早朝の宿で目を覚ますと、俺の腕の中に包まるようにして美優が寝ていた。
この宿に来るまでは、夜は貪るようにセックスをして糸が切れたようにベッドで眠るものと想像していたから、寝起きの美優が服を着ていることにはちょっとした違和感があった。
しかし、そんな感覚はすぐにどうでもよくなった。
よれた浴衣からはブラジャーがチラと見ていて、二日目用に持ってきた真っ黒の布地と色白の乳房のコントラストが、俺の男としての本能を起こす。
俺のほうも浴衣で寝ていて、美優に命じられてからコツコツと積み重ねてきた胸筋が、陰キャらしからぬ厚みをしていて、何をしていたわけでもないだろうが襟元に手を入れていた美優の手が妙にくすぐったかった。
「んっ……ふぁ。もう朝か……」
「おはよう、美優」
「おはようお兄ちゃん」
外泊していても、美優が俺と一緒に目を覚ますのは変わりなかった。
寝ぼけ眼を薄く開け、寒いのか俺にぴったりとくっついてくる仕草が愛らしい。
密着する距離で美優を頭側から見ていると、良く手入れされた長いまつ毛が一本一本まで見える。
髪の毛と同じぐらい艷やかで深黒だ。
俺は美優のパイパンが好きだから毛がなくてよかったと心から思っているが、もし陰毛が生えていたらそこもツヤ黒だったのだろうか。
美優は首から上以外に毛が全くないから想像もつかない。
美優の肌の感触が別格なのは、一度も剃ったことがない産毛と肌キメの質の良さに由来するのだろう。
朝日の光がカーテンから差し込んで、部屋の中に柔らかな影を落としている。
窓の外に目をやれば、露天風呂の湯船から湯煙が立ち上っていた。
布団の外はひんやりとしているが、外気の冷たささえ耐えられれば気持ちよさそうだ。
爽やかな緑の景色に囲まれて静かに入る風呂は格別だろう。
「入るか?」
「お兄ちゃんが入るなら入る……けど」
美優は布団の中で俺に覆いかぶさって、はだけた浴衣からドンと現れたおっぱいの重みに、ブラジャーの肩紐が悲鳴を上げているのがわかる。
下半身も当然のことながら下着姿で、豊満な乳とは対象的に細い脚が伸びている黒パンティの真下には、トランクスをピンと張り上げる剛直がそびえていた。
細いとは言っても山本さんのようなムチムチボディと比較してであって、エロゲで抜く手伝いをしてもらっていた頃から美優の体も柔らかい部分が増えてきている。
脂肪がついたというというより、セックスで全身運動をするようになってから、全身の肉がほぐれてきたという表現が適切だろうか。
「ナカを汚すつもりなら、お風呂の前に使ってほしい」
美優が俺を上から見つめている。
睨むでも誘うでもない真顔なのに、どうしてかこの妹の幼顔が色っぽい。
腕を伸ばして上体を支えていてもシーツにまで垂れるこの長い髪のせいか。
さすがは妹のエロい部分を集約させた存在だ。
「あっ……汚すっていうのは、言葉の響きで選んだだけで、別にお兄ちゃんの精子が汚いなんて全く思ってないからね」
「わかってるよ。わざわざ気遣ってくれてありがと」
美優はどういう言葉が俺を興奮させるのかをよくわかっている。
しかし、セックスの背徳感と汚らわしさは表裏一体になっていて、俺の射精を全面的に歓迎している美優からすると、それはどうしても本心とは反する発言になるのだ。
俺はそんな細かいこと気にしないけどな。
色々と考えてくれているその気持ちが嬉しい。
「ナカじゃなくて、別の所を汚すのはあり?」
「どこ? ……ってまあ、おっぱいしかないのかな」
「さすが理解があるな」
精液をごっくんしてもらうのは汚したうちに入らないので、腟内に射精しないとなったらもう体にかけるしかない。
俺はベッドに仰向けに寝転んでいて、美優はその上に覆いかぶさるように腕をついているのだから、消去法的にパイズリしかなくなるわけだ。
美優は体を起こして背中のホックを外し、浴衣の袖から手を抜いて器用にブラジャーだけを脱いだ。
普段なら軽口の一つでも言われそうな要望なのに、寝起きでご機嫌なのか、どうしてか積極的だ。
俺もトランクを下ろしてペニスを露出させられて、俺の物欲しそうな視線で気づいたのか脱いだブラジャーも手渡してくれたし、肌寒い室温では美優のおっぱいに温められていた布地は生々しかった。
「でもやっぱりさ。おっぱいでするのって、ローションがないと難しいよね?」
「とりあえず挟んでギュウギュウしてくれたらいいよ」
「それで気持ちいいのかな」
「興奮するし全然イケる。先っぽをペロペロしてくれたらたかなり早いと思う」
「ふーん」
ビンビンの肉棒を間近で眺める美優の大きな瞳。
この半年近くで百回以上は咥えたはずなのに、いまだにウブな少女のように見つめているその表情が、いつまでも美優とのエッチを飽きさせない。
パイズリをしやすい程度に布団をめくり、緩められた浴衣から、豊満な脂肪と対比的な鎖骨の痩躯さが絶妙なコントラストを醸している。
艶めかしい程に色白な肌が、朝焼けに照らされて淡い色に染まっていた。
着衣ならではの芸術的な美さに思わずため息が漏れる。
「じゃあやってみよっか」
美優がおっぱいに俺のイチモツを挟んで、体重をかけるようにムギュッと体を押しつけてくる。
体を支えるために腕を使っているので器用にチチだけを動かす事はできず、美優はただ半裸の肢体を前後させるだけ。
寒さゆえなのか興奮からなのか、硬くなった乳首が俺の鼠径部に当たっていて、美優が猫と姿勢で腰を引くと、乳輪と乳首が見え隠れするのが俺の海綿体をビクンビクンと震わせる。
これはエロい。
陰茎を擦られる感覚はないが、おっぱいから美優の体温が伝わってくるというだけでもう射精ものだ。
谷間は特に温度が高いので、血液でパンパンになっている竿でさえ熱を感じるほど。
寝起きで体が覚醒をしはじめているところだからというのもあるのだろう。
というか寝起きでこんなことをしてるってエロいな。
なんだこの妹。
「ほんとにこれで出るの?」
「なんだったらもうイキそうだよ」
「お兄ちゃんてよくわからないところで早漏になるよね。まだ舐めてもいないのに」
そう言いながらも、俺のペニスのビクつきを見てたしかに射精まで間もないことを察したようで、美優はしばらくおっぱいを離して陰茎の痙攣が収まるのを待った。
実のところこれには男側にも言い分がある。
美優は男性経験が俺しかないのでわかっていないのだが、男の興奮が射精に向けて駆け上がる瞬間は二度あるのだ。
一つは言わずもがな、陰茎への刺激が充分に与えられて、金玉からせり上がってきた精液が許容量を超えて出さざるを得なくなるような感覚になったとき。
しかしそれは、たとえば服を脱いで体が冷えてから、心拍数の上昇によって体温と共に性欲が再燃し、射精したい欲望が戻ってくるような過程がほとんどだ。
だが、女の子も、知っておかなければならない。
エッチが始まる瞬間の期待感は、ときに射精直前の興奮と等しくなるのだと。
だから、ツボミのように萎んだままの性器をパクっと咥えられたりすると、たまにそのまま出てしまうことがある。
これは経験人数とか関係ない。
性欲の最高潮でヌルっとした快感に強襲されると、その射精の衝動には抗えなくなるのだ。
まあ、美優にはそんなことを知らずに、早漏な兄に毒づいていてほしいので、あえて言うつもりはないけどな。
二十秒ほど待っても大人しくならない様子を見かねて、美優は隙を見つけて人差し指でツンツンしてきたりして、射精をこらえるために浮き出た血管を面白そうに眺めている。
「続けてもらっていいよ」
「はいはい」
射精したらしたでそれまで、みたいなどうでも良さそうな返事をする美優に、内側の興奮のほうが高まっていく。
再び巨乳に挟まれたペニスがビクッと強く唸ったところを見るに、そう長くは持たなそうだった。
大福のように潰れた胸の谷間から、カウパーだらだらの亀頭が見え隠れして、それをしばらく眺めてから、また俺と目を合わせてくる美優の顔が愛おしい。
肘をマットレスにつけて、体を丸めて男性器を乳房で包み込む美優の耳から、かけていた髪がはらりと落ちてくる。
俺は二本の指で美優の髪を数束だけ持ち上げて、スーッと引いて落とし、それを何回か繰り返した。
その間も美優が一ミリも表情を変えないということに俺は興奮するのだった。
もう何度もこの興奮を堪能しているのに飽きることがない。
髪は女の命だ。
美優のように毎日欠かさず手入れをしている女性からしたらなおのこと異性には触れさせたくないもの。
彼氏と行為中であっても、どれだけ相手を好いていようと、嫌なものは嫌だし、精液なんかが付着しようものならキレられても文句は言えない。
これが信頼と愛情の深さ……だけではない、美優の変態性によって成り立っているからこそ、この見かけ上は完璧な清楚系美少女に俺は虜にされているのである。
「っ……くぅ、美優、そろそろ射精したい」
「こうして動いてれば出そう? 舐めなくても平気かな」
「このままおっぱいの中に出すから、出したあとキレイにするときに舐めてくれたら嬉しい」
「どうせこれからお風呂に入るんだけどね。まあいいけど」
美優は一応の射精させる合図として、俺の腰の後ろに腕を回し、ペニスにおっぱいをギューッと押しつけてくる。
その乳圧に反発するために海綿体へと更なる血液が送られて、脳はそれを発射のタイミングと認識するのだった。
竿がビクンビクンと震えると、美優は乳房の全体で亀頭を埋もれさせるようにペニスを包みこんで、そこで俺の射精を迎えた。
数回の拍動の後に、谷間から染み出してきた精液を、兄妹二人して眺めているのが、宿屋にお泊りにきた早朝のことである。
お互いに、お互いの体を、温かいと感じている瞬間。
無言で、無音で、パイズリの結果に射精がなされているこの空間が、決して言葉では伝えきれない愛情を通じ合わせてくれるのだった。
美優はおっぱいからペニスを解放し、舐め取るために精液を俺のお腹に溢した。
それでも谷間は精液まみれで、このまま立ち上がったら、精液が床やシーツに垂れてしまうかもしれない。
そう思って、俺は美優の両の乳房を外側から掬い上げ、谷間の精液を手で拭ってやった。
自分で出したものながら、生温かくてヌルヌルするこの体液は、なんというか、歓迎できる感触ではなかった。
「これも舐め取ってもらえるのかな」
「むーっ……イヤです」
「だよな」
普通に断られた。
しかし、それから何も言わず、見つめ合っていると、
「いやまあ別にいいけどさ。変なこと考えないでよね」
なんだかんだで許してくれた。
美優はどうしようもないぐらいお兄ちゃんに甘いのだ。
「はむっ……へろっ……むちゅっ……んっ……」
美優は精液まみれの俺の指を、一本一本、丹念に舐る。
指を舐めてもらうこと自体、経験がなかったからそれだけでも特別な快感があった。
体で最も感覚受容器が密集しているそこは、ザラザラとした舌の表面さえ感じ取っていた。
精液を舐め取りながら、美優はまるで無理やり服従させられているような目で俺を睨みつけてくる。
窄められた唇からちゅぽっと指が抜かれたとき、糸を引いて口角のあたりに垂れた体液を、その表情のまま舌を伸ばして舐め取っていた。
エッロ。
なんだこの妹。
実の兄でも驚くぐらいエロいんだが。
そして美優は、俺のお腹に垂らした分と、縮み込んだ皮の隙間に溜まっていた分の精液も舐め取って、体を起こし、ゴクリと喉を鳴らすのだった。
「美味しい?」
「こんなものいくら飲んでも美味しくなりません」
処理が終わって早々、美優は干していたタオルを手にとって、ベランダへと出てしまった。
美優は頭がバグったときぐらいしか精液を美味しいと感じたことはない。
他の女の子では口に含んでもいられないほど苦いらしい精液を飲んでくれてるだけでも感謝しないとな。
俺もあとに続き、美優が床に脱ぎおろした浴衣と帯紐を拾って、自分が脱いだ分とまとめてベッドに放おってからベランダに出た。
外気は長居できないほど冷たかった、シャワーで体を流すだけして露天風呂に入る。
朝方の涼しい風が肌を撫でていく。
美優の隣に腰を下ろすと、肩が触れ合うほどの距離感に心臓が高鳴る。
射精をした後でも美優の裸を見るとドキドキするのだ。
性的な特徴も当然のことながら、造形としての美しさがあるからこそ、射精して性欲がスッキリした後でも美優の裸は魅力的に見える。
湯船に浸かってからしばらくは無言だった。
まだぼんやりとモヤがかった山の景色と、鳥たちの鳴き声を堪能する。
寝起きの頭に清らかな情報が入ってくるのは脳を浄化させてくれて、木桶から流れてくる源泉で体の汚れを洗い流すと、身体が世界と同化していくような感覚さえあった。
「昨日、お兄ちゃんとエッチしてたときから、考えてたことがあって」
五分ぐらい自然の音だけを聞いて、それから美優は湯船に体重を預けたまま口を開いた。
軽く膝立ちしておっぱいを縁に乗っけている姿が美しい。
これ、本当に外から見えていないよな。
かつての俺が見ていたら双眼鏡で見かけただけで射精できるレベルだぞ。
「それでぼーっとしてたのか。何を考えてたんだ?」
露天風呂から見える山々は朝もやに包まれて、どこか幻想的な雰囲気を醸し出している。
美優の表情は深刻そうな雰囲気ではなかった。
とても軽く発された言葉だった。
「ピルを飲むのをやめようかなって」
浄化されていた俺の脳みそには、すぐその発言が意味として変換されることはなかった。
美優はピルを飲んでいるので、俺が中出ししても、妊娠することがない。
つまり、美優がピルを飲んでくれているおかげで、俺はこの妹に中出しし放題というわけだ。
ということは、美優がピルを飲まなくなると、俺は美優に中出しができなくなる。
……ん?
「もう長いことお兄ちゃんと生でしてきて、ピルさえ飲んでれば絶対に妊娠しないって確信が出てきてるところでさ」
「たしかにそうだな。もう当たり前みたいにしてるもんな」
「それがなんか。ちょっとなーと思って」
美優ははっきりとしないまま本心を口にする。
だが、美優が言いたいことは俺にも理解できた。
俺も美優も、性欲はかなり強いほうだ。
だからこうして、毎日のようにセックスをしている。
だが、本当のところ、主目的としてはセックスがしたいわけではない。
それは俺が、昨日のエッチで美優の身体のエロスに改めて魅せられていたときから、うっすらと感じていたことではあった。
俺は美優という妹に射精できることを至上の喜びとしているし、美優も兄の性処理に付き合わされている自分という立場に興奮しているのが、エッチをする過程において重要なことなのだ。
お手軽に済ませられるピルは便利なのだが、俺たちはなんというか、セックスをするのが当たり前で、そのために二人の時間を作って中出しをしているだけのようにも感じる。
本来、性欲が溜まったからエッチをするのに、エッチをするために性欲を溜めるのは本意ではない。
これが美優の奥底にある原理的思考であり、俺たちの馴れ初めはそうだった。
「ならそうしてみるか」
「いいの? これからは本番エッチするときにゴムすることになるけど」
「まだゴムはたくさん余ってるしな。美優だって膣内の精液を洗うの大変だったろ」
「それはまあ。朝したときは歩いてるときにパンツに垂れてきて苦労もしたし。出し切ろうとして筋肉痛になったこともあったし」
「膣って筋肉痛になるの!?」
「いやまあ正確にはその周辺の筋肉が攣りそうになっただけだけど。生理の管理は楽でよかったんだけどね」
美優がハメを外していた時期に大量に消費したものの、山本さんと由佳から貰った分がまだ残っている。
ゴムは劣化するから、使わないでいると期限切れになってしまう。
ピルはセックスに手間がない以外にもメリットがあるわけだが、それ以上に美優には本番行為における物足りなさへの不満のほうが上回ったようだ。
あえて分かりづらく表現したが、要するにこれは、全く妊娠の懸念がない兄妹の肉体関係に美優が疑義を申し立てているわけで。
美優の変態性の象徴ともいえる発言だった。
俺がそれを理解していることは美優に直接言ったりはしないけど。
きっと、俺が美優に、美優が学生のうちに孕ませたい言ったせいで、美優の中にある何かの意思が変わったんだ。
っていうか、湯けむり美人をしているロリ妹が、中出しされた精液を掻き出すときに膣を攣りかけたとか、見かけからは絶対に言わなそうなことを話してるの萌えるな。
俺とだけしかこういう話をしないと思うと特別感があっていい。
「ゴムをつけるほど本番がしたい気分じゃないこともありそうだし、そうすると口で抜いてもらうことが増えるわけだけど、それは承知の上なんだよな?」
「そこはまあ、当然のことかなと。お兄ちゃんの妹だし」
美優は見慣れたニュートラルな表情でそう口にした。
やはりそうだよな。
想定通りの回答だ。
それから、俺たちは風呂を上がって、宿をチェックアウトして、近くのスーパーで食材を調達し、キャンプ場へと向かった。
とは言っても、ほとんどの設備が整っているうえに区画整備もされている、グランピング施設に近いところだ。
到着すると、木々に囲まれた広々としたサイトが目に入った。
テントの横には焚き火スペースがあり、バーベキューコンロも設置されている。
鳥のさえずりが心地よく響いてくる。
煙の臭いがつくので本当は一日目に行きたかったが、都合がつかなかった。
どうせ後は家に帰るだけだし、気を使う仲でもないし、美優が気にしないと言えば問題ない。
お互いに火の粉で穴が空いても問題ない服しか着ていないし。
俺は調理の準備をする役。
焚き火に薪を組み上げて、その下に小枝と藁状の繊維を詰める。
火打ち石でスパークを起こすと、火が上がって、ゆっくりと炎が大きくなっていく様子を見守りながら、適度に薪を追加していく。
完全に火が安定して、ようやく料理ができる状態になった。
端のほうまで歩けば川もあって、釣りをすればそこで手に入れた魚を焼いてもいいらしい。
美優がそこまでは乗り気ではなかったのでやらなかったが。
なぜバーベキューなんぞをしにきたのかと言えば、火に当たって暖まりながらご飯を食べたかったからというだけで、それ以外のことはついででしかなかった。
料理の準備ができるまで、美優は焚き木台から少し離れたところでキャンプチェアに座り、本を読んでいた。
UVカット入りのメガネを掛けて、くつろいでいる姿もまた可愛い。
料理の準備ができると、美優は本を置いて椅子を移動させ、俺の椅子のすぐ横に並べた。
「上手に火を起こせたね」
「だいぶ前に親父を手伝って以来だったから、やり方を思い出すのに苦労したよ」
「んふふ。お兄ちゃんもいつかパパになるんだから、頼もしい姿を見せられるようにしないとね」
仰ぐような視線で俺に期待の眼差しを向ける美優の表情が、普段あまり見ない優しさを帯びていて、俺は戸惑いとトキメキを同時に感じていた。
ほんのりと母性が漂っていたからだ。
いつもの美優からは想像もつかない発言で、どうやらピルをやめることを決意したのにも、相応の心理的変化があったと見て取れる。
少なくともあと三年は我慢しなければならないのだが、美優は俺に孕まされたがっているのだ。
こんな真っ昼間っから。
家に帰ったらもう一度種付けしておこうかな。
「任せろ。今日は美優はそこに座って景色でも眺めててくれればいいからな」
スーパーで買ってきた食材を広げる。
玉ねぎ、ニンジン、ジャガイモを一口大に切り、フライパンに並べる。
下味をつけた肉を野菜の上に乗せて蓋をし、弱火で蒸し焼きにすれば、野菜の甘みと肉の旨みが混ざり合う。
家でも同じような料理を作ることはあるが、焚き火の熱で調理すると、なんだか特別な味わいになる気がする。
「こんなタイミングであれだが、本番の頻度が減ると、サクッと済ませる方が増えるよな」
「そうなるね」
「スキンシップを取る時間自体が減りそうなするけど、美優としてはそのあたり問題ない? 一応、ほら。過去に色々とあったから」
「熱で暴走してたときのことは忘れてください……」
美優の性欲のリミットが外れて、回数が尋常ではないことになったこともそうだが、俺が気にしているのはむしろその行為の前後にある部分だった。
修学旅行という短い期間でさえ離れることが堪えていた美優からすると、触れ合いそのものは減らさない方がよく、代わりとなる時間を用意するべきかと心配になったのだ。
「実はいま、服飾を仕事にするために色々やってて。お兄ちゃんと一緒にいないときは結構忙しいんだよね」
「へえ……そうだったのか」
家庭の面で将来像が確定したため、次は仕事の面で活動を本格化させているらしい。
行動力があるのは美優らしいことだ。
きちんと自分の好きなことをやれているみたいでよかった。
「てことはむしろ、あんまりエッチしたり、こういうデートとかしすぎると邪魔かな?」
「まったく全然。むしろこれがあるから頑張れる。お兄ちゃんとの癒やしの時間はいくらあってもいい。というかないとヤダ」
「そうか。ならよかった」
そこまで断言してもらえると嬉しいな。
美優も勢いで口をついて出たのか、本心をさらけ出し過ぎたことにちょっぴり照れ恥ずかしさを感じているようだった。
可愛い妹め。
もう今日で美優を可愛いと思うのは何度目だ。
無限に萌えられるんだが。
「でね。ついでに言っちゃうと、お兄ちゃん、エッチなゲームもやめちゃったし、最近はお勉強と筋トレぐらいしかしてないじゃない?」
「まあそうだな。今更ゲームを買い直そうとも思わないし、新しい趣味を見つけないと」
「そしたらさ、気が向いたらでいいんだけど、個人販売用のサイトとか作ってみてもらえないかな?」
「おっ。面白そうだな。俺にとっても自分の将来のためになりそうだし」
今まで趣味のためだけに頑張れなかった俺だが、美優のためなら夜遅くまで勉強することだってできそうだ。
むしろ、やる気が湧いてくる。
「外注も考えたんだけどね。せっかくならお兄ちゃんと試行錯誤しながらのほうが面白いかなって思って。売上至上主義でやるわけじゃないからさ」
「そういうことなら、ぜひ手伝わせてほしい。今度サーバとかプログラミング関係の本でも買ってみるよ」
昔、鈴原と一緒にゲームを作ろうとしたときに、少しだけプログラミングをかじったことがある。
今はネット上に無料の学習サイトも多いし、ゲーム用に買ったハイスペックなパソコンがあるから、新しく機材を用意する必要もない。
というか、美優がさきほど読んでいた本も、マーケティング関係の内容だった。
精神年齢が高すぎるなこの妹は。
そうした話をしながら、調理のほうも順調に進んでいた。
火加減を確認しつつフライパンの中身を大皿に移していく。
玉ねぎがきつね色になり、肉から出た脂が野菜に絡んで、食欲をそそる香りが漂う。
美優はテーブルにお皿とお箸を並べ、俺はご飯を盛り付ける。
焼き上がった肉を切ると、中から肉汁がじゅわっと溢れ出す。
暖かな春の陽気の中、木漏れ日を浴びながら、二人で食事を始める。
ときおり吹く風が心地よく、鳥たちの鳴き声がBGMのように響いている。
辺りの他の客の姿はまばらで、ゆったりと食事を楽しむことができた。
「こうして何にも考えずにお兄ちゃんと一緒にいる時間が幸せ」
食事の時間は静かに過ぎていく。
保冷バッグとセットで受け取ったスイーツを食べるのも至福のひとときだった。
たまに互いの口元にスプーンを運んだり、肩を寄せ合ったりしながら、ゆっくりとアイスを味わう。
まるで恋人みたいだ。
いや恋人ではあるんだけど。
こうしている俺たちはどちらかというと兄妹で。
焚き火の煙で体は燻されているが、それも思い出の一つだ。
美優は主義と実利で優先するべきものをきちんと弁えている。
「美優とはさ、雰囲気がロリあま系の服で出かけたことはあるけど、ロリコスって感じのフリフリスカートでデートしたしたことってないよな」
「そうかなぁ。私としては、割と攻めた服でお兄ちゃんと出かけたこともあった気がするけど」
男と女ではファッションの捉え方が異なる。
地元近くでデートをしていたにしてはロリ側に寄せた服にしていたということだろう。
ロリコス趣味が学校の友だちにバレるのは嫌だろうしな。
でも、こうやって旅行をしている間なら、着てもらえるかもしれない。
「着てほしいの?」
「許されることなら」
涼しくもなったし。
「んー。まあ。考えとく」
「楽しみにしてるよ」
美優は返事をせずにスマホを取り出すと、しばらく何かを探しているようだ。
熱心に画面を見つめる表情は、珍しく緊張感があった。
「どういうのが好きなの?」
美優が見せてくれたのは、上品な作りのロリータファッションだった。
一枚目はフリルが上品なブラウスとジャンパースカート。
二枚目はリボンとレースをあしらったクラシカルなワンピース。
三枚目は純白のブラウスと水色のスカート。
どれも清楚で可愛らしい。
俺は心臓の高鳴りを抑えながら一枚一枚丁寧に見ていく。
その中で、一番目を引いたのは襟とショルダーストラップにフリルの付いたロリ服だった。
スカートは真っ黒のゴスロリではなく、くすんだブルーのフレアスカート。
極端に目立つわけではないから、知り合いのいない街なら着て歩けそうだ。
俺は指でその写真を指し示す。
「なるほどね」
素っ気ない返事をしながらも、美優はそのロリ服に似合うヘアアクセサリーを探し始めた。
予想以上に乗り気な様子だ。
髪を整えたり、スカートの裾を引っ張ったりしながら、美優は次のデートで着る服を真剣に考えている。
その仕草の一つ一つが愛らしく、見ているだけで心が和んでいく。
「そういえば、この折角の空気を壊すわけじゃないんだけど」
「前置がすでに不穏の確定演出なのですが」
「まあまあ。ほら、あれ、あったろ。いつか写真とか動画を見せてくれってやつ」
「だろうと思った。パソコンじゃないと見れないよ」
以前の罰ゲームで、美優の秘密の写真と動画を見せてもらうことになっていた。
俺は今でもちゃんと覚えている。
「それはわかってるよ。問題は六十二枚をどう選ぶかってところで」
「お兄ちゃんが選んだら全部見るのも同然だしね」
「そうそう。だから、俺の方から、どんなものを見たいかジャンルを絞って、美優が見せても大丈夫だと思うものを選んでもらうのがいいのかなって」
「それもそれで複雑だけどね……。少なくとも遥と写ってるやつは除外するつもりではあったよ」
「見ちゃダメなのか?」
「いや、だって、お兄ちゃんも、私と遥がチューしてる写真とか見たくないでしょ?」
いや、見たいが?
俺としては全然構わないどころかむしろ積極的にその百合の香りを摂取したい。
とはいえ、遥本人が許可しないだろうことは想像に難くないがな。
健全なロリコスをしているだけの写真ですら、遥は俺に見せたがらないだろう。
残念だが、そうした写真は除外してもらうしかないか。
「お兄ちゃんにさ、前から気になってたことがあって。具体的には、奏さんと三人でエッチしたあたりから」
「なんだ?」
「私が女の子とエッチしたりキスしてたりって、お兄ちゃんは寝取られてる気分にはならないの?」
「あー。どうだろうな」
せっかくの自然の中での穏やかな時間なのに、話題がどんどん過激になっている。
でも、聞かれたからには答えるしかない。
「相手が山本さんと遥だしなぁ」
視界が美少女で満たされていて、その美少女たちがイチャイチャするのを見せてもらえるとなれば、嫌悪感を抱く理由がない。
黙ってこっそりだったら多少は悔しい思いをしたかもしれないが、たとえ俺は山本さんが美優に手を出していたとしても寝取られたとは思わないのだ。
何よりその絡みを見て俺が楽しめるのなら、むしろ願ったり叶ったりだ。
「ものすごい美少女が相手なら尊さが勝るから許せるって感じはある。その辺にいるレベルだったら女の子が相手でもスキンシップを取られるのは嫌かな」
「ふーん。そうなんだ。変わってるね」
「何度も言ってるけど、俺は歪められた側の人間だからな。性癖を」
「まあ本命が妹なぐらいだしね」
と、本命が兄である妹がのたまっている。
「とりあえずお家に帰ったら、見せられる範囲でお兄ちゃんが喜びそうなものを探してみるね」
「助かる」
キャンプの片付けを終えて、駅まで歩く。
待合室で特急列車を待つ間、美優はまた本を読んだり、血糖値が下がり始めたのかウトウトしていたりした。
車内でも、喋りたい時は喋って、眠くなったら寝る、そんな気楽な距離感だった。
帰宅してからは、温泉ぶりの二人でのお風呂。
もはや常態化しているそこで、俺は美優の巨乳を揉みしだきながら頼み込み、いつか本気で種付けをする前の、最後の中出しをさせてもらった。
入浴後に二階に上がってから、それぞれの部屋に戻る前に、ドアの前で軽く確認の会話をする。
ピルを飲むのをやめて、効果が切れるまでには一週間ほどかかるらしい。
が、念のため、明日からは本番行為をする場合にはコンドームを利用することになった。
ずっと一緒だった時間が終わり、別々の部屋で就寝する。
俺たちは恋人であると同時に兄妹だ。
その認識を風化させないために、適度な距離感を保つのも大切だ。
(美優の口をいっぱい使う理由ができたな……)
これまでも遠慮していたわけではないのだが、今後は性欲処理のために、口内射精の頻度が増えることだろう。
中出しはできなくなったというのに、なぜか俺の心には、次のエッチへの期待感が高まっているのだった。