※この作品はR-18です。

俺の妹が最高のオカズだった   作:風見 源一郎

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妹のエッチな誘惑 地獄の射精管理 ~レイプして、お兄ちゃん~ その2

 

 コツ、コツ、コツ。

 

 美優はスマホのディスプレイを指でタップし、パスワードを解除する。

 由佳のスマホのありとあらゆるデータを探し、怪しいメールも片っ端から削除した。

 ネット関係には俺のほうが詳しいこともあり、途中からは俺もデータの削除を手伝ったが、由佳の家にパソコンが置かれていたらすべてに対応することはできない。

 

「うっぐ……えっぐ……うぅ……」

 

 涙でクッションを濡らす由佳の顔の横には、3つの使用済みコンドームが置いてある。

 

 由佳は三回目のレイプが終わり、それからずっと泣いていた。

 由佳に俺の顔が見えないのと同じように、俺からも由佳の顔を伺うことはできないが、きっと頭部に敷いたクッションも涙を吸ってすっかり重くなっているだろう。

 

「ねえ、由佳」

 

 ようやくお仕置きも終わりかと安堵しかけたとき。

 

 美優の口から放たれる、刺々しい声。

 

「写真を投稿したアカウントのパスワード、通らないんだけど」

 

 由佳が遥たちの裸を投稿したSNSアカウントは、ログアウト状態になっていた。

 よしんばログイン情報が内部に記録されていてログインできたとしても、アカウントを削除するためにはやはりIDとパスワードが必要になる。

 

 由佳が利用したSNSは多くの会社がアプリケーションを提供しているほどの超大手。

 投稿メッセージを消しても、その大元がWEBを通っている以上、キャッシュなどで復元される可能性が捨てきれない。

 

 アカウントを削除したところで解決する話でもないが。

 そうすることが、由佳を許すために、美優から提示された最大限の譲歩だった。

 

「パスワード、通らない……!? そ、そんなことないよ! そんなはずないって!!」

 

 恐怖と驚きに満ちた反応。

 由佳もこの期に及んで嘘をつく気はなかったようだ。

 

 本当のことを言ったはずなのに、間違っている。

 つまりはパスワードの覚え違い。

 

 由佳が律儀にパスワードを控えているようにも思えなかった。

 もしこのアカウントを削除することができなければ、由佳への責め苦はこんな程度では済まないことは容易に想像できる。

 

「私が解除するから! 貸して……!」

 

 由佳の提案に、美優はしばらく考え込んでから、ためらいながらもスマホを渡す。

 

「もしアカウントを公開状態にしたら、わかってるよね?」

「わかってる! わかってるってば! そんなこと絶対にしないって!」

 

 由佳は覚束ない手つきで、何度もスマホを落としながらパスワードを入力した。

 

 1分、2分と経っても、それは終わらない。

 

「なんで……なんでよ……!」

 

 思いつくパスワードを全て入力した由佳だったが、どれを使っても認証を弾かれる。

 

「やだやだやだ……うそぉ……なんで……なんでログインできないのッ!!」

 

 美優はその様子を眺めているだけ。

 急かすことも責めることもせず、ただ、由佳に視線を向けている。

 

「あ、あぁ……! 新しく作ったから、パスワードも新しいの作ったんだ……! え、えと、パスワード、新しいやつ、あれ……えーっと!」

 

 由佳は必死にアカウントの削除をしようとしていることをアピールする。

 

 その横で、美優はまた新しいコンドームをビリっと切り取った。

 

「やだ……! やだ!! やだやだ!! 待って美優!! ちゃんと思い出すから!! もうお股使われるのやなの!」

 

 由佳の懇願を無視して、美優は俺に新しいコンドームを渡す。

 

 由佳にとって、今の俺はレイプ犯の四人目。

 無理やり股を広げられて、勝手にペニスを捻じ込まれて、許可もなく射精される。

 そんな苦痛が再び始まる。

 

 声は聞こえない。

 部屋のドアの開閉音もしない。

 そんな不自然にも、由佳は疑問をぶつけてくることもない。

 

 ただパニックになって、疑念は都合の悪い妄想にどんどんと変わっていく。

 もしかしたら由佳は、俺が考えているよりよっぽど酷い状況を想像しているのかもしれない。

 

「挿れて」

 

 美優は俺に言った。

 

 由佳の頭をダンボールから解放させたまま。

 

「やだぁ!! やめてください! がんばって思い出しますからぁ!!」

 

 股を広げられ、俺に何度も挿入され、膣内が広がったままの肉穴が、ヒクヒクと動き出す。

 淫汁が流れていくその様子を眺めているだけで、また俺の肉棒は硬くなっていった。

 

 こんなことで勃起するなんて。

 女の子をレイプすることが俺の潜在的な性癖だったとでもいうのか。

 

 認めたくない。

 これだけ射精していても。

 

 罪悪感を抱えたままのセックスをして、何度も射精したのは佐知子のときも同じだった。

 あの時は妹に恋愛感情に近いものを抱いてしまい、俺はその罪悪感から逃れるために一心不乱に佐知子を抱いて、何度も射精した。

 

 俺にこうしてセックスするように強要しているのは美優だ。

 俺の体は、由佳を犯すことではなく、美優に由佳を犯すように命令されることに快楽を覚えているんだ。

 

 こんな言い訳、何の役にも立たないけど。

 

 レイプじゃない。

 少なくとも、俺は女の子を犯すことに興奮なんて、絶対にしていない。

 

「あっ、ああっ、また硬いの当たってるよぉ……うぅ……やめてください……ちゃんと削除しますから……」

 

 由佳はまだスマホをいじったまま。

 

 俺は美優の視線に急かされて、コンドームを装着する。

 

 ゴム鞠のようにパンパンに膨らんだ亀頭。

 それを、由佳の蜜壺に沈みこませる。

 

「あっ、ああっ……きちゃやぁ……まって……ああんっ!」

 

 ごめん。

 

 俺は今日何度目かの謝罪を心の中で唱えて、ズブッと勢いよく由佳の膣内にペニスを挿し入れた。

 

 お仕置きが続くのは俺が後2回射精をするまで。

 早く終わらせてしまった方が、由佳も楽になれる。

 

「ん、あ、あっ、ダメェ……はぁんっ、これも、通らない……パス、ワード、もうわかんなぃよぉ……ああっ、あん、ああっ!」

 

 わけもわからず犯されていた今までと違う。

 由佳もこの状況に体が順応し始めたのか、そこにははっきりと「感じている」手応えがあった。

 

「う……くっ……!」

 

 膣内はまたビチョビチョに濡れて、肉棒全体をヌルッと包み込んでくる。

 声を出さずにいるのも難しくなってきた。

 

 やばい。

 だんだんと本気で気持ちよくなってきた。

 

「あぐぅあっ、ああんっうそっ、おっ……! 入力、無効にな、てる……あぐぅあっうぅ、しゅぱむじゃ、ないのにぃ……ああううぅ……!」

 

 由佳がパスワードを間違えすぎたことにより、システムから攻撃と認識されてしまった。

 

 5分間のパスワード入力無効。

 美優からすれば、そこがタイムリミットだった。

 

「もういい。返して」

「や、やあんっ! ごふっ、んんっ! だへぇ……まって……あとろひょれ……さくじょでき……るうっ……うぐっきゅっっ!」

 

 突き上げた肉棒がまた由佳の奥を刺激すると、ビクンビクンと体が大きく跳ねた。

 どうやら下から上に向けて腰を動かすようにすると、由佳はすぐにイッてしまうらしい。

 

 美優は由佳からスマホを取り上げる。

 

「あ、あぁぁ……みゆ……まって! まだ頑張るからぁぁ取らないで、やだやだ、あっ、もう、せーえき、出されるのイヤ、あん、ふんっ、あぁぁあっ!」

 

 由佳から失われていく希望。

 怯え震える声が室内に響く。

 

 それでもなお、俺は由佳に挿入するのをやめられない。

 

「うぐっ、ああぁあっ! こんど、は、ほんと、ほんとのほんとに……いぃぃああっ、ごめんなさい、するっ、からっあぁっ!! ゆるぢで……ううぅぅぐっ……!」

「もういいよ。次は次はって。人間、甘くしてるとキリがないんだ」

 

 開放させたダンボールに手をかけ、美優はゆっくりと、由佳から光を奪っていく。

 

「だから今日。今日からずっと。由佳には童貞を捨てるための肉穴になってもらうから」

「ぎゃぁやぁぁあああやだぁぁあああああああ!! 美優ぅぅあああぁやだごめんなさい!! 許してぇぇえええ!!」

 

 パタンと閉じられた

 くぐもっていく由佳の声。

 

 ギュッと締りの強くなる由佳の膣内に、俺の肉棒をぐりぐりと押し付ける。

 

「あっぐ……うぐぅぁ……ああああがっ!!」

 

 由佳の声に悲しみが混じるほどに、膣がペニスをギュンギュンと絞り上げてくる。

 

「あああうぅっ、ああっ!! いひゃぁあああ! あぁあぁあううぅあぁっ!!」

 

 美優に見捨てられたことが致命打だったのか、口は自由に動くはずなのに由佳は叫ぶことしかしなくなった。 

 興奮が増すごとに締め付けの強くなる膣肉と溢れ出る愛液で、俺の竿全体が強烈な性感帯になる。

 

 0.01ミリ、最薄のコンドーム。

 生の挿入に近い快感が俺の神経を責め立てる。

 三度の射精を終えてもペニスは未だ衰えることはなく。

 腰を打ち付けるごとに悲鳴を上げる由佳の声を聞いて更に大きくなっていく。

 

「はぁっ……あっ……由佳っ……由佳ぁっ!!」

 

 竿の最も太い部分、その根元で由佳の膣口を無理やり広げるごとに、頭の中から理性が剥がれ落ちていった。

 

 ジュパンッ、ジュパンッ、と腰を打ちつけ、耳に届く水音が、振り子のように規則正しい周期で俺の脳を刺激する。

 

 由佳の泣き声を聞いて、心は痛んでいる。

 罪の意識を自覚したまま、心臓を締め付けられる感覚を抱いたまま。

 俺の脳は快楽で満たされて、罪と悦を同時に欲していた。

 

 由佳の悲鳴を聞くのが気持ちいい。

 息苦しくなるほどの罪悪感が気持ちいい。

 

 美優の命令に奴隷のように従って、嫌がる女の子とセックスをすることで、俺の性器は血液と精液をかつてない速度で充足していた。

 

 その凶悪な肉棒で、ひたすら由佳の膣肉を抉る。

 子宮にゴリゴリと剛直を押し付け、Gスポットを突き上げる。

 

 パァンッ、パァンッ、と愛液の散る肉を、ひたすらに堀り、叩く作業。

 繰り返し、すっかり柔らかくなった由佳の膣ヒダが、俺のペニスに絡みついてくる。

 

 我慢の限界を迎えて、ありったけの力で腰を前後させると、由佳の下半身がガタガタと震えて跳ね出した。

 

「があぁっ、ぐあっ、いひゃぁああっ! ああんっ!! んやぁあああっ!」

「由佳ッ、で、るっ……出るっ……!!」

 

 びゅっ、どびゅっ、ぐぴゅっ、びゅっ、びゅびゅっ──!

 

「ひゃぁぁあああっ!!」

「ああああっ!!」

 

 四度目の射精も長かった。

 精液がゴムの中に放出されて、減った性欲の代わりに理性が戻ってくる。

 冷静になった分だけ、俺は現状の悲惨さを理解して、更に興奮の湧き上がってくる肉棒が最後の最後まで精液を吐き出していた。

 

「はぁっ……はぁっ……」

 

 行為が終わり、精液で膨らんだコンドームの口を縛ると、美優がダンボールを開放してまた由佳と顔を合わせる。

 

「ぁっ……ぅぅっ……」

 

 由佳は肺を引きつらせて、弱々しく酸素を取り込んでいた。

 

 肉体的にも精神的にも、削れきった状態。

 

「由佳。四人目。終わったよ」

 

 ドサッ。

 

 由佳の目の前に並べられた4つの精液入りコンドーム。

 その全てが、由佳の膣内で放出されたものだった。

 

「初めてのセックスがどうだったかわからないのは可哀想だったから。これ、撮っといたよ」

 

 美優は由佳にスマホの画面を見せつける。

 

 その動画は、俺が由佳をダンボール越しに犯し、射精してゴムを抜き出すまでの一部始終だった。

 

 映されているのは由佳の姿と俺の下半身だけ。

 誰に犯されているのかはわからない。

 

 見知らぬ男と自分がセックスをする映像が流れ続ける。

 初めての体に、無情にも男の屹立した性欲を捻じ込まれて、処女を失う瞬間が由佳の網膜に焼き付けられた。

 

「ぁ……ぁっ……」

 

 その時の由佳の表情が、どんなものだったのかはわからない。

 

 由佳はもう何も言わなかった。

 

 動画の再生が終わると、美優はダンボールを片付けだした。

 

 ガムテープを剥がし、左右に分解すると、そこには体を前に折った状態で簀巻きにされた由佳の姿があった。

 布団で圧力を分散した上で、体が動かせないように各所を拘束している。

 その1つ1つが解除されると、生身の由佳がぐったりと大の字になった。

 

 もはや廃人状態。

 白目を剥いて微かに喉を鳴らすだけ。

 

 光も音も届いていない。

 気絶こそしていないが、意識があると表現することも難しい状態だった。

 

「はぁ……」

 

 終わった。

 

 何もかも。

 

 俺も由佳も、人として大切なものを失った。

 コンドームを外して精液まみれのペニスに、由佳の愛液がまとまりついて、その不快さに俺はもう考えることも嫌になった。

 

 背中に張り付く汗を洗い流したくて、俺は服をまとめて風呂の準備をする。

 

「何してるの?」

「風呂。入ってくる」

「ふーん。まあ、それはいいんだけど」

 

 美優が俺の足を止める。

 

 その手に、包装されたコンドームを1つ持って。

 

「お、おい……まさか……」

「約束は約束だから」

 

 美優は残り1つのコンドームをひらひらさせて、由佳の前に座るよう指示した。

 

「も、もう、いいだろ? 由佳の意識だってほとんどないし……こんな状態じゃ、パスワードも聞き出せないだろ……?」

「SNSの方はメールアカウントからパスワード変更して削除したから大丈夫」

 

 なら最後の拷問はいったい何の意味があったんだ。

 

 由佳は極度の疲労と脳の拒絶反応で、すでに五感を閉ざしている。

 もう俺に犯されたことすらわからない。

 

「さっきと同じ体勢になって。由佳の脚を持ち上げて覆いかぶさるの。それでお兄ちゃんがその気にならなかったら、もう終わりにしてあげる」

 

 美優は憮然と言い放った。

 

 お仕置きを始めたときからそうだが、美優からはどうにもやる気が感じられない。

 金曜日の夜は俺にとってはご褒美状態だったし、土曜の朝も怒ってると言っていたわりに機嫌はそこまで悪くなさそうだったし。

 

 口にしているほど美優が怒っているようには思えなかった。

 

 まあ、元々感情を表に出す方ではなかったけど。

 

「その気にならなかったらって。要は、勃たなきゃいいんだよな」

「そうだね」

 

 もう四回も射精しているんだ。

 気持ちも落ち着いている。

 これ以上、セックスなんてできるはずがない。

 

 床に転がる裸の少女。

 何度も犯されて、視覚も聴覚も閉ざしている。

 絶望の果てに呻くことしかできなくなった体を犯すなんて、寝込みを襲うより悪質だ。

 

 脚を持つと、思った以上の重さが手に乗った。

 腰と尻しか見えていなかった前回とは違い、これから俺が相手にするのは完全に生身の女の子。

 くたびれた長い髪も、横に流れる乳房も、その瑞々しい先端も、全てが丸見えになっている。

 

 刺激を与えられすぎて意識がトんでいるからこそ、多少無理な力を入れても起こしてしまう心配がない。

 相手に自分の行動を見られて、どう思われるか気にする必要もないんだ。

 

「はぁ……っ……」

 

 由佳の足首を持ち、股を広げる。

 弛緩した穴からはまだ愛液が滴っていた。

 

 濡れたままの膣内。

 起きたまま意識をなくした体。

 ここにきて本物の肉オナホが完成していた。

 

 足を前に倒して由佳の膝を丸める。

 腰と腰を近づけて、五度目の正常位。

 脚が伸びてしまわないよう、俺は由佳の膝を曲げさせたまま自分の両腕で挟み、由佳の正面から覆いかぶさった。

 

 だらんとぶら下がった肉棒が割れ目に近づく。

 ゴムを付ける前の下半身が、数センチ先の由佳の体温を感じ取る。

 

 ──ピクン、ピクン。

 

 陰茎体が伸縮して、その感覚が連鎖的にイチモツ全体に刺激を与えていく。

 

 ただ覆いかぶさっているだけなのに。

 

 落ち着け。

 勃つな、勃たせるな。

 

「ふぅ……はぁ……」

 

 深呼吸をして無心に努める。

 こんな状態で勃起したら、当たってしまう。

 生の肉棒が、生の肉穴に。

 

「うっ……くぅ……!」

 

 ゴムを外したばかりのペニスには、まだ精液がついている。

 割れ目に触れさせるだけでも危険だ。

 

 勃起したらダメなんだ。

 生で性器を触れさせるのは許されない。

 絶対に避けないと。

 

 でも、このまま大きくなったら。

 

 間違いなく、亀頭が挿入る。

 

「お兄ちゃん。ゴム要る?」

 

 そんな俺の視界の真横から、新品のコンドームが現れた。

 

 由佳に挿れる体勢の俺の側で、美優は膝をついて前屈みになっていた。

 

「要るって言うなら。着けてあげるよ」

 

 美優はビリっと袋を破いて、ゴムを取り出す。

 

 着けておきたい。

 もし勃起してしまったら、責任の持てないリスクを負うことになる。

 

 だが、それをお願いするのは、勃ってしまいそうなことを認めるのと同じ。

 

 また射精を命じられる。

 

 由佳の膣を使って。

 

 意識の朦朧とした女の子の体を、道具のように使い捨てて。

 

「──い……い、る……」

「ん? どっち?」

 

 美優に催促されて、加速するペニスへの血液の流入。

 半勃ちの状態から、さらに硬くなって頭が上向いていく。

 

 止められない。

 

 もう、勃起する……!

 

「ゴム……ないと、まずい。つけてくれ……!」

「はーい」

 

 美優は俺の後ろに回り込んだ。

 

 腰から手を回されて、美優の小ぶりの手が、精液に塗れた俺のペニスを掴む。

 

「あっ……ああっぐっ……!」

 

 ぬちゅ、ぬちゅ、ぐちゅ。

 

 美優が背後から俺のペニスを手でシゴいてくる。

 根元から絞り上げるように、頭からは包み込むように。

 

「美優っ! はっ……ぅあぁっ! やばい……ああああっ!」

「これでイったりしないでね」

 

 あくまでもゴムをつけるための前準備。

 美優がペニスを引き上げておいてくれたおかげで、勃起しても由佳の膣ヒダに触れることはなかったが。

 

 美優の手はどの皮膚も滑らかで、小さい手が触れる範囲がいつもと違う感覚で、自分ではない人にしてもらってることが指先からじわじわと伝わってくる。

 

 服を脱いで、汗のせいで冷えた体に、美優の体温が触れる。

 

 もう五度目なのに。

 性欲が昂ぶって収まらない。

 

「そろそろいいかな」

 

 美優はゴムの外側に精液が付かないように、器用に被せてコンドームを装着する。

 

「出るよね? お兄ちゃん」

 

 更に囁かれる、悪魔の言葉。

 

 美優に出せと言われたら、この体は否応なく精液を製造してしまう。

 

 睾丸が沸き立って熱い。

 射精したくて堪らない。

 

「挿れて。由佳の膣内で出して」

「はっ……ああっ……」

 

 ジュブッ。

 

 美優の声に導かれるままに、俺は五度目のレイプを開始した。

 

 由佳はもう声を上げることもない。

 

 部屋を満たすのは、ぐちゅぐちゅと膣を擦る音と、俺の吐息、エアコンの振動。

 汗と精液とゴムのニオイが鼻をつく。

 これほどにリアルな淫靡を感じたことはなかった。

 

 由佳の体を強く抱いて、腰をグラインドさせ、硬くなったペニスを出し入れする。

 

 何度も何度も。

 貪りつくように。

 

 俺の肩に髪の毛が触れる感覚があった。

 

「反応もしないのにそんなに激しくして。気持ちいいんだ」

「あっ、ちがっ……ぅああっ……!」

 

 由佳の裸体、その温度、腰を打ち付ける音、充満するニオイ。

 

 足りない。

 五感を全て満たしたい。

 この淫らなオナホールを、隅々まで堪能したい。

 

「好きなように使って。いっぱい出して」

 

 美優から耳元に吹きかけられる息。

 

 俺の理性を繋ぎとめていた何かが、プツッと切れた。

 

「うぐっ……あぁ……はあぁぁっ……!」

 

 肺いっぱいに空気を吸い込んで、俺は虚ろな目をした由佳の裸体に抱きついた。

 

 全身で感じる雌の肉感。

 挿入するたびにプルンと揺れる乳房に、俺は迷いなく吸い付いた。

 

 ちゅぶっ、ちゅぶっ、と口の中で由佳の乳首を吸い、舌で転がす。

 

「はぁ……あぐっ……っは……ああっ!」

 

 一切の抵抗をしない女の子の体を使って、俺はペニスに快感を与え続けた。

 

 硬く、大きく膨らんだ肉棒で、ひたすらに由佳の膣内をかき回す。

 

 愛液と混ざり合ってとろけていく、由佳の膣壁と、俺の陰茎。

 

 もうゴムをつけている感覚もなくなった。

 

 生で出したい。

 

 精液を子宮に注入したい。

 

 狂ったように犯して、膣内が精液で真っ白になるくらい、中出ししたい。

 

「ああっ……出るっ……はぁぁあぁっ! 気持ちいいっ……っああ! 気持ちいいっ! あっ、ぐっ、あああっ! 出るっ……膣内に出るっ……!」

 

 射精の瞬間が近づくほどに、強く、大きくなっていく腰のストローク。

 

 俺は由佳を強く抱きしめて、ペニスを膣の深くまで突き刺す。

 尿道口と子宮口を合わせ、由佳の子宮に精液を注ぐ勢いで俺は射精した。

 

「あっ……あああぅぐっ……!!」

 

 射精するたびに心が満たされた。

 妹の命令で少女を犯し、無許可で子種を植え付ける行為が、身の内側から歓喜を沸き上がらせる。

 

 ゴムがついていなかったら間違いなく妊娠させていた。

 

 そんな予感がする。

 

 疲労感に包まれた、心地よい脱力。

 

 由佳は最後まで、目を浮かせたまま犯されているだけだった。

 

「お疲れさま。最後のやつもゴム縛っておいて」

 

 ペニスを引き抜いたその先端には、五回のうちで最大量の精液が溜まっていた。

 

 美優に出してと言われたという、たったそれだけで、俺は性欲に従順な獣になった。

 

 そうしていることが気持ちよかった。

 

 美優に指示されると、精液の量が急激に増加する。

 射精の快感は、尿道を精液が流れるときの摩擦で生まれるもの。

 

 もう体は学習しているんだ。

 

 美優のために射精をすることが、何よりも気持ちがいいのだと。

 

「俺、もうダメかもしれない……」

「妹のおしっこで射精してた時点でもうダメでしょ。はい、これ」

 

 美優が俺に由佳のスマホを見せてくる。

 なんだかとんでもないことを言われた気がしたが、今は黙っていよう。

 

「美優とのメッセージのやりとりか。由佳のやつ、そんなに酷いこと言ってたのか?」

「そうじゃなくて。ここ。読んで」

 

 美優が俺に読ませたのは、由佳からの一連のメッセージ。

 まだ由佳が、遥と美優の裸を盗撮して脅す前のチャットだった。

 

『佐知子は美優のお兄さんとエッチしたんでしょ? 私もまあ美優のお兄さんならアリってかアリアリ?』

『オタク感無くなってきていい感じじゃん!』

『生で十分だよ~。どっちに転んでもプラスだし』

『あら、美優さんはお嫌? おねーさんって呼んでいいのよ? うぷぷ』

 

 このなんとも人の神経を逆撫でするような発言。

 レイプした後悔も消えていきそうだ。

 

「って! なにこれ!? あいつ、本気でこれを言ってたのか……?」

「うん」

 

 ネカフェでも聞いた話ではあるけど、ただの煽りだと思っていた。

 

「でも、なんでこれを?」

 

 こんなものを読んだら、少なからず心は軽くなってしまう。

 由佳は本当に俺とのセックスを望んでいたのだから。

 お仕置き目的で俺にレイプをさせたのなら、教えるべきではない。

 

「ずいぶん熱心にやってくれたから。ボーナス?」

「あぁ……」

 

 あれは演技じゃなくて本気で盛ってたんだけど。

 

「別に由佳にも秘密にしてるつもりはないし。明日になったら相手がお兄ちゃんだったって言ってもいいよ」

 

 これは美優からの情けだったのか。

 自分がレイプしました、なんて、そう簡単に言えるわけがないだろ……。

 

「まあそういうことなので、お兄ちゃんはもうお風呂に──」

 

 美優から解放の言葉が出ようとした。

 

 その直前。

 

 ピコンとスマホが鳴り、メッセージ受信の通知が表示された。

 

『由佳ちゃん、やっぱりあのこと、美優に謝っておいた方がいいと思うよ?』

 

 チャットアプリからのメッセージだった。

 

 送り主の名前には、佐知子と表示されている。

 

「佐知子からだ。いつの間に由佳とチャットするようになったんだろ」

 

 美優はそう口にしながら、『あのことってなに? 遥のこと?』と、由佳を装って佐知子にメッセージを返す。

 由佳と佐知子が連絡を取るようになったきっかけは、俺とネカフェで最初に出会った時のアレだな。

 

『遥ちゃん? なんのこと? 遥ちゃんにもイタズラしてるの? それだけは絶対にダメだよ。美優がすごく怒るから』

 

 もはや遅すぎた忠告だった。

 現にこうしてお仕置き、もとい拷問されてしまっている。

 

『美優が測定してもらってるとき、こっそり美優のブラジャーをクラスの子に回してたでしょ? ああいうの良くないと思うよ。周りが何も言わないのは、由佳ちゃんから謝るのを待ってるんだからね』

 

 絶句した。

 

 胸の大きさは美優のコンプレックス。

 自制が効かなくなるほど精神的ダメージを負う最大の弱点だ。

 

 美優はどんな顔をしているんだろう。

 怖くて直視できない。

 

『それと、あの写真。さすがに消してるよね?』

 

 ドキリと心臓が跳ねて、呼吸が止まった。

 

 佐知子は由佳が遥の裸を盗撮したことを知らない。

 となれば、“あの写真”が示すものはひとつしかない。

 

『写真って、美優が測定前にTシャツに着替えてたやつ? 佐知子に見せたっけ?』

 

 美優はメッセージの返信を続けた。

 

 由佳が遥と美優の裸を盗撮したことは、当人以外知らないはずだ。

 その情報は佐知子が持っていてはならないもの。

 もし佐知子が写真のことを知っているのだとしたら、由佳はそれを他人に見せていたことになる。

 

『私だって前半組だったもん。待機してた子に見せびらかしてたでしょ。みんな青ざめてたよ? 他の人から伝わる前に美優にごめんなさいしてね』

 

 木曜日の身体測定。

 ターゲットは遥にしたと由佳は言っていたが。

 それが本能的なものだったのか、美優を巻き込まずにはいられなかったようだ。

 

「美優……どうするんだ……?」

 

 恐る恐る美優に目線をやる。

 

「んー」

 

 美優はボーッと眺めているだけだった。

 

「どうってまあ、由佳次第かな」

 

 美優の反応は意外にもあっさりだった。

 

 だが、感情をあまり表に出さない美優のことだ。

 内心は怒りで煮えくり返っているのかもしれない。

 

 美優はスマホを俺のベッドに投げると、由佳の前で膝を折った。

 

 正座をして、由佳の頭を膝に乗せる。

 

「うぅ……」

 

 美優が頭を撫でると、由佳の意識が戻っていく。

 

 和解するつもりか。

 俺の仕事は、もう終わったよな。

 俺ももう風呂に入ろう。

 

「由佳?」

 

 俺が風呂上がり用の服を準備している背後で、美優は由佳に語りかける。

 

 穏やかな声音だ。

 本当に怒っていないのか。

 それとも、美優のブラで遊んでいたことも含めて、今日のお仕置きで許したのか。

 

「美優……あぁ……みゆぅぅ……ごめんなさい……」

 

 由佳は頬を美優の膝に擦り付ける。

 

 あんなことをされてなお美優に執着できるのは驚嘆だな。

 常人には理解できない領域だ。

 

「反省した?」

「うん。うん。反省した、から。もう許して」

 

 由佳は頭を撫でる美優の手を引っ張って、今度はその手に頬を擦り付ける。

 

「由佳は私をそんなに困らせたい?」

「ふぇ……そ、そうじゃないの。最初は、そんなつもりはなくて。美優がいつも不機嫌そうな顔をしてるから。もっと気楽になって欲しかっただけなの」

 

 由佳は言っていた。

 イタズラをするようになったのは、美優を笑わせたかったから。

 そのために、美優の凍りついた感情が、少しでも揺れ動くように。

 様々に手を回しているうちに、気づけば手段が目的になっていた。

 

「私、そんなに不機嫌そう?」

「うん……」

「そっかぁ。最近はそうでもなかったんだけどな」

 

 美優は由佳の額をぽんぽんする。

 

 不機嫌そうに見えるのは、それが美優の癖になっているからだろう。

 由佳との会話で思い出した、美優の小学三年生のときの変貌ぶり。

 毎日アイドルみたいな服を着ていた美優が、突然その手の服に興味を持たなくなった。

 

 どんな事件があったのかは知らないが、当時はたしかに、美優は毎日が退屈そうだった。

 

 俺が美優と距離を置くようになったのもきっとそれが原因だ。

 そうして俺は美優の感情を取り違えた結果、嫌われているものだと思い込んでいた。

 由佳にもそうやって積み重なったものがあったんだろう。

 

「まあ、でも」

 

 美優は由佳の頬に手を添わせる。

 

「こうして今が元気なのは、由佳のおかげで昔のことを思い出さないからなのかもね」

 

 静かに時の流れる夏の小部屋で。

 

 美優はフフッと、小さな微笑みを作った。

 

「は……あぁっ……ああぁっ!! み、美優……!!」

 

 由佳の目に宿る輝き。

 

 これまでの苦痛が全てなくなったかのように、顔が生気を取り戻していた。

 

「みゆぅ……! えへへ。あぁ、美優……私、美優のためならどんなことでもするよ……!」

 

 美優の膝に何度も頬ずりする。

 調子のいいやつだ。

 

 やっぱり、俺には理解のできない世界。

 

 でも、これで一件落着だな。

 

 服をまとめ終わった俺は、音を立てないように、静かに部屋のドアを開けた。

 

「ほんとに? どんなことでも?」

 

 廊下に出て、退場しようとした俺の耳に、届く、不穏な言葉。

 

 チャペルの荘厳な鐘の音が、突然不協和音に変わったような恐怖。

 

「うん、ほんと、なんでもする!」

「でもなぁ。由佳は嘘つきだから、期待半分にしておくね」

「ええー! ほんとにほんと! もう嘘つかないから! ね?」

「そう?」

 

 部屋を出てドアを閉めようとした手が止まった。

 美優と由佳の会話が気になってしかたがない。

 

「なら聞くけど。由佳、あの写真は誰にも見せてない?」

「え? 写真? み、見せてないよ?」

 

 ドアの隙間から見える二人のやり取り。

 目が離せない。

 

「私の写真も?」

「うん! 誰も、見せてないけど……」

 

 由佳と美優の目が合う。

 

 美優は威圧するでも嘲るでもなく、ただ由佳の顔を見ている。

 

「あ、あ! 美優のやつは、ごめん!! クラスの子に……美優より後ろで身体測定やってた子に、ちょっとだけ、見せちゃいました。ああうぅごめんなさい……!」

 

 ついに由佳の口から告げられた真実。

 佐知子の忠告と符合している。

 

「ふーん」

 

 美優は由佳の顔から手を離した。

 

「なんで最初、嘘ついたの?」

「ち、違うの! えと、その、違わないけど、つい、癖で……!」

「そうだよね、癖だもんね。どうせ由佳はまた、同じようにするんだろうね」

 

 明るかった美優の表情が曇っていく。

 

 由佳からすれば、それは処女を失うことなどより遥かに耐え難い喪失感だった。

 

「違うの! ほんと! もう嘘つかない!! 絶対、絶対に!! 一回も嘘つかないからっ!! し、信じて……!」

「なら、さっきのは? どんな言うことでも聞くって言ったよね? あれもどうせ嘘なんでしょ?」

「嘘じゃない!! 美優の言うことならなんだってする!!」

 

 必死、いや決死というべきか。

 美優に信用されるためなら、もうどうとでもなれと覚悟を決めた顔だ。

 

「そっか。それなら」

 

 美優はそれをつまんで、由佳の頭上にぶら下げた。

 

「飲んで」

 

 奴隷契約を結んだ由佳に、美優が命令したこと。

 それは、コンドームに大量に溜められた精液を、一滴残らず飲み干すことだった。

 

「えっ……」

 

 由佳の瞳が再び陰り始める。

 

「それ、知らない男が出した……」

「うん。由佳を犯した人の精液。飲んで」

 

 悪魔、再臨。

 

 地獄の住人ですら引くほどの所業。

 

「い、嫌ッ!! そんなのヤダ!! そんなことしたって、美優のためになんか……!!」

「ためになるならないじゃないの。どんな命令にも従うって言葉が、嘘かどうか確かめたいだけ。これは私からの命令だよ? やるよね? なんでもするって。嘘じゃないんだもんね」

 

 美優の声に乗る重み。

 

 ここからが本番だった。

 

「ねえ、由佳」

 

 美優はコンドームの口を開けながら問いかける。

 

「私が胸の大きさを気にしてるの。由佳は知ってたよね? 身体測定の前だって、すごく気が落ち着かないって相談してたのに。……だからあの日を狙ったの?」

 

 身体測定の前の夜、俺にお願いしたのと同じように、由佳にも相談をしていたようだ。

 

「それは、ちがっ……くは、ないけど……」

「私のブラ、みんなに回したんだってね。私さ、最近はキツめに胸を締めて学校に行ってたんだよ。みんなには80ちょっとしか無いって言ってあって。それでもたまにイジられるのにさ」

 

 美優のバストサイズは90に到達してしまっている。

 いくら周囲に例が少ないとはいえ、思い切ったサバ読みだ。

 

「由佳は胸を触ったりすることだけはなかったから。それだけは信じてたんだよ。コンプレックスは標的にしないって。なのに。写真まで見せびらかして。すごく裏切られた気分」

 

 美優の顔から消える感情。

 由佳に残された道はもう、一つしかなかった。

 

「せめて最後は正直になってくれたらよかったのに。ねえ、由佳。これからは、嘘をつかないんだよね?」

 

 美優の念押し。

 由佳はうさぎみたいに小さくなって、首を引っ込めるように頷く。

 

「なら、飲むよね」

「は……はい……」

 

 由佳は口の開けられたコンドームを、両手で受け取る。

 

 たぷんたぷんと精液で揺れるゴムの底を、つまんで持ち上げた。

 

 自分を犯した、知らない男が出した精液。

 

 コンドームを傾け、それを、口の中へと、注ぎ込んだ。

 

「うっ……うぐぅぅえぇぇぇええっ!!」

 

 由佳は魚のように飛び跳ねて、すぐさま精液を吐き出した。

 

「ううぅ、っん……ぐはっ、ぅえっ、うっ……うぷっ……!」

 

 四つん這いになり、口内のあらゆる液体を床に吐き捨てる。

 

「溢してる場合じゃないでしょ」

 

 美優はそんな由佳の横で、一つずつ、それを紐解いていく。

 

 由佳を犯した残り4回分のコンドーム。

 全てに精液が注がれたそれを、美優は由佳の前に並べた。

 

「まだこんなに残ってるんだから」

 

 充満する生臭い塩素臭。

 レイプ犯の精液。

 それを全て飲めという命令に、由佳の体が震え出す。

 

 これから訪れる、かつて無い苦痛を想像して、過剰に分泌されたアドレナリンが、由佳の足をガクガクと痙攣させていた。

 

「飲まなかったら、二度と口は利かない」

 

 トドメの一言。

 

 由佳は力を失い、ただ痙攣により肉体のコントロールだけができなくなる。

 

 やがてその股の間からは、黄色い液体がジョロジョロと流れ始めた。

 

「あーあ。こんなに汚しちゃって」

 

 美優は由佳の顎を持ち、上を向かせた。

 

 その口の中に指を突っ込み、由佳の舌を引っ張り出す。

 

「ぐえぇっ!」

 

 苦しげに泣く由佳。

 

 美優が手心を加える様子はなかった。

 

「全部、キレイにしてもらうからね」

 

 それからは……。

 

 どうなったのかは、わからない。

 俺はもう見ていられなくなって、部屋を後にした。

 

 風呂を入れて、汗を流して、かなりの長時間、湯船に浸かっていたはず。

 風呂を上がって髪を乾かし、着替えをしてからはずっと、俺はソファーに座ってうつむいていた。

 

 何をすることもなく。

 

 座って時間が過ぎるのを待つだけ。

 

 カチ、カチ、カチ、とアナログ時計の秒針音が聞こえる。

 それが数百回を数えるごとに、たまに二階からどこかを叩く鈍い音が響いた。

 

 悲鳴は聞こえなかった。

 それほど激しく暴れまわっているような音も聞こえなかった。

 

 ひたすらに俺は待ち続けて。

 

 二時間ほど経ってから、ようやく二階のドアが開く音がした。

 

 階段を降りてきたのは、由佳だった。

 寄れもなく服を着て、足取りは不安定だったが、きちんと自分の足で歩いている。

 

「由佳……?」

 

 リビングから顔を出して声を掛けると、玄関で靴を履いた由佳が俺に振り返った。

 

「ああ。美優のお兄さん。お邪魔しました」

 

 礼儀正しく、整った姿勢でお辞儀をする。

 

 顔を上げた由佳と目が合った。

 俺の背中に、ゾッと寒気が走る。

 

 深い黒だった。

 

 まるで瞳をくり抜いたかのように、虹彩が真っ黒に塗りつぶされている。

 

 一筋の光すら届かない。

 深淵まで続く闇。

 

 罪を受け入れるために全ての感情を閉ざした、壊れた少女の目が俺に向いていた。

 

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