一人暮らしを始めた僕の高校生活はバラ色でした。 作:チャンドラ=グプタ
「まさか……本当に優馬くんなの?」
俺に襲いかかってくれた人から助けてくれたのはまさかまさかの留衣さんだった。
金色の髪にハーフを彷彿とさせるような美しい顔立ちは今と全く変わっていなかった。
「留衣さん! 俺です! 優馬です!」
俺が立ち上がると留衣さんは刀を俺の顔の前に突きつけた。
「待て! 動くな!」
留衣さんは警戒しているのか、鋭い目つきで俺を睨んだ。
「る、留衣さん……」
「本当に優馬くん? あの時、死んだはずじゃ……」
「あの時?」
すると、留衣さんはこんな質問を投げかけた。
「それじゃ、自分の出身地は言える?」
「はい。宮城県石巻市です」
「私の妹の名前は?」
「瑠夏さんです」
「私のスリーサイズは?」
「し、知りません……」
質問を答えると瑠夏さんはゆっくりと日本刀を鞘にしまった。
おい、なんだ最後の質問。
「とりあえず本物の優馬くんだって信じるよ。こっちに来て」
行くあてもない俺は留衣さんに付いていくことにした。
俺はこの世界について訊きたいことが山ほどあった。
「留衣さん、あのトチ狂ったような女は何なんですか?」
正気を失ったような表情をし、下品な言葉を叫びながら俺に向かって来た女。普通の人間ではないのは明らかであった。
「え? 覚えてないの?」
「は、はい……」
この世界の俺であれば知っていることらしい。
だが、別の世界からこの世界に来たばかりの俺はあれが何なのかさっぱり分からない。
「あれは『インフェクティド』と呼ばれる、マサによって感染させられた人よ」
「マサ?」
「ええ」
留衣さんが頷くと、事細かにこの世界が荒んだ状況に陥った原因を語ってくれた。
今から一年程前、『マサ』と呼ばれる宇宙人が地球にやってきて、地球を侵略することを宣言したこと。
マサは『とある能力』によって、女性を感染する力を持っていること。
インフェクティドになった女性は感染していない女性に噛み付くことで感染を拡大させ、さらに男を見つけるとテクノブレイクを引き起こすまでイかせようとすること。
どれもにわかには信じられない内容だった。
「宇宙人……本当にそんなものが?」
「信じられないかもしれないけど本当だよ」
「薫さんや瑠夏さん、綾女は無事なんですか?」
「薫さんや綾女ちゃんは連絡が取れないから分からない。けど、生きてるって信じてる」
「る、瑠夏さんは……」
恐る恐る訊くと、留衣さんは俺の方を見ず、
「瑠夏はインフェクティドになったよ。止むを得ず、私が殺した」
とんでもない事実を告げた。
「そ、そんな……」
思わず地面に倒れそうになった。
この世界にはもう瑠夏さんはいないなんて。
「落ち込むのは私たちのアジトに着いてからにして」
「え、アジト?」
「うん、この先に感染していない人間の生き残りが住んでいる集落があるの。とりあえずそこに案内する」
留衣さんと共に歩いて約二時間、木々が生え茂った森の中を通り、やがて、いくつものテントが張ってある開けた場所に出た。
「ここが『レジスタンス』のアジトだよ」
「れ、レジスタンス……」
すると、テントの中から一人の女性が出てくると、こちらに近づいてきた。
「お疲れ様です! 留衣さん!」
茶色い髪をした女性。整った顔立ちをしており、年齢は俺と同じくらいだろうか。
ボロボロのズボンとシャツを着ていて露出が多く、少し目のやり場に困る。
「お疲れ、花苗ちゃん。私が出掛けている間、何か変わったことはなかった?」
「はい! それで……そこの方は?」
茶髪の女性は訝しんだ様子で俺を見つめた。
「紹介するね。私の知り合いの竹内優馬くんだよ!」
「た、竹内優馬です。よろしくお願いします」
俺は花苗という女性に対してぺこりとお辞儀した。
「初めまして! 私、伊藤花苗(いとうかなえ)っていいます。なんか、久々に男の人見ました!」
「そ、そうですか……留衣さん、この世界にはもうほとんど男の人がいないんですか?」
「うん……海外はどうなのか分からないけど、日本じゃほとんどインフェクティドに襲われてほとんど生き残っていないね」
この日本において、男はごく僅かのようである。
なんだかR18の創作物でありがちな展開になってきた。
「優馬くん、私が守ってあげるから任せておいて!
」
留衣さんはドンと自分の胸を叩いた。そして『プルン』と揺れた。
こんな時にも関わらずエロいと思ってしまった。
「は、はぁ……よろしくお願いします!」
「とりあえず、今日はもう遅いからあそこのテントで休んでて! 私が使っているテントだけど、好きに使っててもいいよ」
留衣さんは赤いテントを指差した。
「留衣さんはどうするんですか?」
「私はちょっと食料を調達しに行ってくる。優馬くんはテントで待っててもらっててもいい?」
「分かりました」
俺は留衣さんが使っているというテントの中に入ることにした。
中には寝袋といくつもの箱が置かれている。
「とりあえず、休むか」
俺は寝袋には入らず、そのまま横になって目を閉じた。
「ふわぁ……よく寝た」
あくびをしながら腕を伸ばし、身体をほぐした。
三時間ほど寝ただろうか。かなり熟睡した気がする。
俺は立ち上がってテントの外に出た。寒い風が吹き抜ける。
留衣さんはまだ戻っていないようだ。大丈夫だろうか。
その辺を歩いていると黄色いテントの前に差し掛かった。
確かこのテントは花苗が使っていたものだ。
俺は花苗のテントを横切ろうとした――その時だった。
「あん!」
淫美な声が俺の耳に届いた。このテントだ。このテントの中から声がする。
性欲という名の欲望に身を任せ、鍵などついていないセキュリティゼロのテントの中を覗き込んだ。
「ん! あ……ひゃぁ!」
テントの中では花苗が全裸となり、自分の指で性器を弄り、自慰に耽っていた。
花苗の肌は色白く、美しい芸術品のような肢体は見ていると理性を崩壊させる魔道具のようであり、いつの間にか俺の股間は大きくテントを張っていた。
花苗ちゃんは自作『覗いた先にあるもの、それは妹』に登場するキャラクターです。
気になる方はそちらもご拝読いただければと思います。