※この作品はR-18です。

俺の妹が最高のオカズだった   作:風見 源一郎

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初体験の挿入一回目で絶頂する妹とイチャイチャしながらセックスする話

 

 俺は、妹とセックスする。

 

 早足に階段を駆け上った俺と美優は、雪崩れ込むように美優の部屋に入ると、立ったまま強く抱きしめ合った。

 互いの息が荒く上がっていて、弾む鼓動を抑えることができない。

 

「やっとしてもらえる……」

 

 美優は焦れる想いを零して、期待の篭った眼差しで俺を見つめてきた。

 

「待たせてごめんな」

 

 俺は美優にキスをして、抱きしめながら頭を撫でた。

 美優は俺に抱きつく力を強くしてきて、もう密着できる限界までくっついているのに、なおも体を寄せてくる。

 大きな胸のせいで満足できる密着感にならないのかもしれない。

 そんな美優が可愛いかったので、俺の方から痛いぐらいに抱きしめてやると、美優は満足そうに顔を綻ばせて首筋にキスを返してきた。

 

 そんな恋人らしいやりとりをしていても、どうしたって下半身は反応してしまう。

 勃起しっぱなしでピクピクと動く肉棒を、美優は自分のお腹に押し付けていた。

 

 そこで俺は気付いた。

 美優が体をギュウギュウさせてきたのは、密着度を高めたかったからではなく、こうして俺の肉棒をお腹に触れさせたかったからなのだと。

 

 性欲に忠実な美優も可愛い。

 本能的な側面が強くなってきている兆候ではあるけど、それは俺だって同じだ。

 人間こんな場面になれば、誰だって動物らしい本性が浮き出てくるもの。

 

 布越しではなくて、生の肌で抱き合って、美優にペニスを擦り付けたい。

 リビングでイチャついているときにこの手で触れていた、あのふにふにしたお腹の感触に、この肉棒を埋めてみたくなった。

 

 そんな感情に任せて、俺は美優のTシャツに手を入れた。

 美優もその意図を汲み取ってくれて、俺と顔を合わせると、小さくバンザイをして腕を上げてくれた。

 

 ブラごと美優の服を脱がせてから、すぐに俺も上半身裸になる。

 美優のショートパンツは俺がボタンを外して、同時に美優が俺のズボンのチャックを下ろし、足元に落ちた服を蹴り飛ばすと、ついでに靴下も外して放っぽった。

 

 そうしてまた、二人で抱きしめ合った。

 生の体で、お互いの肌の感触を確かめるように、背中に触れる手を滑らせて腕やお尻を撫で回す。

 

 俺よりも美優の体温の方が高い。

 美優が特別に興奮してるからではなくて、普段からこれだけの体温差があるんだ。

 それはベッドで一緒に寝ているときから知っていたこと。

 

 でも、裸の美優を抱くことが、これほど気持ちの良いことだとは知らなかった。

 これまで経験した、どの女の子とも違った興奮と安心感があって、何と比べても美優が最高だった。

 

「初めて、だね」

「そうだな」

 

 俺たちはこれだけエッチを繰り返しておきながら、お風呂場以外で裸になったことがなかった。

 

 だからこそ、こうして裸で抱き合う瞬間が一層嬉しかった。

 

 その歓喜は性衝動へと変わって、俺は美優のお腹に裏筋までぴったりと密着させたペニスを動かさずにはいられず、その全面を擦りつけるようにして腰を前後させた。

 

「んっ……あっ……」

 

 美優の口から漏れた艶声。

 それは驚きから出たものではなく、性感を刺激されて堪らず漏れてしまったもの。

 リビングでお腹をさすっているときも、俺が美優の子宮を意識して撫でたときに美優は同じ反応をしていた。

 

 生殖が意識される行為は美優にとって何よりの興奮材料になる。

 裸になって子宮に近い部分をペニスで刺激されるのは、美優にとってはセックスに等しいほどの快楽だった。

 

「あっ、あ、んっ……おにい、ちゃん……」

 

 俺は美優の腰に両手を回して、軽く抱え上げるように美優の体を引き寄せる。

 そして、その滑らかな腹部の表面にペニスをストロークさせた。

 挿入しているわけでもないのに、美優は体内に肉棒を埋められているかのように腹筋を引きつらせて、熱い吐息を漏らした。

 

「お兄ちゃん……だめ……」

 

 美優も始めこそは同調して腰を動かしていたが、途中で俺の胸元を両手で押して離れようとしてきた。

 

「どうしたんだ?」

 

 俺が緩やかに動きを止めて美優を解放すると、美優はギリギリの理性でニュートラルな状態に戻った。

 

 ──ように見えた。

 

「お兄ちゃんとの、将来のあれこれが、妄想になって止まらなくなりそうだったので」

 

 美優はできるだけ遠回しな表現を選んで、脳がセーフティラインのギリギリにあることを俺に教えてくれた。

 そして、一呼吸を置いて美優は言葉を続けた。

 

「妹の子宮を、安易に刺激するのは、とてもキケンです」

 

 美優が口重く、慎重に紡いだその言葉は、今日という日を迎える俺たちにとって忘れてはならない重要事項だった。

 

 俺とセックスすることで、美優の性本能がどれだけ暴走するかはわからない。

 だから、初体験の特別感がどれだけ気分を高揚させようとも、美優への性的な刺激は最小限にしなければならない。

 

「そうだな。俺も気をつけないと」

 

 俺は美優を孕ませないようにコントロールしなければならない。

 俺ならそれができると信頼してくれたからこそ、美優もここまで自分の素をさらけ出してくれている。

 

「じゃあ、セックスしようか」

「うん。きて」

 

 美優は俺の手を握ると、その手を引いてベッドまで移動した。

 

「いま寝床を空けるからね」

 

 布団を奥へと押しやる美優のふとももは、秘部から溢れ出した愛液で濡れていた。

 それはもう見慣れた光景だったはずなのに、俺はその美優の姿を見て妙に胸がザワついていた。

 

 ベッドから邪魔な物を退けると、美優は先に乗って正座をして、その正面に俺を膝立ちさせた。

 

 俺の屹立したイチモツをじっと見つめて、美優はお腹をさすっている。

 

 その表情は、一見すると理性的な美優だったのだが。

 顔を上げて俺と目を合わせた美優が、ほんのりと気恥ずかしさを隠していることに気づいた瞬間、すでに本能側のスイッチが入っていることにも俺は気づいてしまった。

 

「あの……今日、受精させますか……?」

 

 美優は何かを思い立ったように、そんなことを聞いてきた。

 

 リビングでイチャイチャして、自室でのオナニーを我慢して、俺のペニスに子宮をグリグリされた美優の理性には、とっくに本能に逆らえるだけの力など残っていなかったのだ。

 

「何を言ってるんだ、美優。美優はまだ処女だろ。まずは練習を積まないと」

 

 俺は冷静に、落ち着き払って、美優にそう告げた。

 多少の計算外があっても、これぐらいは乗り越えなければならない壁。

 この状態の美優をコントロールできなければ、この先も美優とセックスする機会はいつまでもやってこない。

 

「あ、そっか。そうでした」

 

 美優は恥ずかしさを誤魔化すようにはにかんだ。

 どうやら脳が本能側に倒れると知性も底をつくようで、これはこれで制御しやすいので大助かりだった。

 

「そういえば、元は俺も自分の部屋でするつもりだったから、ゴムを置きっぱなしにしてたよ。取ってこないとな」

「コンドームの用意ならありますよ」

 

 そう言って、美優はベッド近くに置いてあったティッシュ箱の後ろから、個包装のコンドームを一つ取り出した。

 

「私の理性がこんなときのために準備していました」

 

 美優は両手の親指と人差し指でコンドームの袋を摘んでそれを見せてくれた。

 さすがは準備の良い妹。

 

「美優の理性は立派だもんな」

 

 俺が何の気なしに褒めると、どうやら美優の中でもニュートラルな自分とデレデレの自分は違うものとして扱われていたようで、美優はデレ側の自分を主張するようにペコっと頭を下げて俺の前に差し出してきた。

 

「いまの私も可愛がってください」

「可愛いよ。もちろん。可愛くないわけがない」

 

 美優の頭を撫でると、それだけで美優は満足してくれて、また俺たちは正面に向き直った。

 

「ゴム、付けてくれるか」

 

 俺は美優に、あえてそうお願いした。

 

 特別な想いがあったわけではない。

 それでも、処女である妹にこの肉棒を受け入れてもらう証としては、そうしてもらうのが一番だと思った。

 

 俺のお願いに、美優は静かに頷いて、それから包装紙を破いてコンドームを取り出した。

 それを俺のペニスに被せようと美優は近づいてきて、まずは両手で竿を支える。

 

「なんだか、結婚指輪をつけるみたいだね」

 

 美優はそう呟くと、両手で包んだペニスの先に慈しむようなキスをして、それから丁寧にコンドームの輪っかを根元に下ろした。

 いつも俺より美味しい想いばかりするこの愚息に、俺は並々ならぬ嫉妬を覚えながら、俺自身にもキスをしてもらいたい気持ちを押し殺して美優をベッドに寝かせた。

 

 仰向けになった美優に俺が覆いかぶさって、ついに俺たちは、初めての瞬間を迎える。

 

「お兄ちゃんの、ゴムがついてるの見るだけでドキドキする」

 

 ペニスにコンドームを装着したとなったら、もう挿入する以外に先はない。

 これから俺たちはセックスするのだということを、この避妊具が何よりも物語っている。

 

「キスしてたほうがいいか?」

「ううん。他には何もしないで、挿れるだけしてほしい。お兄ちゃんのが入ってくるのを、いっぱいに感じたいから」

 

 美優は俺が覆いかぶさることで股下が見えなくなることがわかると、膝を立てた脚を大きく広げて、俺のペニスを迎えてくれた。

 

「挿れるよ、美優」

 

 ようやく、この言葉を言うことができた。

 オナニーを目撃されてから今まで、何度もエッチなお願いを断られては、食卓を挟んでお説教をされて。

 あの頃は、こうして裸で愛し合うことになるとは思わなかった。

 そんな美優の膣内に、これから俺のペニスを挿れる。

 

「私の処女を貰って。お兄ちゃん」

 

 美優は自らの豊かな胸を左右の手で掴んで、それを抱え込むようにギュッと身を固めた。

 蜜口に亀頭を当てがうと、美優の体が強張って、それでも決して抵抗しようとはせず、少しずつ奥へと入り込んでいく俺の肉棒を受け入れてくれる。

 

「き……キッつい……!」

 

 まだ亀頭が隠れる程度にしか挿入していないのに、挿れる場所を間違えたのかと思ってしまうほど、美優の膣穴は狭かった。

 割れ目は十分過ぎるほどに濡れていて、美優にはオナニーの経験もあって、遥に繰り返しイジられてきたはずなのに、まるで自分の手で握り込んでいるかのような圧迫感が肉棒を包んでいる。

 

「ふぁ……すごい……お兄ちゃんのが、アツくて、おっきいのも、ぜんぶ膣内から伝わってくる……!」

 

 俺の肉棒をびっちりと包み込んでいる美優の膣壁は、通常なら体温と同化して判別がつかなくなってしまうはずの温度や形さえ、つぶさに感じ取っていた。

 兄妹としての相性の良さなのか、まだ経験の無いはずの美優の膣神経は、生まれながらに俺のペニスを感じるようにできているようだった。

 

「こんなに締め付けてくる肉穴なんて、玩具でもそうないぞ……」

「はぁ……はぅ……お兄ちゃんに、気に入ってもらえたかな……?」

「セックスでも美優以外で射精できなくなるかも」

「ふへへ。うれしい……」

 

 俺は腰を落とし込むようにペニスを美優の膣内へと沈めて、一分近くかけて慎重にこじ開けていく。

 そうやって、じっくりと美優の膣を慣らして、ようやく竿の半分を美優の中に入れることができた。

 

「う、ぐっ……おにい、ちゃん……もう、お腹パンパン……」

「痛みは、大丈夫か?」

「へいき、みたい。息はしづらいし、お腹は張ってるけど、痛みはないの。そういう、体質なのかも」

 

 美優の小柄な体格からしても、異常なぐらいにキツい膣内だったが、もしかしたら美優の膣は慣らしてもこの狭さなのかもしれない。

 そう思うと、俺もいくらか気が楽になって、亀の歩みのようにゆっくりだった挿入を少しだけ加速させた。

 

「ひぎぃっ……! 痛っ……あぐッ……ぁっ……ッ!」

 

 初めて美優は痛みに悲鳴を上げた。

 俺は気が動転しそうになる頭を、どうにか「落ち着け」と暗示的に自分に言い聞かせて平静を保ち、美優の表情からその具合を窺う。

 

「はぁ、はぁ、はぁ…………痛かった……」

「ごめんな、美優」

「ううん。謝らないで。もっと挿れて」

 

 ──とっても、安心したの。

 

 痛くしてしまったというのに、美優は嬉しそうに頬を緩ませて、俺にそう教えてくれた。

 

 俺に捧げる初めてのセックスが、確かに初めてのものだったのだと、その身に刻まれることが何よりも嬉しかったみたいだ。

 

「もう、子宮のとこが切なくて堪らないの。早くお兄ちゃんの、奥まで全部入れて。私の処女、お兄ちゃんのものにして」

 

 俺の姿だけをその瞳に映す美優の目に、俺は気づかされた。

 美優が求めてるのは、優しいだけのありふれたセックスではなかった。

 

 俺はこのロリで巨乳で真面目で無愛想で、ときには人妻にもママにもなってくれる妹の恋人なんだ。

 

 とても賢くて、いつも勝気な目をしているくせに、デレると砂糖を煮詰めたようにドロドロに甘えてくるこの愛しい人を、「世界の誰よりも好きになった兄」として抱きしめてやらなければならない。

 

「わかったよ、美優……! 子宮に押し込んででも根元まで入れるからな……!」

 

 俺は美優の全身を抱えると、ひと息に美優の膣内へと押し込んだ。

 

「あっ……ああっ……お兄ちゃん…………お兄ちゃん……!!」

 

 ──好き!!

 

 美優の叫び声が、部屋中に響いて。

 

 それと同時に、俺のペニスが美優の子宮口を穿った。

 

「ひゅぎぃぃいイイッ──ッ──!!」

 

 その悲鳴は、痛みによるものではなかった。

 

 俺がペニスを奥まで捻じ込んだ瞬間、美優は大きく背中を仰け反らせて絶頂したのだった。

 

「はあぁぅ……ひぃ……ひぐっ……はあぅふぅ……あっ、しゅごひっ……」

 

 長い年月をかけて、膣の奥だけをトロトロに開発されていた美優は、ついには初体験の一度目の挿入で激しくイッてしまった。

 

 美優は痙攣する体を押さえ込もうとその身を強く抱いているが、俺のペニスが入ったままのせいか、いつまでも全身がビクついてオーガズムの余韻が引かなかった。

 

「美優……」

 

 俺の視線は、初挿入でイッてしまった美優の体に釘付けになっていた。 

 

「美優……可愛いよ、美優……!! セックスも最高に気持ちいい……!!」

 

 処女のくせに一度の挿入でイッてしまう美優が狂おしいほどに可愛いくて、じっとしていることができなかった。

 俺は美優の子宮口を押し広げる勢いで、鉄芯のように硬くなったペニスを密着させたまま前後させる。

 

「ひぃゃああっ、ひゃめっ……らめにゃっ……っあああああひぃぐぅッ……あぁあッッ!!」

 

 美優は再び喘ぎ悶えて、膣の奥を三回ほど擦ったところでまた絶頂した。

 俺のペニスにびっちりと絡みついてくる美優の肉襞が、オーガズムに合わせてギュルギュルと竿を根元から絞り上げてきて俺を射精させようとしてくる。

 

「はぁ……美優……美優っ……!!」

 

 亀頭はほぐされた子宮近くの肉の柔らかさに包まれ、竿は狭い肉穴に締め付けられている。

 挿すのも抜くのも快感が凄まじくて、受け流す先などどこにもなかった。

 もう俺には射精してしまうしか選択肢がなくて、俺はその精液が射出されるまでの短い時間の中で、精一杯に腰を振って美優の初めてに俺の肉棒を刻みつけた。

 

「美優っ……イくよ……!!」

 

 精液の射出直前、俺は美優の子宮に鈴口を密着させて、拳銃のトリガーを引くように射精用の筋肉を一気に収縮させた。

 

「だ、だめ、お兄ちゃん!! それだけはダメッ──!!」

 

 美優に最後に残されていた理性が警告を発して、しかし、俺に射精を回避できるだけの猶予などあるはずがなく、美優が叫ぶその最中にも俺の精液が美優の子宮へと撃ち込まれていった。

 

「ああっらめぇにゃぁ……ああああひぃぃぅぐっ!! ああああっ……!! アッ…………ッ──!」

 

 ドクン、ドクン、と俺の精液が美優の子宮口へと送られるたびに、美優はその刺激で同じ数だけ絶頂した。

 たとえゴム越しだったとしても、挿入されたペニスの細部まで判別できてしまう美優にとって、子宮に精液を注がれる快感は耐えられるレベルのものではなかったようだ。

 

「あっ……ああ……おにぃ、ちゃ……はぁ……ふぁ……ひゅごっ……ぃ……ひゅき……」

 

 酸素を上手く取り込めないのか、お腹が大きく膨らむほど深く息をする美優の膣内には、まだ硬いままの俺の肉棒が挿入されている。

 それでも、俺に膣内で射精されてぐったりと横たわる美優の顔があまりにも幸せそうで、せめて体だけは繋がった状態でいたかった。

 

「美優、大丈夫か」

 

 俺は手を美優の頬に添えて、静かな声でそう訊いた。

 

 最低限の刺激に収める、という目標は残念ながら満たせたと言い難いが、美優の初体験としては良い思い出が残せたと思う。

 

「えへへ……だいじょうぶ……」

 

 美優は頬に添わせていた俺の手を両手に持って、自分からスリスリと頬ずりをしてきた。

 

「美優とのセックス、気持ちよかったよ」

 

 今でもまだ勃起したペニスの竿全体が美優の膣壁に強く圧迫されている。

 美優は手を股間へと伸ばして、その結合部を指で確かめた。

 

「ほんとに繋がってる……」

 

 女の子にとって、男性器が自分の股に入っている感覚がどんなものなのか、男にはおよそ想像もつかない。

 でも、結合部に触れる美優が嬉しそうだったので、俺にはそれで十分だった。

 

「お兄ちゃんと一つになるって、こういう感覚なんだね」

 

 美優は俺のペニスに埋められて隙間の無くなった膣穴をしばらく弄っていた。

 

 呂律も回るようになって、美優の意識も鮮明に戻り始めたみたいだ。

 

「気分は悪くなったりしてないか? 野性的に交わりたい衝動があったりとか……」

 

 美優の本能が強く働いているなら、俺との子作りしたい欲望で脳が侵されるはず。

 こうして見ている分には平穏無事ではあるが、この妹は真面目な表情の奥に激しい劣情を抱え込んでいたりするので油断はできない。

 

「残念ながら、私の脳は現在九割ほどお兄ちゃんに種付けしてもらう妄想に使われております」

 

 美優はいかにも冷静な風を装ってそう言った。

 

「ダメなのか」

「ダメですね」

 

 美優が身を小さくして俺を見つめると、美優の淫肉がペニスをキュンキュンと締め付けてきた。

 

「子宮のとこで射精はどう考えてもダメです」

「すまん……」

 

 こんな状況でも、俺は美優にお説教されるのか。

 しかし、これに関しては美優の言い分が十割正しいな。

 

「なんだかゴムつきで挿れられてることに違和感を感じてきた」

「だ、大丈夫か?」

「お兄ちゃんは私のことが好きなのに、どうして私ではなくゴムに射精をしたのかな?」

 

 美優はぼーっとしながらも考えを巡らせ、それから何かが思い当たったような顔をして、しゅんとしてしまった。

 

「私に愛嬌が足りなかったのでしょうか。反省してしまいます」

 

 美優の発言が理性的におかしくなってきた。

 本人も言う通り、脳内が生殖本能に蝕まれてきている。

 てか、愛嬌が足りない自覚はあったんだな。

 

「好きだから、ゴムをしてるんだよ。美優」

 

 こうなった美優も、俺が兄として上手くなだめてあげないと。

 

「妊娠したらセックスも難しくなるから。せっかく恋人になったのに、すぐにセックスレスになるのも嫌だろ」

「それはとても困る」

 

 美優が大人しくなってきた。

 これならどうにかコントロールできるか。

 

「うぅー……お兄ちゃんの精子で孕まされたいだけなのに……」

 

 美優は悩ましく身をよじって、まだ膣内に入っている俺の肉棒を感じて「あっ……きもちいぃ……」と声を漏らした。

 

「美優とはきちんと人生設計をしたいんだ。だから、エッチも焦らずにしよう」

 

 俺が美優をどうにかなだめようとすると、美優はチラチラとこちらに目配せをして、小声で話し始めた。

 

「子供が欲しいわけでは、なくてですね。いえ、その、欲しいかどうかで聞かれたら、とても欲しいのですが。そこはどうにか理性さんが抑止しているので、分別はついているのです」

 

 美優は意外な告白をして、その先をさらに続けた。

 

「だから、これは折衷案というか、私はお兄ちゃんの精子を受精したいだけで、この体にお兄ちゃんの遺伝子を刻んでもらえるなら今はそれで満足できるといいますか……」

 

 言っていることはめちゃくちゃだったが、言いたいことは伝わってきた。

 

 美優の本能は子作りを望んでいるが、現実としてそれが今の俺たちには相応しくないことは理解している。

 だから美優は、せめて俺の所有物としての印を、できるだけ取り返しのつかないところに刻み付けてほしいとねだっている。

 

「美優の気持ちは伝わったよ。すごく嬉しい。でも、そういうエッチな漫画みたいな部分は、どうにもならないというか」

「なんでよー。受精卵のままにしておけるお薬とかないのかな……そしたら私のお腹の卵子ぜんぶお兄ちゃんの精子で受精してもらうのに……」

 

 美優の頭の中が完全に二次元になっていた。

 いつだかのお勉強でエロアニメを大量に観てしまったせいか、思考がかなり非現実的なものに寄っている。

 

「いまは赤ちゃんダメなら、せめてお兄ちゃんの子供しか産めない体になりたい……」

 

 切ない声で、もどかしそうに本音を漏らす美優を見て、俺も諭すばかりではいけないと考えを改めた。

 

「焦らなくても、いつかきちんと美優のことは孕ませるから。もう少し我慢しててくれ」

 

 俺は美優にそう囁いて、軽いキスをしてあげた。

 

 すると、美優の感情の昂りがスッと落ち着いて──目はハートマークが浮かんで見えるほどキラキラしていたが──美優は俺の言葉を素直に聞いてくれた。

 

「ずっと待ってるからね」

 

 そのときの美優の顔が、いつもの凛とした表情の美優と重なって見えた。

 

 真面目なときも、エッチなときも、美優は美優でしかなくて。

 そのどちらもが、俺の大切な恋人の一面であることは、これから先も忘れずにいたい。

 

 俺はその誓いとして、今度は長い時間をかけて、美優にキスをした。

 

 鼻の先を合わせて、至近距離で見つめ合って、おでこや頬にも唇を触れさせながら、何度も、何度も、美優と口づけを交わした。

 唇が唾液に濡れて、それを舌で舐め取ると、美優が堪らず舌を絡めてくる。

 小ぶりな舌を懸命に伸ばす美優に、こんなに小さな口でいつもフェラを頑張ってくれていたのかと、俺は嬉しくなってペニスがまだ一段と大きくなった。

 射精前と変わらないぐらいの性欲が湧き上がってきて、美優の口内に舌を捻じ込むと、繋がったままの肉筒がキュッと締まった。

 

「んっ……お兄ちゃん」

 

 美優は唇をわずかに離して、この至近距離でしか聞こえないくらいの小さな声で言った。

 

「もう一つあるから、使って」

 

 それはティッシュ箱の裏に隠していたコンドームの予備のことだった。

 それを用意していた美優も、元から一つで済むとは思っていなかったみたいだ。

 

「痛いのは平気か?」

「痛みはないよ。奥をグリグリされると頭が変になっちゃうから、この意識のままでお兄ちゃんとエッチしたい。いいかな?」

「もちろん。美優の初めてのセックスだから。きちんと記憶に残さないとな」

 

 俺が少しだけイジワルな答え方をして、それでも美優は気恥ずかしそうに頷いてくれて、俺は再び美優と唇を重ねると、その二度目の長いキスの中でコンドームを付け替えた。

 

「美優。愛してるよ」

 

 口にしてみると、思っていた以上に自分が恥ずかしくて。

 

 それでも、こんなときにしか、この言葉は言えない気がした。

 

「私もだよ。お兄ちゃんが世界で唯一、ただ一人だけ。私が愛してる人」

 

 美優はそのぱっちりとした目で、真っ直ぐに俺を見据えてきた。

 

 しかし、内側にひた隠ししていた性本能が辛抱堪らなくなったようで、一つ瞬きをした後の美優の瞳は、再び情欲に塗れたハート型になっていた。

 

「は、はやく挿れて」

「ああ、悪い。焦らすつもりはなくて」

 

 こんなやりとりが、俺と美優の“らしさ”なのかもしれない。

 俺は亀頭を美優の蜜口に当てて合図をしてから、いつも通りの早さでペニスを挿入した。

 

 それでも、子宮には届かないように、半分が入ったところから慎重にストロークの大きさを見極めていく。

 

「んっ、あっ、おにいちゃんの、きた……」

 

 美優は歓喜に打ち震えてもぞもぞと足を動かした。

 二度目なのに膣のキツさは変わらない。

 そのおかげで、半分ほどしかペニスを挿れていなくても刺激が足りなくなることはなかった。

 

「どうだ? 美優」

「き、きもちぃ。けど、もうちょっと、奥も平気かも」

「なら、もう少しだけ……」

「あっ、ひにゃぁっ……! だめだめ、もうだめ……!」

「ご、ごめん」

 

 俺はまた亀頭だけを擦るような挿入に切り替えて、美優を一度落ち着かせる。

 丁度良い挿入深度を測るのは、思いのほか難しかった。

 

 というのも、理性を保ったままペニスを受け入れられる深さと、頭がイッてしまうほど感じる深さの間に、美優がギリギリ味わえる快感スポットが存在しているからだ。

 

 それを無視してしまえばピストン運動を続けるのもさして難しくはないのだが、この“イイところ”に届いたときの美優が何とも気持ち良さそうに顔を蕩かせるので、俺はどうしてもこの境界線を見極めておきたかった。

 

「んっ、ああっ……そこ、すきっ……ぃいっ……あっああっ!」

「み、美優、もう少しだ。だんだんコツが掴めてきたから」

 

 ロリ系のオナホールよりキツく締めてくる美優の肉穴の快感に耐えながら、俺は美優の反応が良くなるところを必死で探った。

 

「ふぁっ……ああっ……!」

 

 俺が腰を振るのに合わせて、美優のおっぱいがゆさゆさと揺れている。

 脂肪が横に流れても山の形を維持するその鮮度の良い果肉に、俺の視線は奪われて、それでもむしゃぶりつきたくなる感情を「今だけは」と封印してピストンの調整に集中した。

 

「はぁ……ううぅ……何回も子宮コンコンされて、寸止めなの、頭が変になりそう……」

「もう少しだけ、耐えてくれ」

 

 言っている俺も、余裕があるわけではなかった。

 美優の膣が精液をねだるようにずっと締め付けてくるせいで、俺が射精を我慢するのにも限界が近づいていた。

 

「ああんっ、あっ、お兄ちゃん、上手になってきた……」

「うっ……ぐうっ……み、美優……もう、やばい……」

 

 だんだんと美優の快感スポットがわかってきた。

 しかし、今度は場所が分かってもそこを刺激し続けてあげることができなかった。

 女の子が感じる場所を擦るほど、男に流れてくる快感も跳ね上がるのだ。

 

「あんっ、あっ、んああっ……ぁあっ、あっ……止めちゃやだ……もっと、して……」

「ううっ……美優、そんなこと、言っても…………もう……出そう……」

 

 美優が腰を止めることを許してくれなくて、俺はペニスを擦り続けるしかなかった。

 射精をしないように、どうにか腰を動かして、やがてピストンはカクカクとしたぎこちないものへと変わっていく。

 

「あっ……んっ……お兄ちゃん、イキそうになってる……かわいい……」

「ほんとにもう限界なんだよ……」

 

 あと何回か擦ったら、我慢の限界を超えそうだった。

 

 俺は勢いに任せて射精してしまうかを迷って、結局は、イかないために動きを止めることを選んだ。

 

「止まってしまいました」

「ごめん……もう、止まっててもイキそうなぐらいで……」

 

 俺が動かなくても、美優の肉襞が波打つようにペニスを圧迫してきて、そのまま出てしまいそうだった。

 

「ふふふっ。お兄ちゃんが射精を我慢してるの、実は結構好きだったりするのです」

「思い当たることが多すぎて驚かないよ」

 

 俺は深く呼吸を繰り返して、射精の熱をどうにか逃していった。

 

「早漏のお兄ちゃんもかわいくて好き」

「治さないといけないんじゃなかったのか?」

「生殖能力としては、すぐに精子を出せるのは優秀なので」

「なるほど」

 

 俺が早漏なのも、事実として美優を孕ませたい本能的な衝動が問題なわけだからな。

 その面での相性はバッチリなんだろう。

 

「まあ、これを言うと、理性的な私がたくさんエッチがしたいだけみたいになるので、やめましょう」

「そうだな」

 

 それもおそらくは事実なのだろうが。

 またお説教をされてしまいそうなので突っ込まないでおいた。

 

「落ち着いちゃったな。どうしようか?」

「うーん。なんだかとても心が満たされているので、あとはお兄ちゃんにお任せします」

 

 セックスを再開すれば、次は美優も無茶を言わずに射精させてくれるだろう。

 しかし、それだとどうにも味気ない終わり方になりそうだった。

 

「美優、体を起こしてくれるか」

「構いませんが」

 

 俺はペニスを一度引き抜いてから、美優をベッドに座らせると、クルッと回れ右をさせて後ろ向きにさせた。

 

「ベッドに手をついて」

「はい」

「お尻を上げて」

「い、イヤです」

 

 およそ俺がやりたいことを察してしまった美優は、切なる俺の要望に反抗してきた。

 

「頼む」

「ヤダ」

 

 美優は頑なに四つん這いになろうとしない。

 俺は美優をバックでハメたいだけだというのに。

 

「お兄ちゃんもわかってると思うけど、いまの私は理性的なんだよ。そんな犬みたいな恥ずかしい格好ではできません」

「後背位っていう立派な体位だよ。人間らしい営みだって」

 

 俺は美優の腰を持ち上げてお尻を浮かせて、勃起したペニスを擦り付けた。

 

「こ、こら……いけません……」

「美優だって、射精するなら膣内でしてほしいだろ?」

「それは、そうだけど……」

 

 美優の抵抗する力が急に弱くなった。

 この流れなら押し切れる。

 

「とりあえず、先っぽから挿れるよ」

「あっ、あっ、ああっ、そんな、勝手に……!」

 

 背中をピンと張って最後の抵抗を試みる美優だったが、その程度で大好きな俺のペニスの挿入を防げるわけもなく、結局は自分の力でお尻を上げた美優の膣へと、俺は容赦なくペニスをねじ込んだ。

 

「ああうんっ……あっ、ひぃああっ、ん、あああっ!!」

 

 子宮までは突いてしまわないように、それでも劣情のままに激しく、俺は美優と背後から交わった。

 バックでするのが正常位と違う感覚になっても、経験は活きたようで。美優の快感スポットを後ろから把握するのはすぐだった。

 

「ああっ、あっ、ひにゃぁあっ!! あう、あんっ、あっ、ああうぅあっ……ひゃあぅぁあああっ!!」

 

 俺は美優の全身を拘束するように、後ろから腕ごと抱きついて、ペニスを突き上げる。

 すると、美優の全身がビクンビクンと痙攣しだして、奥を擦っているわけでもないのに美優はあっさりとイッてしまった。

 

「はぁ、ああぁひぃ……んああっ! おにぃ、ひゃぁあぃひ、ひんじゃ……んんぅああっ……あっ、あああっ!!」

 

 そこで俺は美優を腕から解放して、ベッドに手をつかせて四つん這いにさせた。

 もう美優の脚はガクガクと震えていて、ペニスを挿れるたびにジュボッジュボッとイヤらしい音を立てている。

 

「あああぅ……ああっ!! んああぁあっ!! んっああっ!!」

「美優、そんなに喘ぐと、隣の家まで聞こえるぞ」

「ふぇっ、あっ、はぁうぅ……い、イヤ、ぁ……あっ……ぅうっ……ん、んっ……!」

 

 美優は一生懸命に声を押し殺して、俺にペニスを抜き差しされるたびにイきながら、潰れてしまわないように腕を張って体を支えた。

 

 美優のこの健気なところが俺は大好きで、その姿を見た瞬間に、俺はもう射精してしまうことを決めた。

 そもそもこれ以上は俺の精神が美優を犯す快楽に耐えられなかった。

 

「美優……もう出すからな……!」

 

 射精が我慢できる限界なんてのはとっくに超えていて、俺は犬の交尾のように後ろから美優に覆いかぶさって、美優の雌穴に射精の瞬間まで腰を振った。

 

「あ、あっ……おにい、ちゃん……んあっ……うっぅああっ……そんな、だめっ…………あっ……あああっ、あぅぅあっ……!!」

「出るっ……出るっ……!! 美優、イクぞ……!!」

 

 どびゅ、ビュッ、びゅるるっ、びゅくっ、ビュルッ──!!

 

 俺はペニスを押し込む代わりに、美優を強く抱きしめて射精をした。

 高い圧力がかけられたままの尿道が狭まって、精液が通るその感覚がいつもより生々しく伝わってくる。

 

「あ、ああっ、んあああっ……ああっ……!!」

 

 俺が射精をして、美優の膣内でコンドームに精液を吐き切ったあとも、美優の体の痙攣は止まらなかった。

 

「んあっ、ひぃ、なにこれ、ああっ……だめっ……また……イッひゃ……!」

 

 美優は崩れるようにベッドに突っ伏して、腹痛に悶える患者のようにお腹を抱えて丸まり、どうにか絶頂を収めようとしてもイキっぱなしの体を止めることができない。

 

「大丈夫か? 美優」

「はぁ、はぁうぅ……だめぇ……またイッちゃいそう……ああっ、あっ、膣内が、疼くの、止まんない……」

 

 美優は絶頂を繰り返して、それでもその勢いは徐々に弱まっているようだった。

 

 俺は横向きに寝転んだ美優の背中にぴったりと寄り添って体を支えた。

 美優は後ろから抱きつかれるのが好きだし、興奮するよりは落ち着く効果の方が大きいはず。

 

 俺が軽く腕を回して美優を抱きしめると、背中を向けたまま美優がその手を握ってきた。

 

「やりすぎたかな?」

「き、気持ちよかったから、別にいいけど……これはさすがに予想外……」

 

 美優の声のトーンが下がって、ようやく絶頂が収まったと思ったが、お尻のほうはまだヒクヒクと動いていた。

 

「うぅっ……まだ穴の中にお兄ちゃんに犯されてる感覚が残ってる……」

 

 美優はまたイッてしまいたい気持ちと、俺の目の前で絶頂する恥ずかしさとを、天秤にかけていた。

 

 そして、美優は寝返りを打って俺と向かい合うと、腕の中にモソモソと入り込んできて、最後にもう一度だけ小さく体を跳ねさせてイッた。

 

「はぁ……はぁ……もう……途中まではいい雰囲気だったのに……妹の初体験になんてことを……」

「俺も美優を犯さないように理性を保つので精一杯だったんだ。だから許してくれ」

「むぅ……ゆるす……」

 

 どうにか許してもらえた。

 こうして寛大な処置をとってもらえるとき、大抵は美優も心から楽しんでいたりする。

 

「初めてのセックスはどうだった?」

「めちゃくちゃ気持ちよかった」

「バックで奥まで突いたらどうなるんだろうな」

「想像もしたくないから聞かないで」

 

 美優は顔を隠すように俺の胸に埋もれた。

 

 これまでの傾向からするに、野性的な種付けピストンをして、ペニスを子宮に密着させながら中出しするのが美優にとって最も気持ち良いセックスになる。

 さらにはそこにロリコスもさせて、鏡の前に立たせてバックでハメたら、美優の脳は快楽物質で溢れ返ることになるだろう。

 そんなことをしたら美優が廃人になりかねないのでしないが。

 

「服を着ましょうか」

「そうだな」

 

 俺はコンドームを取り外して、お互いの体液で濡れた下腹部をティッシュで拭った。

 

「あっ、美優。これ」

 

 ティッシュが赤く染まっていた。

 よく観察してみると、コンドームの表面もほんのりと赤くなっている。

 

「あれだけ玩具でイジってた由佳でも出血してたぐらいだから、私も出るか。シーツも交換だね」

 

 辺りを見回してみると、ベッドにも赤い染みがいくつかできていた。

 幸いにも布団は避けておいたから被害はなかったが、さすがにこれだけ汚れたシーツを洗うのは苦労しそうだし、買い替えた方が無難だろう。

 

 俺たちはベッドからシーツを取り去り、体をキレイにしてからほかに血がついている部分がないことを確認して服を着た。

 

 美優はマットレスの上に寝転がり、俺はその縁に腰をかける。

 

「はぁー……」

 

 疲れを吐き出すようにため息をつく美優。

 あれだけイキっぱなしだったのだから、体力もかなり消耗しているはずだ。

 

「非処女になってしまった」

 

 美優はティッシュの上に並べられた使用済みのコンドームを眺めていた。

 

 俺が童貞を卒業したのはだいぶ前なのでもう慣れてしまったが、初めてセックスをした後というのは、何が変わったわけでもないのに「何かが違う」と妙に胸がはやるものだ。

 

 美優は口の結ばれたコンドームを手に取って、寝転びながらそれをボーッと観察している。

 

 半透明なゴムの中には、大さじのスプーンで掬えるほどの精液が溜められていた。

 

「これ、私の膣内で出したんだよね」

 

 美優がポツリと呟く。

 

 美優もこれまで、佐知子や由佳のことがあったから、精液入りのコンドームは何度か見てきた。

 それでも、自分の膣内で射精されたものとなると、同じ使用済みのコンドームでも全く違うものに見えるのだろう。

 

「血がついてるし。精液も出し過ぎだし……」

 

 美優は試験管を覗くようそれをしばらく眺めて、それからすぐにティッシュの上に戻してベッドに突っ伏した。

 

「私もう処女じゃないんだぁー……」

 

 美優の中に生まれたその複雑な感情に水をさしたくなくて、俺は黙ってその様子を見守っていた。

 

 良くも悪くも、処女でなくなった感覚を味わえるのは、今だけだからだ。

 

「お兄ちゃんお兄ちゃん」

 

 美優は俺の腰をツンツンと突いて、俺と目を合わせた。

 

「非処女になった妹を目にした感想をぜひ」

「そ、そう言われてもな」

 

 たしかに、ここに転がっている妹は、先ほどまでは男とセックスする快感など知らない純潔乙女だった。

 

 と、言ってやりたいのだが、これまで散々フェラだのパイズリだのコスプレエッチだのしてきたので、いまさらな気もしてしまうのが本音だったりする。

 

「美優の初めてになれたことは、嬉しいし、誇りに思うよ。特別な日になった」

 

 それでも、女の子にとっては──この、これまで男をバッサリと切り捨てて生きてきた妹にとっては、男の肉棒にその体を許した事実は一つの価値観が崩れるほどの出来事だったのだ。

 

 そう思ってこの小さな恋人を見てみると、その体に愛の証を刻んだことに、隠すことのできない征服感が湧き上がってくる。

 そして、その裏にいる賢い小悪魔は、そんな俺の心情を見透かした上で心から愛し慕ってくれている。

 

 俺はその美優の全部が好きだ。

 

「美優も特別な存在になったよ。前よりずっと」

 

 俺の答えに、美優は何を言うこともなく。

 無くなった会話の代わりに美優の頬を撫でると、美優が澄んだ目で俺を見つめてくれた。

 

 それはきっと、何かを求める眼差しではなくて。

 俺と美優の間には、愛し合う男女としての、言葉に表すことのできない繋がりがあるだけだった。

 

 その見えない糸を辿るように、俺はベッドに寝転ぶ美優に顔を近づける。

 唇を触れさせる直前まで見つめ合って、そこでようやく美優の瞳に期待が滲んで、俺は息を止めた胸に鼓動を感じながら、唇を押し当てる程度のキスをした。

 

 夕暮れにはまだ早い時間。

 

 情欲に任せて、互いを求めることに集中していた意識が、乾いていく汗と共に落ち着いていく。

 

 唇を離すと、少し数の減ったセミの声が、音量のツマミをゆっくりと回すように聞こえ始めて。

 

 窓から差し込む夕陽の代わりに、美優の頬が薄らと朱く染まった。

 

「え、あ、ま、まって。ちょっと、そういうのは、ズルい……」

 

 美優は目を横に逸らして、傍にあった枕を抱きかかえた。

 

「こう見えて、予想外に声が出てしまったこととか、初体験でイッてしまったこととか、恥ずかしくて自尊心が崩壊してしまいそうなレベルでして」

 

 目線はベッドに落としたまま、美優はそのスケベな体を隠すように枕の後ろで小さくなった。

 

「こう心がぐらついているところに、お兄ちゃんからストレートに好意を向けられてしまうと、感情を防御する術がないのでやられてしまいます」

 

 美優は抽象的な言葉でボカして、照れ恥ずかしい感情を不器用に誤魔化した。

 

「やられるとどうなるんだ」

 

 俺がそう聞くと、美優は枕を放って俺に擦り寄ってきて、俺の腰元に顔を埋めた。

 

「妹が思春期に戻る」

 

 美優はくぐもった声で答えた。

 

「……戻るとどうなる?」

「ツンデレになる」

 

 要するに、何も変わらないが、照れるからやめろということか。

 

「不貞寝がしたいので膝枕してください」

「不貞寝ってそうやってするものだったっけ。構わないけどさ」

 

 美優は犬が飼い主にスペースを空けろとせがむように膝をペシペシしてきて、俺はベッドに深く腰を下ろして美優の頭を乗せてやった。

 

「まだ外は明るいね」

「夏は日が長いからな。でももう夕方だし、一時間もすれば暗くなると思うよ」

「そっかぁ」

 

 美優はそれだけ言って、俺の手を掴んで自分の頭に乗せてから、スヤスヤと寝息を立て始めた。

 

 勢いで始めてしまったから気に留めなかったけど、ずっと男を避けてきた美優にとって、初めてを捧げることには並みならぬ緊張があったのだろう。

 セックスも結局は激しいものになってしまったし、かなりの疲れがあったはずだ。

 

 俺は寝ている美優の頭を撫でて、感謝をいっぱいに込めて労ってあげた。

 こうしてくっつく度たびに頭に手を乗せさせるのだから、抱き合うのと同じくらいに撫でられるのが好きなんだろう。

 

 美優は学校では孤高の女として扱われているみたいだからな。

 たまに無言で要求してくる恋人ムーブからは、ただ一人の愛する人に甘やかされたい美優の隠れた想いが伝わってくるようだ。

 

「んっ……うぅん……」

 

 美優は俺のお腹に顔を埋めてきて、それで呼吸できるのかと心配になるぐらいに密着してきた。

 

 それでもその体勢が落ち着くようで、それからは一時間ほど、美優は気持ちよさそうに熟睡を続けたのだった。

 

 俺はその間もずっと頭を撫でていて──たまに唇をぷにぷにしたりほっぺを軽く摘んだりはしたが──外が暗くなり始めたことに気付いたのは、美優がその意識を目覚めさせた後だった。

 

「んぁ……ねてた……」

 

 寝言と勘違いしてしまいそうなほど呂律の回っていない声で、美優は目覚めの一言を発した。

 

「おはよう。よく寝れたか?」

「寝た。お兄ちゃんは……?」

「寝てはないけど、癒されてたよ」

「それはよかった」

 

 美優は体を起こして、軽く手櫛で髪を整える。

 

「お腹へった」

「そしたら、俺が何か作ろうか?」

「ううん。いいよ。こういうときは二人でダラけてないと」

 

 美優は手で口元を隠して小さくあくびをしてから、ベッドから降りた。

 

「どっちかが頑張ったら、もう片方も気を使っちゃうでしょ」

「なるほど。じゃあ、どこかに食べに行くか」

「うん」

 

 美優は気の抜けた足取りで部屋を出ると、洗面台で顔を洗って、最低限の身嗜みを整えたぐらいの時間で戻ってきた。

 

「行きましょう」

 

 美優は俺のTシャツをダボっと着たショーパンスタイルのまま、お出かけ準備完了の合図をくれた。

 

「その格好でいいのか?」

「今日はね。お兄ちゃんも一緒だし」

「そうか」

 

 美優が気にしないのなら俺があえて口を出すことでもない。

 俺は財布とスマホを持って、美優と二人で玄関まで下りた。

 

「遠くには行かないってことだよな。ほぼ近くの牛丼屋一択だけど」

「その牛丼屋さんなんかがまさしくいい感じです」

「なら、行くか」

 

 俺たちはスニーカーを履いて、外へと繰り出した。

 

「陽射しがないだけでもだいぶ違うね」

 

 ブロック塀に囲まれた道を並んで歩く。

 外気はまだ地面から昇る熱に暑くなっていたが、風が通り抜けると、肌を滑る空気は心地よかった。

 

 たっぷりとスキンシップを取ったおかげか、美優は俺にくっついてくることもなく、腕をぶらつかせて一歩先を進んでいた。

 

 ……俺はこれまで、そういう思考の順序で、物事を捉えていた。

 

「美優」

 

 手を繋ぎたくて、俺は美優の横まで早足で追いついて、俺から手を差し出した。

 

「ん? この手を握ればいいですか?」

 

 美優は一瞬だけニヤけて緩んだ顔を隠して、わざとらしくそんな質問をしてきた。

 

「そうしてもらえるか」

「いいよ。私とお兄ちゃんはラブラブだもんね」

「ああ。まあな。もちろんだよ」

 

 急に距離を詰めてくるそのセリフに、さすがの俺も照れ臭くなって、意味もなく標識を目で追った。

 夏の空気に包まれているはずの顔が熱い。

 美優はそれをからかうように微笑んでいた。

 

 歩いているうちにも陽はどんどん落ちていって、街灯と住宅の明かりだけが夜道を照らしていた。

 

 美優の手は小さかった。

 

「手を繋ぐのは、初めてだな。こうして出かけるのも」

「今日は初めて尽くしだね。おめでたい日だ」

「本当に牛丼でよかったのか?」

 

 俺は真面目に聞いたつもりだったのだが、美優は勿体ぶりに「だから良いんだよ、お兄ちゃん」と言うだけで、その先を話さなかった。

 意味がないわけがないのだから気付けと、そう言いたいわけだな。

 

「牛丼を食べてみれば、美優の言っていることが理解できるようになるだろうか」

「可能性はあるね」

 

 店に着いて、二人が足を揃えて止まったところで自動ドアが開いた。

 券売機で一番安い牛丼を二つ頼んで、俺と美優はカウンターに並んで座る。

 

 牛肉には頭を良くするような栄養素は含まれていなかったはずだが、可能性があるのなら食べないわけにはいかない。

 

 二分ほど待って出てきた牛丼は、見慣れた丼どんぶりに見慣れた牛肉が乗せられた普通の牛丼だった。

 

「いただきます」

 

 それを俺たちは、普通に食べた。

 

 新しい食べ方を教えてもらったわけでもなければ、会話が弾んだわけでもなく、いつものように行儀良く箸を持つ美優が米と牛肉を口に運んでいくのを隣で眺めていた。

 混み合うことのない店の中にはお喋りをする人たちもおらず、アニメとのコラボキャンペーンを紹介する放送とBGMが流れているだけ。

 

「美味しいか?」

「妥当な味」

「だよな」

 

 美優はまたヒョイと米を箸で摘んで、それを口に運んでモグモグする。

 その横顔は至って真顔で、安い牛丼をありがたがるわけでもなく、普段から食卓を囲んでいる姿と何も変わりなかった。

 

 でも、そうか。美優は室内着だ。

 

 髪を梳かしただけの簡単な身支度で、その服装は見る人が見れば地元の人がちょっと出歩きにきただけなことがすぐにわかる。

 兄妹ではなく男女として俺と美優を見れば、そこにいるのは『雑な格好で出てくるようなそれまで』をしてきた二人なのだ。

 

「ごちそうさま」

 

 そして、食事は終わった。

 美優は箸を置いて手を合わせると、「ふぅ」と息を吐いて、俺に顔を向ける。

 

「出ますか」

 

 結局は、俺と美優は牛丼を食べただけ。

 でも、二人は両想いで、手を繋いで帰る道が少しだけ遠回りになるのも、言葉なく合意されていた。

 

 俺たちは愛し合っていて、だから、愛し合った。

 

「俺たちはさ。結構、仲のいいカップルだよな」

 

 美優が初体験を終えた後のシメを家の近くの牛丼屋で済ませようとした理由は、俺の人生で確かに変わったものを認識させたかったからだ。

 ベッドの上で奥深くまで触れ合って、俺たちはもう、十分に特別な時間を過ごした。

 だから、俺たちに必要なのは日常であって、気合の入った手料理や高いレストランではない。

 もしそうした緊張感のある空間に身を置いていたら、きっとこの感情はその特別の中に埋もれてしまっていた。

 

「そっか。お兄ちゃんはナチュラルに変態だから、こんな事後でもそんなに乙女チックなんだね」

「あれ俺なんかいい雰囲気のこと言ったはずなんだけど」

 

 俺と美優のテンションには大きな隔たりがあるようだった。

 どこで間違えたんだろうか。

 

「これから国語の授業するね。今日はお兄ちゃんにとってどんな日だったかな?」

 

 美優は暗くなった道を歩きながら、黒板にチョークで字を書くように人差し指を動かした。

 

「捻りなく答えるなら、美優の初めてを貰った日、かな」

「はいダメです違います」

「え、あの、これ、国語の授業なんだよな?」

 

 国語の授業だとするならば、いわゆる「登場人物の心情を答えよ」などに代表される、答えがあるのかないのかわからないタイプの問題になるわけだが。

 美優先生がそんな悪問を出すだろうか。

 

「出題者の気持ちになって考えてみてください」

 

 出題者、つまりは美優の立場になって、今日がどんな日だったかを俺を主語にして考える。

 

 美優にとっても、処女でなくなったことが一番印象的な出来事であるはず。

 そして、それを俺がどうしたかで言い表すと、なるほど美優の発言の中に答えはあったわけだ。

 

「妹を非処女にした日か」

「その通りです。私はついさっきお兄ちゃんに非処女にされました」

「う、うん」

 

 どうにも罪悪感を感じる物言いだが、そういう感性で今日美優としたことを思い出すと、その記憶はまた違った印象になった。

 

 俺と仲良しに、手を繋いでいる、このちっこい妹。

 

 背筋をピンと伸ばして澄ました顔で歩く、この黒髪ロングな清楚系ロリ美少女を、俺はさっきまで肉穴にペニスを突っ込んでアンアンと喘がせていた。

 

 こんな毒舌クールな妹が、ひと皮剥けば性欲は獣のようで、牛丼屋でさえ物音ひとつ立てずに上品に食事をするくせに、セックスのときはダラシないほど愛液を漏らしてぐちょぐちょと音を響かせる。

 

 日常の中で意識されてこなかったそれらは、あえてその日常の中で思い返されることで、刺激的な変態性が浮き彫りになった。

 

「たしかに処女を貰ったなんて可愛らしいものではなかったな……」

「最後に後ろから無理やりされたの忘れてないからね」

「す、すまん。つい勢いで」

 

 俺と美優は仲良しカップルになったと同時に、エッチに関しては美優を俺の物にした側面が強い。

 これだけ文句は言っているが、またエッチになったら美優はされるがままだ。

 

 あるいはそれは、美優と由佳の間にあった、見えない絆のように。

 『性欲のままにエッチをして後で美優に説教される』というプロセスが、俺たちだけの恋人らしいやりとりなのかもしれない。

 それをお互いに認め合った今日という日は、俺たちが恋人としてステップアップすることができた記念日だ。

 

「お兄ちゃんさ、ゴムはいくつ持ってるの?」

 

 美優がそんな疑問を投げかけてきたのが、ちょうどコンビニを通り過ぎて、美優がそれを一瞥した直後だった。

 

「二個あるよ」

「二箱?」

「いや、二回分」

 

 美優に二箱かと聞き返された時点で、およそどのような思考が美優の頭の中で行われたのかはわかっていた。

 

「足りないかな?」

「うーん。私は、なんとも」

「一応、自制のために少なくしてて。あったらあった分だけ使いそうだし」

「それは賢い判断だね」

 

 その会話を終えた後で、俺と美優の足が止まる。

 

「え、どうする?」

 

 美優が尋ねてくる。

 

「今夜は、お互い難しいだろうし。明日は二個あれば足りるかな」

「私は……お兄ちゃんの性欲に従うけど」

 

 さらっととんでもないことを言ってきたな。

 

「したくはなるだろうけど。さっきも言った通り、たくさんあるとしすぎる可能性もあるからな」

「だよね。うん。なら、私も少ない方がいいと思う」

 

 そう結論を出して、俺たちは前に歩き始めた。

 

 そして、その三分後。

 

 俺たちはそのコンビニの前までやってきていた。

 

「買っとくか?」

「いや、私はただ、この時期は暑いから外に買いに行くの面倒だろうし、どうせしたくなったら買ってでもするだろうから、ついでに買ってったほうが楽じゃないかなって言っただけで」

「ああ、そういうことか。まあ今はネットで注文もできるから」

「そっか。なら、いらないかもね」

 

 ここまで戻っておきながら、結局は同じ結論が出た。

 そして、買わないと決まったのだから、早く帰ればよいものを、俺たちはなぜかその場に立ち止まっていた。

 

「ネットでもさ。もし、仮に、配達までにたくさんしたくなったら、買いに行くか迷うことになるんだよね」

「そうだな。でも、たくさんしたくなったときに一度立ち止まれるように、個数制限を考えてて」

 

 そうして議論は振り出しに戻った。

 

 でも、美優がどうしてもゴムが二個しかない状況に不安を感じているようだったので、そこは解決してあげた方がいいのかとも思えてきた。

 なかったから生でしたなんてことになったら最悪だからな。

 

 今後、俺たちの性本能がどう悪化するかはわからないし、それなら性欲の発散をある程度ルーティン化しておいたほうが安全かもしれない。

 

「念のため、一箱だけ買っておくか」

「そう? お兄ちゃんがそう言うなら、私は止めないけど」

 

 この理性的なはずの美優がどうしてかコンドームの少なさを心配するので、俺たちはコンビニに入ることにした。

 

 そして、いつものように薄いコンドームを選んで、俺たちは、そこでもまたこっそりと相談をして。

 

 結局は、「最後にちょうどよくそれだけ残っていたから」という美優の助言に従い、二箱ほど購入して家に帰ることにした。

 

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