一人暮らしを始めた僕の高校生活はバラ色でした。 作:チャンドラ=グプタ
「ちょっと待ってよ。私を忘れてない?」
ゆっくりと俺に近づいてくるシンヤの元へ留衣さんが金色の髪をなびかせながらやってきた。
「そう言えば、まだ闘いの途中だったな」
シンヤは持っている大きな鎌を留衣さんへと向ける。それに対抗するかのように留衣さんも手にしている槍(ランス)をシンヤに向けた。
「行くぞ」
「どっからでも」
砂時計のように流れる沈黙の時間。そして、
「フレイムランス!」「デスラッシュ!」
同時に聞こえてきた二人の声。
武器と武器、金属と金属が激しくぶつかり合う音が戦いの狼煙(のろし)のように鳴り響く。
「ほう……なかなかやるな……」
「そっちもね!」
二人は目にも止まらぬ速さで幾度となく攻撃を繰り返す。
その度、激しい金属音が鳴り響く。
キンキンキンキンキン!
やがて、シンヤの体力ゲージがわずかに減っていたのが分かった。
「少しばかり本気を出すか……」
そう言うと、シンヤは腰のホルスターから一枚の黒いカードを取り出した。
変身ベルトにカードを差し込むと、「イベント、シールド」という電子音声が流れた。
すると、シンヤが鎌を持っている反対の方の腕に盾が装着された。
「た、盾……!?」
突然の防具の出現に留衣さんが戸惑いを感じたようである。
「どうした? 来ないならこっちから行くぞ!」
果敢に留衣さんに対して攻撃を仕掛けていくシンヤ。一発、一発がダメージが大きそうな斬撃を留衣さんはランスで相殺させていった。
キンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!
先ほどよりも金属と金属がぶつかり合う音が激しくなった。
「く! 厄介な攻撃ね!」
留衣さんは後ろへと下がり、シンヤから距離を取る。
そして、
「スキル発動、『バーニングランス』!」
身体全身に炎を纏った留衣さんはものすごいスピードでシンヤへと突っ込む。
そんな留衣さんの攻撃に対し、シンヤは盾を掲げて、腰を落とし、防御態勢へと移行した。
「スキル発動、『パーフェクトシールド』!」
キーーーーーーーーーーーーーン!
耳が痛くなるような今日一番の激しい金属音があたり一面に鳴り響いた。
「う、嘘……!」
シンヤが持っている盾によって、完全にスキルを防がれてしまった留衣さんは驚愕の表情を見せた。
まさか、こんなにあっさりと防がれてしまうとは。
「これで終わりだ……」
シンヤは鎌を持っている手に力を込めた。すると、その鎌の刃は突如、黒色に怪しく発光した。
「スキル発動、『ヘル・スラッシュ』!」
鎌の激しい斬撃は鎧ごと留衣さんの身体を切り裂いた。
「うわ!」
留衣さんははるか後方へと吹っ飛ばされてしまった。驚くべきことに地面には切り裂かれた跡が縦数メートルに渡って出来上がっていた。
「な、なんて攻撃だ……」
自然とそんな感想が漏れた。はたして留衣さんは無事だろうか。
まさか、もうゲームオーバーになっているのでは。
俺は留衣さんの方へ目を向けると、留衣さんの体力ゲージが半分ほど減っていた。
「留衣さん、大丈夫ですか?」
「うん、平気……けど、さっきのは効いたよ」
留衣さんは普段のおっとりとした様子からは考えられないほど、闘志に満ち溢れているような険しい表情をした。
ゲーム画面を操作し、アイテムである回復用のポーションを取り出し、グビッと飲んだ。
留衣さんの体力は瞬く間に全回復した。
「シンヤ君。ここからは本気で行くからね……覚悟はいい?」
「できてるよ」
シンヤが返事をすると、留衣さんは腰を落とし、一気にシンヤへと向かって駆け出した。
「スキル発動、『アクセレイト』!」
スキル名を唱えると一気に留衣さんの動きが加速した。目にも止まらぬ速さ――いや速すぎて影分身のような複数の残像が出来上がった。
おそらくは綾女が使っていたスキル、『高速移動』よりも性能は上だろう。
「な……速い!」
シンヤは留衣さんの速度に唖然としていた。無作為に鎌で斬撃を繰り出すが、その攻撃は留衣さんを捉えることはなく、虚しく空を切る。
「スキル発動、『サンダーランス』!」
雷電を纏った槍(ランス)をシンヤに喰らわせる留衣さん。
「ぐあああ!」
シンヤの身体に雷電が迸った。麻痺したかのように彼は動きを鈍らせた。
見事に形成逆転したようである。
「はぁ……はぁ……ちょっとお兄さん、ピンチそうだね。助けに行かないと」
スキルによって俺に胸をいじられているアオイは感じているかのように顔を赤くさせながらも、シンヤの助太刀しに行こうとした。
「させるか! 瑠夏さん、今のやつに攻撃お願いします」
「わ、分かったわ!」
俺に胸を弄られ、動きが鈍っている今のアオイであれば、きっと攻撃が命中すると画策した。
「スキル発動、『サイクロンアロー』!」
瑠夏さんは螺旋状に回転する矢をアオイに向かって打った。
当たれ、当たれ、当たれ……
心の中でそう願った。しかし、
「おっと」
顔に命中しようとしていた矢をアオイは身体を逸らして躱した。
なんという反射神経をしているんだ、この化け物は。
「今度はこっちから行くよ、ユウマくん」
アオイは獲物を狙うような獰猛な瞳を差し向けると、一気に俺との距離を詰めた。
「う……!」
サファイアのように煌めく青い双眸が俺を覗き込んだ。
アオイはぺろっと股間を捲ると、「うへへ……」と変態的に微笑んだ。
股間の亀頭が顔を出し、アオイとご対面となった。
「や、やめろ! おま……」
止めるも間も無く、アオイは俺の肉棒に淡いピンク色の唇を近づけ、咥えた。
「ぐ……!」
湿った粘性は俺の肉棒を包み込む。アオイは頬を凹ませ、裏筋を徹底的に舐めてきた。
「ああああ……!」
気持ち良い。あまりに気持ちよすぎて頭が変になってしまいそうだ。
「うわ……」「優馬君……」
瑠夏さんと薫さんは俺がフェラされている様子をドン引きしてような目で見ていた。
恥ずかしい……でも、感じちゃう!
くそ、この女。エロい表情でしゃぶりやがって。
だが……。
だが、それでも。
薫さんがしてくれたフェラの方が遥かに気持ち良かった。それだけは確実に言える。
俺はがっちりとアオイの頭を掴んだ。
「うおおおお! こんなもの……効くかぁ!」
生殖本能によって深く沈んでしまった理性を無理やり引き上げ、アオイのフェラに抵抗した。
自分の肉棒とペロペロと舐めているアオイの口を引き剥がす。
「ああ、ちょっと! 良いところだったのに……」
アオイは非常に不服そうな表情をした。そんなにフェラがしたかったのか。
なら、やっぱりしてもらうか……いや、そうじゃない。
俺はガッチリとアオイに抱きついた。柑橘系の甘い香りが鼻腔をくすぐる。
アオイの身体は形容しがたいほど、柔らかな印象を抱いた。
「え? ちょっと、何?」
さすがにびっくりしたのか、アオイは驚いたような声を出した。
「瑠夏さん、薫さん! 俺ごと攻撃してください!」
「「「えええ!?」」」
瑠夏さんと薫さん、そしてアオイは驚いたような声を出した。
どうせこのまま魔王の城に付いて行っても、レベルが低い俺は大して役には立てない。
ならば、ここでゲームオーバーになっても構わないと考えたのである。
「早くしてください!」
「ちょっと、本気!? 離して!」
アオイがジタバタと暴れ出した。
…………って、力つええな、この女! 脱出されそうなんだけど! あかん、どうしよう。
「くそ!」
俺はアオイの首元に息を吹きかけてみた。すると、
「ひゃあアゥううん……!」
アオイは感じたかのようなエロい声を出し始めた。どうやら耳元が弱点のようである。
俺はここぞ! とばかりに『フーフー』と息を吹きかけた。
「ああぁうん! らめ……許してぇ……!」
アオイは涙目になりながら、許しをこった。おお、なんかゾクゾク……いやいやいや! そんな場合じゃない!
「今です! 瑠夏さん! 薫さん! 俺ごと攻撃してください!」
「ええ! 何を言ってるの!?」
パッチリと大きく目を開き、大声で叫ぶ薫さんと、
「早く、その子から離れて!」
と指示する瑠夏さんであった。
「ダメです! こいつは俺が押さえておかなければ絶対に防御されます! いいから早くやってください!」
俺は持てる力を全て出し、息を吹きかけながらアオイを押さえつけた。
すると、ドンドン薫さんの表情が恐ろしいものに変わり、顔色はギア2のような赤色へと変化していった。
「くそ……そんなに優馬くんに息を吹きかけてもらって……何て羨ましいのかしら!」
ちょっと、薫さん?
何を言ってらっしゃる?
「エクスプローーーーーーーージョン!」
薫さんは高らかに杖を上げ、スキルを発動させた。
ああ、ここで俺もゲームオーバーか。俺は覚悟を決め、目を瞑った。
後は任せましたよ。
爆炎が俺の視界を赤く染めた後、爆風はそれを白く染め上げた。
これでゲームオーバーか。
しかし、しばらくすると視界が開けてきた。
俺もアオイもまだゲームオーバーになっていなかった。
しかし、アオイの体力ゲージは半分ほど減っている。
自分の体力ゲージを確認すると残り僅かとなっていた。
「あ、危なかった……今のは危なかった」
俺に抱きつかれているアオイが焦った様子でそう呟いた。
「お前、何をしたんだ?」
「私のスキルでバリヤを張らせてもらったんだよ。あれが無かったらさすがにやばかったよっと!」
アオイは俺の拘束から脱出すると、素早い動きで薫さんに接近した。
「な……」
薫さんの表情が強張った。
まずい、このままでは薫さんはアオイにやられる。
俺は咄嗟に『あるアイテム』のことを思い出した。
俺は画面を素早く操作し、『あるアイテム』を取り出した。
先ほど、船から降りる前に買っておいたアイテムである。
船の売店のスキンヘッドのおっちゃんがこう言っていた。
「このアイテム、兄ちゃんにやるよ! こいつぁ、俺が作ったすげぇアイテムさ! 対象を選ぶと一回このボタンを押すとそいつと自分の位置、もう一回押すと体力、さらにもう一回押すとすごいものと入れ替えることができるんだ!」
「すごいものって何ですか?」
「ふふ、秘密だ」
おっちゃんはいたずらっ子のような笑みでそう説明してくれた。
取り出したアイテムは『入れカエル』という背中に赤いボタンが付いている可愛らしいおもちゃのカエル。
ボタンを押した。
――誰と位置を入れ替えますか?
おお、本当に位置を入れ替えられそうだ。
複数の選択肢に中で俺は薫さんを選択した。カエルは『ゲコ』と鳴いた。
「スキル発動! 『追い剥ぎ』!」
薫さんに向かって、服を破裂させるスキル、『追い剥ぎ』を使った。
しかし、
「残念だったな!」
「え……」
アオイは唖然とした表情を見せた。俺と薫さんの立っていた位置を入れ替カエルによって、チェンジしたため、追い剥ぎの対象者は俺になった。
しかし、元から俺は素っ裸である。自分で言ってて恥ずかしくなってくるが。
さらに俺は入れカエルのボタンを押す。
――誰と体力を入れ替えますか?
俺の体力は残りわずかである。俺はアオイを選択した。
俺とアオイの体力が入れ替わり、優位性が大きく変化した。
「うそ! なんで!? 何、そのアイテム!」
いやぁ、良かった。このアイテムを手に入れておいて。
可能であるなら魔王戦で使うべきなのだろうが、仕方ないよな。
さらに俺は新しいスキルを発動させた。
「スキル発動! 『射精バスター』!」
初めて使うスキル。一体、どんなスキルなのか。
すると、俺の肉棒はムクムクと大きく膨れ上がり、ググッとアオイの方へ向いた。
「へ!?」
なんだか股間がムズムズと手コキされているように気持ち良くなってきた。
すると、
「うわあああああ!」
アオイが取り乱したように叫んだ。
まるで消火器のようにとめどなく白い液体が勢いよく発射され、アオイに身体や顔にかかった。
とめどなく発射されるその液体はアオイの髪、身体、顔をひどく汚した。
俺は気持ちよさのあまり膝がガクガクと震えてきた。
このまま腹上死してしまうのでは、とさえ思った。
「うわ……」「ゆ、優馬くん……」「えぇ……」
俺の異様な光景に薫さんと瑠夏さんはおろか、シンヤと留衣さんまで戦いを止め、ドン引きした様子で俺を見つめていた。
性欲全てを出し切ると同時に、アオイの体力ゲージがゼロとなった。
「君って……私以上に変態だね……」
小さな身体に大量の白い液体を浴びせられ、死んだ魚のような目になったアオイはパタンと地面に倒れこむと、身体が消滅した。
どうやらゲームオーバーになったようである。
「あ、アオイーーーーーーー!!!」
シンヤは耳が痛くなるような大声で叫ぶと、ログアウトしたのかどこかに消えた。
なんだかよく分からないが追っ払うことに成功したみたいである。
……………………一応は勝ったが、女性陣からの心象は最悪になったのではなかろうか。