※この作品はR-18です。

俺の妹が最高のオカズだった   作:風見 源一郎

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セックスは、兄と妹で

 

 バナナと生クリームを積み重ねた推定50センチにもなる巨大パフェを、互いの口にねじ込みながらどうにか由佳と二人で完食した俺は、重たい胃を引きずりながら家に帰宅した。

 

 家のドアを開けると、玄関には冷気が充満していて、その実家の安心感とともにスッと心が落ち着いていく。

 一泊外で寝泊まりするだけでも慣れない環境にいるのは疲れるものだ。

 

「おかえりなさい。お兄ちゃん」

 

 俺を出迎えてくれた美優は、すっかり室内着として見慣れた俺のTシャツを着てリビングから出てきた。

 おっぱいの出っ張りで浮いたTシャツの布がヒラヒラしている。

 下にはショートパンツを合わせていて、下半身はほぼ生脚だった。

 

 言ってしまえばただ大きめのTシャツを着ているだけなのだが、どうしてこの妹はこんなにもエロいのだろう。

 

 いや、いけない。

 由佳とのデートを経て俺も男として成長したんだ。

 それを美優にも教えてやらなければ。

 

「昨日はいきなり泊まることにして悪かったな。でも、由佳の悩みは解決してやれたよ」

 

 俺は靴を脱いで家に上がるついでに、由佳に持たされていたお土産を美優に渡した。

 遊園地のキャラクターをモチーフにした定番のクランチチョコレートだ。

 

「そっか。お兄ちゃんに任せてよかった」

 

 美優はひと安心した表情で微笑んでくれた。

 他とは違って美優にできなかったことを俺が解決してやれたわけだからな。

 少しは自信にしてもいいのかもしれない。

 

「シャワー浴びてくる?」

「ああ。さっぱりしてくるよ」

 

 シャワーは由佳と何度も浴びてきたけど、ここに来るまでにまた汗をかいてしまったし、何より他の子とラブホに行ってきた体でそのまま美優に触れるのは抵抗があった。

 俺が風呂から上がると、脱衣所には着替えの一式が揃えてあって、俺はそんな美優の用意の良さに感謝しながらリビングへと戻った。

 

 美優はソファーに座って由佳からのお土産をむしゃむしゃ食べていた。

 かわいい生き物だな。

 

 俺は先に冷蔵庫からお茶の入ったボトルを取り、二人分のコップを持ってソファーに座った。

 

「お茶いるか?」

 

 尋ねると美優はコクリと頷いた。

 俺はコップにお茶を注いで美優に渡し、自分のコップにも注いで飲んで喉を潤す。

 

 数個食べたところで美優がお菓子の蓋を閉めたので、膝の間に来るかと手で示して聞いてみると、美優はスッと立ち上がって背筋を伸ばした姿勢のままちょこんと座ってきた。

 

 目の前には腰まで伸びたツヤのある黒い髪がある。

 いつ見てもよく手入れがされていて美しい。

 それといい匂いがする。

 

 由佳が髪を下ろした姿を褒めたとき、「美優がストレートだからでしょ」と言われて否定してしまったが、あれは図星だった。

 美優が普段からツインテールにしていたなら、俺はきっとツインテール好きになっていただろう。

 美優のこのロングストレートに見慣れているから真っすぐな髪が好きなんだ。

 

 ん、よく見ると髪が腰までは達していないな。

 

「切ったのか?」

「夏休みは巻いたり伸ばしたり繰り返すからね。あと、実は内側の一部だけピンクにしてたりします」

 

 美優が髪の毛をさらうと、その中に細いピンク色が入っているのが見えた。

 

「そんなにさりげなくでいいのか?」

「もっとしたいにはしたいけど。お兄ちゃんみたいな人からすると不良の文化かなって気がしたから、とりあえず外から見えない程度にエクステを入れてみました」

 

 なるほどこれは染めてるわけではないのか。

 でもロリコスにお熱な美優のことだから、できれば長期休みの間くらいは染めてみたいのだろう。

 

「ちなみにどこまでやってみたいんだ?」

「髪の毛を全部アッシュグレーにして青色とか入れてみたい」

「おうふ」

 

 だいぶ攻めたところまでいくな。

 まさしくロリータの王道と言えるカラーリングだし、美優なら間違いなく似合うとは思う。

 

「私もこの地の黒がなくなるのは嫌だから、染める予定はないよ」

「そうか。美優の髪だから、好きにしてくれていいけど。そう言ってくれるのは嬉しいよ」

 

 どれだけ好みが合う間柄でも、価値観から何まで全部が完全一致するなんてことはまずない。

 俺がこれまで美優に対して不快感を抱いたことがないのは、そう思えるように美優が日頃から気遣ってくれてるからなんだ。

 

「美優は努力家で偉いよな」

 

 俺は毛の一本も絡まない美優の髪を指で梳きながら呟く。

 

 今更なことではあるけど、きちんと言葉にして美優を褒めてやりたかった。

 

 自分が好きなことを頑張れるというのは、決してありふれた才能ではない。

 美優はやりたいことをやって、やるべきこともやっていて、その向上心は俺も見習わなくてはならないものだ。

 

「例えばどんなところが?」

「美容はもちろん、勉強も裁縫も頑張ってるだろ? 美優と一緒にいると、俺も頑張らなきゃなって気になるんだよ」

 

 そう答えると、美優は「ふーん」と淡白な感想を述べて、俺を一瞥するだけにとどまった。

 

 俺としても今の褒めかたはイマイチだったな。

 もっと内面を褒めないと。

 

「いつも冷静でいるけどさ、さりげなく優しくしてくれるところとか、俺は好きで。結構、情に溢れてるというか。人に対しても、美優は一途だよ」

 

 美優の好きなところを挙げればキリがない。

 とはいえ、美優が言われて喜びそうな部分に気付いてあげるのは難しい。

 できることなら、こうして仲良くならないとわからないような、俺だからこそ感じることを伝えていきたい。

 

「ふむ」

 

 美優は顎を上げて俺と目を合わせると、パチパチと瞬きをした。

 

「急にどうしたの?」

「え、ああ。俺も考えてることを喋らないほうだから。きちんと口にはしておきたくて」

 

 俺がそう言うと、美優は顔を上げたまま、納得したことを示す代わりに一度だけゆっくり瞬きをして、それから前に向き直った。

 

「び、微妙だったか……?」

 

 さすがに反応が薄すぎるので恐る恐る尋ねてみた。

 すると美優は俺の両腕をベルト代わりに腰に巻きつけて、グイッと後ろに体重を掛けてきた。

 

「喜ばないとでも思った?」

 

 美優は謎のドヤ顔で俺を見上げてきた。

 なんともしてやられた気分だ。

 

「急に褒められたのにはちょっとびっくりしたけど」

「俺も少しは女の子の扱いに慣れたつもりだったんだよ。それを美優にも教えてやりたくて」

「へー。そうなんだ」

 

 美優は俺の腕に背中の体重を預けたまま、脚を伸ばして横になった。

 ちょうど、俺が美優をお姫様抱っこするような体勢になっている。

 

 そうして美優は、その生脚を何となしにスリスリさせて、俺を見つめてきた。

 

 何も言わず。

 兄のシャツを着て横たわる妹が。

 ツヤツヤのふとももを擦り合わせて、俺をジッと見つめてくるのだ。

 

 そのいじらしい妹の姿に、俺の愚息はムクムクと肥大化をしてしまった。

 

 兄としての威厳を見せつけようと思っていたが、やはりこの妹には勝てない。

 女としてのエロさを引き出す術に熟知しすぎている。

 

「すまん、何も変わってなかった」

「きっと奥手の女の子が相手なら、お兄ちゃんも健闘できると思うよ」

 

 美優はソファーに膝立ちして俺に跨ると、ズボンのチャックを下ろして、トランクスの中に両手を突っ込んできた。

 

「おっ……おおっ……」

「お兄ちゃんがこれから相手にするのは、この私とあの奏さんだよ。由佳みたいな純情乙女と一緒にしたらダメ」

 

 美優は大きく開いたたわわな胸の谷間を俺に見せつけながら、洗い物をするように手を前後させてペニスを扱いてくる。

 今となってはフェラをしてもらうことが多くなったせいか、まだ慣れていないその人肌の感触に、俺のペニスは即座に剛直化した。

 

「自分からエロいことをしてくれる女の子ってレアだよな」

「しかも可愛い妹ですよ」

 

 美優は調子良さそうに付け加えた。

 

 こんな明るいうちから男を跨いでペニスを扱いてくれるなんて、なんてえっちな妹だろう。

 

 世界一えっちな妹なのではないだろうか。

 小柄で童顔でパイパンで、それでいておっぱいは大きくてふとももはムチムチだなんて、もうえっち以外の要素がない。

 

 無性にえっちなお願いをしたくなってきた。

 

「……おっぱい揉んでいい?」

 

 俺は美優のTシャツに手を突っ込んで尋ねてみた。

 すると美優は呆れ気味に「言うと思いました」みたいな顔をして、

 

「ブラジャーはお兄ちゃんが外してね」

 

 と、意外にも前向きに対応をしてくれた。

 最初はイヤイヤ言っておきながら、一度経験してみるとそれからはあっさり受け入れてくれるあたり、言葉にしているほど嫌だとは思っていないのだろう。

 

 俺は美優の手コキご奉仕を受けながら、ブラジャーのホックに手をかけた。

 外すためには内側に引っ張って金具の引っかけを取らなければならないのだが、すでにこの時点で美優のおっぱいの重量を感じる。

 これだけ立派なものを支え続けているブラジャーに俺は畏敬の念を表したい。

 

 ホックを外すと、ブラの支えから外れた美優のおっぱいが重力に引っ張られて、ツンと突き出た突起の形がTシャツの表面に浮かび上がってくる。

 

 エロい。

 やはり大きいおっぱいはエロい。

 

 俺も少しは成長したつもりだったけど、このおっぱいの誘惑にだけは微塵も勝てる気がしなかった。

 

「美優のおっぱいの重量感が堪らない……」

「重さなら奏さんの方があるんじゃない?」

「なんというか、密度が違うんだよ。山本さんのはとにかく迫力があって、美優のはこう、ズッシリ来るんだ」

「同じ脂肪なんだから質量が変わるわけないでしょ」

 

 美優は俺を叱るように根本から肉棒を絞って先端に血液を寄せる。

 パンツに手を突っ込まれているのでどうなっているか見ることはできないが、触れられている感覚だけで亀頭がパンパンに膨れ上がっていることがわかる。

 

「下の方すごくアツくなってる」

 

 美優のおっぱいを揉みしだくごとに、まるでおっぱいポンプから血液が流入してきたかのように俺の勃起が熱を増していた。

 充血したペニスは更に感度を増して、先走りでぬるぬると滑る先端が、美優の指に翻弄され始めている。

 

「ぐっ……美優の指テクが気持ち良すぎる……器用すぎるだろほんと……」

「こんなことのために器用になったわけじゃないけどね」

 

 そんなことを言いつつも、美優は得意げに俺の肉棒を責め立ててきた。

 手が小さいからこそ、刺激が手のひらで誤魔化されることなく、それぞれの指が触手のように絡んできて絶妙なタッチで性感帯を刺激してくる。

 

「Tシャツも、脱がせていいか?」

「そうすると妹は上半身裸になってしまうのですが……?」

 

 美優は俺のお願いに当たり前の質問を返してきた。

 俺の知能が幼児並みに下がっていることへの配慮かもしれない。

 

「妹の裸を見ながらおっぱいを揉みたい」

「実の妹に対する発言がそれでいいんだね」

「後悔はないよ。おっぱいは揉めてるし」

 

 俺が確たる意思を見せつけると、「お兄ちゃんはそのうち頭の病院にも行こうね」と美優は辛辣な毒舌を浴びせてきて、それからブラジャーとTシャツを脱ぎ去った。

 

 二の腕に挟まれていたおっぱいが持ち上げられて、服を脱ぐとぷるんと落ちてくる。

 

 まだ若い肌で作られているムチっとしたおっぱいの張りと、ツンとやや上向きになっている乳首が、見ているだけでその質量を感じさせた。

 

「キレイだよ、美優」

 

 俺はまた美優のおっぱいを鷲掴みにして揉みしだいた。

 指が埋もれるほどに力を加えると、内部に確かに残っていた弾力に跳ね返されて手が自然と開く。

 

 身長は150センチの小柄。

 バストは90センチある豊乳。

 そんな妹のおっぱいを揉みながら手コキをしてもらえるなんて。

 人生にこれに勝る幸福があるだろうか。

 

 大きいおっぱいの魅力は、その弾力だけに止まらない。

 “張り出ている”というのが重要なのだ。

 

 下乳の下側を手の平いっぱいで撫でられるのは、巨乳に与えられた唯一の権能と言えるだろう。

 重力により脂肪分が圧縮されたその場所は臀部よりも均一でツヤやかな曲面をしている。

 ブラの代わりに添えて持ち上げれば、その重みに感謝が沸き起こり、それがやがて興奮へと変わっていくのだ。

 

「ずいぶんと熱心に触ってるね」

「まあな。触られるのはどんな感じだ?」

「んっ……実は結構……気持ちいい……」

 

 美優は俺が胸に触れてもまるで嫌がる素振りを見せなかった。

 いつもみたいにツンと照れることもなく、俺のイチモツを撫でながら大人しく胸を弄られている。

 

「なあ、美優」

 

 ようは、流れの問題なのだ。

 日常会話でのコミュニケーションと変わらない。

 エッチでどこまでが許されるかなんてのは、関係性ではなくその日の気分で決まるものなのだろう。

 

 俺はふと、そんなことを悟った。

 

「先のとこ、吸ってもいい?」

 

 いつもの美優なら、即答で「ダメ」と答えるはず。

 

「えー……むぅ……どうしよっかな」

 

 美優は妥協点を模索してくれた。

 乳首が敏感すぎるから抵抗があるだけで、俺におっぱいを吸われるのが嫌なわけではないんだ。

 

「お兄ちゃんが一分間イかなかったら吸ってもいいよ」

「条件付きじゃなきゃダメなのか?」

「お兄ちゃんの早漏も少しは治しておかないと困るでしょ?」

 

 なるほど、たしかに俺がすぐに射精してしまっては、美優を満足させてあげられない。

 

「なら、一分な」

 

 しかし、この勝負には勝算があった。

 

 俺がフェラで射精が我慢できないのは、美優との初めてのエッチがずっと口内に射精して飲ませるプレイだったことが原因だ。

 俺の体が、美優の口がすぐ近くにあればそこに精液を出すべきだと、そう判断してしまうせいで俺は射精を我慢することができない。

 だが、手コキなら体に染み付いた記憶が薄い分だけ耐えられる。

 

「スマホのタイマーが鳴るまでに射精してなかったら、思う存分吸わせてもらうからな」

 

 俺はそう宣言してズボンごとパンツを脱ぐと、スマホのタイマーをセットして開始ボタンを押した。

 

「どうぞお好きなように」

 

 美優は自らの口に二本の指を入れて、口内でねっぷりと唾液をつけてから再び俺のペニスを握った。

 

「うっ……あっ……ッ!」

 

 美優のその色っぽい仕草と、急激に変化したペニスの快感に、俺の射精欲は瞬間だけ臨界ギリギリまで達した。

 腹直筋とお尻をギュッと引き締めて、どうにか射精は踏みとどまったものの、美優は唾液と先走りの精液を指先で練り込んだ即席のローションをペニスに塗りつけてきて、すっかり熟知している俺の快感スポットをその細い指先で弄り回してきた。

 

 左手の人差し指は竿と玉袋の付け根をこちょこちょとくすぐり、余った指で陰嚢全体をマッサージされて、自分でも尿道を粘液が通っていくのがわかるぐらいに先っぽから精液が漏れ出していた。

 それを掬い上げて亀頭に塗りたくる美優の右手は、まるで俺のエッチな体をよしよしと褒めてくれているようで、心の奥底から美優の手淫に屈服してしまいそうになる。

 

「み……美優……っ……もっと、手加減してくれ……」

「もうそんな顔して。まだ十秒しか経ってないよ」

 

 美優は膝立ちのまま上体を前傾させて、そのご褒美を見せつけるように豊かな果実を近づけてくる。

 そうして塞がれた視界の下で、俺の愚息はなおも美優の手コキに蹂躙されていた。

 

「お兄ちゃんにはこうした方が効くのかな」

 

 美優は膝の皿がソファーの背もたれにぶつかるくらいに腰を近づけてきて、筒状にした手でにゅるっと肉棒を絞り上げた。

 そのストロークに合わせて、美優の腰が少しずつ上下に動いていく。

 

 先走りの汁でぐちょぐちょに濡れたアソコが、まるで美優と向かい合いにセックスをしているように、腰の動きに合わせて卑猥な音を立てる。

 

 俺の目にはもう美優の裸姿しか映っていない。

 おっぱいもさることながら、服に覆われていない首回り、その鎖骨のラインが俺に強く美優の裸を意識させる。

 

 横乳に隠れてしまいそうな美優の脇の隙間も、このとき初めて性的な興味が湧いた。

 華奢な肩から、二の腕、ひじ先まで、肌色しかない。

 

 どこを見ても美優の生肌だ。

 美優は裸なんだ。

 

「うぐっ……はぁっ……! み、美優…………ッ!」

 

 敗北を悟った俺は、もうなりふり構ってもいられず、自分のふとももを力一杯に抓ってどうにか射精欲を紛らわした。

 性感帯に集中していた神経を分散させて、思い切り力むことで射精運動を抑止する。

 

 残り時間は二十秒。

 死に物狂いで耐えるしかない。

 

「それはズルだよ、お兄ちゃん。手はここじゃないと」

 

 美優はふとももを抓る俺の手を優しく引き剥がし、自らの乳房を掴ませた。

 その両手は無意識に美優の胸を揉み始めて、射精を我慢することと正反対のことをしているとわかっていても止めることができない。

 

 そんな俺に哀れみの目を向ける美優は、早く出せと言わんばかりの速さでペニスを扱いてきた。

 その冷たい視線がまた下腹部からゾクゾクと快感を呼び起こして、ついにはフィニッシュへの導火線が火花を吹き始める。

 

「っあああ……ダメだっ……出すなぁっ……!!」

 

 俺は顔を天井に向けて、つま先をギュッと握り込み、最後の抵抗を試みる。

 それでも問答無用で脳に送られてくる快楽のパルスを、俺は頭頂から受け流すイメージでどうにかやり過ごし、そして、ついに──

 

「す、ストップ!! 止めてくれ、美優!!」

 

 俺は美優に両腕ごと包むように抱きついて、腕の自由を封じた。

 

 その傍では、一分が経過したことを伝えるアラームが鳴っている。

 

「はぁ、はぁ……出て、ないよな……?」

 

 俺は念のため下半身を確認したが、射精をしたような痕跡はなかった。

 

 俺は耐え切ったのだ。

 美優の快楽責めから。

 長い長い一分間の我慢地獄を乗り越えて、ついに美優のおっぱいを吸う権利を手に入れた。

 

「美優、もう、吸っていい? 吸うっていうか、舐めるっていうか、とにかくむしゃぶり付きたいんだけど」

 

 俺が抑えきれない願望を口にすると、美優はジトッとした目で俺を見下ろしてきた。

 

「それを兄に言われる妹の気持ちは考えましたか」

「考えた」

 

 考えてないけど。

 

「考えてないよね」

「考えてません」

 

 それはもうおっぱいのことしか頭にないのだから考えられるわけがない。

 

「では右と左、吸いたいおっぱいを選んでください」

「右だ」

「あ、はい。……ほんとに片方でいいの?」

「まず俺から見て右を吸う。それから美優から見て右を吸う」

「もー。由佳に変な知恵をつけられたでしょ。もう好きにしてください」

 

 そんな美優の冷たい声音が心地よかった。

 沸々と性欲が湧き上がってくる。

 美優が相手になると俺はもうダメみたいだ。

 

「では」

 

 俺は美優の乳房を軽く持ち上げて、その桃色の突起を凝視してから、感謝を込めてそれを口に含んだ。

 

「んっ……」

 

 声を出すまいと構えていた美優だったが、さすがに開発されまくった乳首だけあって無反応ではいられなかった。

 

 俺が乳首を舌先で転がすと、美優はクリをイジられるのと同じくらいに体をビクつかせた。

 快感を逃すように背中を反って、しかし、一度吸わせると決めた以上は抵抗するわけにもいかず、俺の口からおっぱいが溢れないように懸命に体を寄せてくれている。

 

「あっ……ううぅ……んひゃっ……んあっ……!」

 

 美優の乳首の舌触りは滑らかだった。

 乳房が大きい分だけ乳首もそれなりにしっかりした形をしていて、突起に唇に挟んだままでもまだ先端を舐められるだけの余裕がある。

 

 俺は美優の乳首を舐め転がして、その感触を楽しんでから、ちゅーっと吸い付いた。

 

「んんっ……ん、あっ……!」

「ちゅぷっ……ちゅっ……はぁ……みゆ……」

 

 美優のおっぱいを吸うと、甘い香りが口内に広がった。

 

 母乳が出たわけでない。

 母乳は鉄の味がするらしい。

 だから俺が感じたのは、きっと母乳ではなく母性の香りだ。

 女性が出す独特のフェロモンの、男を落とすのではなく、あやすために発せられる匂いだ。

 

「あぁ…………みゆ…………」

 

 その香りを味わっていると、脳が溶けてきた。

 

 右だ左だ言っている場合ではない。

 ずっとこのまま美優のおっぱいを吸っていたい。

 

「お、お兄ちゃん……ってば……あんっ、ひゃぁ……そんな、必死に吸っちゃだめ……!」

 

 俺の意識がボヤけていくのとは反対に、美優の嬌声はどんどんと大きくなっていった。

 きっと俺が自分でもわからないくらいに強く吸ってしまっているのだろう。

 赤ん坊も母乳を出させるために一生懸命に吸うのだから、俺だって同じように吸うに決まっているのだ。

 

 だが、俺と赤ん坊には明確な違いがあった。

 美優の性感が高まるほどに、口の中に広がる香りが強くなっている。

 俺には赤ん坊と違って知能があるから、美優にたくさんエッチなことをすれば、この脳を溶かしてくれるフェロモンの甘みをもっと味わえることが理解できる。

 

 だから俺は美優のおっぱいを吸って、ときに舐めて舌で弄んで、空いた手でもう片方の乳首をコリコリと刺激した。

 

「ひぎゅっ……んあっ……!! おに、ひゃん……んにゃぃ……ひぎいぃ……んんあッ……!!」

 

 内股になった美優の脚がガクガクと震えて、まるで失禁直前のように体がフラついている。

 

 美優は初めこそ乳首を舐められながら手淫を続けてくれていたが、それもすぐに止まってしまった。

 それどころか、俺の両肩をがっしりと掴んできて、そうしていないと気持ち良すぎて上体を起こしていられないらしい。

 

 それでも構わず俺は美優の乳首を舐めた。

 もはやひとつ舐め上げるだけでビクンと仰け反るその淫らな体に、俺は精一杯の女を感じて、勃起した男性器を妹のふとももに擦り付けていた。

 

「むちゅ……あぁ……み……みゆ……!」

「んひっ、いぃぃあうぅ……んっ、あっ……ひひゃぁ……!!」

 

 ふとももでペニスをシゴいているときの弾みで、ショートパンツの正面を勃起した肉棒が突き上げた。

 その瞬間、美優はビクンビクンと痙攣しながら、俺に覆いかぶさるように抱きついてきた。

 

 どうやら、イッてしまったらしい。

 乳首を吸われているだけでもう限界だったのだろう。

 クリをひと撫でされただけで、美優は容易く絶頂してしまった。

 

「はぁ……はぁ……ごめん、イッちゃった……」

「美優、俺もイきたい」

「うぅ……わかってるってば……」

 

 美優はぐったりしたまま片手で俺のペニスをゴシゴシと刺激してくれた。

 雑に済ませたいのではなく、もうそれぐらいしか余裕がないのだろう。

 

 だが俺としてはやはり、おっぱいを吸ったまま射精したい。

 

「もうちょっと体を起こしてもらってもいいか」

「は、はい……」

 

 俺がそう頼むと、美優はちょっぴり泣きそうな目をしながら体を起こしておっぱいを吸わせてくれた。

 意地でも約束を守ろうとするその姿勢は、兄としてとても誇らしく思う。

 

「んっ、んんっ……あっ……」

 

 美優は喘ぎながらペニスをシコシコしてくれた。

 いつもの俺なら淫靡に蕩ける美優の姿に興奮を覚えるのに、今はそんなドライな空気に性感が高まっている。

 

「あぁ……美優……もう出るかも……」

 

 美優のおっぱいを揉んでいるときから限界に近かった俺のペニスは、すぐに精液を吐き出したがった。

 力なく項垂れて乳首を吸われながら爆発寸前の勃起を扱く美優に、射精のための筋肉が一気に収縮して放出の合図をする。

 

「あっ、出る」

 

 俺がいつもみたいに喘ぐこともなく、淡白な射精だったが、量はおびただしかった。

 ビュク、ビュク、と繰り返し白濁液を射出した俺のペニスは、美優の手とふとももを精子でいっぱいに汚して、やがて使命を果たしたように小さくなっていった。

 

「うぅ~こんなに出して……。パンツに掛かってたらお仕置きしてやる」

 

 美優は恨めしく呟きながら、射精後の状況を確認した。

 幸か不幸か精液は美優の服には掛かっておらず、美優は手に付着した精液を舐め取ってから、近くにあったティッシュでふとももを拭っていく。

 

「……こんなものかな」

 

 美優は精液が拭き切れたことを確認してから、脱いだ服を拾って、また俺の膝に跨って腰を下ろした。

 そして、俺の目の前でブラジャーに腕を通し、カップに豊肉を収めてホックを止めた。

 

「もう終わりなのか?」

「出したんだから満足でしょ? あんな赤ちゃんみたいに吸い付いて」

 

 美優はTシャツまで着てしまうと、足首にかかっていた俺のズボンを持ち上げてくれたので、俺も大人しく服を着ることにした。

 

 こうやってツンツンしているのも、きっと照れ隠しの一種なんだろう。

 なにせ先ほどの勝負、美優が俺の耳元で「出して」と囁いていたら、俺は一分もの快楽責めに耐えられるわけがなかったのだから。

 プライドと天秤に掛けた結果とも考えられるが、美優にはおっぱいを吸われてみたい気持ちが少なからずあったはずだ。

 

「次に吸えるのはいつかな」

 

 俺は隠しきれない欲望をそのままに、美優に尋ねてみた。

 

「それはママの気分次第です」

 

 美優は俺にそう答えて、口にしてみると思いのほか恥ずかしかったのか、しばらく目を泳がせた。

 

 ママか。

 こんなにちっちゃくて可愛くて巨乳で妹のママがいるんだから、俺の人生ってやっぱり幸せだよな。

 

「はぁ……ママ……」

 

 俺はその多幸感を表現しようと美優に抱きついた。

 生乳をイジるのも至福だったが、ブラジャーでしっかりと形作られたおっぱいを感じながら女性を抱くのは、また違った良さがある。

 

 そんな俺の両肩を、美優はガッチリと掴み、今日一番の憐れみの目を俺に向けて腕を突っ張った。

 

「いやお兄ちゃん普通に気持ち悪いんだけど」

「そんなガチな反応をされるとは予想外だった」

 

 そこまでリアルに罵声を浴びせて気持ち悪がることはないだろう。

 実の兄なのだし。

 

「妹を脱がせて赤ちゃんみたいにおっぱいに吸い付いてママって呼ぶような男の人は気持ち悪いでしょ」

「う、うん……」

 

 改めて言われてみると正論だった。

 改めて言われるまでもないことなのだが。

 俺はこれまで山本さんや由佳と彼氏のような役回りをやってきて、それなりに男を上げたつもりだったけど、人間の根幹なんてものはそう簡単に変わるものではなかったのだ。

 それがわかっただけでも、これまで頑張ってきた価値はあったと思う。

 

「まあいいけどさ」

 

 美優は俺の頭をポンポンと撫でてから、正面を向いて元の膝の間に収まった。

 こんなことをしても「まあいいけど」で済ませてくれる美優が俺は好きだ。

 

「真面目な話として、今後エッチしてるときにおっぱいを吸いたくなったらどうしたらいいんだ?」

「うーん。私にまだ理性がある場合は許可制で」

「理性が無くなってたら?」

「ん、まあ、好きにしたらいいんじゃないでしょうか」

 

 マジか。

 こんな嬉しい言質が取れるとは。

 なんでも言ってみるものだな。

 

 しかし、今後のエッチか。

 それはもう、やっぱり、そういうシーンを美優も想定してるんだよな。

 男女が、裸になる感じの。

 

「なあ、美優。前に話した、例の、本番の件についてだけど」

 

 これについても決着をつけておかなければならない。

 美優は俺を生物的な本能で求めてしまうせいで、俺の精子を異常なほど欲しがってしまう。

 そんな美優と俺がセックスをしたら、美優が暴走して子作りを始めてしまうかもしれない。

 だから俺にはそうならないように美優をコントロールする責任があるんだ。

 

「美優のこと、だいぶわかってきたんだ。どういうときに美優がえっちな気分になるかとか、どうしたら美優が喜んでくれるのかとか」

 

 美優にはエッチでたくさん気持ちよくしてもらって、たくさん叱られて、ときには、美優がエッチに積極的になることもあった。

 そうした反応の要因がどこにあるのか、美優の本音はどうなっているのか、およそ正しく把握できるようになったと思う。

 

「だから、美優とはこれから先に進んでも、エッチを楽しんでいけると思うんだ。色々と、大丈夫なように。それに、もしものときにも備えて、俺もきちんと形にして努力していくから、その……」

 

 上手くまとめようとして、喋っているうちにだんだんと着地点がわからなくなってきた。

 

 とにかく、伝えたいことは、ひとつだ。

 

「そろそろ、セックスしないか?」

 

 これまでのやりとりで、俺が考えてることは美優に伝わっているはず。

 だから美優も、俺の顔を覗き込もうともせずに、静かに俺の話を聞いてくれていた。

 

「いいよ。お兄ちゃんとセックスする」

 

 美優は俺の手を握って、はっきりとそう口にした。

 

 その簡素な言葉は確かな信頼がなければ出てこなかったもので。

 俺もようやく、美優とここまで心を通わせられたんだと嬉しくなった。

 

「いつする?」

 

 美優に聞かれて、さてどうしたものかも考える。

 

 さっきエッチしたばかりではあるけど、間をあけるのも決まりが悪いし、いっそこのまましてしまうのが正解な気もする。

 

「こ、今夜、とか?」

 

 ふと「そんなにすぐ?」と言われてしまうような恐怖が過ぎって、喋り出しでヒヨってしまった。

 いざ冷静になって美優を観察してみると、美優は手を膝に挟んでモジモジしていたし、ひょっとしたら性欲は解消されきっていなかったのかもしれない。

 

「今夜ね。わかった」

 

 美優はとりあえずの了解だけをして、ソファーから立ち上がった。

 懸念はあるものの、約束は取り付けられたわけだし、もう今夜に全力をかけるしかない。

 

 なにせ、俺はこの妹の処女をもらうのだから。

 

 中途半端な気持ちでいただくわけにはいかない。

 

「お兄ちゃん、これ」

 

 美優はリビングの棚から一枚の紙ペラを持ってきて俺に渡してきた。

 

「理性が残ってたときの私が書いたやつ」

 

 それは、名刺サイズの小さい洋封筒だった。

 

「いま読んだほうがいいのか?」

 

 封筒にはシールすら貼られていなくて、中身を確認しようと思えばすぐにできる状態だった。

 

「できれば明日以降がいいかも。いつでも読めるようにお財布にでも入れておいて」

「そうか。わかったよ」

 

 俺が了承すると、美優はフラフラと階段を上って自室に戻ってしまった。

 

 はたして何が書かれているやら。

 話している感じからして、山本さんに関係があるものではない。

 「理性が残っていたときの私が書いた」と言ったくらいだから、エッチな気分になったら言えなくなってしまうようなことが書かれているのだろう。

 

 とはいえ、美優は理性が蒸発したときのほうが素直になるので、このメモ書きは「言いたいことが言えなかったときのための保険」ではなく、むしろ理性が飛んでつい口に出てしまった言葉の信憑性を高めるためのものであるはず。

 

 エッチな気分のときにしか言えなくて、それが本音だと信じてほしい言葉。

 そんなもの、あの美優の性格からするに、俺への愛の告白──それもドロドロに甘いやつ──ぐらいしか考えられないのだが、そんなものわざわざ手紙を使って補足するだろうか。

 

 考えていても仕方ないことだし、俺も夜に向けて自室で休憩するか。

 それでも時間が余るようなら勉強でもしておこう。

 この夏休みは常に誰かとデートしていたし、宿題の消化もまだ済んでいない。

 

 俺は財布に美優からの手紙を紙幣ポケットに挟んで、その真白な封筒の表面をじっと見つめる。

 

 いや、やはり、気になるな。

 このサイズ感からするに、十数文字程度のメッセージしか書かれていない。

 そんな一文に美優のどんな想いが込められているのだろうか。

 

 にしても、「理性があったときの私が書いた」って、美優にしては変な言葉の選び方をしたな。

 発言のままに解釈をすれば、この手紙を渡したときの美優は、もう理性があやふやになっていたと読み取ることもできてしまう。

 

(……ってことは、やっぱり──)

 

 美優はまだムラムラしたままだったのか。

 自室に篭ったのがその昂りを鎮めるためだったとすれば、美優は今この瞬間にも、ベッドでアソコをイジって悶々としていることになる。

 

 それなら俺が発散させてあげたい。

 しかし、美優がオナニーしていると思うだけで興奮もするので、止めたくない気持ちもある。

 

 二階に行って耳をそばだてれば美優の淫らな呼吸音が聞こえてくるだろうか。

 あるいはこの鋭敏になった聴覚なら、ドア越しでも衣擦れの音を捉えられるかもしれない。

 

 俺の足は無意識に階段へと向いていた。

 

 盗み聞きをしようだなどと考えているわけではない。

 俺はあくまでも自分の部屋で勉強をするだけ。

 その集中力が、ほんの数分だけ横に逸れるだけなんだ。

 

 ──ガチャ。

 と、二階のドアが開く音が聞こえてきたのが、ちょうど俺が意を決して階段に足を掛けた直後だった。

 

 俺は慌ててリビングへと戻り、まるで美優のことなど考えていなかったと装うために食器を片付け始めた。

 美優は部屋を出てからすぐに階段を降りてきて、何事もなかったかのようにリビングへと戻ってきた。

 

 その表情は、ほんのわずかではあるが、ほくほくと赤みがかかっていた。

 美優はキッチンに立っている俺に目をくれることもなく、雑誌を手に取ってソファーにうつ伏せになる。

 

 俺が想像していた通りにオナニーをしていたのだとしたら、早すぎる。

 美優も俺の早漏に負けないくらいにイきやすい体質ではあるが、興奮を鎮めるためのオナニーがほんの数分で済むはずもない。

 

 オナニーはしていなかったのか?

 考えすぎだったのだろうか。

 

 俺は不甲斐なく勃起してしまった下半身を隠すために、しばらくキッチンに立ったまま美優のことを眺めていた。

 

 実家のソファーに寝そべり、雑誌を読みふける妹。

 さっきまでエッチをしていたときは、恋人である美優個人としての意識が強かったが、こうして日常を過ごしている姿を見ていると、それはどうしようもなく俺の妹なのだった。

 

 当たり前に同じ屋根の下に暮らして、数えきれないほど食卓で顔を合わせて、まだ言葉もまともに喋れなかった頃からお互いのことを知っている。

 

 そうして、十五年も一緒に暮らした実の妹と、俺は今夜セックスをする。

 

 俺と美優はもう立派な恋人同士。

 これまで何度もエッチをしてきたし、妹が相手だからといってセックスをすることに特別な感慨があるわけでもない。

 もとより俺はそのあたりの意識は薄かったし、気にするとしても美優の側だろう。

 

(美優としては、どっちのほうがいいのかな)

 

 俺は勃起がバレないぐらいに萎んだことを確認してから、美優のいるソファーへと戻った。

 

 これまでも、兄と妹という関係に拘り続けていたのは美優のほうだった。

 今日だってあえて自身が妹であることを強調してきたし、あそこまでされると何かの意図があったのではないかとも思えてくる。

 将来の避けられぬ道として、実の兄妹である事実が人生を阻んでくることを忘れさせないよう、美優が俺に意識を根付けようとしているのか。

 どちらにせよ、美優は恋人になってからも妹として扱われたく思っているように俺は感じた。

 

 俺がすぐ近くに行っても、美優は俺に意識を向けてくることもなく、ペラペラと雑誌をめくっている。

 俺は空いたスペースに軽く腰掛けて、美優の背中を見下ろした。

 

 エッチは関係なしに抱きついて美優とイチャイチャしたい。

 恋人なのだから、それぐらいは許されると思う。

 

 髪を触っても、美優は無反応だった。

 内部を指で探ってみると、たしかにピンク色のラインが見える。

 サラサラでとても触り心地がいい。

 

 このまま抱きついておっぱいを鷲掴みにしたい。

 性行為としてではなくスキンシップとしてそうしていたい。

 

 ここで触ることを諦めたら俺は一生負け犬のままだ。

 

 そう言い聞かせて、俺はついに、その両手をそっと美優の両乳に沿わせた。

 

 すると、さしもの美優も俺に反応して、しばらくは無言の目線を送ってきた。

 

「なにかするのかと思ってたけど。なんですかそれは」

「いや、あの、ほんとは、ガバッと抱きつきたかったんだけど、つい躊躇してしまってだな」

 

 俺が事情を説明すると、美優は数秒だけ思案してから口を開いた。

 

「そこはまあ、お互いに要努力の項目だね」

 

 美優は雑誌を持ったまま仰向けになった。

 

「というと?」

 

 美優も俺に抱きつきたいのを我慢してるのだろうか。

 

「お兄ちゃんが私へのスキンシップを躊躇するのは、まだ私がお兄ちゃんと触れ合うことに抵抗があった頃のやりとりが原因でしょ? そこは、私からも、今はもっと触ってほしいって言うべきだったなって」

 

 美優は真面目な語りで気を紛らわせて、やはり恥ずかしかったのか雑誌で顔を半分隠した。

 

 なるほど、そうかそうか。

 

「じゃあこれからたくさん触っていいんだな」

「私が喜ぶような触り方をしてもらわないと困りますが」

「難しい注文だな」

「私はお兄ちゃんに対していつもそうしてるよ?」

「ああ、たしかに。そうだった」

 

 俺が美優に触られて嬉しいのは、単に美優が美少女だからではない。

 男として喜ばせるという観点からしても、美優のスキンシップの取り方は常に理想的なのだ。

 俺もそこは見習わないとな。

 

「ちなみにダメな触り方をした場合はどうなるんだ?」

「普通に気持ち悪いって言う」

「それはわかりやすくてありがたい」

 

 トゲの多い妹ではあるが、ほかの男が相手ならそもそも触らせることすら許さないこの性格を考えると、それだけで俺は美優に好かれていることが十分に伝わってくる。

 

「たまに触られて嬉しいときも気持ち悪いって言っちゃうけどね。そこは私も努力をしますので。何卒何卒」

 

 美優は雑誌をパタンと閉じて手を合わせ、お祈りのポーズを取った。

 

「俺は美優に気持ち悪いって言われるのも好きだから大丈夫だよ」

「そこは改善してください」

「あ、はい」

 

 つい本心を口走ってしまった。

 しかし、残念ながらこの捻じ曲がった性癖だけはどうにもならない。

 そしてそれは美優のせいなので罪悪感もない。

 

「というわけで、触りたいところに触ってみようと思う」

 

 俺は仰向けになっている美優を下ろして、どこがセーフティゾーンかを見極める。

 首とふとももはとても敏感な危険領域だし、おっぱいは美優からすれば十分すぎるぐらいに触られた場所だし、頭を撫でる気分でもない。

 となれば、残る領域は腕か、腹か。

 

 どちらを触りたいかと聞かれたら迷わずお腹を選ぶので、俺は美優の腹部を、まずはTシャツの上からさすってみた。

 

「どうだ?」

「うーんとね。いきなりそこかって思ってたけど、存外悪くないかも」

 

 美優はお腹をさすられて、どこか安心したように表情が緩んでいた。

 触っているのも気持ちいいし、触ることで気分を良さそうにしてもらえると、こちらの心も満たされる。

 

 犬を飼っている人はこんな気分なのかな。

 美優も雑誌を読むこともしないで、目を閉じて心地良さそうに俺にお腹を撫でられている。

 

 そろそろ慣れてきた頃合いだと思うので、俺は服の中に手を入れて美優のお腹を直接触ってみた。

 美優はくすぐったそうにして、最初こそ身をよじるような仕草を見せたが、しばらく触っているうちに無抵抗になった。

 絞られたウエストでありながら、摘もうと思えば摘めるぐらいのぷにっとした感触を残しているので、触っていてとても気持ちが良い。

 肌もスベスベでもちもちだ。

 

 ここが美優のお腹なのか。

 これまで何度もエッチしてきたけど、こうして触らせてもらったことはなかったな。

 お腹の匂いを嗅がせてもらったことはあったけど。

 

 あのときは興奮した。

 なにせ、このお腹の中には美優の子宮があるんだ。

 

 赤ちゃんができる場所なんだよな。

 神聖な部位のはずなんだけど。

 美優の子宮に触れていると考えると、不本意にも興奮してきてしまう。

 

「んっ……あっ……」

 

 俺の欲情に反応してか、不意に美優が喘ぎ声を漏らした。

 

 美優もいきなりのことに混乱していて、顔が赤くなっている。

 

「ご、ごめんね」

 

 美優は申し訳なさそうに謝ってきた。

 俺からすれば邪な気持ちで触ってしまった俺が悪いのだが、美優は俺のために、このスキンシップをエッチとは別の触れ合いだと割り切りたかったのだろう。

 

「美優は平気か?」

「う、うん。何か、お兄ちゃんから邪悪な電波を受信した感じだったけど、今回は私のせいかも」

 

 さすが我が妹だ。

 第六感で理解していたか。

 

「実はその通りなんだ。申し訳ない」

 

 俺から改めての謝罪をしたが、美優がそれについて追及してくることはなかった。

 

 美優の顔が、赤くなったまま戻っていない。

 風邪でも引いたのかと心配もしたが、この抵抗のなさからして、欲情による赤面の可能性が極めて高かった。

 やはり、先ほどの手紙を渡した時点では、美優はまだ性欲を解消しきれていなかったんだ。

 

「美優は、二階に戻ったとき、その……しなかったのか?」

 

 直接的な表現を避けて、美優に尋ねてみる。

 美優はなおも俺にお腹をさすられながら、また雑誌で口元を隠して俺を見つめてきた。

 

「しようと思ったけど、やめた」

「どうしてだ?」

「それは、秘密。まあ、どうせお兄ちゃんと今夜するし」

 

 美優は部屋に戻ってオナニーをしようとして、あるいは軽く数秒だけ自分のアソコを触って、何かを思った結果、中断して部屋を出てきたらしい。

 

「言いたくないなら、俺も深堀はしないよ。それとは別に、聞いておきたいことがあるんだけど、いいかな?」

「お答えしましょう」

 

 ──今日は、少しでも素直になると決めたので。

 

 そんな言葉を、ごくごく小さな声で付け足して、美優は俺の目を見た。

 

「美優を妹として好きになるべきか、一人の女として好きになるべきか、迷ってる。俺は女として美優を好きになるつもりだったけど、美優は兄妹としての形を残したいみたいだから」

「あー。それですか」

 

 美優はいつかこの質問をされると予測していたようだった。

 

「その質問への答えは、一応、用意しています」

 

 その語り出しは、ずいぶんと曖昧なものだった。

 

「でも、答える前に、ひとつ。私たちが恋人か兄妹かは、深く考えないでほしいの。いいかな?」

「構いはしないけど。ワケは気になるな。とりあえず、それを前提として答えは聞くよ」

 

 ひとまずは、美優の答えを聞くのが先だと俺は判断した。

 

「私はね。お兄ちゃんを、兄として想い続けたい。お兄ちゃんにも、妹としての私を可愛がってほしい。それでいて、恋人でありたいの。……少なくとも、お互いが成人するくらいまでは」

 

 美優は妹であることを望んでいた。

 その基底には恋人としての関係があるものの、美優は『妹でもある恋人』ではなく、『恋人でもある妹』でい続けたいらしい。

 

「そういうことなら、無理に恋人らしい身の振り方はしないよ。……それはいいんだけど、深く考えるなってのはどういうことなんだ?」

「ん、まあ、ほら。答えがあるってことは、理由があるわけじゃないですか。どっちでも良ければ、お好きにどうぞって答えるし」

「まあな」

 

 恋人関係になってなお、俺には兄でいてほしいと願うくらいだから、相応の理由があって然るべきだと思う。

 しかも、それは俺たちの将来にも関わる重大な理由であってもおかしくはない。

 

「ね? そうやって真剣な顔になる」

「ああ、悪い。えっと、つまり、どういうことなんだ?」

「つまり、今から私が、お兄ちゃんにお兄ちゃんでいてほしい理由を答えるということです」

 

 だから、身構えないで聞いてほしいということか。

 

「わかった。なら深くは考えない」

 

 どんなに引っかかるような答えでも、逆に信じられないくらいあっさりした答えでも、ありのままを受け入れよう。

 理由がどうあれ、俺が美優の恋人であり、兄である事実だけは変わらない。

 

「これはお兄ちゃんも、自分の身に置き換えて聞いてほしいのですが」

「うん」

「私とお兄ちゃんはこれからもエッチをするじゃないですか」

「そうだな」

「こう……エッチ、するじゃないですか」

 

 美優は雑誌を床に捨てて、お腹に置かれていた俺の手を取って、それからもう片方の手も掴むと、俺が美優の膝の間にくるように誘導してきた。

 いわゆる正常位と呼ばれる体位で、セックスをするときの王道的な体勢だ。

 

「エッチ、しますよね?」

「も、もちろん。具体的には、今夜あたりに、こんな感じに……」

 

 そう、きっとこうやって、俺と美優は今夜セックスをする。

 

「こういう、ことだよお兄ちゃん」

 

 美優は両脚で俺の脇腹を挟んで、腕を引っ張ってきた。

 すると、俺の腰がさらに美優の股に入り込んで、お互いの秘部が触れ合いそうなぐらいに近づく。

 

「そ、そうか。えっと、なんだ」

 

 妙なドキドキを抱えて、俺は美優の言葉の真意を探るのに精一杯だった。

 この正常位が、どうしたというのだろう。

 

 俺は美優と何度もエッチをしてきた。

 他の子ともセックスを何回もした。

 だから、こうして美優と本番行為に及んだとしても、今更何も感じることもない。

 

 そう、思っていたのだが。

 

「お兄ちゃん」

 

 美優は俺と手を繋いだまま、両肘で胸を寄せて、ジッと俺を見つめてきた。

 

 こんな、扇情的なポーズを取っている美優の姿が、先ほどまでソファーで寝転んで、雑誌を読んでいた姿と重なる。

 

 美優とはこの家でずっと暮らしてきた。

 ファッション雑誌を手にして、ソファーに寝そべる姿だって何度も目にしてきた。

 家に帰れば廊下で顔を合わせて、何か用があると俺を「お兄ちゃん」と呼んで、話しかけてくれた。

 

 そうして十五年間、過ごしてきた相手だ。

 

 それが、今こうして淫らなスキンシップをしている、実の妹だという事実。

 

「美優……」

 

 他の女の子とセックスしたときには抱かなかった、モヤモヤした感情が胸中に広がっていく。

 それは決して不快なものではなく、それを正しく単語として表すならば、『背徳感』と呼ばれる強烈な興奮材料だった。

 

 否が応でもイメージが浮かんでくる。

 実の妹の処女を、兄である俺が貰うという情景。

 

 勃起したオスのペニス──見た目がグロテスクで、メスを孕ませるための体液が出る、普段は排泄行為にしか使われないような肉の棒を、その体の中に受け入れるということ。

 それをまだ男を知らない実の妹にやらせるというというのは、あまりにも倫理が欠けた考えだった。

 

「私は、お兄ちゃんと、セックスしたいの」

 

 ──だって、

 

 と、続ける美優の表情には、もはや真面目に考え込むほどの真剣さなどなく。

 

 ただ、年頃に生意気なままの女の子が、俺を見つめていた。

 

「その方が、興奮するし」

 

 最大限の羞恥を封じ込めて、美優はついに、そんな言葉を言ってのけた。

 

 それが、『できるだけ素直になれるように頑張る』と宣言した美優の、最初の本音だった。

 

「美優……!」

 

 俺の股間は、当然の如く、痛いぐらいにパンパンに膨らんでいて、美優のショートパンツの中に指を突っ込んだら、外側にシミができてもおかしくないくらいに濡れていた。

 

「ひゃっ……だめ……!」

「美優、しよう。もう今夜なんて待てない。ここでしよう」

「ふぇ、やっ、あの、はじめては、ベッドがいい」

 

 服を脱がそうとする俺を美優は制して、濡れた視線を仰いでくる。

 

「なら、美優の部屋に行こう」

 

 美優を妹として抱くなら、妹の部屋でセックスするべきだ。

 美優もそれを喜んでくれるはず。

 

 そう思っての申し出だったのだが。

 

「……お兄ちゃんの部屋で抱いてほしいな」

 

 美優は、俺の手を引っ張って、そうお願いしてきた。

 

「訳があるなら教えてほしい。美優を妹として抱くなら、妹の部屋でセックスするべきだと俺は思う」

 

 もう遠回しな言葉で誤魔化すこともしない。

 お互いの素のままの想いをぶつけ合いたかった。

 それを美優も感じ取ってくれたようで、そこから先はもう、遠慮なしだった。

 

「お兄ちゃんの部屋で抱かれた方が、お兄ちゃんの物になった気がするから」

 

 それは独占欲とは真逆の、被支配欲とでも呼ぶべき美優の欲求だった。

 

「そんな所有物みたいな扱いでいいのか?」

「うん。エッチのときは、そういう気分になるの。お兄ちゃんに所有されて……その、ちょっぴり本音を打ち明けると、性処理に使われるのも、妹は、嫌ではないので」

 

 美優は一言一言に、口にしてしまった後悔を滲ませて、その表情がまた発言の真実味を強くしていた。

 

「嫌ではないってのは、言葉以上の意味で読み取っていいのか?」

 

 俺がそう問い詰めてみると、美優は照れ臭そうに「えへへ」と笑った。

 

「そこは、よしなに解釈してください」

 

 期待していた中で、一番エッチな回答だった。

 

 素の性欲の断片を覗かせ始めた美優の想いは、「兄に性処理道具として扱われるのが好き」という意味に相違なく、どう考えても問題発言でしかなかったのだが、不思議とそこに違和感はなかった。

 

 美優が俺の精液を処理するだけだったあの期間──兄妹としての関係に悩みながらも、どうにか自身の体質と向き合おうとしていたというのが、あの淡白な対応の理由だった。

 だが今にして思えば、あのときの美優は自身の境遇を楽しんでもいた。

 

 美優はえっちな女の子なのかもしれない。

 実の兄を本能的に求めてしまう特殊体質が、逆に迷彩となっていたのではないかとさえ思えてくる。

 

 暴走した美優の異常に強い性欲は、素の性欲に特殊体質による性欲が上乗せされたものであるが、そのどちらが強かったのかまでは気にしてこなかった。

 あるいは、普段はその体質が自身を客観視させる契機になって、生まれ持った性欲にブレーキをかけていた可能性すらある。

 もちろん、これはあくまでも仮定の話。

 

「美優の気持ちはわかった。でも、初めては美優の部屋で貰うよ」

 

 俺は美優に握られるだけだった手を、美優の頭上にまで持ち上げて、ソファーの肘掛けに押し付けた。

 

「どうせこれからも俺のベッドで寝て、そこでエッチをするだろ。処女を捧げた記憶ぐらいは自分の部屋でもいいよな」

 

 この家は母親が俺たちを出産したのとほぼ同時期に購入したもの。

 生まれてから今日まで過ごしてきた日々が、どの部屋にも刻まれている。

 美優の部屋には、美優の妹としての人生が全て詰まっているんだ。

 

「そんなことしたら、部屋に戻るたびにエッチな気分になるのですが……。ただでさえ、お兄ちゃんがいないときは、一人でする頻度が増えてるのに」

 

 美優は不満げにそんなことを口にしたが、たぶんこのエッチな妹は、ただ兄をオカズにオナニーしていたことを白状したかっただけなのだ。

 

「美優」

 

 俺は優しく声をかけて、美優の手を引き、ゆっくりと体を起こさせた。

 

「な、なあに。お兄ちゃん」

 

 美優はドキドキを隠しきれない表情で俺を見つめてきた。

 

「美優の人生の全部が欲しい」

 

 それが今の俺の、偽りのない本音だった。

 

 俺と美優は、愛欲に塗れた視線で見つめ合って、このときの二人の感情は、完全に同一のものを共有していたように思う。

 

 とにかく、セックスがしたかった。

 

「可愛い妹の人生なんだから。大切にしてね」

 

 お互いに、大胆であっても、飾り気はなく。

 それが兄と妹として、初めてのセックスを迎えるための、十分な告白だった。

 

 俺と美優はソファーから立ち上がって、恋人として初めて手を繋いで歩き、リビングの扉を閉める。

 

 まだ夏の陽も高い、午後の昼下がり。

 

 俺たちは繋いだ手を強く握って、早足で階段を駆け登った。

 

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