ヤミは森の中を疾走していた。身体能力は下がってしまっているためスピードは普段より遅いが それでも普通の成人男性と比べれば比べ物にならないくらいの速さ。幸いにも体力はあまり変わっておらず 森の反対に停泊しているであろう先程の船を目指す。
(まずはあの船の確認。そしてここが人の住む場所なのかを調べる必要がありますね…)
そう考えながら走り続けること30分…潮の匂いが再び強くなり反対側の出口が見えて来る。
(あそこに行けば船の様子が見えるはずですね…しかし、直ぐにコンタクトを取るのは危険…なら…)
そう思えば少し走っていた場所を横にそれていき 停泊している船が見える岩陰にたどり着く。
「はぁはぁはぁはぁ…流石に疲れましたね…」
息を整えながら岩陰に身を潜め 気配を完全に消す。能力や身体能力は下がったものの経験やコツは忘れてはなく完全に気配を消してしまう。丁度 今 停泊したのか乗組員らしい人影がゾロゾロ降りてくる。どうやら見るに人で間違いないようで
(まずこの世界に人がいる事は分かりました…あとはここが何処なのか分かれば良いのですが…)
脳内でしっかり状況を整理していくヤミ。すると乗組員たちの怒号に似た声がこちらにまで届いてくる。
「野郎共!食料を見つけて積んで来い!まあ ねぇとは思うが金目になりそうな物もあれば乗せろよ!」
「わかりましたぁ!」
そんなやり取りをしたあと 何人かに別れゾロゾロと森の中へ入って行く。彼らの腰にはサーベル型の剣。本で見たことのある昔使われていた銃を片手に持っている。
(武装している…少なくとも私の知っている場所とは程遠いようですね…では外国でしょうか…しかし、話してる言語は…ならここは異世界…ということですね…)
そう理解したヤミはあの本を持つ宇宙人の能力か何かで別の世界へワープさせられたと理解する。もとの世界に戻る方法を知るためにも奴らを探すしかないと新たに決意しつつ まだ様子を見ようと隠れたまま
(流石に銃は面倒ですね…本で読んだとこがありますが あのタイプは話が通じないと相場が決まってますからね…それに特徴を見るに…海賊って存在でしょうか…)
異世界。目標。現在の状況。相手の特徴、タイプ 現時点で推測できる情報をある程度整理すれば次の行動について考える。
(1部隊ずつならトランスを使えなくても確実に勝てる相手…しかし、それで船を得ても知識のない私ではこの先不安…ならば脅して進ませる…いや彼らが裏に戦力を持っていないとは断定できない以上目立つことはしたくない…なら…)
あたりが真っ暗になった頃 ゾロゾロと人々が戻ってくる。薬草を手に持つ者。獣、鳥を持ったまま来る者。魚を釣って来た者。木材や石など材料関係を持ってくる者。それぞれが指定の積荷置き場に置いていく。それを積む係が一つ一つ積んで行く。置いて行った者からリーダーらしい男の待つ 焚き火の場所へ向かい騒ぎ始める。いわゆる宴というやつだ。
「さあ 騒げ野郎共!」
「うおおおおおお!!!」
楽器の音色や怒号。笑い声や歌声が響く場所。そこから少し離れた積み荷置き場に一つの影がやって来る。ヤミだ。ヤミはこの島から離れるために積荷に潜り込み潜入するようだ…もちろんバレたら騒ぎになってしまうため 一旦次の停泊場所までは状況を探りながら行動し 願わくばバレずに解散したいところだが…そして一つの積荷を開け そこに潜む。果物がたくさん入っている場所 そこに潜む。暫くすると箱がガサゴソと言いはじめ 声が聞こえてくる。
「なんだこれ…おっも…何が入ってるんだ…」
「やめとけ やめとけ 船長に開けたのバレるぞ…」
「それもそっか 船長好物の果物の箱だもんな」
そんな会話をする声。間一髪バレずに済んだヤミ。しばらくして音が止み静かになる。どうやら船の中に入れたようだ ここに居てはいつ開けられるか分からないため とりあえず船で身を隠せそうな場所を探すため外に出る 潜伏スキルを働かせ物音一つさせずに出ると真っ暗な部屋。どうやら倉庫のようだ。だんだん目が慣れてくると荷物ばかりで出口兼入口のようなドアが見える。
(ドアはあそこだけ…しかし、これだけ広く暗ければ 最悪隠れてればバレなそうですが 先程の様子だと酒で酔い潰れてるか まだ騒いでるはずです…なら一応探索でもしてみますか…)
そう考えながら重いドアを開ける ゆっくり開け あたりを見渡す。積荷を運び入れていたであろうドアも閉まっており完全に積荷を入れ終えたようだ そこから外を見ると外で騒ぐ集団の影を見ることができる。
(まだしばらく大丈夫そうですね…)
改めてクリアリングすれば本格的に船内を捜索し始める。船員室、食堂、医務室 様々な場所探索していると不思議なドアを見つける。少しボロボロなドア。その重いドアを開けていく。ギギィー…そんな音と共に開けると中の部屋は真っ暗だった…
「?…ここは?また倉庫でしょうか」
そう呟けば どこからともなく声が聞こえてくる。
「飯か?」
「飯をくれぇ」
「に、肉はあるかぁ?」
様々な声。飢餓に苦しむような声。無数の声のする方向へ顔を向ける。それは部屋の…下からだった。そこを見るとヤミは少し驚く
「こ、これは…」
下は格子状の床となっており無数のやせ細った男たちが手をその格子から先を出してせがんでくる。その地獄のような様子にヤミは愕然とする。
(こ、これは酷いですね…)
そんなことを考えながら部屋から出ようとした瞬間 飢餓の声は変わる。
「ん?お、女だ…」
「なんだって女だと?」
「お、おい俺にもくれ…」
「久々の女だぁ…」
それは性に狂った声。苦しむ声。久しぶりに見た異性に発情するような声を轟かせる男の声。
「お、おい…めちゃめちゃ可愛いじゃねぇか…」
「神様からの俺たちへのプレゼントだぁ」
「み、見えそうなミニスカートだなぁ はぁはぁ…」
「お前 この上に来いよ!遊んでやるからよぉ」
そんな下衆の声を聞くヤミ。もちろん聞く耳など持たず 逃げるようにドアを閉める。
(こ、ここだけは逃げるにはまずいですね…)
そんなことを思えば とりあえず今夜は倉庫で体を休めることにする。前の世界から今の世界に降り立って ずっと身体を酷使し続けたヤミ。体力と精神は油断を生むため 倉庫の隅で体を休ませて目を閉じる。まだヤミの冒険は始まったばかりなのだ…
今回 私の初作品である「金色のヤミ極」を読んでくださりありがとう御座います!早速ですが皆さんからの評価をもらいたいのでアンケートにご協力ください!意見があればコメントやツイッターで小説のタイトルを検索してもらえればアカウントが出るので そこに感想を是非!
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面白かった これからもこの調子で
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面白かったが読みにくい部分がある
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面白かったが描写が下手くそ
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普通
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面白くなかった