今回でシンフォニックナイツ編は終わり。
最後の選択のお時間です。
今回はあとがきもありますので。
では、どうぞ。
「ここ……は……」
「殺風景な場所で悪いね」
「……ジェノ」
目が覚め、力が入らない中でも身を起こすと、見慣れない研究所のような場所で、仮面を付けた男に話しかけられる。
常人ならば間違いなく驚くであろうシチュエーションだが、菜々芭は冷静だった。
その瞳に悔しさはあっても、驚きはない。
「ここが……あなたの」
「まぁ臨時拠点だよ。ククク、まぁ暫くはきみの家にはなるのかな?アイツ次第だけど」
「…………」
初めに会った時から軽薄な態度のジェノことアクラだが、今日はいつもより更に軽薄だ。
その態度に予想をつけた菜々芭の言葉に、隠すことなくアクラは答える。
そう、ここはアクラや鷹佑が普段研究に使っている隠しラボ。アクラは捕らえた菜々芭をこの隠しラボに連れてきたのだ。
鷹佑も今頃、この隠しラボの別の部屋に莉々奈を監禁しているはずだ。
「さて、こんな場所で悪いけど、きみにトドメを刺させて貰おうか」
「……トドメ?」
「知らないフリをしてもダメだよ。さっき犯したばかりなのもあるけど、きみ、今発情してるでしょ?」
「な……!?」
そこまで冷静だった菜々芭の表情が見る見る間に赤くなっていく。
アクラは菜々芭を犬のような見た目の上魔になって犯した後に気絶させ連れ去った。
無論その時は犯してすぐのため、そこそこメスの匂いがあったが、隠しラボに連れてくる間に薄れてしまったのだ。
だが、今の菜々芭からはまたメスの匂いがする。
それはつまり、菜々芭はアクラに今から犯されることを
「そ、そんなわけ……きゃあ!?」
「あるんだよ。何回きみを犯したと思ってるんだい?きみの身体はもう、俺を求めちゃってるんだ」
拘束こそされていないが、まだ上手く力が入らない菜々芭をアクラは床に押し倒す。
準備は整ったのだ。
「ほら……」
「ん、ひっ♥」
押し倒された時に捲れ上がってしまったスカートの中の既に下着を脱がされ、遮るもののない秘所に指が触れてくる。
本当に軽く触れられただけだが、クチュ♥という音と共に菜々芭のハッキリとした快楽の声が上がる。
「しっかり濡れてるじゃないか。期待……してたんだろ?」
「っ……ぅ……ひゃん!♥」
一度は乾いたはずの秘所から溢れてくる愛液を指摘され、上手く言い訳出来ない菜々芭から可愛らしくもいやらしい声が漏れる。
アクラが秘所の入口に指を滑らせ、そっと隠れている陰核を指で探り当てるようになぞったのだ。
莉々奈の弱点がアナルだったなら、菜々芭の弱点は乳首を含んだ3点の突起だった。
「あっ♥あっ♥あっ♥だめっ♥だ、あぁぁ!♥♥♥」
(流されちゃ……ダメ、なのに……クリトリス弄られると……気持ち、良過ぎる……♥)
アクラに幾度も犯され、菜々芭の身体は開発され、そしてアクラもまた菜々芭の身体を覚えている。
どれくらいの強さが好みなのか、どこが弱いのか。
それを完全に知られている状態で、アクラほどの技巧を持つものが弄ればどうなるか、答えは簡単だ。
「んぉっ♥っ♥♥い、イクっ♥♥イッちゃうっ♥♥♥クリッ♥♥イックゥ♥♥♥んああああああ!!♥♥♥♥」
ビクッ♥ビクッ♥♥ビクッ♥♥♥
なすすべなく、腰を軽く浮かして痙攣しながら絶頂させられてしまう。
根元から指先で掘り出されるように擦られるのに菜々芭は非常に弱いのだ。
だが、無論一度では終わらない。
「ん♥ぉああっ♥♥♥そ、それっ♥♥だ、だめっ♥♥♥また、またイクっ♥♥♥」
ビクンッ!♥♥♥ビクンッ!♥♥♥ビクンッ!♥♥♥ビクンッ!♥♥♥
アクラの指先が何度も何度も根元を掘り出すように擦ってくると、その度に軽イキが何度も菜々芭を襲う。
背を限界まで仰け反らせ、身体が痙攣するのを止めることができない。
どんなに我慢しようとしても、呆気なく絶頂へ追いやられてしまう。
(やっぱり……ダメ……♥この人の腕の中に居ると……力……抜けちゃって……何も……出来ない……♥)
戦いに敗れ、犯された後に目が覚めたばかりとはいえ、菜々芭はあまりに無抵抗だ。
しかしそれはただ負けた後だからというわけではない。
ジェノが他の魔族に変身してるなら、もっと抵抗出来る。
少なくとも、ただ押さえつけられて、陰核を弄られるだけなら暴れるくらいはする。
しかし、ダメなのだ。
ジェノの姿、そしてあの姿の時だけは、ダメだ。
(受け入れ……ちゃってる……♥私、私……この人を……♥)
いつからこうなったのかは分からない。
だが、いつしか菜々芭の身体は、この時だけはあまりにも素直に快楽を受け入れてしまっていた。
今も嫌がっているのは口ばかりで、全身を脱力させ、両足をまるで陰核を弄りやすくするように大きく開いてしまっている。
無意識に、もっとして欲しい。もっとしやすいようにと動いてしまっている。
しかし聡明な菜々芭には自分の身に起こっている原因をきちんと理解していた。
いや、理解せざるおえなかった。
(やっぱり……この……
ジェノに抱かれている時の
それはあの時の感覚に非常に良く似ていた。
信じ難い感覚。
しかし誤魔化しようのない、心地良さすら感じるこの感覚は間違いない。
「おねが……んぁ!♥♥♥はな、しを……♥♥させ、んぃぃぃぃぃぃ!!♥♥♥」
言葉を出したくても、菜々芭が口を開くと喘ぎ声しか出ない。
戦いの最中や押し倒す際、それに一呼吸入れる時はジェノは良く喋るが、責めている間は菜々芭の様子を楽しんでいるのか、夢中になっているのか無言で笑っている。
だから、言葉を挟める余裕はない。
(……こう、なったら……!)
ジェノが菜々芭を理解しているように、菜々芭もまたジェノをある程度は理解している。
だから分かる。
今の責めを何とか緩ませる方法を。
「……っ!ん!」
「……!?」
完全に脱力してしまっていて力が入らない。
それでも余力を残すことを考えなければ、必死になれば少しくらいは動ける。
普段ならばそれを逃げるために使うであろう状況で、菜々芭は、全力でジェノに抱き着き、そして自ら唇を重ね合わせた。
だが、これが正解なのだ。
「……ん、ちゅ」
「んん♥んっ……♥」
突然の菜々芭からの口付けに一度は止まっていたジェノが、陰核を弄るのを止めて舌で菜々芭の舌を絡め取り始める。
そう、これが菜々芭の考えたジェノの責めを緩ます方法。
基本的にジェノはキスが好きであり、その時はキスに集中したがるのだ。
自分からキスをするなど恥ずかしくて仕方なかったが、効果的ではあった。
「んちゅ♥んん♥んぁ♥んっ♥」
(これ……なら、まだ何とか……夢中にならなければ……♥あ……♥キス……すごい……♥)
舌を絡め取られ舐め回される快楽は決して弱いものではない。
むしろ、単純な責めよりも菜々芭の心を攫いかねない危険な快楽を秘めている。
しかしそれでもこれで良い。
「んぁ♥♥ん、ふぅ♥♥んちゅ♥♥んんん!♥♥♥」
今の菜々芭の身体は何度も陰核で絶頂させられたために普段より敏感だ。
だから、キスだけでも今のように簡単に軽イキしてしまう。
そして、ジェノはその時口を離し、気分を聞いてくることがある。
「ん……ふふ、気持ち良さそう……」
「待って……
「…………」
そこが狙いだった。
彼女が気付いたことを、ジェノに、亜九にアクラに伝えるチャンスをそこに賭けたのだ。
「……何の……いや、流石に苦しいか。流石だね菜々芭。思わず黙っちゃったよ」
少しだけ黙っていたジェノ、いや完全に喋り方を亜九であり本来の素の喋り方にしたアクラが笑みを菜々芭に向ける。
アクラにもある程度は気付かれていたことは察していたが、このタイミングで指摘されるとは思わず黙ってしまったのだ。
「とりあえず正確な情報を伝えておこう。俺は正確に言うなら無月亜九でもないよ」
そう言って仮面を外し、アクラは偽りのない素顔を菜々芭に見せる。
「俺の名前はアクラ。異世界ロアの新たなる支配者になる男、メッツァー・ハインケルの側近。上魔アクラだよ」
「上魔……アクラ……」
ジェノが亜九である確信は持っていた菜々芭だったが、その正体が話に聞いた異世界ロアを侵略する銀髪の魔王の側近とまでは知らなかったため、思わず息を呑む。
しかしアクラの方はやっと隠す必要がなくなったとばかりに晴れ晴れとした表情だ。
「しかし良く分かったね。そりゃ印象までは完全には変えられてなかったかも知れないけど、物理的な証拠は一切なかったはずだけど」
「ジェノに抱き締められた時と……亜九さんに抱き締められた時……同じものを……感じたので……安心出来るような……ドキドキするような……」
「……へ、へぇー……そんな、バレ方が……そっかぁ……ドキドキ、ね……」
事実アクラの隠蔽により、亜九とジェノが繋がるような証拠は一切ない。
科学的に調べても魔法的に調べても、特定はかなり難しいはずだった。
それならば余程しっかり調べたのだろうと考えていたアクラだったが、まさか抱き締められた時の感覚が一緒だったと言われ、気恥ずかしいやら、困っだやらでアクラは目線を泳がせる。
言った菜々芭も快楽による興奮とは別の意味で顔を真っ赤にさせて目を泳がせているのだからおあいこだが。
「ま、まぁ良いや……とにかく、気付かれていた以上、ここで菜々芭を堕とし切らないとね」
「亜九……いや、アクラさん……」
「お、そう呼ばれるのは嬉しいよ。さぁじゃあアクラとして初めてを奪わせて貰おうかな」
それでもやはりこの場を支配するのはアクラだ。
いくら虚を突いて動揺させたとしても、それでもアクラの優位は動かない。
それは菜々芭にも分かってる。そしてこのまま犯されればアクラの言うように堕ちてしまうことも。
だから、恥を捨てて、菜々芭は勝負に出た。
「アクラさん……
「は……?」
菜々芭の言葉に今度こそアクラは完全に止まる。
虚を突かれたどころではない。
想像もしなかった一言を言われ、完全に思考が止まってしまっていた。
「な、何言って……」
「貴方のことが大好きです。アクラさん……」
「な……な……」
必死に自分を取り戻そうとするアクラに対して、未だに恥じらいはあるのか顔は赤いが再度菜々芭が正面から告白する。
そのあまりにも正面からの言い分に、アクラまで頬を染めてしまう。
「だから、私と一緒に来て、ください……!」
「菜々芭、と?」
自分と来て欲しい。
それはアクラが菜々芭を堕とした後に言うつもりだった言葉だ。
鷹佑を予定通り裏切らせ、愛する人物であり十分なデータとそれを自分以外にも活用出来る菜々芭を連れてメッツァーの所へ戻る。そういう計画だったのだから。
しかし、それは菜々芭も似たような考えをしていたのだ。
「アクラさん。貴方は確かに魔族で、私にも莉々奈さんにも沢山酷いことをしました。でも、それだけが貴方じゃない」
「俺は……」
「私が貴方に負けたショックで落ち込み、しまいには泣いてしまった時、貴方は優しく抱きしめてくれました。シンフォニックシュガーの開発に悩んでいる時、貴方は私を励まし、協力してくれました」
「それは、」
「狙いがあったにしてもです。私は嬉しかった。貴方が笑いかけてくれる度に、心臓が弾みました。貴方と研究する時間が楽しくて、いつも待ち望んでいました。こんな気持ち初めてで、とってもドキドキしましたけど……悪い気分じゃなかったですよ?」
「俺……だって」
次々と素直な言葉を口にする菜々芭に、普段とは逆にアクラが押し黙る。
アクラとて同じ気持ちだ。
初めて知った異性を好きになるという感覚は、アクラとしても恥ずかしくはあったが、とても良い気分だった。
だから、菜々芭と一緒にいたくて、ここまで回りくどい真似をしたのだから。
だが、菜々芭の言葉にアクラは頷けない。
「菜々芭……俺は……!?」
「地震……!?」
菜々芭の言葉にアクラが隠し事なしに答えようとしたその瞬間、ラボ全体が軋むように揺れ始めた。
地震のようだが、この隠しラボは異空間にあるのだ。地震なわけはない。
それならば、原因は一つだった。
「やるじゃないかファルケ。まさか、このタイミングで裏切るなんて」
鷹佑が裏切り、この隠しラボを消滅させようとしているのだ。
恐らく鷹佑は既に莉々奈を連れて脱出しているのだろう。何の連絡も来ないということは、セラフィも既に陥落させられていたか、消されているのだ。
アクラが菜々芭を手に入れようと企むタイミングでの裏切りは、非常に効果的なタイミングだ。菜々芭を守るためにもアクラは鷹佑を追うのが難しいのだから。
そんなタイミングを選んだことにアクラは鷹佑を褒めながら、菜々芭に目を向け、口を開く。
「……俺は魔族。菜々芭が良くても世界は俺の存在を許しはしないし、俺だって、長くは……きっと……無理だ。俺やメッツァーみたいな奴が生きるには世界ごと変えるしかないんだ。だから、一緒にはいけないし、そんな考えなら連れてもいけない」
「アクラさん……それでも私は……!」
「さようなら、菜々芭。菜々芭の言葉、本当に嬉しかった。もっと一緒に、いたかったよ」
「アクラさ……」
菜々芭を隠しラボから避難させるため、予め用意していた菜々芭のラボへとパスを繋ぎ、転移させる。
莉々奈と菜々芭が居なくても、霧沢瑠々香、いやパレキシアの王国側の魔導師であるルルカ・キュービアックがミネルヴァ・ガードには居る。
戦力を無駄に消耗するわけにはいかない鷹佑はそちらは攻められないはずなので、これで菜々芭は安全だった。
「さぁ戻るか……作戦自体は6割成功したんだから」
そしてアクラもまた姿を消す。
一筋の……涙を残して。
その後、魔法犯罪者、雨塚鷹佑と無月亜九が居たラボに捜査の手が伸びるが、彼らの行方を掴める物品などは発見されなかった。
魔力集積都市エクセリウムの戦いは、百合瀬莉々奈の失踪という最悪の形で終わったのだ。
莉々奈は鷹佑ことファルケ陣営に。
菜々芭はそのまま魔法戦士として残る形になりました。
次回からは一応最終章予定のレムティアナイツ編です。
というわけで来週はお休み、次回は番外編かスイートナイツ編にもあったその後やらのまとめです。
では、お読み頂き、ありがとうございました。
これからも宜しくお願いします。
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