大まかなシチュエーションはリクエストです。
ロドス艦内、オペレーターの為に設けられた一室の中、一対の男女が壁際で互いの身体を絡み合わせる。壁に押し付けられるような形で一方的に唇を貪られている金髪の女と、対照的な灰色交じりの黒髪の男。
湯気すら立って見えそうなほどの情熱的なキス、凡そ人に見せられるような行為ではないにも関わらず窓には隙間が空いていて、通りすがった華奢なフェリーンの少女が慌てて廊下を駆けていく。それにも気づいていないのか、それとも気付かないフリをしているのか、汗が垂れ落ちるのも構わず二人は行為を継続した。
この状況に陥ったのは、僅か数分前____
***
「うう……、寝苦しいと思ったら、まさかこんな……」
不機嫌そうにうねる金髪を纏めながらぼやく彼女の名をレイズという。種族は麒麟。炎国大理寺に所属する官僚で、『雷法』と呼ばれるアーツの卓越した使い手で、そして現在、備え付けのエアコンをぶっ壊した人物だ。
彼女の名誉のために記すと、麒麟と言えど動物の特徴を備えるテラの民である以上、彼女にも確かに発情期というものが存在する。そして彼女の髪が結構な頻度で跳ね狂うことから分かる通り、雷法というものはその他のアーツよりも遥かに繊細な代物で……つまり、多かれ少なかれ誰もが集中力を欠く発情期に制御を手放しでもすれば(今回の場合は鎮静剤を服用した直後の仮眠ということになる)、エアコンの一つや二つ、簡単に狂ってしまう、という訳だ。
本人は空調を扱うのにリモコンすら必要ないと豪語しており、実際十分に集中している状況ではそれが出来てしまうのだが、悲しい哉眠っている最中の彼女にその集中力を期待するのは酷な話だろう。
「どうしたものやら……」
リモコンを押しても微弱な電流を流そうとも動かない空調を見上げて、嘆息。今すぐに修理を依頼したい気持ちは山々だが、そうなっては『レイズが空調を時々壊している』という事実無根の噂がごく一部分のみとはいえ事実となってしまう。しかしここ数日はうだるような猛暑、迷っている間にも気温はどんどんと上昇し、全身が発汗を初めているのが分かった。
「……仕方ない、かくなる上は」
ぱんと頬を挟んで立ち上がったレイズは、意を決したように勢いよく携帯端末をタップして耳に当てる。
「もしもし■■■■ですか。 ええ私です、レイズです。大至急私の部屋に来てください、すぐに。しつこいようですが大至急です」
ほぼ一息に言いきった彼女が待つこと一分、インターホンが鳴る。
「空いていますよ」
「空いていますよじゃあないでしょうが……。 どうせ今日も何か壊したんでしょう、ラジオか?照明か?」
「『今日も』ではありません『今日は』です! ……空調が壊れました」
「どうりでクソ暑い訳だ、俺だって暇じゃないんですからね……」
部屋に入るなり喧嘩まがいのやり取りを繰り広げたのは、三角耳が頭頂に生えたペッローの若者。
Tシャツに綿パンというラフな服装だが、その手には分厚いグローブと工具箱、小脇に抱えられた脚立がある。ロドス・アイランド製薬のロゴマークが刻まれたジャケットを羽織る彼の名を■■■■と言い、レイズとはとある作戦行動中に彼女の護衛を担当したことをきっかけに親しくなった仲だった。
「大体ね、俺なんかに頼まずに正規のエンジニアに頼めってんですよ、どうせアンタの事だから寝ぼけて壊したんでしょう」
「今回は仕方ないんです、やむを得ない事情がですね……」
「だったら猶更俺に頼まない方が良かったんじゃないっすかね、あ、次の昼飯奢りで」
無駄口を叩いてはいるが、その手際はレイズが素人目に見ても鮮やかで淀みない。彼自身はああ言っているが腕は確かなのだろう。垂れる汗を拭うのももどかしく見守ること30分ほど、ようやっと工具を仕舞った青年が立ち上がった。
「……ッし、取り敢えず動くようにはしましたけど、過負荷が掛かって溶け落ちた部分があるんで日が暮れるまではスイッチ入れないで下さい」
「そんな!」
「壊したのアンタでしょ、それくらい我慢してくださいよ……」
「なら貴方の部屋に行きます!」
「馬鹿言うな! 絶対やめろ馬鹿!」
「馬鹿とは何ですか! この暑い中日が暮れるまで空調無しだなんて、それこそ私が死んでしまいます!」
そして些細な事で口喧嘩は再燃する。窓を開けても籠った湿気と真昼の温度が、いつも通りの筈だった言葉のドッジボールをヒートアップさせる。
「大体アンタは毎回物壊しやがって! 何回目だ! ていうかやむを得ない理由ってなんだよ!」
「それなら貴方は短気すぎます! 修理してもらった時はそれなりの物で返していますし、貴方の部屋に行くのだって今回が初めてじゃないでしょう! 何をそんなに苛立っているのですか!」
二人は一息ついて、一拍置き____
「発情期だよ!!!!」
「発情期です!!!!」
と同時に返答を叩き付けた。
「……アンタマジかよ」
「それは此方の台詞です」
突然降って湧いた気まずい空気の中、二人は互いに己の気遣いの無さを悔いた。だがそれよりも問題なのは、きっと相手の身体から目を離せないことだ。
『発情期』というものが生活に付きまとう要素である以上、勿論この世界では鎮静剤が一般に出回っていて、今も二人はそれを服用している。その効能によるなけなしの理性を容易く壊す、蒸し風呂同然の部屋に充満した、
「あー……、出てった方がいいよな?」
「貴方がしたいように、すればいいのでは?」
曖昧な返事。丁度棚の影になる壁に凭れ掛かった彼女の、華奢な肢体から目が離せなくなる。ペッロー族特有の嗅覚が、しゃんと立っているように見えるその身体は今まさに淫熱に焼かれていると本能に囁き、混濁した理性を押し退けて身体が動いた。
身体を抱くように畳まれていた細腕を片手で素早く掴み、だん!と頭の上、壁に縫い付ける。
「ど、どういうつもりですか!」
「どうもこうも、収まらないんだよ、どうにかしてくれ」
「一人でその、処理すれば良いでしょう……っ、部屋に入られるのを拒んだのも、そういう意味だったんで」「こんな美味そうな匂いさせた女放って一人悲しく自慰に励めって? 冗談キツいな」
汗ばんだ細い首元に鼻を埋めて、汗の匂いを肺一杯に吸い込んだ。瞬間、ぎゅんと血流が加速する錯覚。
「なっ……あ、やめ、やめなさい……っ!」
「あー、……悪い、無理だ」
「このっ!変態が……っ!」
がしがしとレイズの爪先が脚にぶつかるが、大して痛くはない。本気で逃げようとしているのなら足先を踏むか股間を蹴り上げれば済む話だという事を
「……なぁアンタ、抵抗しねぇの?」
「今っ、しているでしょう!」
「全然力入ってないし、っていうかアンタならアーツ使えば一発だろ」
「え、あ、いや、それは……んぐっ!?」
言葉に詰まった隙を突いて半ば無理やりに唇を重ね、緩んだ口腔内に舌を侵入させた。力ないローキックと同様に抵抗無く自らを受け入れたレイズの舌を絡めとり、ペッローの幅広くザラついた舌で蹂躙する。
やがて取り押さえていた両腕から力が抜けるのを視界の端に捉えると、右手を壁から離して彼女の顎に添えた。
「んッ……、うむぅっ! ……っふ、ちゅ……んぁ……っ」
漏れる吐息に熱が混じる、二人の間に蟠った匂いが濃くなる。いつの間にか暴れていた脚は此方のそれに絡みつく形になっている事に気づいた所で、茹った思考がひと踏ん張りを効かせた。
「っぷは……、なぁ、レイズ」
「『今ならまだ止められる』……でしょう? 無理やり襲って、こんなにしておいて……はぁっ、随分臆病なんですね」
理不尽にも理性は死んだ。
「分かった、犯す」
「えっちょっ、待っ……!」
「自分で煽っておいて『待て』は無しだな」
挑発的な笑みに焚きつけられた衝動のまま齧るように唇を再度重ねる。僅かな身動ぎも許さない程強く掻き抱いて、今度こそ力の抜けた身体をベッドに引き倒した。獣そのものに堕ちたみたいに歯を剥き出し、煮え滾る情欲の手綱を一杯に引くと、大狗は問うた。
「最後だ、嫌なら蹴るなり叫ぶなりしろ」
瑞獣麒麟、応えて曰く。
「もし
ぷちん、と、何か糸が切れる音がした。黒いノースリーブのファスナーに指を掛け、一気に引き下ろす。
「……ノーブラかよ」
「あッ……貴方、少しはムード作りというものがあるのでは!?」
控えめなサイズの膨らみを両手で庇ったレイズの声を無視して、もう一度首筋に顔を埋める。今度は嗅ぐような真似はせず、軽く吸い付いて甘噛みを繰り返した。
「ちょっと、聞いていますか……っ、ぁ、うぁッ……、ふ、ぅ……!」
「ああ聞いてる。綺麗だ」
「ざ、雑です……ひゃあッ!?」
「文句言わないでくれ、俺も久し振りなんだ」
突然彼女が素っ頓狂な声を上げた。無理もない、何も言わずに突然秘部に触れられたのだから。細い片脚を持ち上げ、下げられないように腕で挟み込むように固定してからタイツとショーツ越しに指先が秘裂をなぞると、ぬるついた液体が僅か染み出す。
「なんだ、もう濡れてんじゃん」
「仕方ないでしょう……」
「まぁな、……直接触っても?」
「どうぞお好きに、ぃいっ!?」
既視感のある嬌声を上げたレイズを無視して、下着の中に滑り込ませた指先で秘裂をまさぐる。割れ目を擽る程度に軽く、時おり指を浅く沈ませて滲む愛液を掬って淫核を擦り、反応を観察しながら愛撫を続ければ、既に出来上がっていた身体は面白いように跳ねた。
「ひゃ、あッ、あぁ……ッ♡ ん、んんんッ♡ むぐ、ん……っ♡♡」
華奢な肩を震わせて声を抑えようと噤んでいた口に空いていた手の指を突っ込み、小さな舌を捕まえて好き勝手弄り回すと、彼女は従順に指を舐る。それを『さっきとは態度がまるで違う』と揶揄う余裕は、実は■■■■にもあまり無い。
逃げるようにくねる腰をしっかりと捕まえて薄い胸に舌を這わせ、押し返す弾力を愉しむのもそこそこにピンと勃って存在を主張する乳頭を咥える。それと同時に人差し指をごくゆっくりと膣内に侵入させ、浅く折り曲げて擦った。
痛みを訴える様子が無い事を確認してから親指で淫核を潰すように捏ね回すと、雷に打たれたように紅潮した肢体が仰け反る。
「ひうぅッ! は、あッ……♡ まっ、て、それッ♡ だめ、だめです……ッ!」
「駄目? 気持ちよさそうだけど」
「きもち、いいッ!から……ッ♡♡ きもちいいからとめてッ! 止めっ……♡♡ ぁ、あああッ!」
拒絶を無視して与えられる快楽に大きく痙攣したレイズの身体が硬直し、膣内が指を噛み締めるように収縮する。がくがくと腰が震え、やがて弛緩した膣穴から粘度の高い愛液がどろりと垂れた。
「っ……♡ く、ぅ……」
「派手にイったな」
「とめてって、いいましたよね……ッ」
「うん、俺『止める』とは言ってないぞ」
「え……やッ、まっていまだめッ! だめだからぁっ!♡♡」
普段凛とした態度を崩さないレイズの口調と表情が蕩けているのに気を良くしたのか、■■■■は手を休めず、そのまま二回程絶頂させた。一度絶頂させる度に指を増やし、慎重に奥まで侵入させ、恐らく彼女自身は知らないであろう”弱点”を掘り当てていくのは、肉体的なそれとは違う充足に似た快感を伴って、未だお預けを喰らったままの本能を焼く。
やがて抵抗の言葉すらまばらになり、桜色の唇から吐き出されるものが熱い息と意味を持たない嬌声だけになって初めてレイズを腕の中から解放した。
「ぁ……っ♡ は、ぁ…………♡♡」
「これだけ解れたら大丈夫か……、よし、ヤるか」
「い……いいかげん、すこし、やすませ……」
「悪い、俺は待てな……あぁ分かったよ、睨むなって」
先ほどまで快楽と情欲に蕩けていた彼女の藤色の双眸がすっと細まるのを見て取って、思わず首を竦める。少しの休憩を約束して、仰向けに倒れた尻の下に膝を挿し込む形で持ち上げさせ、タイツごと下着をするすると脱がせると、整えられた薄い茂みと引き締まった下半身が完全に露わになった。
待つこと三分ほど。息を整えた後、スツールの上に放置されていたボトルの水を呷ったレイズが■■■■の袖を引いた。彼が顎をしゃくると素直にベッドに横たわりはだけたワンピース、そのスカートを捲り上げる。
既に何度も確認は取った、そもそも嫌なら彼女の言葉通り、彼は既に去勢されているか黒焦げになっているかのどちらかだろう。だったらもう言葉は要らない。 ……筈だ。
ズボンから取り出した逸物を見て彼女が唾を呑み込む音が聞こえたが、わざと無視して秘裂の入り口に突きつける。にちゃにちゃと音を立てて、間違っても痛みを与えぬよう小刻みに挿入していく。
「ふ、ぅ……ッ♡ ……ッ、くぅ……っ♡♡」
「……流石に、キツいな」
挿入の最中はきつく締め上げて動作を阻害していたレイズの秘所が、膣奥まで亀頭が到達すると一転して、歓迎するように内壁を蠢かせて逸物を抱き締める。思わず息が漏れそうな口を引き結んで腰をぐりぐりと押し付けると、きゅんきゅんという断続的な締め付けに背筋が震えた。
「やぁ……っ♡ あ、ぁ~……ッ♡♡」
「いや、締めすぎ、だろ……」
惚けた表情を晒す彼女の腕を引く形で逸物を根本まで呑み込ませ、慣らすつもりでゆっくりと腰を前後させる。腹側の、今は上側になる膣壁の襞をカリ首が引っ掛けて擦る度に隠しようの無い甘ったるい嬌声が零れて溢れた。
砂山に水を注いだみたいに肉欲の飢えが満たされていく。塩水を飲んだようにもっと欲しくなる。それが良い事なのか悪い傾向なのかには、今は一片の興味も無い。情けない事に自らの限界が近付いていることを悟ってか、■■■■は徐々にピストン運動を早め、先ほど指で探り当てておいた『弱点』を殴打じみた乱暴さで抉った。
「お”ッ……ッ♡♡ は、ぇっ!? や、まッ♡♡ はげ……っしいッ♡♡」
「お互いイチャつきたい訳じゃないだろ、さっさと、終わらせよう……っ」
「も、ぉ……っ、あッ♡ だめ、いくッ♡♡ またいく……ッ、ぅ!♡♡」
ごちゅ、ごちゅと勢いよく腰が打ち付けられる度にレイズの身体が跳ね、細い腰がくねる所為で膣壁が擦り付けられて互いの余裕が余計に削られる。
「あ‶ッ……、ぉおっ♡♡ ぁいくッ♡♡ ん、ああっ! んん……ッ♡♡」
「……悪い、俺もそろそろだ」
「お‶ッ、ぐっ♡♡ ひ、ぎぃっ♡♡ や、あッ♡♡」
ぐっと一層深く膣奥を抉りながら身体を倒し、抱き合う形で互いの身体を密着させた。汗で濡れた皮膚表面が溶け合う錯覚に陥りながら細かく押し付けるような抽挿を続ける。
「出す……ぞ、レイズ!」
「あ‶ッ♡♡ ッ…! ~~~~ッ♡♡」
返答は引き攣ったような息に搔き消され、その代わり■■■■の背中に回された彼女の手が爪を立てるほど強く抱き締め返す。それを彼は了承と受け取って、熱い精を避妊具越しに放った。
長い、長い脈動を伴って精液が吐き出され、ややあって逸物を抜いてみれば、避妊具の先端はたっぷりと雫型に膨らんでいる。肉棒から取り外したそれの口を縛って、青年は既に気を失っているらしいレイズを見下ろした。
まだ浅く熱い息を繰り返す彼女の身体には指や歯の跡がありありと残っていて、発情期特有の短い交尾が、自分が思っていたよりも激しかっと示している。それらが全て多少の努力で隠せる程度のものである事を律儀に確認してから、彼はベッドに倒れ込んだ。
熱い西日は懲りずに窓から差し込み、部屋の中は互いの匂いでカオスな事になっているが、朝からずっと体内で燻っていた熱はすっかり収まっている。
今ならよく眠れそうだ、と口に出す間もなく欠伸を一つ零すと、彼は傍らの麒麟を抱き枕替わりに寝息を立て始めた。
今回のモブオペくん
ロドス所属、ペッロー(シベリアンハスキー)の青年。身長180cmくらい。機械いじりが趣味で発情期が重め。非感染者の前衛オペレーター。
感想送ってもらえるとモチベが跳ねあがります。また感想欄で気軽にリクエストとかして貰ったりすると採用するかどうかは別として作者は嬉しいです。