一人暮らしを始めた僕の高校生活はバラ色でした。 作:チャンドラ=グプタ
「久しぶりだね、お兄ちゃん」
ベッドの上で愛子が不敵に微笑んでいる。一体、どうして愛子がここにいるのだろうか。
愛子は英語のロゴが入った赤いシャツとホットパンツと黒のニーハイを履いていた。
「あ、愛子……どうしてここに?」
俺が訝しんだ様子で訊くと、愛子はベッドから降り、俺との距離を詰めた。すると、ふわりとしたフレグランスの匂いが漂った。
「待ちきれなくて、来ちゃった……」
愛子はえへへ……と微笑んだ。その仕草は可愛らしく、少しときめきそうになる。
「き、来ちゃったって……父さんと母さんにはちゃんと言ったのか?」
「うん、言ったよ!」
両親よ、そこは止めてくれよ。
仮にも女子中学生一人が東京に繰り出すって結構危ないことだと思うぞ。
俺は両親に対して思わず呆れ果てた。放任主義にも程がある。
「マジか……それより、中にはどうやって入ったんだ?」
「大家さんに頼んだらあっさりと入れてもらえた! あの薫さんって人、いい人だね!」
薫さん、もはや俺の部屋を自分の部屋のように思っている節があるぞ。いくら大家さんとは言え、勘弁して欲しい。
「薫さんか。全くあの人は……」
「これでGW中、ずっとお兄ちゃんと一緒だね!」
ニコニコと愛子が微笑む。純粋無垢な笑顔と整った顔立ちと相まって、可愛らしい。
しかし、過去に襲われたせいで、愛子の心の奥底に獰猛な野生を隠している気がしてならない。
「はぁ……なんでこんなことに」
不安だらけで俺はため息を零した。少なくとも愛子がいる間は薫さんとはエッチできない。
さらに、愛子が仕掛けてくる誘惑に必死で耐える必要がある。これはきついなぁ。
できるだろうか……いや、できるはずだ! 俺は今まで複数の女性とエッチをしてきた。
童貞だったあの時とは比べ物にならないくらいレベルアップしたはずだ。
「お兄ちゃん! お腹空いたでしょ?」
「え? ああ、まぁな……」
「せっかくお兄ちゃんのところに来たから、お料理してあげるね!」
愛子は俺に料理を振舞ってくれると言ってきた。
普段、俺は大したものを食べないので結構ありがたい。
「そうか、ありがとう」
「ううん、それじゃゆっくりと待ってて!」
そう言い残した愛子はキッチンへと向かった。
一人、リビングに取り残された俺は木製の椅子に腰を掛け、テレビを入れた。
偶然入れたチャンネルでは何やらよく分からない実験をして出演者が騒いでいる。
じっと黙ってみていたが、一体何が面白のか俺には分からない。
そんなつまんないテレビを見つめながら、俺は愛子に襲われそうになった時のことを思い出していた。
――愛子の透き通るような白い素肌。
――愛子のぷっくりと膨らみかけの胸(おっぱい)。
――愛子の淡い毛の生えた秘所(おまんこ)。
いつの間にかムクムクと下半身がテントを張り始めた。
あかん、あかん。静まれ、静まれ……
噴水のように湧き上がる性欲を、俺は必死に押さえ込んだ。
キッチンからは、トントントンとリズミカルに包丁で何かを刻む音が聞こえる。
一体、何を作っているのだろうか。
待つこと、およそ二十分。キッチンとリビングが通じる扉が開いた。
「お待たせー! お兄ちゃん」
愛子が鍋を持ってリビングにやって来た。手にはキッチンミストをつけている。
それよりも俺は愛子の格好に突っ込まずには居られなかった。
「おい! 愛子、なんだその格好は!」
「え? 裸エプロンだけど……」
愛子は可愛らしく首を傾げる。サラッとした亜麻色の髪が愛子の肩にかかる。
裸エプロン――文字通り、裸の状態でエプロンを着用することである。
ちなみに以前、瑠夏さんも同じことをした。あれはとてもエロかった……まぁ、愛子のも十分にエロいのだが。
「そうじゃなくて! なんでそんな格好してるんだよ!」
「この方が、お兄ちゃんも欲情してくれるでしょ?」
愛子が蠱惑的に微笑む。頬を朱に染め、うっとりとした表情で見つめる愛子は実に美しい。
「そ、そんなことは……」
「うふふ……好きなだけ、この格好見てもいいからね」
愛子はエプロンの裾を持ち、秘所が見えるか見えないかの瀬戸際まで捲し上げ、俺に見せつけてきた。
「や、やめろっておい……」
俺は思わず顔を背けた。
愛子は満足げに微笑むと再びキッチンへと戻り、他のお皿を取りに行った。そんな愛子の後ろ姿を俺は眺めていた。
ぷりっとしたお尻が眼に映る。ああ、とてもエロい……もう自制心をコントロールできる気がしなくなってきた。
料理の乗ったお皿を全てテーブルの上に並べ終えると、俺たちは夕食を食べることにした。
「それじゃ食べよっか。お兄ちゃん」
「そうだな」
いただきますをし、俺は料理を食べることにした。鍋の蓋を開けると、モワッと美味しそうな匂いがする湯気が出てきた。
鍋の中を覗き込むと、カレーが入っていた。
「カレーか、美味しそうだな」
「でしょでしょ? 頑張って作ったんだよ!」
愛子は褒められて嬉しいのか、興奮気味にそう言った。ちなみに愛子の格好は相変わらず、裸エプロンである。
俺はカレーをご飯が入った大きめなお皿に装った。スプーンで一口、カレーランを食べた。
「どう、お兄ちゃん?」
「うん、美味しい」
率直な感想である。ピリッとした絶妙な辛さと、コクのある味わいでとても美味である。
「そっか、良かった。ねぇ、お兄ちゃん。高校生活って楽しい?」
「ああ、それなりに楽しいぞ」
「具体的にはどんなところが楽しいの?」
「うーん、そうだな……」
俺は愛子にこの一ヶ月に起きた楽しい出来事を話した。
もちろん、エロ要素は抜きで。
愛子には話さなかったが、個人的に一番面白かったのは、俺と薫さん、留衣さん、瑠夏さん、綾女の五人で集まってビーストファンタジーをプレイしたことである。
ゲームをやったのは久々であったが、大勢でのプレイはとても楽しかった。
また、みんなで集まってプレイしたいが、薫さんと付き合ってからは留衣さんや瑠夏さんと関わる機会が減った。
そのことを少し寂しく感じている自分がいる。
やがて、夕食を食べ終えると、愛子は「お皿洗ってくるね」と食器を持って、キッチンへと向かった。
ご飯を食べたせいか、俺は少し眠くなってきた。
「ちょっとだけ、横になるか……」
ベッドの上に横たわり、スマホを弄った。
時刻を確認すると、既に夜の九時を回っていた。
「もう、こんな時間か」
ウトウトしてきた。やばい、ここで寝たらダメだ……
しかし、俺は睡魔に負けて目を閉じてしまった。
「お兄ちゃん……」
耳元で、愛子の囁く声が聞こえ、俺はゆっくりと目を開けた。腹部に何やら重みを感じる。
「あ、愛子!?」
愛子が全裸姿で俺の腹に跨るように座っている。恍惚に満ちた表情で俺のことを見つめていた。
「やっときた……お兄ちゃんと……エッチできる時が……」
ハァハァ……と息を荒くしている愛子は自分の右手に持っているものを俺に見せつけてきた。それは輪っか状の物体――そう、コンドームであった。