行うことが多いため、この日の出来事はひどくめずらしいものだった。

 そんな状況だったから調子に乗ったのか、誠義は舌先に力を込めて秘所の全体の形を何度もなぞりながらも、上目遣いで話し始める。こんなチャンスは他にはない、そう思ったのだろう。

 力の差か、性格の所以か、いつもはセイバーに抱かれてばかりいる誠義も男だ。できることなら、女性の体を好きに味わってみたいという願望もある。そのチャンスはセイバーの機嫌が非常にいいこの日を逃せば他にはないだろう。

 そう考えてのことだったのだ。日頃は聞けない誠義の言葉を聞いたセイバーも、驚いたように目を見開いている。

 

 「私を、抱きたい? あなたがですか、セイギ?」

 「う、うん。その、あの……つ、妻だって夫を気持ちよくしてあげたい、みたいな気持ちの時ってあるじゃないですか。だから、僕も自分からセイバーさんを気持ちよくしてあげたいなって、思って……」

 「ほぅ……なるほど」

 

 股に顔を埋める誠義の頭を撫でながら、セイバーはぼんやりとした声で返答する。肯定か拒否か、いまだどちらを言いだすかわからない態度である。

 しかし数秒も考えることなく、にこりと笑ったセイバーは小さく頷いた。初めてといっていいほどだが、誠義に自分を抱かせることを許したのだ。

 その答えに頬を緩め、顔を赤らめて喜ぶ誠義は思わず口を離して顔を上げ、信じられないとばかりに目を見開いていた。彼自身も拒否されるかもしれないという想いが強かったのだろう。

 初めて念願が叶う。美しい女を、セイバーを抱ける。何度も肉体を重ねながらも喜びを隠せない誠義は、先程以上に肉棒を固くしていた。

 

 「ほ、本当ですか? その、本当に、僕の好きなように動いても――」

 「ええ、いいでしょう。まさかあなたがそこまで私のことを思ってくれていたとは……ふふ、ようやく妻としての自覚が生まれてきたということでしょうか」

 「い、いや、妻っていうのはいまだにあれなんですけど……」

 「ふふ、照れなくてもよいのです。私たちの仲なんですから」

 

 そう言ってさらに機嫌を良くしたらしいセイバーは自らベッドの上に寝そべり、股を開いた。とろりと透明な液を垂らす秘所がはっきりと誠義の眼前に晒され、今日はそこへ自身の肉棒を突きこんでも許される。

 ガチガチに固まったそれを右手で掴んだ誠義は、何度も侵入しているはずのそこへ恐る恐る亀頭を近付け、割れ目の部分をぴとりと触れさせると、ゆっくりと息を吐きながら覚悟を決めた。

 

 「さぁ、どうぞ。好きに動いてください。妻であるあなたが、夫である私を気持ちよくしてくれるんでしょう?」

 「も、もちろんです。そ、それじゃあ、行きますっ」

 

 ぐっと腰に力を入れて、ゆっくりと前に進みだす。すると濡れそぼっていた膣には徐々に肉棒が挿入されていって、見る見るうちにグロテスクなそれが呑みこまれた。

 途端に肉の壁が嬉しそうに動き始め、セイバーの声も喘ぐようなものに変わる。余裕を残しているように見せて、確かにいつもとは違うような感覚であることが理解できていた。

 自分が動くのとは違う、相手にすべてをゆだねるという行為。これは確かに、癖になるような感触だ。喘ぎながらも彼女はどこかで冷静にそう考えている。

 しかし一方では、誠義が肉棒を前後に動かす度にガリガリと理性を削られるような感覚もある。カリ首が膣内のひだに引っ掛かりながら外へ出ようとする度、自分のものとは思えない甘い声が出てしまう。

 自分のペースとは違った少し速い腰の動きに喘ぎつつ、セイバーはいつもとは違う気持ちよさを感じていた。

 

 「あぁっ、んんっ、こ、これは中々……くぅっ、すごい、ですねっ……」

 「はぁっ、あぁっ、これ、すごっ……」

 

 自らが動く快感は、誠義にとって初めてに近い感覚である。彼は途端にこの感覚にはまってしまっていた。

 抱かれているだけでは感じられなかった、相手を征服するような感覚や自由に動いていいという余裕。確かにされるがままに受けているだけなのも気持ちいいが、これは別種の快感がある。

 そのまま数分間、二人はベッドの上で正常位で繋がり合って快楽を貪る。しかし数分もすれば、もっと色々なことをしてみたいという考えに囚われた誠義が、無抵抗で悦ぶセイバーへと語りかけた。

 薄い胸を包みこむように手を這わせ、頂上でツンと立つ乳首を舌で転がしながらのことである。女性の胸に興味を持ちながら、あまり触れたことのなかった彼にとっては至福の一時であった。

 

 「あの、セイバーさん。お願いがあるんですけど」

 「はぁっ、ふぅっ、な、なんですか?」

 「や、やってみたい体位があって、それをお願いしたいんですけど……いいですか?」

 「んん――ええ、構いません。今宵だけは、私の体はあなたが好きに使ってください。あなたが望んでいるのであれば、拒みはしません」

 

 思わず顔が熱くなってしまうような言葉だ。うっとりと蕩けた瞳や表情も、首に腕を回してくる女性らしい仕草も、きゅうきゅうと締めつけてくる膣の感触も、すべてが愛おしいと思えてしまう。

 こくりと頷いた誠義は決意を固めて動き出す。寝転んでいた彼女の尻を掴んで持ち上げると、セイバーを抱えるようにして立ちあがったのである。

 自重によって二人の結合部はさらに深く繋がり、肉棒の先端が子宮口をコツンと受け止めるようだ。これまでとは違う感覚で深く繋がった二人はそれぞれ小さく声を洩らし、絶頂へ至りそうなところを必死に堪える。

 誠義はぐっと歯を食いしばり、目を閉じて我慢することに集中している。対するセイバーは目を見開きながら大口を開き、この瞬間には軽くイッていたようだった。

 だが誠義はすでに動き出していて、彼女の細く小さな体を持ち上げては落とし、同時に腰を上下に振って、これまでにない動きでセイバーを責める。体重を使って責められているだけに、亀頭と子宮口がぶつかる勢いも普段より強く、全身に電流が走るかのような快感が駆け巡っていた。

 自然と二人の呼吸は荒くなり、体内に溜まる快感も凄まじい。堪え切れなくなった誠義はわざと彼女を揺らしながら、大股で部屋の中を歩き回り始めた。

 どすんどすんと、一階に足音が聞こえそうなほど、彼は力強く大股で歩く。すると尻を掴まれて持ち上げられ、乱暴な様子で運ばれるセイバーは声を大きくして鳴いていた。

 

 「あぁぁっ、はぁぁぁ……せ、セイギ、だ、だめですっ。これではすぐにイッてしま――!」

 「いいですよ、イッても。セイバーさんが満足するまで、僕だって何度も相手しますから」

 「んっ、んんっ、んんんっ……!」

 

 ぴたりと立ち止まり、誠義の動きがさらに激しくなる。それに連動してセイバーの肉体も跳ねるように動いていた。

 彼女の白い肌が紅潮し、すべすべのそこを汗が伝い落ちるほどの状態で、初めての興奮に包まれた二人は一心不乱に快楽を貪る。そうして激しく動いていると、全身をぶるりと震わせたセイバーが一際高い声で鳴いた。

 誠義の腰の後ろに回した足も震え、首を振って金色の髪を振り乱すと、大量の汗が周囲に飛び散った。

 まるで激しいスポーツを終えた後のような疲労感だった。日頃の性交よりも疲労が強く、自分を保てないほどである。ぐったりとしたセイバーは誠義に抱きつくと静かになってしまう。

 その間に再びベッドの上に彼女を降ろした誠義は、もう一度正常位の体勢で肉棒を前後させ始める。途端にセイバーも甘い声で鳴き始め、びくびくと痙攣していた膣内が絡みつくように肉棒を締めつける。

 それだけに誠義の気分も高まり、彼の動きも即座に激しさを増していった。

 

 「くぅっ、はぁぁっ、あぁぁぁっ!」

 「はっ、あぁっ、セイバーさん……!」

 

 ベッドの上で重なりあい、叩きつけるように腰をぶつけていると、すぐに限界へ辿り着いた。

 最後は膣の一番奥を亀頭で何度も叩き、子宮口に押しつけるようにしながら射精を始める。その瞬間に二人は全く同時に叫ぶような声を発していた。

 窓ガラスが震えるほどの大声が終わる頃には誠義は彼女の体をぎゅっと抱きしめ、セイバーもまた彼の背後に回していた両手両足に力を込めてぎゅっと抱き寄せる。

 荒く呼吸を繰り返す一方でねっとりと深いキスを交わし、落ち着くまで舌と唇を合わせていた二人は、絶頂の波が引いて気分が落ち着いてから言葉を交わす。

 疲れた様子で抱き合う二人は下半身も繋げたまま、小さな吐息混じりの会話が始まっていたのだ。

 

 「ハァ、これは、すごいですね……気持ちよかったですよセイギ。あなたの愛が、全身から伝わってくるようでした」

 「う、そ、それはどうも。……っていうか、なんか知らない間に一日中流されてたような……どうしてこんなことになったのか――」

 「では今度は私から愛を伝えましょう。セイギ、股を開いてください」

 「へ――?」

 

 セイバーがそう言った瞬間、二人の位置関係はくるりと回転するかのように入れ替わっていた。気付いた瞬間にはベッドに背をついて寝転んでいたのが誠義で、その上に乗っているのがセイバーである。

 やはりこちらの方が似合っているのか、一瞬の内に攻防が代わり、セイバーは楽しげな笑みを浮かべてにこやかだ。対する誠義は、彼女が機嫌のいい日の性交の出来事を思い出し、少し顔を青ざめさせている。

 彼女はサーヴァントと呼ばれる英霊、人間を越えた存在だ。だが誠義は魔術師でありながらほぼ一般人と変わらぬ身、そんな彼女と一晩中性交を続けていれば死にそうな想いもするだろう。

 今日の夜はまだまだ終わりそうにないということを知って、余計なことをした、誠義はそんなことを思ってしまったのである。

 

 「ふふふ、ここまで情熱的に愛されては私も負けていられません。あなたの愛に応え、それすらも越えるほど、私があなたを愛してみせましょう――覚悟してください、セイギ」

 「い、いや、ちょっと待って、正直今日はもう限界――んむぅっ」

 

 そんなこんなで、二人の夜は始まったばかりであり、ますます激しさを増した性交が終わるのはまだまだ先のことであった。

 一方、誠義との時間を邪魔されたくなかったセイバーにより、煮干し一袋で買収された誠義のサーヴァントは彼の家の周囲で、毎日のように現れる敵と戦っていたのである。

 昨日の恩人は今日の敵。毎日のように誠義の家を訪れ、甲斐甲斐しく家事をこなす長身の女、アーチャーを相手にするのは、その彼女からよく餌付けされている奇妙な生物。

 小さな体躯で寸胴体型。灰色の髪の奥には同色の猫耳があり、やけに達観したような目と、下半身をジェットに変化させて空を飛んだり、目からビームを飛びださせたりと、とにかくハチャメチャな戦法を取るネコ的な何か。

 それはネコカオスと呼ばれる、“混沌”を起源とする誠義の唯一無二の相棒であった。

 

 「くっ、どういうつもりだ!? なぜ私の邪魔をする! あれほど食事の世話をしてやっただろうッ!」

 「むむ、それを言われては律儀なオス猫としては心が苦しいところ――しかし、吾輩には約束があるのだ。今宵だけはこの家に誰も近付けず、我が心のフレンドを必ず守り通すと――そして高級煮干しを買ってもらうのだと……!」

 「ふむ、なるほど、そういうことか。ではネコ、私の話を聞け」

 「にゃに? フン、言っておくが吾輩はもはや野良ではないがオス猫のプライドを捨てたつもりは毛頭ない。たとえ金を積まれようとも、吾輩の大事なHDを人質に取ろうとも、セイギのためにもこの戦いで負けるわけには――」

 「私は高給猫缶を十個、君に贈呈しよう」

 「――どうぞお通り下さいませ、レディ。転ばないように足元にお気をつけを。あと、エスコートは吾輩にお任せあれ。こう見えても混沌系の少年を導いたりしてるからね、意外と」

 

 とはいえ、一見すると幸せそうな二人きりの空間がブチ壊されるのも時間の問題。なんだかんだと騒動を起こす中で、原因となるのは必ず誠義とネコカオスのコンビだったのだから。

 この日もちゃっかりいつものような騒動が起こった。追記できるのは、そればかりである。

 

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