朝、太陽の光に瞼を刺激されて、俺は目を覚ました。
美優がアラームをセットしたちょうど1分前だ。
昨日も美優に何度も射精させられて、ダルさが尋常ではないが、俺も山本さんとの予定があるので寝たままでいるわけにもいかない。
「美優、起きろ。もう時間だ」
俺はアラームを解除してから美優を起こす。
美優は俺に抱きついたままぐっすりと寝ていた。
そんなに俺と寝るのが落ち着くのか。
「うぅ……あと……いっぷん…………と5時間くらい……」
「欲張り過ぎだって」
二度寝しようとする美優を引き剥がしても、美優はすぐ俺との間にできた隙間を詰めてくる。
最高に幸せなこの時間を終わらせたくはないが、起こさなかったら美優が怒るからな。
「美優、そんなに寝てると遅刻するぞ」
俺が強めに力を入れて起こそうとしても、美優は頑として離れようとしない。
ということで、押してダメなら、引いてみる。
俺は美優を思い切り抱きしめた。
美優は嫌がって、俺を突き飛ばすかと思ったが。
更に眠りを深くするだけだった。
なんだこの可愛い生き物は。
まずい。
朝特有のアレが、余計に……。
「むっ」
さすがに肉棒の固さにはまだ不快感を覚えるのか、美優は絡めていた足をすぐに解放した。
美優が密着すると、どうしても勃起が美優の股に当たってしまう。
美優は瞼を擦ってから、口を押さえて小さくあくびをした。
「おはよう、お兄ちゃん。今までの人生で一番ひどい目覚めだよ」
「悪かったな」
男と一緒に寝ているなら、これはもう避けては通れない道。
昨晩のエッチは俺が暴走した結果だったが、朝勃ちだけは許容してもらわないとどうにもならない。
「朝ごはん作らなきゃ」
「あっ……悪い。朝食のことすっかり忘れてた」
「ん? 別にお兄ちゃんが作らなくてもいいよ?」
「いや、そうじゃなくて……」
何を勘違いしたのか食材を使い切ってしまった。
朝には美優がいないものだと思い込んでいたんだ。
一人分だけ作るのも面倒で、山本さんの家に行く前に外食で済ませるつもりだった。
俺も次の日はバイトがあるわけだし、朝食用のパンとかヨーグルトくらいは買ってくるべきだったな。
「食べるものないの?」
「すまん……」
「じゃあお兄ちゃんでいいや」
「……えっ?」
美優は俺にお尻を向けて布団に潜り込んだ。
まさか「お兄ちゃんでいいや」って、また精液を朝ごはん代わりにするつもりか。
と、疑問に思う暇すらなく、美優は布団に潜ったまま俺のパンツを脱がせてきた。
「美優……今日は……あっ、うっ……!」
小さな手が俺の肉棒を握った。
美優だって俺がこれから山本さんとエッチすることを知っているはずなのに、容赦なく手を上下に動かしてくる。
美優が俺の精液を求めて男性器を刺激している。
俺を興奮させて、その精液を飲むために、射精させようとしている。
そんなことをされたら、出してあげたくなってしまう。
昨日も俺は山本さんの口に出したのを含めて6回射精した。
その上、朝からまた絞られるなんて。
睡眠を挟んだ今ならまだ平気だけど。
さすがに山本さんと会う直前に射精させられたら、本当に精液が足りなくなる。
「美優……あぐっ……ああっ……それ……ダメだっ……て……はああ……あっ……!」
頭ではこれ以上出したらいけないと思っていても、体が拒否することを許さない。
俺に見えないところで、美優の手が俺のペニスをシゴいている。
その感覚が伝わるだけで、睾丸がキュッとせり上がってきた。
美優が俺の胸を跨いで、頭を布団に突っ込み、俺の肉棒をイジっている。
艶かしい太ももの付け根が、捲れたショートパンツのパジャマから覗いていた。
手で裾を広げればVラインまで見えてしまいそうで、それが俺に更なる燃料を投下していた。
「美優、エロ過ぎ……る……う、あ、はぁ……うくぅ……っ!」
美優のアソコ
がすぐそばにある。
指を突っ込んだら割れ目に触れてしまえるんだ。
美優は濡れやすい体質みたいだし。
もしかしたら、蜜の滴るその中にまで指を入れられるかもしれない。
美優の膣内はどれだけ気持ちいいんだろう。
遥にはもうとっくの昔から使われてるんだろうが、そこに男が触れたことは一度もない。
このギチギチのペニスを挿し込んだら、この小柄な美優とどれだけの一体感が生まれるんだろう。
美優とのセックス。
相手は実の妹なのに、俺は──。
「あっ、うあっ……み、ゆ、そんな、激しく……したらっ……!」
美優がシゴくスピードを上げた。
これはもう射精しろという命令。
従う以外に道はない。
「はぁ、あぁ、あっ……美優……美優……っ!!」
美優の手に肉棒を締め上げられて、射精に向かう脳が沸騰する。
美優を感じたい。
もっと美優に触れたい。
その想いに体が答えるように、俺はほとんど無意識に美優のふとももを掴んでいた。
「美優……っ!」
その滑らかな肉質に、欲望はさらに膨れ上がって。
射精の寸前、俺は美優のふとももを手で撫でた。
「あぐっ、ああんっ、お兄ちゃん……! そこ、ひゃっ、ダメ……!」
布団の中から聞こえる美優の色声。
俺は美優の言葉に逆らって、ふとももの内側にまで手を入れて、欲望のままに弄った。
「おにいちゃ、だめ、だってばぁ……!」
「美優! もうごめん、出るっ、出るうぅあぁっ! 飲んでくれ、美優……!」
「ひょんな、んんっ、あ、ぐっ……もう……おばかっ……んくっ……ごきゅっ……!」
美優は一瞬だけ抵抗しようとしたが、俺が射精を迎えたことで、飲む体勢を維持せざるを得なくなった。
精液を吐き出している間、俺は美優のふとももの感触を堪能して、その分だけ美優は体をビクつかせた。
「はぁ……あうっ……うぅ……けほっ、けほっ」
やがて射精が終わり、俺の手も止まると、美優は布団を床に落として体の向きを反転させた。
「お兄ちゃん……」
恨みを視線に込める美優。
だが、いつものようにドスの利いた声ではなかった。
「触っちゃダメでしょ」
美優はふとももを自分でスリスリして、俺が触った感覚を上書きする。
「ごめん。エロかったから、つい」
あんな体勢で手コキをされて、まともでいられるわけがない。
「いいですかお兄ちゃん。変な妄想されたくなかったから黙ってたけど、これだけは覚えておいて」
美優は自分の首を指差すと、俺にそれを認識しているか確認して、俺は小さく頷いた。
「首と、ふともも。それと胸。ここだけは、努めて触らないこと」
美優は一言一句を強調して、俺に言い聞かせた。
よほど触られたくないところらしい。
それほど敏感なのか。
あのエロい声、もう耳から離れそうにない。
「もし断りなく触ったら、お仕置きとかじゃなくて、普通にビンタするからね」
「触りません! 頑張ります!」
「うむ。ならよいですが。努力賞だけで終わらないように」
「がんばります……」
美優は俺から降りると、自分の部屋に戻った。
そして数分後、また俺の部屋のドアが開かれた。
「お兄ちゃんには、これからは『あえて』を言うようにしますが。お兄ちゃんのせいで余計な洗濯物が増えてしまったので、私が出かけた後に使ったりしないように」
「え……ああ、はい」
ごめんな、濡れやすいのにあんなことばっかりして。
ヨレヨレになったらお兄ちゃんが買ってやるからな。
「上下セットで8000円くらいするよ」
「嘘ぉっ!?」
反省します。
できるだけ、できるだけ欲望は抑えます。
パンツはともかく、ブラのサイズが無いんだよな。
美優は上下セットじゃないと嫌だろうし。
こんな理解の足らない兄を許しておくれ。
「……ん? あれ。美優のやつ、枕を忘れてる」
美優がドアを閉めた後、射精の疲れでぼんやりしていた俺は、ベッドにまだ枕が二つあることに気づいた。
「なんか……めっちゃいい匂い……」
鼻を埋めているわけでもないのに、風呂上がりの匂いが届くほど。
俺も同じシャンプーを使っているのに、香りの強さがまるで違う。
やっぱり、女の子だからか?
どうしよう。
少しだけなら……。
いや、冷静になれ。
こんなレアアイテム、少しだけで満足できるわけがないだろ。
一度嗅いでしまったらまた抜くまで離れられなくなるに決まっている。
何日分もの美優の匂いが染み込んでいるんだ。
そんなもの、俺が耐えられるわけがない。
「はぁ……はぁ……くそっ……こんな……!」
匂いを嗅ぐより先に勃起していた。
勃起して、俺は美優の枕に顔を埋めた。
「すぅ……はぁぁ……ああっ……美優……ダメだっ……こんな……」
美優の匂いがする。
美優の寝汗と、お気に入りのシャンプーの匂いだ。
肉棒が痛い。
筋肉痛なのか、勃起しているだけで竿全体から痛みが走る。
もう射精しちゃいけないんだ。
俺はこれから山本さんとセックスするんだから。
まさかセックスすることをわかってて「勃たなくなるまで射精してしまいました」なんて弁明が理解されるはずもないし。
馬鹿だ俺は。
すでに今ですら限界なのに。
相手はあの山本さん。
一回のセックスで満足させられるとは考えにくい。
少なく見積もって後二回、いや三回は射精すると思っておかなければ。
たしかに山本さんの願望は、セックスの相手が射精しないこと。
だが、あんな快楽を与えるために生まれたような女の子と、射精をせずにセックスし続けて、神経が保つはずがない。
山本さんはきっと性欲も体力も無尽蔵だ。
俺が射精しなかったら、あるいは何時間も逆レイプされるかもしれない。
あのエロボディに絞り続けられる快楽責め……確実に死に至る。
フィニッシュは必須。
スイッチが入った山本さんがどんな暴走をするかわからない以上、言葉ではなく体で止めなければならない。
……無理だ!
もうそんな精液は残ってない。
美優があんなに出すから。
くそっ、俺は山本さんに、なんて言い訳すればいいんだ。
「はぁ……あぁ……すうぅ……はぁぁ……美優……すごくいい匂いだ……あああっ……」
美優の匂い。
最高だ。
竿だけじゃなくて、玉の奥までズキズキしている。
射精のしすぎで病院行きになるかもしれない。
「美優ぅ……美優……っ!」
精液がグツグツと煮えたぎってくる。
これだ、この感じ。
生物としての適応能力。
美優のために出す精子が足りないと判断すると、体がその場で精子を作り始める。
いや、実際にはそんなことありえないだろうが、俺にはそう感じるんだ。
だから美優が相手だといつまでも性欲が尽きない。
美優をオカズにすると異常に精液が濃くなるのは、この体が美優を孕ませたがって、溜まった分をありったけ出そうとするからだ。
ならばここはあえて踏み込むのが正着。
精液をチャージして、射精するその直前まで興奮を高めれば、俺はまた精力を取り戻せる。
理性的、かつ合理的な判断。
美優が俺を射精させまくったことが原因でこうなったんだ。
これはそれに対する純然たる対処。
俺が性欲に負けているわけじゃない。
「はぁぁああっ! 美優っ……くはぁ……すうぅ……はぁ……すうぅぅ……うっ……うぅぅ……美優……!」
美優の匂いが鼻から口いっぱいにまで広がって、脳内に幸福感が走り抜ける。
体が宙を浮いた。
夢見心地だ。
まるで寝たまま温水にでも浸かっているよう。
「あっ……あっ……みゆ……」
身体がトロける。
意識までこの世の元素と混じり合って消えてしまう……。
──ガチャン。
ドアが閉められる音に、俺は驚いて枕から飛び上がった。
そのすぐ後に、物音が聞こえてきたのは美優の部屋からだった。
どうやら美優が洗面所での準備を済ませて自分の部屋に戻ったらしい。
危なかった。
あのまま続けていたら、俺はもうこちら側の世界に戻って来れなかったかもしれない。
もうこんな危険なものは返却してしまおう。
英気は十分に養えた。
下半身は滾ったままだから、小さくなるまで待ちたいけど。
放置してるとまた誘惑に負けそうだし、枕だけ返してサッと戻ろう。
俺は美優の部屋の前まで移動して、ドアをノックした。
「美優。枕を忘れてたから、返しに来た」
「いま手が離せないから入っていいよー」
まさかの美優からの返答。
部屋に入る気はなかったのに。
手が埋まってるなんて間が悪い。
この下半身を見せたら美優もゲンナリするだろうし、できればこの場で渡したい。
俺はドアを少し開けて、頭だけを入れて美優の部屋の中を覗いた。
「手が離せないって、何して──」
惚れた。
美優は外行きの格好になって、コテで髪を巻いていた。
ゆるりとカーブした髪がかかった、制服モチーフの襟付きワンピース。
そして、そんな清楚な雰囲気をぶち壊す、大ボリュームの胸部が、絞られたウエストとのコントラストを強調している。
「手を放すと巻き加減がわからなくなるから。枕はベッドに投げてくれればいいよ」
いつもより紅いリップで紡ぐ言葉。
目だけを動かして俺の姿を確認し、ぱっちりとまつげの潤う瞼で瞬きをする。
「おっ……おぁ……」
俺の妹って、こんなに可愛かったっけ。
「何してるの?」
美優はフリーズした俺を見て怪訝な顔をする。
「ああ、いや、なんか。大人っぽい格好だなって……」
「大人っぽいかな? うーん……ちょっとお化粧してるからかな……?」
美優からすれば、これは幼めの服装らしい。
言われてみるとたしかに、ロリータファッションに類する服とも思える。
「珍しいな。そういう服を着るの」
「遥が甘めの服を着てくるからね。少しは合わせてあげないと」
こんな可愛い格好の女の子2人で遊んでくるのか。
写真の一枚でも取って額縁に飾りたい。
「で、お兄ちゃんはいつまでそうしてるの?」
俺が部屋に入らないから美優が不審に思っている。
下半身が鎮まるまで会話を長引かせたかったが、そろそろ潮時か。
俺は変に思われるのを承知で、美優の視線の切れ目を狙って素早くドアを開け、大股を開いて枕をベッドに置いた。
背中で勃起を隠し、美優の視界に入らないように部屋を出てドアを閉める。
美優は何も言わなかった。
ミッションコンプリート。
もう美優が家を出るまで部屋にこもっていよう。
あと数分もすれば美優が旅行に出かける。
それからは、一週間は戻らない。
「はぁ……」
俺は部屋に戻り、ベッドの縁にうつ伏せて項垂れた。
「あぁ……美優の匂い……まだ残ってる……」
美優が寝ていたシーツに、枕ほどでは無いが甘い匂いが残っていた。
あと少ししたらこの残り香も消えてしまう。
あの仏頂面も拝めなくなるし、何より美優の声が聞けないのは気が滅入る。
「だから……しょうがないよな……」
俺は自分に言い訳して、せっかく小さくなりかけていたペニスをギンギンに直立させながら、美優が寝ていたベッドに頬を擦りつけた。
夢中になって、肉棒をビクビク動かしながら頬ずりする。
そうして、どれくらいが経っただろう。
ふと目を開けたとき。
俺の部屋のドアをわずかに開けて、中を覗いている美優と目が合った。
「あっ……いや……これは……」
言葉に詰まっていた俺を、美優は責めるでも怒るでもなく。
そっと、何事も無かったかのようにドアを閉めた。
「おぉぉおおお! 待てっ! 待て待て待て待てっ! 違うんだ! 美優!」
俺は無表情で階段を降りていく美優を必死に追いかけ、転びそうになりながら玄関に追いついた。
「美優、聞いてくれ。さっきのは、その……」
美優は靴を履いてトートバッグを腕に掛ける。
そして、緩くふんわりとした髪を揺らしながら、振り返る、その姿が実に可憐だった。
「お兄ちゃん……元気でね……」
その言葉を残し、美優は家を出た。
まさか最後の最後がこんなザマとは。
旅行中も俺は、ずっと残念で変態な兄として思われ続けるんだろうか。
「はぁ……俺も支度しよう……」
俺は着替えを持って脱衣所に入った。
山本さんのマンションまでは自転車を飛ばせばすぐだが、外は暑いから汗かくだろうし、制汗剤はしっかり使っておかないとな。
部屋に入った瞬間に汗臭いと思われたくはない。
パジャマは端に避けて、シャツを脱ぐ。
パンツは昨日の夜に、中で射精してから変えたばかりだが、いっそもう一度シャワーを浴びてしまうか。
今朝美優に抜いてもらったときの精液のニオイが残ってるかもしれないし。
股間の部分って、射精した後は全く精液が掛かって無くても、汗をかくだけで精液臭がするんだよな。
「美優みたいに良い匂いさせてたほうが山本さんも喜ぶだろうしな」
俺はパンツとシャツを洗濯機に入れた。
そのとき、ふと見えてしまった3セット分の美優の下着。
昨日学校から帰った後が1セット目、寝る前にエロいことをした後が2セット目、今朝ふとももを触ってしまった後が3セット目か。
ずいぶん使わせてしまったな。
上にあるのが今朝の分だな。
まだ美優の温もりが残っているだろうか。
あるいは、クロッチはまだしっとりとしているかもしれない。
俺は、美優のパンツを手に取った右手を、ガシッと左手で掴んだ。
待て、それだけはやめろ。
使うなって注意されただろ。
そうでなくても、妹のパンツを無断で使うなんて許されないんだから。
右手には妹の愛液で濡れたパンツ。
股間にはギンギンに屹立したイチモツ。
被せたら死ぬほど気持ち良さそうだ。
だが、俺はやらない。
これはネットに入れて洗濯機に戻す。
少なくとも、妹のいないところでこっそり、なんてことはしない。
妹がいない寂しさが、俺の体をわがままにしていようとだ。
「ん……?」
そんな寂しさが俺をおかしくしたのか、ふと視線を感じた俺は脱衣所のドアを振り返った。
そこには、美優が立っていた。
家を出た姿そのままの美優が、俺と目を合わせるでもなくこちらを見ている。
おかしい。
俺は幻覚でも見ているのか?
美優の格好は、出かける前と同じワンピース。
実に清楚で可愛い。
そんな美優の瞳に映るのは、全裸で、妹のパンツを片手に、勃起する兄の姿だった。
「そっかぁ……」
美優は意味深な言葉を呟いて、ドアを閉めた。
「ま、まっ……」
幻覚なんかじゃない。
正真正銘の大ピンチだ。
「待てっ!! 美優!!」
俺は大急ぎで外出用に持ってきていた服を着て、リビングに駆け込んだ。
美優はスッと背を伸ばしてソファーに座っていた。
「美優、勘違いだ。俺は美優の下着を使おうとしていたわけじゃない。たしかに、全裸は怪しいし、今も痛いくらい勃起してるし、それまでにもたくさん前科があるのは認める。だけど、これだけは本当なんだ。俺は素直に、あの下着をネットに入れて洗濯するつもりだったんだ」
母親に「今勉強するところだった」論を語っているような気分だが、こればっかりは信じてもらわないと、さすがに関係性にヒビが入る。
「お兄ちゃん」
美優はソファーの隣を空けて、そこに座るように指示した。
言いたいことは言ったし、後は美優が信じてくれことを祈るしかない。
「妹はお兄ちゃんが心配です」
それはそうだろうな。
「私がいないとそんなに寂しい?」
「寂しいことには、寂しいけど。でも、下着を持ってたのは、ただの偶然で」
ほんの一瞬だけ、邪心が芽生えたことは事実だが。
美優のパンツでオナニーをする気なんて欠片もなかった。
「これは?」
美優は不自然に股間部が盛り上がったズボンを指差す。
「これは、あれだ。枕と、シーツがな。やたらと甘い匂いがして、それでこう……なった」
たしかに、美優の枕の匂いを嗅ぎまくったことだけは、否定ができない。
「トリートメント、洗い流さないやつ付けてたからかな。ごめんね。匂い移っちゃってた?」
「へ、へーきへーき。むしろ平気というか」
言い訳ができなさすぎて言葉が上手く選べない。
謝られることなんてないのに。
むしろ全身の匂いをベッド中にマーキングして欲しいくらいだ。
「……というか。なんで美優は家にいるんだ?」
美優が俺を責める気がないようなので、話題をそらしてみる。
「遥がね、急に、車で迎えに行くって言うから。30分くらい暇になっちゃった」
そうだったのか。
美優が長く居てくれるのは嬉しいけど、こういう事故だけは勘弁願いたい。
「お兄ちゃんは何時に出かけるの?」
「10時に山本さんの家に行くことになったよ」
時刻は朝の7時を回ったところ。
いつもの俺ならまだ2時間はぐだぐだ寝ているけど、美優との夜を思い出すだけでまた変なことをしでかしてしまいそうだからな。
さっきもかなり危なかったし。
「……怒ってないのか?」
「怒ってないよ。叱りたい気持ちはないでもないけど」
「そうなのか」
怒っては、いないのか。
たしかにそんな雰囲気ではないけど。
いつもなら目くじら立ててお仕置きコースなのに。
「もちろん、こっそり下着を使うのはダメだよ? でもほら。勝手に部屋を覗いたのは、私が悪いわけだし。むしろ、私の方こそ、お兄ちゃんのプライバシーを侵害してしまって、申し訳ないです」
「そんな律儀にならなくても。美優はもっと怒っていいと思うぞ?」
あんなに不審な行動を取られたら、誰だって心配になるだろうし。
もしこれが俺を監視するための罠だったとしても、俺は自分の行動を素直に省みていただろう。
「そう? ならお詫びは無しでいいのかな?」
「えっ、お詫び? それって、その、エッチな、方のやつ……?」
「お兄ちゃんが望むならそうなるだろうけど。まだしたいの?」
この勃起は、山本さんのために精力を蓄えたものだ。
美優に抜いてもらったりなんかしたら本末転倒。
でも、しばらくは、してもらえないしな……。
「して欲しいって言ったら、引く?」
「引くけど。するのはいいよ」
そうか、そうだよな、うん。
「お、お願い、します……」
「はいはい」
美優は承諾すると、まずはトイレに入って、一分もしないうちにすぐに戻ってきた。
「トイレ、しなくていいのか?」
「ナプキンを敷いてきただけ」
「あっ……はい」
美優は俺のズボンに手をかけてチャックを下ろす。
俺もそれに合わせて腰を上げると、一気にパンツまで降ろされた。
ブルンと勢いよく立ち上がる肉棒。
それを真顔で見つめる美優。
この恥ずかしさは、いつになったら慣れるんだろう。
「奏さんへの言い訳は自分で考えてね」
美優は両手で俺のペニスを包み込むと、上下に擦り始めた。
「おっ、あああぁ……温かい……はぁ……」
やっぱり、良い。
最高だ。
美優の手、ちっちゃくて。
握る姿が一生懸命で、可愛い。
「うぐっ……あぁ、やばい、幸せすぎる……」
見慣れた制服や室内着とは違う。
可愛く仕上げられた服装と髪型。
俺の肉棒に絡む指は、その一本一本まで毎日ハンドクリームで保湿されて、白く輝くような美しさを保っている。
そして、ネイルは艶々に磨かれて、先端の丸みまでヤスリを使って丁寧に整えられていた。
そのうちの一つ、右手の薬指だけに、施されたピンク色のコーティングとデコレーション。
女の子らしさがこれでもかと詰め込まれている。
そんな手で、俺のペニスは極楽マッサージをしてもらっているんだ。
「んっ、うっ……はぁ、美優、いい、マジで……あぐっ……んん、んんっ……!」
今日までの射精がなかったかのように、海綿体一杯に元気を行き渡らせたペニスが喜んでいる。
お仕置き手コキも十分に気持ちよかったが、ご奉仕になるだけでここまで性感が突き抜けるなんて。
肉棒と同じように俺の背中まで反り上がってしまう。
やや顎を引いて、目線を落とすと、美優がなんともいえない表情で裏筋を眺めていた。
「み、美優、どう、したんだ……?」
俺が尋ねると、美優は小さくため息をついた。
「ついにお兄ちゃんの性欲を処理するようになってしまったなぁと」
美優は俺の肉棒をシゴきながら、そんなことを言う。
「ああっ、ふぅ、うっ、その、今までも、してもらったような、気が、するんだけど……」
こうして兄妹でエロいことするのを慣れちゃいけないんだろうけど。
もう二ヶ月も前からしていることだし。
「お兄ちゃんからしたらどうか知らないけど。私は精液の処理をしてただけで、性欲の処理をしてたつもりはないので」
美優は語りながら淡々と手淫を続ける。
精液の処理と、性欲の処理か。
「な、なにが、違うんでしょうか」
俺が尋ねると、美優は俺を睨みつけて、ペニスを握る力を強くした。
その圧力で、グイグイと俺の肉棒を絞り上げてくる。
「これが同じだと思うの」
「あ、ああっ、ぐぅ、ち、違います! おおっ、ぉう、あっ、今のほうが、断然、いいです、あああっ!」
そうか、今までは、出したものを飲んでもらってただけだし。
俺は美優を勝手にオカズにしてたけど、美優からしたら関わってたのは最後だけだもんな。
お仕置きだって、俺がマゾみたいに興奮していたに過ぎない。
「もう。こんなに大きくして。そんなに寂しいの?」
この2日の暴走気味。
山本さんとのセックスを目前に控えての射精のおねだり。
寂しさからくるものであることは、間違いない。
ただ一週間いなくなるだけ、と考えればなんてことない話だが。
コミュ障だった俺が、この二ヶ月くらいで美優との生活が急に濃くなって、会えなくなるのも急となると、また話が違う。
毎日当然のように顔を合わせていた関係だ。
美優の言う通り、ただ一週間旅行に行ってくるだけだが、大切なものは居なくなってわかるってのは、こういうことなんだな。
「美優、あの、ひとつ、お願いが……」
そろそろ射精の限界も近い。
フィニッシュする前に、一つだけ、美優にしてもらいたいことがあった。
美優は手をストロークさせる速度を緩やかに落として、俺の言葉の続きを待った。
「あの、だな。もし、よければ、その……胸を、昨日みたいに、舐めてくれると……」
昨晩の美優の乳首舐め。
もうクセになってしまった。
もしかしたら、美優がフェラをしてくれるのなら、それが最上の快感になるんだろうけど。
フェラだけは今までもだいぶ強く断られてきたし、だからこそ、乳首だけでも舐めて欲しい。
「むー……」
美優の不満顔。
これは、不味い方向だ。
美優は返事をする代わりに、俺のペニスを激しく扱いてきた。
「あ、あっ、わ、悪かった! うそうそうそ! あっ、いい、から! 頼む! 雑にだけは出さないでくれ……!」
美優としばらく会えなくなる前の、本当に最後の射精なんだ。
こんな中途半端には終わらせたくない。
「はぁ、もう。お兄ちゃんはすぐそうやって調子に乗るんだから」
もう射精するかと思った直前、美優は手の動きを止めた。
「ほら。Tシャツ。自分でめくって」
美優は腰を浮かせて、体を寄せてくる。
ペニスを握ったまま、スカートが触れないように、ソファーに片膝をつき、体を斜めにして。
「えっ、あ、あの。それは、どういう……」
俺が疑問に固まっていたが、それから状況は動かない。
美優は何も言わずに、力を弱めた手で俺にペニスをさすっている。
これは、待ってるんだよな。
舐めてくれるってことで、いいんだよな。
「お願い、します」
俺は恐る恐るTシャツを自分でめくりあげる。
裾を首まで上げて、さらに垂れ下がった布を指で拾い上げると、その露出した胸の先に、美優の唇が近づいてきた。
「あああっ! はぅ、うぅううああっ! あんっ、んあぁああいいぃぃいっ!」
美優が俺のペニスを扱きながら乳首を舐めている。
クーラーで乾いた空気の中に、晒されたその敏感な部分を、温かい粘性が包み込む。
「んんぐっ、うんっ、んんっ……!」
美優は胸に軽くキスして、少し強めに吸って、乾いたところにまた舌で唾液を塗ってくる。
チロチロと見える美優の舌、その先端がぐにゅっと触手みたいに這いずってくる。
その美麗な口から、淫靡な消化器官が俺を責め立ててくる。
「あ、あぐ、あぁぎもぢぃ、あ、あっ! 美優、手、もう、ちょっと、ふぅ、ああっ、ゆっくり、してっ、おっ、んあっ!」
乳首とペニスを同時に刺激されて、臨界点を突破しかけた俺に、美優は合わせてくれた。
握っていた手から力を抜き、触れるだけぐらいにまで刺激を弱めて、しかしその手淫は続行してくれる。
いままでは、こんなことあり得なかった。
なぜなら、美優とのエッチは我慢禁止。
俺はただ射精をして、美優は精液を処理するだけ。
それなのに、こんな優しく手コキと乳首フェラをしてもらったら、愛を感じてしまう。
「ああっ、美優、もうダメだ、あぅ、ぐぁはあ、出る、出るっ!!」
最大まで膨張したペニス。
そこをまた、美優の小さな手が握って。
乳首を舌で転がしてくる、美優と目が合った。
美優は俺を見つめたまま、ちゅぶっ、と音を立てて乳首を吸った。
「あっ、イクッ、イッ……ぅ、あぁは、はぁああぁあうぅ! イク、イクッ、あぁあああっッ!!」
どぷっ、びゅるっ、びゅるるっ、びゅぶっ、どぷんっ、ぴゅっ、びゅるっ──!!
信じられないくらいの精液が飛び出して、俺の腹部をドロドロにした。
美優は俺の射精が終わったことを確認すると、しばらくそれを眺めてから、自分の髪を押さえた。
「呆れた」
美優が俺の精液を舐め取っている。
俺は爆弾を投げられたみたいにキーンと耳鳴りする世界の中で、ただ射精した事実だけを認識していた。
まるで睾丸を割って、そのままぶちまけたような量。
腹部にかかった感触だけで、今までで一番濃いものが出たことがわかる。
「お兄ちゃんは頭だけじゃなくて、おちんちんまでばかになっちゃったんだね」
美優は死後硬直みたいに硬くなったままのペニスを持ち上げて、出した精液を全部舐め取ってくれた。
射精した瞬間に神経がバグったのか、美優に舐め回されている間も、ただ温かいだけとしか感じなかった。
それから、美優が洗面所に行って。
しばらくして、リビングに戻ってきた。
その間も、俺はずっと茫然としていた。
「お兄ちゃん、私、もう行くからね」
玄関から聞こえてくるエンジン音。
遥が迎えに来たようだ。
元気よく見送ってあげたいが、体が言うことを聞かない。
「聞いてる? 奏さんとエッチする前に、シャワーを浴びておくんだよ? じゃないと、バレるからね」
美優は去り際に俺に忠告した。
それに対して俺は、頷くだけして返した。
「じゃあ行って来るから。奏さんと仲良くね」
俺は薄目で美優の後ろ姿を目で追って、車の音が遠くなるまでは、気持ちだけで見送っていた。
すっかり静まり返った、一人きりの家。
俺は暗闇に吸い込まれるように、深い眠りへと落ちていった。