トイレの便座に2人で跨り、体を押し付け合う俺と美優。
俺の肉棒は美優のお腹に圧迫されて、ビクンビクンと跳ねるその動きも、美優には生々しく伝わっていた。
「お兄ちゃん……だめ……出しちゃ…………だめ……」
切羽詰まった声で、上目遣いに湿った視線を仰がれて、俺の射精欲はさらに膨れ上がった。
肉棒の筋収縮が、射精に続くものであることを、美優はもう知っている。
このまま出せば、美優のTシャツとスカートを精液でドロドロにすることになる。
体にかけられることより服を汚されることを嫌う美優だ。
着衣状態でぶっかけなんてしたらただでは済まない。
だがもう射精の命令は取り消せないところまできてしまっている。
表面張力いっぱいに水を溜めたコップを片手で持ち続けているようなもの。
しばらくの間は堰き止めることはできても、溢さずにいることなんてできない。
美優は俺の体を力いっぱいに抱きしめてくる。
そのたわわな双丘がつぶれて、ブラ越しにも柔らかさが伝わってきた。
胸が大きすぎて、軽く身を寄せるだけでは、体のスペースを確保することができないのだ。
俺の腕を掴んで、息を荒らげる美優。
もうこの場でおしっこをするしかないのに、自分の意思で止められなくなるまで我慢するつもりのようだった。
「ピクピクさせないで……うぅぅ……」
出してしまえば楽になるのに。
最後まで抵抗をやめない美優は、俺がペニスをピクつかせるのに苦しんでいた。
ちょうど膀胱のあたりを刺激するのだろう。
わざとやっているわけではない。
しゃっくりと同じで、ある程度止めているとピクつかせずにはいられなくなってしまうだけだ。
それなのに。
「ぁうっ……や……やめて……」
これではまるで俺が無理やり美優にお漏らしをさせているみたいだった。
尿意の限界に苦しむ妹。
誰にも見られたくない屈辱的な姿。
俺はその膀胱を刺激して排尿を促している。
ああ、やばい。
死ぬほど興奮する。
「あっ……ぁ…………」
やがて俺の腕を掴む美優の力が弱くなっていく。
美優の必死の願いを聞き続けてきた横紋筋も、ついにはその役目を放棄したようだった。
顔の筋肉の強張りも解け、はーっと息を吐く美優の瞳は、どこか焦点が合っていない。
最後に美優は上を向くと、俺の後ろのどこかを見つめながら両手を伸ばしてきた。
「せーしは、出しちゃダメ、だからね。お兄ちゃん」
美優は力の抜けた顔でそう言ってから、俺の両耳を指で塞いだ。
耳の内側で空気の閉じられる音が籠る。
俯いて、頬を上気させる美優の表情に、俺は自らの我慢の限界を悟りながら、その瞬間を目撃していた。
懸命に勢いを殺しながらも、それが水面をたたく音は、耳を塞いでいる指越しにも聞こえてくる。
鼻を通るほのかな酸の香りが、その事実を否応なしに俺に伝えてきた。
美優がおしっこをしている。
俺の目の前で。
体を密着させながら。
片足を上げて、無表情の奥に、どれだけの羞恥を感じているんだろう。
その姿を見て、俺は射精した。
美優のTシャツの中に、何度も、何度も精液を射出した。
謝罪の言葉は、出せなかった。
気持ちよすぎて、女の子みたいな喘ぎ声が出そうだったから。
美優の表情は放心状態のまま変わらなかった。
服の中は大変なことになっているはずなのに。
発射口が見えなくても、尿道を通る精液と肉棒の力み具合で、過去最大の射精量であったことは間違いない。
俺の射精が終わった後も、美優の放尿は続いていた。
耳は塞がれたままで、美優の手から熱い体温が伝わってくる。
排出する勢いを抑えていたせいで、美優は1分近くおしっこを出し続けた。
その長さ、量、ニオイの全てが、美優を羞恥に苦しめる。
お腹には俺に直接かけられた精液がべったりと垂れて、もはや陵辱と言っていい惨状だった。
お互いに出すものを出し終わった後も、二人は無言だった。
身じろぎ一つせず、体感で五分ほど固まっていた。
やがて俺の耳が美優の指から開放される。
俺の肉棒はまだ固いままだった。
「お兄ちゃん」
ドスの利いた声。
美優は服の中に手を入れて、わずかに眉を顰める。
服から出した手には、全体に白濁が目視できるほどの精液がついていた。
「美優……ごめん……俺……」
我慢できなかった。
尿意とは違って、射精はコントロールが利くもの。
少なくとも美優はそう思っているし、それは間違いではない。
オナニーのためにトイレを占拠して。
パンツを踏んで転ばせて。
排尿観察という屈辱を味わっている妹に、射精をした。
美優が一番に大切にしている服まで、俺は精液で汚してしまった。
言い訳のしようもない。
謝罪をしたくても、なんて謝ればいいのかわからなかった。
「いっぱい出てるんだけど」
美優は手をぐーぱーして付着した精液をぐちょぐちょとこねる。
瞳は虹彩を失ったままだった。
「どうして我慢できないのかな」
美優は服についたシミを確認すると、Tシャツを脱ぎ、捨て物のようにゴムウエストを目一杯に引っ張って、頭からスカートを脱ぎ去った。
「そんなに好きなら、出せばいいよ」
ブラジャーを身に付けるだけになった美優。
その精液塗れの手は、勃興の収まらない俺の肉棒を握ってきた。
「み……美優……!?」
美優の手が俺の肉棒を扱いている。
ぬちゃぬちゃと精液を絡ませながら。
その小さな手で、根元から亀頭の先まで滑らせるように全体を刺激してくる。
「アッ……ぐっ……美優ッ……あぁぁぁっ…………!!」
手のひら全体は俺の肉棒に体温を与えながら、指先は確実に快楽のスポットを突いてくる。
さっき出したばかりなのに、もう射精を我慢できそうになかった。
俺が美優に興奮する体質だからこれほどまでに射精感が高まるのか。
美優は俺のどころか男のモノに触れるのも初めてなはずなのに。
もはやその手捌きは俺が自分でするよりも気持ちいいものになっていた。
「はぁ……あっ……俺……あぁ……また…………出る……ッ!」
刺激して欲しいと思う性感帯を、ピンポイントで責めてくる。
そのテクニックに、俺は呆気なく二回目の射精をした。
火山噴火のようにドロドロと精液が湧き出てきて、肉棒の濡らす粘液の量は更に増していく。
「あ、あぁっ!! 美優! もう、もうイッた……!!」
俺が射精しても美優は手を止めなかった。
それどころか、今度は両手で俺の肉棒を包み込んでくる。
「あぁぁ、あっぐ……ぅぅ……イッ……ああぁぁうぁぁきも、ちいい……ッ!!」
左右の手でそれぞれ、亀頭と裏筋とを弄り、ときに竿の根元から玉袋の表面まで擦って、睾丸をマッサージしてくる。
痛みが走ったのは最初だけだった。
快楽物質のみが脳に溢れている。
三回目の射精すら、もうすぐそこまで迫っていた。
「なんで、こんな……はぁ…………あぁぁぁっ……きもち……い……ぃ……!!」
涎が出そうなくらい頭がボーッとしていた。
肉棒はただ美優に弄ばれることを悦んで、快楽に溺れている。
「何回お兄ちゃんが自分でしてるの見たと思ってるの」
肉棒を擦る握力が強くなっていく。
怒りを込めて締め上げてくるその力は、男の俺が握る力とちょうど釣り合った。
「気持ちいいよね。まだ、出せるよね」
虚ろな目で脅されて、俺はわずかな我慢もさせてもらえずに、三度目の射精をした。
一回目の射精で相当量を出したにもかかわらず、連続で出されたものとは思えない量が飛びだしている。
美優の手は、まだ止まらない。
「ァ……ぁぁアッ……はぁうぅぅ……もう、美優……ダメだ……!」
懇願しても、美優が手淫を止める気配はない。
力で強引に押し退けてしまえばそれで終わるのに。
動けなかった。
美優への罪悪感と、止めどなく与えられる快感に、脳が支配されていた。
「こんなに出してるのに、まだ硬いね」
滑りを更に増した手淫は、徐々に先頭へと偏っていった。
「お兄ちゃんは射精するの好きだね」
射精に次ぐ射精からの亀頭責め。
美優は俺に潮を吹かせるまで止める気がないようだった。
「アァァァ!! い、イィぃいっ、アガッ……あぁぁああああああッ!!」
尿道からカリ首まで、そこにあったのは苦痛だけだった。
悶絶し、泣き叫ぶほどの痛み。
快感はないのに、そこには、確かに快楽があった。
「あぁ、はぁ……しぬ……じぬぅっぐっ…………!!」
痛みが気持ちがよかった。
苦痛が快感に変換されているのではない。
痛めつけられることそのものを脳が喜んでいる。
完全に入ってはならない境地に到達していた。
体を仰け反って、多分このときの俺は、白目すら向いていたと思う。
「うぁぁ、ふぅぁぁあああ、で、出るッ! ヤ、バッ、くぅぁあ、死ぬッ……出るッ…………あぁぁあぁああああっ!!」
潮吹きなんて未経験だったのに。
俺はエロゲの世界みたいな射精を連発した。
痙攣するペニスの筋収縮が止まらなくなって、その度に精液が、ビュッ、ビュッ、と飛んでいく。
勢いよく吐き出すその最中も、美優は手を止めない。
それどころか、ストロークはいっそう激しさを増して射精を促してくる。
「ぁぁぁ……あぁ……っ!!」
そこら中に精液が飛び散っていた。
美優のブラや頬にも掛かっている。
それでも、美優は手を止めない。
射精して、射精して、10回分の射精を終えたところで、ようやく潮吹きが止まった。
俺はゾンビのようにぐったりして、トイレの蛇口に頭をぶつけながらも脱力する。
ペニスは死後硬直状態だった。
弾倉はもう空っぽなのに、発射口をしっかり固定したままそそり勃っている。
そんな俺の肉棒を。
美優は、両手で擦り始めた。
「アアァァッ!! い、痛イッ!! 痛い痛い痛いッ!! もう、美優、ヤメ、やめて、くれ……ッ!!」
皮膚が爛れて血が出そうなほど。
刺すような熱い痛みは、肉棒をライターで炙られている感覚だった。
「気持ち良かったらお仕置きにならないんだよ。お兄ちゃん」
美優は手を止めない。
快楽責めの後、始まったのは拷問だった。
「美優、美優ぅぅ……ぁぁぁ、頼む、許して、くれ……アッ、アッアッアッ……」
美優はどれだけ懇願しても手を止めない。
先程までは脳だけが引き受けていた痛みは、全身に分散された。
筋肉は力み、歯はガタガタと音を立て、内蔵が絞り上げられる。
やがて体が浮遊感を得て、まるで別世界にいるようだった。
このまま射精まで至ったら冗談ではなく腹上死する。
殺される。
俺は妹を怒らせ、ペニスを扱き上げられて、非業の死を遂げるのだ。
「妹に射精させてもらえて。お兄ちゃんは幸せだね」
美優はぐったりと倒れ込む俺を肩で受け止める。
もう声も出なくなった。
ぐちゃ、ぐちゃ、と美優の手淫が立てる音だけが、トイレの静けさに溶けていた。
いつしか痛みは飛んでいた。
首から神経が断絶されたように、何も感じない。
あるいは、俺はもう死んでいるのかもしれない。
「お兄ちゃん。出して」
美優に命令されて、下腹部にだけ実感が戻る。
繰り返しの射精に疲弊した竿にはヒビが入ったような痛みが走り、尿道はすり減ってもう快楽を感じない。
そんな中で、俺は美優の声にだけ反応して、精液を発射した。
一回の射精に見合うだけの、十分な量が美優の手にかかった。
「……熱い」
美優のその一言で、拷問は終わりを告げた。
俺は全身の脱力に、ようやく勃起が収まっていくのを感じた。
亀頭がヒリヒリする。
敏感になりすぎて、今日はもうパンツをはけないかもしれない。
手淫による徹底的な責めが終わると、不思議と意識は通常通りに戻った。
酷い有様だった。
俺が一人で出したとは思えないくらい、美優の体は精液でドロドロになっている。
今日一日に出した精液を集めたら、どれくらいになるんだろうか。
「……って、み、美優! その、アソコのとこ……」
美優の体を眺めていたら、重大な危機を発見した。
俺の精液が美優の股の間にまで垂れ下がっていた。
表面に付いているだけとはいえ、妊娠のリスクがゼロとは言えない。
俺は慌ててトイレットペーパーを丸めて、美優に差し出す。
「ああ、これ……。別に、どうでもいいよ」
美優は受け取ろうとしなかった。
ただ呆然と割れ目に垂れてくる精液を眺めているだけ。
どうでもいいはずがないのに。
どれだけのショックを与えてしまったんだろうか。
「ふ、拭くから。ほんと、拭くだけ、だからな」
俺は美優の股下に手を差し入れた。
できるだけ指が触れないようにしたいが、粘性の高い精液が紙を当てるだけで取れるはずもなく。
決して興奮しないように、頭を事務的に切り替えて、俺は美優にかかった精液を拭き取った。
美優が自分から動こうとしないため、お腹に付いた精液も俺が拭いた。
何度もトイレットペーパーを取り直して、その度に自分が出した精液の量に辟易する。
拭き終わると、美優はようやく立ち上がった。
変な体勢を続けていたせいで痺れた足を伸ばして、ひと呼吸。
そんな美優の胸の間から、とろっと精液が滴り落ちる。
まさか胸の中にまで精液が飛んでいるとは思わなかった。
美優もそれが自分の胸から垂れているものだと気づいて、ブラジャーのホックに手を伸ばす。
放心状態で羞恥心まで吹き飛んでしまったのか、美優は躊躇なく生まれたままの姿を俺の前で晒したのだった。
色白の大きな膨らみ。
弾力に丸みが形作られて、乳首はやや上向き。
山本さんのパーフェクトプロポーションとは違い、美優は小柄に巨乳というアンバランス。
それが二次元趣味の俺にとっては最高の興奮材料だった。
美優は俺からトイレットペーパーを受け取って、その場で胸の間を丹念に拭く。
それを便器の中に放ってから、床に脱ぎ捨てたTシャツとスカートを拾った。
前かがみに谷間が強調されて、揺れる豊かな胸に、俺は、俺の下半身は、信じられないことに再び硬さを取り戻していた。
服を拾い上げるその最中に、目の前で大きくなっていく俺の肉棒を見て、美優は立ち上がると同時に憐憫の眼差しを向けてきた。
きっとゴミを見るような目とはああいうものを指すんだろう。
美優は服を腕に抱えると、これまでで一番大きなため息をついた。
「もういいや」
トイレのドアを開けて出ていく。
その後ろ姿を見て、俺は胸騒ぎに駆られた。
捨てられる。
それこそゴミのように。
オカズにしないと誓った、彼女持ちの兄がいつまでも欲情したままでは、無理もないことだとは理解している。
言い訳の言葉も浮かんでこない。
それでも、美優に見捨てられることだけは耐えられなかった。
俺は自分の体に付いた精液を雑に拭うと、トイレに流して洗面所に駆け込んだ。
美優は裸のまま風呂掃除をしている。
「美優!!」
声をかけると、棒付スポンジでゴシゴシする手を止めないまま、美優がこちらに顔を向ける。
「どうしたの?」
小首をかしげる美優。
いつもと変わらない。
ただ愛らしいだけの顔だった。
平常通りの雰囲気に感じるけど。
それは多分、怒りとかを通り越してしまっただけなんだ。
「いや、その、だな。俺はどうしようもない兄だけど。本当に、美優に迷惑をかけたいわけじゃなし、えと、だから、あと一度でいいから、チャンスが欲しい、っていうか、だな……」
言葉がまとまらない。
見捨てられた相手をどう説得すれば、また期待してもらえるかなんてわからない。
「あと一度……チャンス? それも出して欲しいの?」
美優はキョトンとした顔で、俺の下腹部を注視しながらそう返す。
「い、いや!! そんなんじゃない! してもらえたら嬉しいけど…………じゃなくて! いや、全然嬉しくないっていうか! 嬉しいけど、その、だから……!」
わかってて誤魔化されているのか。
そんな風には感じないけど。
あの諦めを含んだため息。
俺を見限ったようにしか考えられない。
ただ、それを素直に言葉にして聞けなくて。
まごついているうちに、美優は風呂掃除を終えて風呂場から出てきた。
「なんだか慌ててるみたいだけど。私、別に怒ってないよ?」
美優は俺の胸中を察して、先に答えをくれた。
今怒っていないのは、俺にもわかる。
問題なのは、それがいつも通りに戻ったのか、呆れ果てた先に何も感じなくなったのかだ。
「だって、ほら。出てくときも、もういいやって……」
美優と心が離れるのが怖い。
こんな感情は今まで人と接してきて初めて抱いた。
前に試着室で問題を起こしたときにも見放される恐怖はあったけど。
あのときは、明確に怒ってくれたし。
こんなに平静としている美優が、逆に怖い。
「もういいやっていうのは、そういう意味じゃなくて……」
美優は答えづらそうに口ごもる。
「服を汚したのは、許せないけどね? その分のお仕置きはもう済んだし。お兄ちゃんのそのどうしようもない硬いのは、まあ、どうしようもないし」
美優は俺のどうしようもない部分に目を落とす。
美優の裸が視界に入っているからか、こんな状況でも俺の勃起は収まらないままだった。
ここまで堪え性がないことがわかっていて、本当に美優は俺を受け入れているんだろうか。
「そんなに信じられない?」
どんな質問をしたら真意が判明するのかがわからず、黙ったままの俺に、美優は近づいてきた。
全裸の美優と、下半身裸の俺と、ちょうど反り立ったペニスの長さ分の間を空けて、美優が俺の顔を覗き込む。
「お風呂、一緒に入る?」
美優に尋ねられて、俺の頭は完全にパンク状態だった。
俺は美優に見捨てられたんじゃないかと心配していたのに、逆に過去になかったほど美優が心を許してくれている。
「それは、もしかして、入るって答えたら、ゲームオーバーなやつ?」
「ううん。それで信用してもらえるなら、お兄ちゃんと一緒に入るよ?」
高校生の俺が、2つ下の妹と一緒にお風呂に入る。
それはたしかに、仲が良くないとできないことだけど。
「……じゃあ、入る」
「うん。わかった」
内心では肝を冷やしながら、決死の覚悟で答えた「入る」は、すんなりと受け入れられた。
美優はお風呂のお湯を止めて、二人分のバスタオルを用意する。
「先にシャワーを浴びてるけど。好きなタイミングで入ってきていいよ」
そう言って、美優は風呂場のドアを閉めた。
わからない。
失態を犯した俺の評価が上がっているなんて。
どうやってこの状況を整理すればいい。
美優は確かに怒った。
だがそれは、服を汚したことについてだけ。
その分の罰を俺は受けて、それでも怒張の引かない俺に、美優は何かを諦めた。
その後に待っていたのは、かつてないほどに優しい妹だ。
今までも何を考えてるかわからないやつだったけど。
ここまでくるともう何がなんだか。
飛び込むしかないのか。
美優を理解するためには。
互いに脱げるものを脱ぎ去って、裸で語るしかないのか。
「……入るぞ」
俺は服を脱いで、風呂場のドアを開けた。
シャワーは止んでいて、美優が湯船の蓋の上に座って髪を洗っている。
「シャワー使っていいよ。終わったら髪を流すから、交代で使おうね」
「お、おう」
美優が髪を洗っている間に、俺はシャワーで体を濡らす。
俺がシャンプーを始めると、美優が頭を洗い流して体を洗い始める。
泡に隠れきらないサイズの美優のおっぱいが、ボディソープを滑らせる度にぷるんと揺れた。
俺は股間の痛みがいつまでも引かず、最後に美優が全身を流し終わって、俺が自分の体を洗っているのを美優に見られているときは、最高に恥ずかしかった。
それから俺が先に湯船に入って、前方に空いたスペースに美優が座る。
美優の髪はヘアクリップで結い上げられて、背中も首筋も、近くで見るとその肌のきめ細かさが際立った。
まさか美優と一緒にお風呂に入る日が来るなんて。
定かな記憶ではないが、子供の頃もこうして二人で入浴したことはなかった気がする。
「少しは信用した?」
美優が首だけ半分こちらに回して訊いてくる。
ここまでされたら、信じないのは失礼だ。
「まあな。なんか、悪かったな」
あんな態度を取られたら誰だって不安になると思うけど。
疑われて気分のいい人間はいないよな。
信じよう。
これで見放されているなら、どっちにしろ復帰する道はないんだし。
「ふぅ」
美優は膝を抱えて水面に映った自分の顔を覗く。
息を抜く美優の表情は穏やかだった。
二人分でかさを増したお湯が、肩までせり上がっている。
普段はシャワーで済ませてしまうことも多いけど、夏場の方が汗や冷房で体が冷えるんだよな。
たまにはこうしてゆっくり風呂を入るのもいいかもしれない。
お湯に入った瞬間の亀頭の痛みは尋常ではなかったけど、しばらくしたらそれも静まってきた。
「それにしても。すごい出たね」
「おま、そ、それは、だな」
場を和ませようという気遣いだったのか。
話題にするには億劫な内容だと思うけど。
「勢いとはいえ、手でしちゃったね」
「ああ。してもらっちゃったな」
「気持ちよかった?」
「そりゃ、あんだけ出てるからな」
頭が変になるくらいの快楽地獄だった。
最後の拷問は勘弁願いたいが、もし許されるなら、また手でしてもらいたい。
「もうしないからね」
「えっ……」
この脳を透かして読むような先回り。
残念ではあるけど、俺には彼女もいるからな。
あれは、そう。
何かの事故だ。
というより事故以外の何ものでもない。
だから、こうしてお風呂に入っているのも事故。
しかも相手は血の繋がった妹だし、なんら問題はない。
だから、後ろから見える美優のおっぱいを、鷲掴みにして弄り倒したいなんて思ってしまっても、それも事故の範疇なんだ。
「あの、美優。背中、当たっちゃってるけど、いいのか」
俺の剛直が美優の背中にピッタリと張り付いていた。
それほど湯船に余裕がないのもあるが、美優がそれを気にせず背中を寄せてきたのだ。
「うん。いいよ別に。今日だけはね」
美優はスキンシップを好まないはず。
どういう心境の変化なんだろうな。
「なら、ついでに、もしもの話で聞いて欲しいんだけど」
「うん」
「おっぱいを揉ま」
「それはダメ」
だ、だよな。
わかってた。
わかってたよ。
美優は特におっぱい触られるの嫌いだもんな。
「お兄ちゃん」
美優は背中に体重を預けてくる。
美優が顎を少し上げると、横顔が見えた。
「脈すごいよ」
指摘されて、それが肉棒の怒張によるものだと気づいたとき、急に羞恥が湧き上がってきて全身が熱くなった。
「す、すまん! えっと、だから、これは」
美優のおっぱいを触りたい想いで気が昂ぶっていた。
これだけ体が密着していたら、俺の心理状態は丸わかりだった。
「トイレのときからずっと硬いままだね」
「うん……そう、だな……」
申し開きのしようもない。
もう射出できるだけの精液は残っていないはずなのに。
どうしてここまで硬くなるのか。
「いつもそんなに元気なの?」
「いや、これは」
正直に、言ったほうがいいんだよな。
「美優といるときだけ、かな」
性欲は多い方ではある。
でも、射精した直後にまだ硬いままでいるのは、美優が刺激になっているときだけだ。
「あのさ、ちょっと踏み込んだ質問をしていい?」
「……な、なんだ」
美優は大きな目をぱちくりさせて、視線を逸らすと、少し考える。
いつもの癖だが、そこに何の意味があるのかはわからない。
数秒の間が空いて、いったい何を聞かれるのか、ドクン、ドクンと、俺の拍動は大太鼓を打つように強くなっていった。
「お兄ちゃん、私のこと妊娠させたいの?」
その踏み込みすぎた質問に、俺は当然、
「ち、違う! そんなことを思ったことはない!」
即座に否定した。
俺にはまだそんな責任を取れるだけの能力はないし、それを願ったこともない。
だが、あれだけの射精量。
体の方はどう思っているかはわからない。
それに。
もし、美優にセックスをしてもいいと言われたら。
俺はきっと、欲望のままに、妹に手を出してしまうだろう。
「ふーん。まあ、どっちでもいいんだけど」
美優はまた前を向いて膝を抱える。
どっちでもいいならなんで聞いたんだ。
わからないけど、なんだろう。
この気持ち。
美優をこうして後ろから眺める姿も、すごく、キレイだ。
女の子を可愛いと思ったことは何度もあるけど、こんなに感情の底から湧き上がるくらいに可愛いと思ったことはない。
可愛い。
美優が、世界で誰よりも可愛い。
美優と一緒にいると気が落ち着く。
肌が触れ合うと胸が高鳴る。
今までは慣れない女体に興奮しているだけだと思っていたけど。
──いや、待て、ダメだ。
これ以上は考えるな。
俺たちは兄妹だ。
それ以上なんかには、絶対にならない。
「心拍数あがりすぎ」
「あ、ああ」
「可愛い妹の裸がそんなに興奮しますか」
「やめてくれ」
否定ができない。
「……そろそろ本当にお兄ちゃんが死んじゃいそうだから、私は先に上がるね」
美優は浴槽をまたいで、軽くシャワーで体を流してから脱衣所に出た。
ああ、そうだ、これは何かの間違いだ。
俺は決して、妹に恋心なんて抱いてはいない。
「ご飯、着替えてるうちにできるから。食べに来てね」
美優はタオルを巻いた頭をひょっこりと出してきて、最後にそう言い残してから二階に上がっていった。
どうしようもなく可愛い。
無心を努めてもそう思ってしまうこの心を、今のうちに矯正してしまわないと。
これ以上妹に気を許したら、俺は取り返しのつかないところまでいってしまいそうだった。