今回は最新作のココロネ=ペンギン
メインヒロインは帯刀千早です。
2月のある寒い日の朝。私の家にちーちゃんがやって来た。
「あ、あの澄香・・・・」
「どうかしましたか。ちーちゃん」
「折り入って相談があるのですが。」
神妙な面持ちで私に言う。
「分かりました。それじゃあ行こうか」
私は出かける準備をする。その行動に目を丸くしているちーちゃん。
「あ、あのまだ要件を言って無いのですが?それに行くってどこに?」
「百円ショップです!総司郎君にバレンタインのチョコレート作りたいから協力して欲しいんですねよね?」
「な、なぜ分かったんですか!」
「ふ、ふ、ふ。何年幼馴染をしていると思っているんですか。それに今のちーちゃんならすぐに分かりますよ。」キラッ
ドヤ顔で私は答える。私の顔を見て恥ずかしそうにちーちゃんは
「澄香に前にケーキを教えてもらいましたが今回のバレンタインはできたら本格的な贈り物をしたいと思っているの。だけどいかんせん洋風の物に私は疎くて澄香に教えてもらおうと思いまして。」
「うん。いいに決まってるよ。ちーちゃんと総司郎君のためだもの。それで?それで?具体的にどんなものが作りたいとかありますか?」
「そ、それが恋人への贈り物ですし。普通のチョコレートでいいものかと思いまして・・・」
「そんなこと無いよ。大切なのは気持ちだよ。」
それに相手は総司郎君だ。絶対にちーちゃんのチョコレートには喜んでくれる。
「ですが、その・・・今までの恋人のイベントがはちゃめちゃなものでしたので。どうしても不安で不安で」
涙目になるちーちゃん。そんな顔を見て私もある事を思い出す。
「あ~クリスマスは総司郎君がインフルエンザになってしまいましたもんね。そしてお正月には看病していたちーちゃんがインフルエンザをもらっちゃって・・・」
私が言うとちーちゃんは項垂れる。
「せっかく・・・せっかくの恋人になって初めての冬休みなのにこんな・・・こんなのって」
「ち、ちーちゃん張り切ってたもんね」
ただその張り切り方が問題であった。クリスマス前に一人で買い物をしているのを見つけてこっそり後をつけていたがメイド服を買ったお店に入っていきまさかのミニスカサンタの衣装を意気揚揚と試着して購入していてた時は目を疑った。さらにはそれをリールゥちゃん、つむりちゃん、凛ちゃんにも見られていたなんてちーちゃんには口が裂けても言えない。その後にインフルエンザが治った総司郎君に会った際にうっかりちーちゃんのミニスカサンタを思い出してしまいそれを総司郎君のマギアで知られてしまった際には総司郎君すごく落ち込んでたな・・・
「それに・・・バレンタインの日は・・・・」
ここで不意にちーちゃんは言葉を濁した。
「どうかしたのちーちゃん?」
私が聞くと慌てた様子で
「なんでもありません。と、とにかく。初めてのバレンタインはキチンとした恋人として思い出に残るようなものにしたいのです。そのためにも澄香どうかお願いします。喜んでもらえる贈り物を渡せるようにどうか力を貸してください。」
思いきり頭を下げるちーちゃん。
「そ、そんなに頭下げなくてもいいからね。ちーちゃんなら絶対に思い出に残るバレンタインにできるから。ね。」
落ち込んでいるちーちゃんを励まそうとするが
「ですが。今までが今までですし。これまでのパターンだとハートのチョコレートを作っても贈るときに真っ二つに割れたり、ケーキを作れば何かの拍子に崩れたりふふふ・・・・きっとそうしてまた私達の恋人のイベントは無残に終わっていってしまうんだ・・・・」
どんどんどんどんちーちゃんがネガティブな方向へ行ってしまっている。
「そ。それは流石に・・・・」
だけど今までの不運がありすぎるのですぐに否定できなかった。
(このままでは二人の初めてのバレンタインが危ない。どうにかして今回のバレンタインデーで今までの負の連鎖を断ち切るようなものにしなくては。となるとやはりここはまたあれを開催する必要がありますね)
私は落ち込んでいくちーちゃんを見ながらある決意を固めるのであった。