今回も実質エロなし回。
そしてレムティアナイツ編も実は終盤になってます。
ここから一気に話が動く……かも?
次回と次次回は多分エロあると思います。多分。
では、どうぞ。
「やぁ久しぶり莉々奈さん。 いや一応シンフォニックリリーって呼んだ方が良いかな」
「貴方が……アクラ、だったんですね」
基地へと侵入してきた疑似上魔を一体葬ったアクラは、シンフォニックリリーこと百合瀬莉々奈と向き合っていた。
莉々奈の隣には2体の疑似上魔。
そして、アクラの隣には、他のメンバーを置いて先行してきた菜々芭が居た。
本来居るべき場所が互いに逆になっている形になっていた。
「莉々奈さん! 戻って来てください!」
「菜々芭ちゃん……ごめんね。 私……もう……」
「莉々奈さん……」
菜々芭にこう言われるのは何度目か。
それでも莉々奈はいつも首を振って顔を伏せてしまう。
菜々芭はその反応に悲痛な表情を浮かべるが、アクラはさほど気にした様子はない。いやむしろ、自信満々にすら見える。
「鷹佑、居るんだろ? 下手な小競り合いは、やめよう……ぜ!」
「ファルケ!」
「やはりお前にはこれでも無理か、アクラ」
アクラが言い放つと共に横に素早く振った腕に当たり、姿を消して不意打ちを仕掛けてきたファルケの拳が横に逸れる。
ファルケは逃走用に開発したステルス機能を改良し、消耗を少なくすることに成功していた。
それにより、ある程度こうやって不意打ちなどに使えるようになっていた。
それも、戦いの経験が豊富なアクラには通じなかったが、ファルケも予想はしていたようで、焦らず素早く莉々奈の横まで下がる。
「やはり魔族と言うものは、人間とは根本的に見えているものが違うようだな」
「良い着眼点だな鷹佑。 それならもう一歩踏み込んで、何故違うかを考えると掴めると思うぜ?」
「データに起こし辛い部分だな。 まぁ良い。 覚えておく」
まるで敵対していない科学者同士の会話のようなやり取りをするアクラとファルケ。
しかし、それを聞いている莉々奈や菜々芭にも感じ取れる。
二人は一切気を抜いてはおらず、むしろ話しているだけにも関わらず、まるで刃物の切っ先を向かい合わせるように緊迫していっているのだ。
「だから……これも通じないんだよ!」
「ガハッ!?」
「ぐはぁ!?」
「新手!?」
「……やるな」
言葉と共に指先に発生させていた重力魔法を、左右にアクラが放つと、他にも姿を消して近付いてきていた洗脳スキン兵二人が壁に向かって吹き飛ばされる。
ファルケはわざと先に姿を現して、他二人の洗脳スキン兵の存在を隠していたのだ。
菜々芭はどうやら見破れていなかったようだが、アクラには通じない。
これには流石にファルケも驚いたようで、マスクから覗く口元が微妙に悔しげに歪む。
「戦いが好きなのは分かってるが、生兵法は大怪我のもとって奴だぜ? お前の本質は科学者。 なららしく来いよ」
「伏兵は失策だと言うことか。 なら、らしくいこうか!」
「菜々芭!」
「はいっ!」
わざわざ地上の言葉を使うアクラに、ファルケは口元をニヤリとさせると合図を送る。
すると壁が吹き飛び、向こう側から洗脳スキン兵達が次々と現れる。
手には簡易の魔力弾を放つ、拳銃のようなものを持っており、アクラは素早く菜々芭と共に柱の影に隠れ、その次の瞬間大量の魔力弾が放たれる。
隠れていなければ魔法戦士とて、ただでは済まない弾幕だ。
「魔撃銃か! 完成してたんだなっ!」
「試作品さ! コストもバカにならんよ! だが、お前を潰せるなら悪くはないだろう!」
「アクラさん! 仲良く話してる場合ですか!」
「あぁごめんごめん」
(本当に良く怒られるなぁ……俺……)
同僚時代に研究はしたが、完成の目処など全く立たなかった研究物が見れたことで、さっきの牽制のし合いの会話ではなく、本当に研究者としての会話をしてしまうアクラ。
それを一緒に隠れている菜々芭にはすぐさま気付かれてしまい、怒られてしまう。
まぁ少なくとも菜々芭からすればそんな状況ではないのだから当たり前だが。
(ま、菜々芭が焦る気持ちは分かるけどね……)
ハッキリ言ってしまえば10人近い洗脳スキン兵、そして4体ほどの疑似上魔だけなら例え、魔撃銃を持っていたとしても、二人ならば物の数ではない。
疑似上魔4体が若干厄介ではあるが、敗北してばかりとは言え、なんだかんだ疑似上魔とは比べ物にならない実力を持つアクラと戦ってきた菜々芭にとっては魔撃銃に撃たれながらでも2体くらいなら抑えられる相手だ。
だが、今回の真の問題はファルケと莉々奈がフリーなことだった。
(特化戦力と数を揃える。 俺が教えた基本をきちんと守ってて何よりだよ)
戦いは数とはいえ、それだけでは魔法戦士や上魔は倒せない。
数が居ても硬い魔法障壁を破る前に蹴散らされてしまうからだ。
しかし、同じような実力の相手が合わさるなら、話は変わる。
この場合ならば、アクラや菜々芭が洗脳スキン兵を蹴散らす前にまず間違いなくファルケや莉々奈の邪魔が入る。
他の邪魔を捌きながら、二人を倒すのは無論難しく、また二人に邪魔されながら他を蹴散らすのも難しい。
アクラ達、メッツァー陣営が普段ロアでやっている戦法だが、やられると非常に面倒で効果的な戦法である。
だが、アクラは全く焦っていなかった。
「まぁ落ち着いて菜々芭。 莉々奈がすぐそこだからって焦り過ぎだよ?」
「それは……! すみません、少し焦ってました」
「大丈夫必ず約束
「……ん?あの、」
「鷹佑ー! 中々やるじゃないか!」
アクラの言葉に自らが焦っていたことを自覚させられた菜々芭が目を少し伏せて謝罪するも、続く言葉のニュアンスが引っ掛かり、問いかけようとするも、間に合わずアクラが舌戦をファルケと始めてしまう。
「基本を守った良い戦い方だ! どうせ俺らをここに釘付けにしてる間に別働隊が回り込んでるんだろ!」
「それが分かっているなら降参して欲しいものだ。 菜々芭くんは言うまでもなく、お前とて受け入れる準備は出来ているぞ?」
「ははは! それもあった選択肢ではあったけどな鷹佑。 でもまぁ、ないな」
「私も無論お断りです!」
「……なら仕方ない。 強引にでも捕獲させて貰おう」
初めから説得出来ると思っていたわけではないのか、簡単に鷹佑の方は話を打ち切る。
しかし、アクラは止まらない。
「莉々奈さーん? お尻は大丈夫かな?」
「っ……!?」
「俺がだいぶ無茶苦茶やったからさぁ……出す時とか大変じゃない? 鷹佑もさー、ちゃんと気遣ってやれよー」
一見意味不明な、ただ莉々奈を辱めるだけの言葉を言い出すアクラを一瞬菜々芭は睨むが、アクラに唇に指を当てられ黙らされる。
そう、別にアクラはただ莉々奈を辱めているわけではないのだ。
(何を考えている……? 莉々奈の動揺を誘った所でこの場を何とかすることなんて出来るわけが……)
「俺があの時変身してた魔族、まぁゲルゲっていう俺らの陣営に居た魔族なんだけどさ。 あいつ弱い癖にすっごい長生きした魔族だったんだよ。 まぁ結局香那葉……スイートキッスに消滅させられちゃったんだけどさ。 そいつなんでそんな長生きだったと思う?」
(老獪な魔族が生き残った理由だと……まさか!?)
全く関係ない。言わば時間稼ぎのようなことを話すアクラにファルケは思考を巡らせる。
時間を稼いでもロアからアクラの援軍が来ることはないし、外の魔法戦士達が戦力を突破するほどは稼げないはず。
しかし、続く言葉に、思い当たってしまう。
あの時、アクラは何をしていたのかを。
「莉々奈! 離れ」
「んぎぃ!?❤❤❤」
可能性に気付いたファルケが莉々奈に声をかけようとした瞬間、ソレは起こった。
ファルケの隣で指示通りにアクラ達を牽制していた莉々奈が突然酷い声を上げながらうずくまったのだ。
それはあの日の再現のようだった。
「あいつはその隠密性と生命力で生き延びたんだよ!」
「んああああ!!?❤❤❤ んぎぃぃぃぃ!!?❤❤❤」
「まさかあの時から! くっ!!」
ゲルゲ。
かつてアクラがメタモル魔法で変身したのと同じ触手が莉々奈のアナルから生えてくる。
そう、アクラの変身したゲルゲはまだ莉々奈の中で生きていたのだ。
その身を潜め。何度もしたであろうファルケの検査から逃れ。彼女の身体を蝕んできた。
あの日、執拗にアクラが莉々奈のアナルを犯したのはこの分身を彼女の深くに潜り込ませるためだったのだ。
「あと弱いって言っても魔族の中ではだからな!」
「ぐあああ!?」
「くっ! 止めろ! 応戦してもそいつには……」
「うわあああああ!!?」
莉々奈のアナルから生えた触手が一気に成長し、周りにいた洗脳スキン兵達を蹴散らしていく。
ファルケは魔族の戦闘力が分かっているために早々に見切りをつけ莉々奈から離れたが、洗脳スキン兵達にそこまでの判断は出来ない。
次々と触手に吹き飛ばされていってしまい、アクラ達の包囲が崩れていく。
「いくよ菜々芭! あの触手もファルケや疑似上魔が複数だとキツイ!」
「……あとでお話を聞かせて貰いますから!」
そのタイミングでアクラ達も戦闘に参加する。
莉々奈に対してのあまりに酷い扱いに、菜々芭は不満たっぷりのようだが、このチャンスを逃すほどバカなわけではなく、追及は後にすることにしたようだ。
「アクラぁ!」
「悪いね鷹佑! お前がきちんと莉々奈のこと見てれば気付けたんだよ!」
ただの煽りのように聞こえるが、実際にそれは事実だった。
ゲルゲの隠密性は検査などは回避出来るが、流石に寄生されていた莉々奈本人の感覚までは誤魔化せない。
つまり莉々奈はあの日からずっとアナルから伝わる快楽に悩まされてきたのだ。
アクラにされたこと自体を隠し、誤魔化していたであろうミネルヴァガードに居た時は仕方ないとして、アクラが執拗に莉々奈を犯したことを知っているファルケは気付かなければならない立場だった。
疑いはしていたようだが、莉々奈自身に詳しく話を聞かなかったファルケのミスだ。
(割り切るのは大事だけどね鷹佑。 それじゃまだ二流だ)
そしてファルケがそんなミスを犯した理由もアクラは気付いていた。
結局の所、ファルケは莉々奈をシンフォニックリリー、つまり戦力としか見ていなかったのだ。
それは、情が移ると戦いに送り出すのに支障が出るからかもしれない。
しかしそれを間違いとは言わないが、アクラから見ればまだ甘い。
戦力だろうと餌だろうと玩具だろうと、全力で向き合う覚悟が、トップに立つものには必要。
そうアクラは考えているのだから。
何にせよ、ファルケは莉々奈を個人として見なかった。
それがこの結果を生んでいた。
「あ……う……♥」
「これで俺らは逃げさせて貰う。 お前らの戦力と正面からやり合う気もないし、何より
「……? 何を言って……っ!?」
片腕にいきなりのアナルからの強烈な快楽により、半ば意識を飛ばしている莉々奈を抱えながら菜々芭と共にこの場から去ろうとするアクラが口にした言葉。
その言葉の意味を理解出来なかったファルケが疑問符を浮かべていると、アクラが小さな何かを投げてきたため反射的に掴んでしまう。
「チップ……?」
「そこに入ってる情報、お前なら分かるはずだ鷹佑。 きちんとシルヴァの奴とも共有しろよ? それできちんと理解したら、また連絡でもして来い! じゃあな!」
アクラから受け取ったものをじっと見て呆然とした様子のファルケを置いてアクラは莉々奈を担いで走り出す。
目指すは地上、エリクシルナイツの二人とレムティアシータが戦っているであろう場所だ。
「アクラさん……! 今のは一体……?」
「そろそろ菜々芭達にも話すよ。 俺らがなんで色々急いでんのか。 菜々芭達と同盟を組んでまでロアでの戦争を終わらせようとしてんだかをね。 ただ、その前に」
後ろから追走してくる菜々芭にアクラは顔を向けない。
今から言うことは絶対に必要なことではあるが、あまり褒められたことではない。
いやむしろ、場合によってはこれまで稼いできたある程度の信頼を失うことになるだろう。
しかしそれでも万が一を起こしてはいけないのだ。
「ごめん……菜々芭」
「アクラさ……ん……」
瞬間、菜々芭の身体から力が抜けていく。
アクラが彼女達、白薔薇の魔法戦士達に仕掛けていたある仕掛けを発動させたのだ。
それほど長い時間ではないが、抵抗の難しい睡眠系の魔法が発動する仕掛けを。
しかし菜々芭は、ここでアクラの予想を超えていく。
「大丈……夫で……す……あな、たを……信じて……ます……か……ら……」
「……菜々芭」
菜々芭の頭脳ならば何が起こったかは瞬時に理解出来たはずだった。
しかし彼女はアクラから離れるどころか、初めから立ち止まって受け止めるつもりだったアクラに向かって身を委ねてきた。
裏切りとしか考えられないアクラの行動。
それでも菜々芭は、アクラを信じたのだ。
「ありがとう……」
菜々芭の気持ちが伝わったアクラは、小さく力強くお礼を言うと菜々芭も抱えて走り出す。
シンフォニックリリー、百合瀬莉々奈を救出するこの作戦で、白薔薇の魔法戦士達、そして協力者であったはずのアクラが行方不明となった。
しかし、ファルケ・シルヴァ連合は何故か動かず、残された瑠々香はただ無事を祈ることしか出来なかった……。
どの編が面白かった?
-
スイートナイツ編
-
プリンセスティア編
-
スイートナイツ2編
-
シンフォニックナイツ編
-
レムティアナイツ編