エロなしなら早めに書けるもんだと自分でも思うけど、エロはやはり欲しい。
というわけで今回はエロなし。
次回はエロあり予定ですんで多分一週間後くらい。
でもメインも書かなきゃなとは思います。
では、どうぞ。
しかしそのままリップがゲルゲの犠牲になることはなかった。
なぜなら、
「ハァァァァァ!」
「ゲ!? ギャア!?」
高速で回転する何かが飛んで来てリップを捕らえた触手を切断する。再生はするが痛みがないわけではないゲルゲは叫びながらリップを離してしまう。
「遅れてごめんなさい!」
「……スイートキッスか」
現れたのは青色の短めの髪をした少女にしてスイートリップの相方、スイートキッスこと柚木香那葉だった。
先ほど触手を切断したのは彼女のフラフープのような武器、ブーメラン・フープだ。
その名の通り飛ばせば、ブーメランのように戻ってくる性質を持っているため、まだ距離がある状態で投げてきたのだろう。
「ぐ、ぎぃぃぃぃぃぃ! お、俺の身体を……許さねぇぇぇぇぇ!」
「目的は果たした。 退くぞゲルゲ」
「うるせぇぇぇ! 犯して、狂わせて、ぶち殺してやるぅぅぅ!」
「……
今までの余裕は何処にいったのか、発狂するように怒り狂うゲルゲが触手を再生させながら、キッスに突っ込もうとする。
そんなゲルゲをメッツァーは、叫びもせず、ただ呼んだ。
「う……あ……」
しかしただそれだけにも関わらず、ゲルゲの動きが止まる。
本来ならば人間の魔導師よりも遥かに勝る力を持つ上魔であるゲルゲが、メッツァーの言葉に止まったのだ。
無論、それは契約だからと言うのもある。しかしそれだけではない。
「俺の命令が聞けないのか?」
「い、いえ……少し、頭にきちまったんで……旦那に逆らう気なんて……全然……」
「ふぅ……ふぅ……」
怒りを秘めているわけでも、魔力が溢れているわけでもない。
ただメッツァーは淡々と問い掛けているだけだ。しかしそれでもあれだけ我を忘れて怒っていたゲルゲは冷静になり、むしろ怯えているように言い訳をする。
それを見ているキッスは、油断せずに武器を構えてメッツァー達を睨んでいた。
何故か息を切らし気味ではあるし、顔も赤いが、それでも戦闘の意思は全く失っておらず、何ならリップよりも戦いに対する激しさすら感じる。事実油断は出来ない存在なのだ。
「撤退だ」
「……へい」
それだけ告げると最後まで名残惜しそうにしているも、素直に従いメッツァーと共に転移魔法でゲルゲは消えていった。
消えて暫くすると、やっとキッスも気が抜けたように息を吐いた。
そして、倒れたままの仲間へと駆け寄る。
「先輩! 先輩!」
「……ごめ、んね。 香那葉ちゃん。 私、負け、ちゃった……」
「私こそ! 早く助けに来られてれば……」
「……大、丈夫。 次は……負けないから……必ず、勝つ、よ……だから、心配しないで……!」
「先輩……」
何をされたのかは今のリップを見れば分かる。それでも、辛いはずなのに。泣きたいはずなのに、リップは自分を攻めて泣き出すキッスを気遣うように覗き込むキッスの涙を指で優しく拭う。
そう、まだ負けてはいない。心が完全に折れた時こそが本当の負けなのだ。だからもう負けられない。
リップの痛々しくも強い強がりに、キッスは心からメッツァー達を倒す決意を固めていた……。
「悪いな。 あれが稼げる限界だった」
「いや構わん。 十分に成果はあった」
一方、撤退したメッツァーはキッスの足止めをしていたアクラと基地内で合流し、作戦の進行を確認するため司令室に居た。
マナの回収作業を行っているココノと、再生中のゲルゲはここにはいない。
「ゲルゲの奴、イライラしてたんじゃないか?」
「だろうな。 しかしそれを割り切らない奴ではない」
メッツァーがリップを倒している間の足止め役がアクラなことはゲルゲも知っている。そしてゲルゲは弱いアクラのことを嫌っている。弱い上魔に存在価値はないとまで言っているくらいだ。しかも今回そのアクラのミスで自分がダメージを負ったのだ。
更にメッツァーからはミスのお咎めなしとくれば、ゲルゲの内心にどれだけアクラに対する不満がたっぷりあるのかは、想像に容易い。
しかしそれを割り切る知性はある。だからメッツァーは心配してはいなかった。
それにアクラはミスなどしていないのだから。
「しかし調整が難しいな。
「だが価値はある。 既に片鱗は見れたからな」
メッツァーやアクラの戦闘は基地に残ったココノによって記録されている。科学技術を組み合わせることによっ作られた計測器は魔力の流れなども詳しく捉える。
そのデータは既に優秀な頭脳を持つココノによって資料となっており、メッツァーのデスクに届いていた。それを見たが故にメッツァーは確信を得ていた。
「戦士としての心構えや技術はともかく、スイートナイツの二人の魔力的素養は本物だ。 女神近衛騎士団に、いやクイーン・グロリアに選ばれたのは伊達ではないな。 だから壊すのは得策ではない」
「そうだな。 ココノの
元女神近衛団第二騎士団アップルナイツの副長であるココノ。彼女は今かつての魔法戦士としての力を失っている。
それは急速に行われたメッツァーによる調教により、精神が魂が濁り過ぎたのが原因だ。清らかな心が失われたとも言える。
つまり魔法戦士は急速に調教を行えば、魔法戦士としての力を失う可能性がある。特にスイートナイツの二人は当時のココノと同じく言ってしまえば新人だ。ココノと同じようになる可能性は低くはない。
だから二人は考えたのだ。スイートナイツ陥落作戦を。
「わざと逃しながらも、少しづつ恥辱と淫欲に溺れさせて正気のまま転がり落とす。 ゼーロウに報告書を出したらまた笑われそうだ」
「上魔の連中にも言えんさ。 知っているのはココノやお前と……」
「はぁい♡お二人さん♡」
「……こいつくらいだ」
二人しか居ないはずの司令室に響く甘い誘いすら感じる声。その声に若干苦々しい顔をしながらメッツァーは声の方に顔を向けた。
そこに居たのは長い青い髪を伸ばした扇情的な服装をしており、背中には蝙蝠のような羽を生やした女。彼女の名はサキュバス。非常に協力な、メッツァー陣営でもトップクラスの実力を持った上魔だ。
「相変わらず擬態が上手いわねぇアクラ」
「そういうサキュバスは相変わらず盗み聞きが得意なようで」
「聞こえちゃっただけよ」
「……司令室に忍び込んで聞こえただけはないだろう」
アクラの指摘に悪びれもせず答えるサキュバスに対して、頭を抱えるメッツァー。
あと一人、
それが故かアクラとサキュバスのやり取りは慣れたものだった。
「あの爺がブツブツ言ってたよ。 やっちまえば良いじゃない」
「言わせておきゃ良いんだよ。 俺の本当の力を知られるわけにはいかない」
そうアクラは実際の所、サキュバスの言うようにゲルゲなど相手にならない実力を持っている。しかしメッツァーは上位の上魔であるサキュバスと契約しているだけでもゼーロウ上層部からは疎まれている。
故にアクラの本当の実力をゼーロウに知られるわけにはいかない。少なくとも最低限監視がついているであろう、地上やロアではアクラの実力を出すわけにはいかないのだ。
「まぁ私もあのバカども全部と戦えって言われたらごめんだけどね。 まぁメッツァーが命令するなら……考えてあげても良いけど?」
「……絡むなうっとおしい」
「つれないねぇ……でも、その眼は好きだよ。 あの日からちっとも変わらない。 野望に満ちた覇王の眼」
大きな胸を押し付けるようにメッツァーに背後から抱き着くサキュバスだが、メッツァーは歯牙にもかけず、サキュバスを拒否する。
ふわりと浮き上がり不満そうに言いながらも、今度は正面に浮かんだサキュバスがメッツァーの顔を見ながらウットリと告げる。
サキュバスがメッツァーと契約した日のことを思い出しているのだろう。
上魔サキュバス。侮れない戦闘力を持ちながらも幻術、淫術なども非常に優秀な上魔の中でも高位な実力者。彼女と契約したいがために、彼女を魔界から召喚する魔導師は多い。
その誰もが生気を搾り取られ、歯牙にもかけられず断られてきた。
しかしそんな彼女と契約したものがある日現れた。若き魔導師メッツァー・ハインケル。ゼーロウで彼が目を付けられ始めた理由である。
だが、彼女がメッツァーを選んだ理由を知るものは少ない。契約の場に居たココノやアクラくらいなものだろう。
そしてその理由は、単純明快なものだった。
メッツァーは何かを成し遂げる覇王の目をしている。端的に言えばサキュバスはメッツァーに
覇王となる彼と同じ道を歩みたい。故に実は契約をしていないアクラとまではいかないが、非常に少ない量のマナでサキュバスはメッツァーと契約を結んだのだ。
色恋自体に興味がないメッツァーも邪険にはしているが、サキュバスのことは認めており、こうやって司令室に忍び込んだり、抱き着いたりしても呆れはするが怒りはしない。
基本的に真面目なココノがいれば注意するだろうが、実はサキュバスとココノも種族は違えど女同士のためか意外と仲が良いため、いざこざにはならなかった。
しかし話の腰を折ったのは確かであり、メッツァーは呆れたように溜め息を吐く。
「はぁ……それで、何のようだ?」
「あら? 用がなくちゃ会いに来ちゃいけない? はいはい、分かってるわよ。 冗談冗談」
尚もふざけた調子のサキュバスに流石にメッツァーの目にイライラが見えると、サキュバスは訂正しながら片手を振った。
そして淫靡な笑みを浮かべる。
「あんな可愛い子を調教するのに私を呼ばないなんて酷いじゃない。 私にもやらせて♡」
「はぁ……」
淫靡な笑みを浮かべながら要求を言うサキュバスに、メッツァーは疲れたように溜め息をもう一度吐く。
サキュバスの要求が予想通りだったからだ。しかし一応サキュバスを呼ばないのには理由があった。
「彼女らの心を折るのにお前は不向きだろう。 快楽に完全に溺れさせるには早いぞ」
「あんな雑魚に任すよりはマシだと思うけど? それとも独占したかったりするの?」
「そんなわけがあるか。 だがな……」
「メッツァー」
話し合いが平行線になって来た所で少し黙っていたアクラが声を上げる。その声に二人ともアクラの方を向いた。
「サキュバスは次に俺と出撃しよう。 狙いはスイートキッスだ」
「話が早いじゃない! ヌいてあげよっか?」
「遠慮しとく。 まぁ理由があるんだ。 スイートキッスの男に対する苦手意識は、意外と強めっぽくてね。 それで……」
もう!つれないわね!などと言うサキュバスを尻目にアクラは作戦を詰めていく。
その説明に初めは渋い顔をしていたメッツァーも納得した表情になる。
「分かった。 内容自体はシンプルだが、確かに効果的だ。 なら今度の時間稼ぎは俺とゲルゲだな」
「倒しちゃっても構わないよ? 多分無理だろうけど」
「……ほう」
詰めた作戦内容に納得したメッツァーは、役割の確認をするために自らの役割を口にするが、アクラはニヤニヤと笑いながらからかうように言う。
しかしその内容は少しばかりメッツァーに剣呑な光を宿すものだ。
「俺がスイートリップに負けるとでも?」
「メッツァーが直接、手を出せば勝てるとは思うけどね。 多分ゲルゲじゃもう勝てない」
「……数日でそれほど成長すると?」
「あぁ多分、ね」
騒ぎを起こし過ぎては面倒なことになるため、出撃は数日は間を空ける。その短い時間でリップがゲルゲに勝てるほど成長出来ると言うアクラの言葉に疑うような目線をメッツァーは向ける。
一足先に撤退したアクラは、リップがキッスを気遣うために見せた強がりを見ていた。あの強がりが出来るのは本当に強いものだけだ。
アクラはそんなリップの精神的な成長を予測しているのだ。
そしてアクラの予測を察したメッツァーの目から剣呑さも取れる。
「アクラがそこまで言うならそうなのだろうな。 そろそろゲルゲの奴も用済みか」
「まぁあの爺はそろそろ消えても良い頃よね。 生き残れたら私が消してあげても良いけど?」
「基本的には彼女らの経験にしてあげた方が良いよ。 倒すのは大変になるけど、彼女らの成長はこっちの戦力増強になるんだから」
なんだかんだ長い付き合いだが、誰一人としてゲルゲの生存を期待しない三人。
しかし仕方ないのだ。
ゲルゲ本人も言っているように弱い上魔に存在価値などないのだから。
そして、スイートキッスを狙う、アクラとサキュバスのタッグが出撃する日となった。
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スイートナイツ編
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プリンセスティア編
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スイートナイツ2編
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シンフォニックナイツ編
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レムティアナイツ編