長いプロローグになりました。
今回もエロが殆どない回で申し訳ない。
レムティアナイツ編はオリジナル展開の塊なんでどうしても説明が長くなってしまいました。
とりあえず次回からきちんとエロ……かな?
では、どうぞ。
「……解せぬ」
「当たり前ですわ」
顔面に菜々芭の拳をもらったアクラを、呆れたような目で樹が見ている。
思わずグーが出た菜々芭は、一時的に退室中だ。
色々とオーバーヒートしたのをクールダウンしないと、とても正気ではいられないらしい。
「貴方達の関係は本人から聞いていたけど……まさか、ここまでとはね」
「……ま、勿論それが全てじゃあないけどね。とりあえず、菜々芭が戻ってくる前にこの同盟のきみらの利点を話しとこうか」
菜々芭が退室したことでこちらも冷静になったのか、アクラがソファーに座り直してテンションを戻す。
菜々芭はいないが、問題ないと判断したのか瑠々香と樹も聞く姿勢になった。
「俺が協力する上の利点は大きく分けるなら2つ。まずは、シルヴァの奴の変容魔法で変化してしまっているエリクシルライム、立花亜梨子と、エリクシルローズ、鏡島樹の治療だ」
「治療……」
治療と聞いてアクラにされたことを思い出したのか、樹が頬を赤く染める。
詳しくまでは聞けなかったのだが、あれ以来本当に酷かった発情がある程度治まっており、効果があるのは分かっているのがまた憎たらしく感じられた。
「誤魔化されない内に言っとくけど、樹さんもかなり危ないよ。報告から聞くに立花亜梨子の方が敗北回数が多い以上、更に危ないだろうね」
「それは……」
誤魔化しをしようとしていると察したアクラが先んじて瑠々香の言葉を潰す。
そこですぐさま言い返せない瑠々香に追い打ちをかけるべく、アクラはそのまま口を開いた。
「戦えるのは、技術開発スタッフチーフを兼任してる菜々芭と新人の彩姫くるみだけ。その状態で今も軍事力を高めているファルケ・シルヴァ連合に勝てるとでも?」
「っ……」
「待ってください。私が戦えないと決めつけるのは……」
「普通の相手ならまぁ戦えるだろうけどさ……」
言い返せない瑠々香に変わり、話に入ってきた樹を見ながらゆるりとアクラが立ち上がる。
そして次の瞬間、樹の目からアクラは消えていた。
「えっ?消え、あひいいいいいいいい!?♡♡♡」
「こういう相手と勝負にならないって言ってるんだよ」
戸惑う樹の巨乳がいきなりギュッと強めに掴まれ、そのまま強く揉みしだかれる。
背後に回ったアクラが、後ろから樹を襲ったのだ。
国際教導学園の制服に包まれた樹の巨乳がいやらしくも歪み、樹の口から快楽の声が上がってしまう。
「前も思ったけど樹さんおっぱい相当弱いね。それに強めにされるのが好きなんだ?」
「なっ!?そんな、わけ、んあ!?♡♡♡やめっ♡そんな強く……はあああ!♡♡♡」
「こんなに大きいのに感度抜群なんてね。菜々芭のも好きだけど、こんなおっぱいも大好きだよ。樹さん、俺の好みかも」
「やっ♡ぁぁ♡みみ、舐めながら、そんな強く、しては……♡♡んんっ♡やっ♡あっ♡ああぁああ!♡♡♡」
「……な、何をやってるの!止めなさい!」
グニュグニュと巨乳を揉まれ、耳を舌で舐められる快楽に抵抗出来なくなり、弄ばれる樹。
そんな突然の事態に硬直していた瑠々香が、やっと怒鳴りつけるも、アクラは涼しい表情だ。
「樹さんはこうやって無力化出来ちゃう。そして瑠々香さん、アンタ、もう戦えないんでしょ?だって樹さん助けようとしないもんね」
「う……」
「まぁ理由は知らないけどね。魔法戦士じゃなくても魔導士としての経験は上のはずのアンタが前線を新人やボロボロの魔法戦士にだけ任せてる時点で気付いてたよ。っとごめんね樹さん。でも、これで分かったろ?」
「っは……!♡はぁ……♡はぁ……♡くっ……」
証明したいことは証明し終わったアクラは、謝罪しながら樹を離す。
短時間ではあったが、相当の快楽を受けてしまったのか、樹が座り込んで悔しそうにアクラを睨むも、太ももから垂れている愛液のせいで迫力は皆無だ。
「たった二人に任せて勝てるわけないよな?そこで同盟を受けてくれれば、あと二人、戦力が補充されるってわけだ。しかもこっちの要求はロアに関わるなってだけ。どうする?霧沢様?」
「それで、その同盟は成立したのか?」
「いや、流石にその場では答えないで貰ったよ。こっちも調べることがあったし、菜々芭も帰って来ちゃったからな。答えは明日もらう予定だ」
かつてゼーロウがあちこちに用意していた地上侵略基地の一室を改造したアクラは、遅れながらロアに居るメッツァーに連絡を取っていた。
色々あったために地上に来てから三日目時点での連絡になったが、大事なことを色々調べたため、十分な報告が出来るようになっていた。
「では、先に聞いておくか……アクラ、貴様俺に野望を諦めろと?」
「…………」
報告する前から言われると思っていたことなのでアクラはあまり気にした表情をしていないが、新型の通信魔道具により映し出されたメッツァーの顔は、銀髪の魔王と呼ばれるに相応しい覇気と怒りに満ちていた。
同盟の条件に地上に一時的にとはいえ手を出さないというものを勝手にアクラが入れたのだから怒りは当然だ。
「ま、落ち着けって。一時的に地上に侵攻しないって条件だし、何よりちょっと時間を開けなきゃならない理由が出来たんだよ」
「……それが遅れた理由か。聞こう」
もっとも、メッツァーの野望を諦めさせるつもりはアクラには全くないのは、メッツァー自身も分かっている。
それでも組織の長として、野望を持つものとして言わなければならなかっただけだ。
それはアクラも承知しているので、話は円滑に進む。
「まぁまずは……悪いな。ロアに居た時の俺は本当に腑抜けてたみたいだ。地上に来たら随分頭が回るようになったよ。地上に長く居たせいかな?」
「ん、あ、あぁ……まぁ回るようになったなら構わん」
急に、何なら前よりもアクラの頭が回るようになっている理由は一目瞭然(但しメッツァーもココノや凛々子に言われなければ分からなかったが)だが、メッツァーはそこには突っ込まない。
事実としてきちんと働けるなら、問題はないのだ。
「地上に来てからある程度情報の整理と、確認した新たな情報から、いくつかの疑問、それに仮説とそれを裏付ける証拠が判明した」
「ふむ、続けろ」
「疑問その1は、
「やはり、お前もその疑問に辿り着いたか」
そう。アクラが頭を回るようになって辿り着いた疑問であるクイーンティアナことティアナの存在についてはメッツァーも疑問に感じていた。
明確な証拠はない。だが、一時期を堺に、女神近衛騎士団の動きが、らしくない動きに感じるのだ。
「ま、この疑問の仮説は他のに関わるから後でにして。疑問その2、
そう、アクラも今メッツァーから聞いた情報だが、アザハイド帝国はメッツァー達への接触を通信で行うつもりらしい。
普通ならばそれほど変ではないように聞こえるが、これは異常なことだ。
「立場的には一介の組織に過ぎない俺らを呼び寄せずに対等な通信で済ませるなんて、帝国の権威に傷が付く真似をなんでするのか。それについて仮説があるんだな?」
アザハイド帝国は巨大かつ力あるもの達の国だ。
もはやレジスタンスレベルでしかない王国派の存在を許さないように、それだけプライドも高い。
そこから考えると、あからさまにおかしいことなのだ。
「あぁ仮説はシンプルだ。アザハイド帝国、いや異世界パレキシア自体が、今何かしらの未曾有の危機に襲われている」
「……未曾有の危機だと?」
「内容に関しても仮説はあるが、とりあえずそう思う証拠は2つ。シルヴァ・ラトクリフに対する追手が緩んでいること。そして白薔薇に朋衛玲奈ことエンシェル・レナが参加していないことが確定したからだ」
今回地上に来たアクラは、報告にもあったファルケ達の陣営について詳しく調べていた。
それにより分かったのだ。シルヴァへの追手があまりにゆるいことを。
「シルヴァはもう身を隠していない。それが組織の拡大に繋がってるんだろう」
「エンシェル・レナが参加していないことは?」
「これは同盟の際に散々揺さぶったから確定だ。というか居るなら俺らとの同盟も迷わず蹴れるはずだからな」
エンシェル・レナの戦闘力は非常に高い。
なんと言ったって異世界パレキシアにて、実質単騎でアザハイド帝国と渡り合っているのだ。
白薔薇に参加しているなら樹達を前線に出す必要はないし、あそこまで口惜しそうにはしないだろう。
別に趣味だけでアクラは樹を弄び、瑠々香を挑発したわけではないのだ。
樹が好みなのは、本当ではあるが。
「つまり、異世界パレキシア自体が何かしらの危機に襲われていて、アザハイド帝国もエンシェル・レナもその対応に追われている。だから、謁見も通信で済ますしかない。そういうことなんだな?」
「そういうことだな。そして大事な疑問は、
そこから長い長い仮説と証拠が用意されていく。
初めは余裕を持って聞いていたメッツァーだったが、アクラの話が進むにつれて、かなり険しい表情になっていく。
最大の本題、アクラが考えた今後の計画に関わる問題。
それはメッツァーであっても冷静に聞いてはいられないものなのだ。
「確率は」
「ほぼ100%。起こる時期も大体予測出来てる」
「……これが同盟を結びたい最大の理由か」
「まぁな。大事だろ?」
「……先に言え。怒り損だ」
アクラのしてやったような表情に、メッツァーが若干不貞腐れたような表情を浮かべる。
実際にはかなり若い方に入るメッツァーが見せる珍しい子供っぽい表情だ。
「ははは、悪い。それでこっからはほぼ仮説ってより感覚的なものに近いんだが……こっからロアの情勢引っくり返すのってやっぱ無理だよな?」
悪びれもせず笑うアクラに、メッツァーは更に眉間にしわを寄せるが、続く話には素直に考え込む。
もう半ば国として成立しているメッツァー陣営の支配圏。
それを持つメッツァー陣営を単純に倒すのはかなり難しい。
戦争とは、ただ敵を倒せば良いだけではないのだから。
「まぁ……手はないこともないが……ん?まさか」
「あぁメッツァーも気付いたか。俺はレムティア計画ってのは、
手はないこともない。
それはつまり、正道で引っくり返すのはもはや無理だと言うことではあるが、逆にどんな手を使ってもということならばやりようはあるということだ。
メッツァーの暗殺というのも、あまりに乱暴な手だが有効だ。
処刑などはせず殺してしまい、表向きは事故などで処理する。
およそ正義とは言い難いやり方だ。そしてこれは最初の疑問に繋がる。
「レムティア計画が暗殺計画なら、ティアナはその主導ではない可能性がある……」
「そしてそれを実行しそうなクソババァを俺らは一人知っている、だろ」
二人の頭に浮かんだ人物は一人。
それは、王家の支配を絶対のモノとするため実の妹の死すらも利用した人物。
それは、王家の支持率のために、そこに住むもののことを考えずにスラムを撤廃しようとした人物。
それは、王家の汚点であるエルウィンを病気の母親と共に追放した人物。
それは、ゼーロウを滅ぼすため、後に女神近衛騎士団が荒れるのが分かっていながら魔法戦士を量産した人物。
それは、トランシルヴェール王家のためならば何でもする、ある意味王族らしい人物。
「クイーングロリア。奴が復活しているということか」
「数年は戻れないって見てたんだけど、あいつのことだ。何か仕掛けてたんだろ」
クイーングロリア。
ティアナの母親にして、前女王である彼女ならば暗殺計画や最近の女神近衛騎士団の動きにも納得がいくのだ。
今の女神近衛騎士団は首都に繋がる場所しか守らない、正義とは名ばかりの存在なのだから。
「こっからはほぼ妄想なんだけど、レムティアシータは聖涙石由来の魔法戦士だ。その聖涙石、ティアナから出来たものなんじゃないか?」
「ティアナの誘導して指揮権を奪い取ったということか」
「一応同盟が受け入れられたら調べてみるけど、多分間違いないと思う。最近の女神近衛騎士団の動きはレムティア計画が発動するまでの時間稼ぎじゃないかな」
「……分かった。こっちは任せろ。お前はレムティア計画の情報、それに未曾有の危機への備えを行え」
色々と納得出来る報告に、メッツァーはすぐさま頭を回転させ、これからの計画を変更する。
それは長い付き合いだからか、アクラの想定した計画とほぼ一緒だ。
「了解。ロアは任せたぜ、メッツァー」
「あぁ地上は任せたぞ、アクラ」
「「俺の世界のために」」
悪にも、想いはある。
その強い想いが、ロアを、地上を満たしていく。
ロアと地上において、大事な戦いが、今始まろうとしていた。
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スイートナイツ編
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プリンセスティア編
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スイートナイツ2編
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シンフォニックナイツ編
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レムティアナイツ編