「おまたせしました」
園内の化粧室の前で待っていると、まだ腫れの引かない目元以外は元通りの山本さんが戻ってきた。
予定されていたイベントもほとんどが終わって、残っているのは宿泊予定の客ぐらいになっている。
辺りはすっかり暗くなっていた。
「落ち着いたみたいでよかったよ」
当たり障りのないことしか言えなかった。
これから帰りの電車に乗って、最寄りからはバスに乗り換えて、それで、俺と山本さんの夏は終わりだ。
少なくとも、友達を超えた関係としては。
そのはずだったんだけど。
「あの、さ。今夜は……うちに、泊まらない?」
山本さんは後ろ手に指をなじって、首を傾げて、ぎこちない笑顔だった。
まさかの申し出だった。
ここまであからさまな決着がついたのだから、山本さんもすんなりと身を引くものだと思っていた。
しかし、そう提案してきた山本さんの口調は、俺を繋ぎ止めるために必死になっているという風でもなく、何かの目的があって俺を誘っている様子だった。
「もしかして……」
そこには、半ば確信的なものがあった。
「美優から何か言われてる?」
俺がそう尋ねると、山本さんは静かに頷いた。
こうしたまさかの展開が起こったとき、大抵は美優が絡んでいることを、俺もさすがに学習している。
それはおそらく、山本さんが俺の介護にやってきた日のことだ。
隣の部屋で美優と二人きりになった際に、山本さんはそこで何かしらの取り決めを交わしていたんだろう。
「山本さんがいいなら。俺は、構わないけど」
だから、俺は承諾した。
「ありがと、ソトミチくん。じゃあ、帰ろっか」
閑散とした遊園地を後にして、帰りの電車に運良く並んで座ることができた俺たちは、それでも会話の糸口を掴めずに無言のままだった。
座席から伝わる振動だけを感じながら、俺は美優に送ったメッセージをぼーっと眺めていた。
『全部、終わったよ。これから山本さんの家に行ってくる』
こんな結末で山本さんは幸せだったのか。
たしかに、中途半端な後悔を引きずり続けるより、こうして白黒つけたほうが山本さんのためにはなったのかもしれない。
でも、山本さんの好意を高めるだけして、それを踏み躙るような別れ方はしないって、美優は言っていたのに。
帰り道、友達の関係に戻ったはずの俺たちは、友達だった頃ほどの会話をすることはなかった。
一見すると元気になった様子の山本さんに、俺はどんな話題を投げかけたらいいのかがわからず。
最寄り駅で電車を降りて深夜バスに乗り込んでから、ようやく山本さんが口を開いてくれた。
「明日から学校だね」
目を合わせないままの会話。
今日で夏休みが終わって、始業式の後には授業が始まる。
その後には受験勉強の忙しさに追われることになるんだろう。
「そうだな。なんだか変な感じがするよ」
このひと夏で俺と山本さんには色んな事があった。
それ以外にも、俺には美優やその友人たちとの、人には語れないような出来事があって、ずいぶんと濃い夏を過ごしたものだ。
そんな思い出も、学校が始まれば日常へと溶けていく。
俺と山本さんはクラスメイトで、結果だけを見れば夏の前後で関係には何も変わりはない。
それでも、次に学校で顔を合わせることになったとき、俺はまた前みたいに話せる自信がなかった。
これから、どんどん、疎遠になっちゃうのかな。
フった側の俺が言える立場ではないんだけど。
それは、すごく、寂しいことだと思った。
「はぁ~。ソトミチくんと上手くいってたら、みんなに彼氏ができたって言うつもりだったのになぁ」
「マジ? 俺、殺されそうなんだが」
「へーきへーき。きっと時間が解決してたよ」
俺と山本さんが恋仲になって、学校中で恨まれたりチヤホヤされたりして。
そんな、ありありと想像を膨らませられた未来も、すでに儚い妄想に変わった。
デートに来る前の山本さんは、俺の彼女になった未来を考えていたのだろうか。
それを思うと余計に胸が苦しい。
明るい会話だったはずの俺たちの声は、そこで途切れた。
バスに乗っている間、俺は怖くて山本さんの顔が見れなかった。
美優からの返事はまだ来ていない。
通知を見るだけしてメッセージは受け取ったのか、あるいはもう寝てしまったのか。
考えているうちに山本さんの家の近くのバス停についていた。
バスを降りてから、俺たちは腕が触れ合うぐらいに寄り添って歩いて、それでも山本さんの部屋に着くまで、もう手を繋ぐことはなかった。
「どうぞ、お上がりください」
「なんだか久しぶりに感じるよ」
「うん。そうだね」
ここは俺と山本さんが愛を育んだ部屋でもある。
山本さんにとっても、俺をここに連れてくることは辛い記憶を呼び起こすはずなのに、どんな目的で部屋に招いたのだろうか。
「ソトミチくんにね、最後の、お願いというか。実は、一つだけやり残してることがあって」
「やり残してること?」
居間に入って、座る場所に悩む俺に、山本さんはそんなことを言った。
「お手紙を渡さないといけなくて」
「あっ、ああ……」
その言葉を聞いて思い出した。
俺がこの部屋で見つけた中身のわからない洋封筒。
山本さんはそれを失恋レターだと呼んだ。
美優が渡したらしいそれは、言葉通りの物でしかなくて、山本さんに俺へのさよならを告げさせるための手紙だった。
山本さんはマットレスの隙間に入れられていたそれを引っ張り出して開封する。
折りたたまれたA4サイズの紙を広げると、山本さんはそれを俺に渡してきた。
「いままで、私のわがままに付き合ってくれて、ありがとうね。美優ちゃんにも、ソトミチくんにも、本当に感謝してる。……で、だから、その……そこに書いてることは、履行したいなぁって……思ってるんだけど……」
急にモジモジし始めた山本さんを怪しく思いながらも、俺は手紙に目を通した。
それは、ある条件をもとに、山本さんが俺への恋を完全に諦めることを約束した誓約書だった。
用紙の最下段には美優の筆跡と思しき署名がついている。
そして、その条件とは──
「というより、どちらにも拒否権はないんですが……」
「えっ……これが、美優から……!?」
要約すると『別れる前に俺と好きなだけセックスしていい』という文言が書かれていた。
当初よりこの約束は、俺とセックスをすることで山本さんに未練なく別れさせるために交わされたもので、おそらくは俺が山本さんをフッたあの日に渡されるはずだった。
山本さんの部屋から帰宅して、風呂場で美優に事の顛末を話したときに、俺が山本さんとセックスをしなかったことを驚いていたのはこの約束があったからだ。
「だから、あんなに本番を避けてたのか」
契約の履行は持ち越しになって、恋心を捨て去ることも保留した山本さんは、自分の意思で俺とセックスすることができなくなった。
ラブホテルで俺に襲わせたのは、どうしても我慢ならなくなった山本さんの苦肉の策で、それだって美優の側から俺を射精させる許可が出ていなかったら諦めていたことだろう。
「これはもっと早くに渡すはずのものだったから。もう、効力としても怪しいし、逆に約束を守る必要もなかったんだけど」
それはラブホテルに行ったときにも聞いた話。
そこにはこういう裏があった。
誓約書の扱いが曖昧になって、美優の策略によって正常な判断能力が失われても、その約束の形だけでも山本さんは守り続けた。
「でも、遊園地では、もう制限はなしだって」
「それは、ね。どっちに転んでも今日で決着かなって思ってたから。ソトミチくんが私を求めてくれるなら、それはそれでもうこんな誓約書なんて意味は無くなるし」
でも、結局は俺が山本さんのものになることはなく、いまはこうして、細い約束だけが残っている。
この山本さんとのセックスは美優も合意している。
わざわざ紙にして署名までしたのはそのためだ。
どんな流れでこの状況に至ろうと、俺が美優に確認を取る必要がないように。
「なるほどな。……で、拒否権がないってのは?」
聞こえていたけどあえて後回しにしていた。
どこかの悪魔の囁く姿が絵に浮かんだからだ。
「もし私が負けを受け入れたら、それがどんな結末だったとしても、絶対にこの手紙の中身は実行しろって……美優ちゃんが……」
こんな状況まで見越しておいて、やっぱり悪魔だなあいつは。
しかし、そうか。
この終わりを残酷なものにするかどうかは、俺次第ってこともでもあるよな。
「するよ。俺も、したいから」
俺にも繋ぎたい望みがあった。
こんな中途半端な別れだけはどうしても受け入れられない。
俺が強くそう思ったのだから、つまりはそういうことなんだ。
「ほんと!? あ、ありがと……」
山本さんは感謝を口にしてから、その誓約書に履行済みとしてのサインを書き加えて、それを封筒に戻した。
たくさん泣いて、一区切りがついたから、もう気持ちの整理もできただろうなんて、ここまで付き合わせた俺がそんな雑な片付け方をしていいはずがない。
最後まで俺らしく足掻くんだ。
こうして俺が考えることだって、美優はお見通しなんだろう。
「ソトミチくん」
手紙を仕舞った山本さんは、指先に迷いを残しながらも姿勢を伸ばして立って、俺と向かい合った。
「私、今でも……たぶん、これからも、ずっと。ソトミチくんのこと、好きだからね」
それは、俺たちにとって、とても大切な。
でも、もう何の意味のない告白だった。
「俺も、山本さんのことは、ずっと好きだよ」
告げられた言葉に、本音を返すか、迷いはしたけど伝えることにした。
いずれは真実を受け入れるしかない山本さんに対して、嘘をつくことには意味がないと思った。
この夜に残された時間も俺は正直でいよう。
今にしてわかったんだ。
この手紙がどれだけ山本さんを苦しめてきたのかを。
美優は俺に、山本さんが望むままにデートをして、エッチも許して、できうる限りの彼氏らしい振る舞いをしろと言った。
俺はその指示に従っている間、山本さんとの距離は縮まっていくばかりで、いつかは本物の恋仲になってしまうのではないかと心配ばかりしていたけど、現実は真逆で。
どれだけ俺との楽しい時間を過ごしても、部屋に帰ってくればまた、山本さんこの手紙によって現実に引き戻される。
静まり返った、一人きりの場所で。
二人の仲が恋人らしいものへと近づくほどに、冷静になってしまったときの苦しみは激しくなって、それはいつしか山本さんから理性を奪うほどになった。
だから、その呪縛から抜け出すことのできる唯一の道として、山本さんは美優に持ち出された勝負に縋るしかなかった。
美優と俺の仲を応援したい気持ちと、俺の一番になりたい想いの、その自己矛盾に苛まれ続けて、最後に踏み込み過ぎた結果が、今日なんだ。
いわばそれが、美優が山本さんに掛けた、魔法だった。
「……エッチの前に、シャワー浴びよっか?」
「そうしようか。だいぶ汗もかいたし」
山本さんと俺は風呂場に移動して、そこでお互いに服を脱いだ。
当たり前のように一緒に入ることにしてしまったけど、どうせこれからセックスをするのだし、気持ちを慣らすにはちょうどいいよな。
山本さんのむっちりとした裸に、乳首はピンと勃っていて、山本さんはこっそりと洗濯機にパンツを放り込んでいたが、この様子では股の濡れ具合も相当なものだろう。
「ううっ……そんな目で見ないで……」
惨めさという種類の羞恥に耐えられず、山本さんはその裸体を腕で隠した。
どうしてこんな状況で興奮してしまうのかと、情けなく思いながらも欲情してしまうことへの申し訳なさは、俺がこれまでのエッチで長いこと経験してきたものだ。
だから、その気持ちは非常によくわかる。
俺はトイレで抜いてもらったから比較的に性欲は落ち着いているが、山本さんは朝からずっとお預けをくらっているのだ。
美優の命令によって強制的にエッチをすることになったとはいえ、好きな人とのエッチが何より好きな山本さんが、この状況に興奮しないわけがなかった。
「あ、あの……」
山本さんがいじらしくねだるような視線を向けてくる。
「キスは、したら怒る?」
セックスが許可されているのだから、キスぐらい……と、普通の男女ならなるのだろうが、交友関係においてまずエッチが先にくる俺にとって、その質問がなされるのは当然のことだった。
「怒らないよ。山本さんからしづらいなら、俺からもタイミングを見てするから」
「ほんと? それは、嬉しいな」
山本さんは淑女然とした雰囲気になって、俺の提案を喜んでくれた。
「と、いうことでだな」
キスではないんだけど、と申し訳なさを呟きに滲ませながら、俺はパンツを脱いだ。
こんな流れでちゃんとセックスができるのか心配していた俺のイチモツは、きっちりとビンビンになっていた。
欲情されると嬉しい、とは美優の口癖だが、山本さんが俺とのセックスに興奮してくれているのがわかって俺も感化されてしまったのだ。
山本さんは俺の勃起に視線を落として、それから、少しだけ笑った。
「この硬いのにキスすればいい?」
「あいや、そうじゃなく……普通にフェラを……、まあ、キスもしてもらえるなら、お願いしたいけど」
「うふふ。はーい」
山本さんはしゃがんで、たっぷりのキスをペニスにしてから口に咥えた。
わざわざシャワーを浴びる直前で、すぐにお湯でキレイにすることもできたのに、山本さんは何ら迷いを抱くこともなく陰茎を舐めてくれる。
トイレでしてもらったときとは違って、貪るような舌使いではなく、トイレで出した後の精液の残滓を丁寧に舐め取るようにしゃぶってくれた。
「じゅっぷ……ちゅくっ……じゅるっ、じゅぱっ……んっ……」
「うっ、あぁ……気持ちいい……」
この慎ましやかな感じ、たまらない。
女の子が粛然とフェラをしてくれるだけで俺の心は満たされる。
「へろっ……むちゅ……ぱぁ……、結構、調子良さそう?」
「ああ、だいぶな。念のため、本番まで射精は控えるけど」
「ふむふむ」
山本さんはまた咥えようとして、亀頭をぺろっとだけして、また口を離した。
「記念にパイズリもしておこうか?」
「お、おう。そうだな」
なんの記念かは分からないけど。
山本さんは両手で左右の乳房を持ち上げて、それで俺の陰茎を挟み込んだ。
「ん、しょ……はぁむっ……ちゅぶっ……」
「あ、ああっ……いっ、やば……」
たゆんたゆんと揺れる山本さんのおっぱいに俺のペニスは包まれて、ギリギリで見え隠れするその先端が、浅いフェラチオによってぐぽっぐぽっと控えめながらも淫靡な音を立てる。
「ううっ……ちょっと、良すぎるなそれ……あっ、あっ……」
「むふふ。ちゅるっ……じゅぽっ……じゅっぷ……我慢汁、美味しい……あむっ……じゅるっ……」
「く、うぅあっ……」
まずい、射精しそうだ。
性欲には自信があるけど、いまは一瞬でも賢者タイムに入ってしまったら、その先を上手くやれる気がしない。
「はむっ、ちゅぷっ……ちゅっぱっ……」
「す、ストップストップ。もうイっちゃいそう」
「ん? そう? じゃあふーふーしないと」
山本さんは俺の肉棒をおっぱいと口内の熱から解放して、ふーっと優しく息を吹きかけてきた。
その瞬間、俺のペニスがビクビクッと激しく疼き上がった。
「あっ、うああっ……! そ、それも、ダメなんだ、ごめん!」
「このふーふーも美優ちゃんで経験済み?」
「……う、うん」
「まったくスケベな兄妹なんだから」
俺が瞬間的に射精を我慢できなくなると、それが美優との経験に紐づいていることがバレてしまう。
難儀な体質になったものだ。
「そしたら、次はシャワーだね」
「ああ。同時に洗うでいいんだよな?」
「ん? うん。んふふ」
山本さんは俺の質問に含み笑いを浮かべた。
わざわざ一緒にシャワーを浴びるのだから、交互に洗い終わるのを待つのでは意味はないし、つまるところそれは洗いっこをするという暗黙の同意を示している。
浴室に入って、先に洗われる側になるのは山本さんだった。
俺は石鹸を専用のネットで泡立てて、それを山本さんの体に塗りたくっていく。
どこもかしこもモチモチでエロい。
「ソトミチくんの硬いのがお尻に当たってる」
「どうにかベッドまで保ちそうだよ」
「やった」
俺は興奮を維持するためという名目の元に、山本さんの指に収まり切らないほど大きい胸を揉みしだきながら、ペニスを擦り付けた。
膝を伸ばしている状態では入るはずもないのに、肉棒が石鹸でぬるっとしてるだけで、途端に生挿入を連想した脳から危険信号が発出されて、それがドキドキに変わっていく。
妹に興奮してしまうこともそうだが、こうしたスリルに昂ぶってしまう体質もまた自制していかなければならない。
俺が子作りする意思を示したら美優は絶対に断らないからな。
「ベッドでするときは、ゴムはつけるんだよな?」
念のための確認。
仮に遊園地でのことが上手くいっていたとしても、山本さんはゴムありでセックスをする予定だったみたいだし、それは今でも変わらないはずだとは思っている。
「つけるよ。ピルを飲む約束は、避妊を確実にするためだから。それになんだかんだ言っても、私も生は未経験だし……中出しはまだちょっぴり怖くて……」
「なるほどな」
責任を取る覚悟と、いざ身籠ってしまうことを考えたときの未知への恐怖は、また別のものだ。
エッチの快楽で高揚しているときならまだしも、中出しをするのはピルを飲んでいても怖い。
それが普通。
そう考えると、実の妹にがっつりと中出ししている俺って……。
美優と生でヤリまくっていることは、聞かれるまでは黙っておこう。
「次はソトミチくんの番だよ」
「お、お手柔らかに」
「安心して。射精させないようにちゃんと加減するから」
山本さんはネットで石鹸を泡立て直して、それを両手につけてから、まだお湯で流していない肢体の隅々までを使って俺の体を洗ってくれた。
「うっ、ふぅ……山本さんの体って、こういうプレイに使うと凶器だよな……」
「ソトミチくんならタダで時間も無制限ですよ」
「気持ちよすぎて申し訳なくなってきた……うっ、あっ……!」
首や下腹部などの敏感なところは、手で直接弄られて、それ以外の部位は山本さんのおっぱいがキレイにしてくれた。
硬いままの乳首を背中に感じて、前方で放置されている肉棒がピクピクしている。
それから、山本さんは俺の横に回って、谷間と股の間でそれぞれ俺の腕と脚を挟み込んで体を上下させた。
「ま、待って、それやばい、マジでイク……!」
「えー? おちんちんには触ってないよ?」
「それでも、おっぱいの刺激が強すぎて……」
「あらあら。なら仕方ないから洗い流しちゃおっか。腕をおっぱいで挟まれるだけでイッちゃうソトミチくんも見てみたかったけど」
「な、何卒、ご容赦を」
山本さんは悩ましく上下させていた体の動きを止めて、もう何回も寸止めを食らっている肉棒をエッチな刺激から解放してくれた。
それから山本さんはシャワーからお湯を出して、二人分の泡を流した。
「楽しいね、ソトミチくん」
「ああ」
そうして、すっかりと体から泡が消えた後も、山本さんはしばらくお湯を出しっぱなしにした。
どちらから声をかけることもなく、浴室にはシャワーの音だけが響いて、背後の山本さんのことは見えていないけれど、自分の体にかけるためにそうしているわけではないことはわかっていた。
しばらくして山本さんはお湯を止めた。
シャワーヘッドを台に掛けて、ポタポタと、髪の毛から水滴が滴る。
とんっ、と背中に乗る重みがあった。
さっきまで賑やかだった浴室は嘘のように静まり返っている。
山本さんが泣いていた。
「うー……どうしてこうなるの……」
楽しいことだけに没頭したい。
だが、それも今となっては容易いことではなかった。
「やっぱり、やめようか?」なんて言葉もチラつくほど、山本さんは辛そうで。
いくら美優からの命令でも、俺が断れば終わりにできてしまうこの夜は、しかし──これまでで一番の強さで抱きついてきた山本さんの踏ん張りで、もう少しだけ頑張ることになった。
「よーし! 本番、いっちゃおう!」
「そんなに元気で大丈夫?」
「うん! ふとしたとき以外は、大泣きしてからはほんとに楽になってるの。だから、またこんな風に落ち込んじゃうことがあっても、すぐに回復するから、見守ってて」
「わかった」
俺たちは浴室から出て、体を拭いて、服は着ないままベッドに移動した。
エッチが始まってしまえば、またイチャイチャした世界に没入できるはず。
そう信じて、まずは膝立ちで山本さんにフェラをしてもらって、竿にコンドームを装着した。
仰向きに寝転がる山本さんに、正常位で挿入をする、ごくありふれた恋人らしいセックス。
俺は山本さんの蜜口に勃起したペニスを触れ合わせた。
「山本さん、いくよ」
「きて。いっぱい、感じさせて」
俺は山本さんの膣内にペニスを挿入して、それからしばらくは緩慢な動きを続けた。
そのほうが山本さんに竿の感触が伝わりやすい、というのもあったのだが……。
何よりも、シャワーの最後であんなことになってしまったせいか、思っていたより膣内の濡れ具合が足りず、激しくすると痛くしてしまいそうだった。
「山本さん、気持ちいい?」
「うん。すごく、いい。だから、続けて」
言葉だけの返事だった。
でも、山本さんにはそれ以外に選べる答えがなかった。
ここで気持ちよくないと口にしてしまったら、山本さんにとって最後のセックスの記憶は、また悲しいだけのものに塗り替わってしまう。
「……ソトミチくん。やっぱり、お願い。キスして。そしたら、きっと濡れるから」
山本さんも自身の具合はわかっていて、俺を誘うように腕を伸ばしてきた。
本当なら俺からのキスを待っていたかったはずなのに、それを無視してまでキスを求めたのは、山本さんがもう限界だったからだ。
俺は山本さんの首の後ろに腕を回して、体を密着させて、抱きしめながらも舌をねじ込んだ。
触れるだけのキスでは今の山本さんには足りないことがわかっていた。
同調するように山本さんからのキスも激しくなって、俺たちはこれ以上に密着しようのない体の隙間を、それでも埋めるようにして腕の中に引き合っていた。
「んっ……ちゅっ……はぁ……んんっ……ちゅぱっ……! そとみち、くん……じゅるっ、ちゅっ……ちゅぱっ……ふぁあっ……はぁ……!」
「はぁ、んんっ……やまもと、さん……ん、ちゅるっ、じゅっぷっ……!」
互いに貪るようなキスをした。
欠けた心の足りないものを埋めるように、快楽よりもその激しさだけを求めて、邪魔な思考など入り込む余地がないほどの行為に耽っていく。
そこには満たされるものなど何もなくて。
やがてその激しさにすら慣れた体は、悲哀という感情をチラつかせて、山本さんは俺と唇を離すと、泣きそうな顔で俺の腕を掴んだ。
「ソトミチくん……もっといっぱい挿れて……もっと、奥を……強く突いて……!」
山本さんに懇願されて、俺は力いっぱいに腰を振った。
労りなどない強引なセックスで、それでも山本さんが辛いことを一時でも忘れられるならと、俺は硬い肉棒を何度も膣内で突き上げた。
だが、どれだけピストンをしようとも、いつものように愛液が溢れるあの水音が響くことはなかった。
いつしかそんな行為の無意味さをお互いに悟って、それがわかったから、俺は腰を動かすのをやめた。
それからしばらくは、息の上がった二人の呼吸だけがあって、ドクドクと激しい脈がこめかみを通り抜ける感覚だけに救われていた。
山本さんは涙の潤んだ顔を、両手で覆った。
「どうして……私……こんなにわがまま言って……もう済んだはずなのに…………まだ……」
気持ちよくなれないのは、後悔があるからだと。
後悔があるのは、俺への気持ちを捨てきれないからだと。
山本さんは自分を責めた。
手紙を渡してからのセックスは、恋の終わりを誓ったもの。
俺への恋心を完全に捨て去るという約束だけはどんなことになっても守らなければならない。
しかし、こんなセックスが最後になるのは、山本さんにとって死ぬよりも辛いことだった。
「ねえ……お願い…………お願いだから……私、やっぱり……」
そして、ついには山本さんは口にしてしまった。
言葉にしてはならない、その最悪を。
「二番目でいいの……ただの、セフレだって、いいから……。これからも、私と……」
今日という日の、その全てを無駄にする願いだった。
それでも、俺は山本さんの気持ちが理解できてしまったから、慰めることも諭すこともできなかった。
いつしか山本さんの瞳からは、それを叶えようとする意思は薄れていって、それでも消しきれなかったその想いは、心の奥底にひた隠しにされた。
「ソトミチくん」
山本さんの声は震えていた。
「キス、して」
涙を流したままの精一杯の笑顔で、もうそれだけしか望めるものがなくて、最後のひと欠片に望んだのが口吻だった。
俺は山本さんの頬に両手を添えて、親指で涙を拭った。
溢れてきたばかりのそれはとても冷たかった。
結局は何もしてあげられないまま。
キスをしてしまったら本当に全部が終わってしまう気がして、俺は慰みに応えたい想いを必死に堪えて、掛ける言葉を探した。
それでも、どれだけ考えを巡らせても、山本さんを救える方法は見つからなかった
責任を取ると意気込んだところで、そこに能力が伴わなければ、結局は後悔することしかできないのだと。
自分の無力さを、ただ思い知らされるだけだった。
「他人の彼氏とヤリまくっておいて、よくもまだそんなわがままを言えるものですね」
凛とした声が通り抜けた。
視界の外、ドアのある方から、聞こえるはずのない、いや聞こえてはならない人物の声が、はっきりと俺たちの耳に届いたのだった。
「えっ──」
俺がその音源の方へ振り返ると、そこには見間違えようもない、俺の実の妹が相変わらずの仏頂面で、腰に片手を当てて立っていたのだ。
おっぱいの膨らみが目立つTシャツに、珍しく短いスカートを合わせて、細身ながらもムチッとしたふとももを露出させている。
「み、美優!? おまっ、な、なんでここに!? ドアには、たしかに鍵を……!」
突然の美優の出現には山本さんも驚いていて、目尻から流れていたものも乾いていた。
行為の最中はいっぱいいっぱいだっただろうから、もしいま美優が侵入してきたのなら気づかなかったのも仕方ない。
だが、何かしらの方法でこの部屋に潜んでいたのであれば、さすがに山本さんが察知していたはず。
「誓約には文面外の条件が二つあるんだよ」
美優は俺たちに近づきながらそう言った。
あの契約を交わすための取り決めの一つが、山本さんがピルを飲むこと。
そして、二つ目のそれは……
「私にスペアの鍵を渡しておくこと」
美優は我が家のものではない鍵を取り出して、それをテーブルに置いた。
「奏さんなら、いざともなれば腕づくでお兄ちゃんを部屋に監禁したり、強制的に中出しさせたりもできるから」
美優の言葉に、ようやく現状を理解した山本さんも反応した。
「し、しないもん」
「できるかどうかが問題なので」
「それは……できるかで言われれば……そうだけど……」
そうなのか。
まあそうだよな。
俺を動けなくすることも無理やり興奮させることも山本さんならワケはない。
俺が美優をオカズにしなければ射精ができないとはいえ、それも例の加工写真のようにいくらでも抜け道はあるのだ。
「とりあえず、一旦、場をリセットというか、まずは服を着てからだな」
俺と山本さんはまだ繋がっていて、それを引き抜こうとする俺を、なぜか美優が制した。
「いいよ、そのままで」
またわけのわからないことを言い出した。
「さっきは二人で、ずいぶんとキスで盛り上がってたみたいだけど」
ちょっと棘のある声で美優は続けた。
「キスがそんなに特別なんだ」
どうやら、美優はさきほどの山本さんの懇願を聞いていたらしい。
いったいいつから部屋にいたのやら。
「山本さんとは、まあ、な……」
今日が初めてで、それが最後になるのだから、セックスをするのとは別に満たされるものがあった、はずだった。
「ふーん」
美優は俺と山本さんの結合部に視線を落とした。
勃起はまだギリギリで維持されて、山本さんの膣内に挿入されている。
すでに由佳とのことで経験はあるとはいえ、セックスの真っ最中を見られるといたたまれない気分になる。
「気持ちいい?」
「それは、まあ……でも、いまは……」
山本さんの腟内が乾いてしまっているので、これまでに比べると快感の度合いは天と地ほどにかけ離れていた。
山本さんは申し訳無さそうな顔をしている。
俺も心から気持ちいいと言えるぐらいのセックスをしてあげたかった。
「これまでのは?」
「それはもちろん、気持ちよかったよ。他にないぐらい」
山本さんとのセックスはどれも幸せだった。
男としての悦と楽に満ち溢れる山本さんのご奉仕精神は、たとえ美優でさえ追いつくことはできないであろう境地に達していると断言できる。
特に本気の山本さんはすごかった。
カラオケでも、ラブホでも、トイレでも、射精のために尽くしてくれる山本さんに、恋人としての愛情も加わって。
他にはない──と、つい口をついて出てしまうほどに、山本さんとのセックスは気持ちがよかった。
「じゃあさ」
美優の顔が近づいた。
「私とするのと、どっちが気持ちいい?」
尋ねられた瞬間、脊椎まで凍るような感覚があった。
とんでもないことを聞かれていた。
この状況で、悲しみに明け暮れている山本さんを前に、していい質問ではない。
だが、そうだ──俺は大きな勘違いをしていた。
美優は徹底的にやると言った。
他でもないこの美優が徹底的にやると言ったのだから、ただ山本さんを泣かせたぐらいで、済ませるはずがなかった。
「気持ちいいほうに、キスして」
最低な命令だった。
しかし、それは山本さんにとって、因果応報と言えるものでもあった。
なぜならその質問は、まさしくこの部屋で、俺が山本さんとセックスをしているときに、山本さんが美優との通話中にしてきたものなのだ。
「お、同じくらい……かな……」
嘘はついたつもりはなかった。
なのだが、実際には俺はもう否定ができないほどのシスコンで、ロリコンなので、実のところ明確な答えは別にあった。
だが、その答えを聞くことは、山本さんからしたら、あるいは縛られて無理やり犯されるより酷い。
「強いて、どちらかと聞かれると、美優かもしれないけど……」
俺はどうにか無難な回答で乗り切ろうとした。
「言ったよね? 気持ちいいほうにキスしてって」
当然のごとく許されなかった。
キスをしなければならない。
山本さんよりも美優とのセックスが気持ちいいと感じている、その証拠として。
もうあんまりだってぐらい酷い仕打ちなのだが、それでも、俺にはそれができてしまえるのだった。
なぜなら、俺の体はもう山本さんと美優のエッチを比較をすることに、慣らされてしまっていたからだ。
「あの、ソトミチくん……? まさか、こんな状況で……」
せめて嘘だったとしても自分にキスをしてほしい。
そうすべきだし、そうしてくれると、山本さんは俺に対して思っていたのだろう。
でも、現実は非情なのだった。
俺にとっては妹とのセックス以上の快楽は存在しない。
これだけはまさしく天地がひっくり返ったとしても変わらない事実だった。
「山本さん、ごめん」
俺はそれだけ告げて。
「んっ……」
美優にキスをした。
下半身は、山本さんと繋がったまま。
「はむっ……ちゅっ……じゅっちゅるっ……ちゅぱっ……ふぁ……お兄ちゃん……」
「美優……っ……んっ……」
それから、俺は美優とキスをし続けた。
そのとき山本さんがどんな表情をしていたのかは、本当にわからない。
だが、問題が起こったのは、その次のことだった。
「んあっ、ふぇ? そ、ソトミチくん……なんだか、ナカが……あっ……!」
結合部を押さえて悶える山本さんは、急激に膣内へと伝わってきた快楽に混乱していた。
「おっ、おっき……いいッ……! だめっ、こんなの……あっ、あんっ……!」
美優とのキスによって、俺のペニスが奮い勃っていた。
濡れの足りない山本さんとのセックスで、萎えかけていたはずの肉棒が、またたく間に硬さを取り戻して山本さんの膣内で肥大化してく。
「ま、待って待って、なに、これ……ひゅごっ、あんっ、ああっ……!! ら、らめえっ……!!」
美優のせいでスイッチの入ってしまった俺のペニスに、山本さんが一人で感じている。
その最中にも、俺と美優はキスをしていた。
次第に熱を増していく舌の奪い合いに、横目で山本さんのことを見ていた美優は、少しの間だけ唇を離した。
「お兄ちゃん。奏さんとの契約は、まだ履行中でしょ? いつまでも止まってたら可哀想だよ」
美優は義理堅いのでこんな状況でも自らが認めたことは完遂させる。
それに対して、俺としてはこんな状況で山本さんとセックスをするのはよくないことだと思った。
だが、俺のペニスの肥大化によって、敏感なところに当たるようになってしまった山本さんの膣内が、気づけばびしょびしょになっていて。
そのあまりの気持ちよさに、俺の腰は勝手に動いていた。
「ダメダメっ、ストップ……こんなのイヤ、あっぐああっ、んああっ……ひぃふあぁあっ、あっ、あっ、おね、がい、止めてぇっ……!」
すでにイッているようですらある山本さんは、俺のピストンから伝わる快楽を、素直に受け入れることも、拒絶することもできなかった。
美優に無理矢理やらされているだけのセックスは屈辱的なのに、膣をペニスで刺激されて伝わってくる快感は、拒否できるはずなどない最上級の幸せだったのだ。
「うううっ……なんで……なんでぇっ……ソトミチくんと、してるのは……あっ、ふぁあっ、あああっ……私、なのにぃっ……!」
目の前で熱烈なキスを見せつけられて、それは自分とのセックスの気持ちよさを比較された結果で。
自分がこうして気持ちよくなれているのでさえ、自分の大好きな人とキスをしている、妹のおかげだった。
それは山本さんからしてみれば寝取られに等しい状況だった。
しかも、セックスをしているのは山本さんのほうであるにも関わらずにだ。
その屈辱は、過去すでに、同じ場所で味わっていたもの。
人生で二度目となる、セックスをしている側での寝取られだった。
「うっ、やば、これ……出そうかも……」
山本さんとは別に、俺もイきそうになっていた。
由佳としたときから俺の体は女の子に無理やりすることで興奮するようになっている。
「出しちゃえば?」
「それはさすがに……」
あまりにも行為の相手を軽視しすぎている。
当然、山本さんは俺たちの会話を聞いていて、
「イヤッ……そんなのやだぁ……! そとみち、くん……んあっ、ああっ……私の、こと……見て……!」
山本さんはイキそうになる俺を止めようとしてきた。
それでも、美優からのゴーサインを出された俺が、パンッ、パンッ、と腰を打ち付けると──
「ひぃいあっ、ああっ……んぐぅああっ、あっ、ああっ、あんああっ……ふぁ……ああああっ……!!」
山本さんは快楽に喘いで、それからは何も言語として発することができなくなった。
「お兄ちゃん、我慢しないで」
美優に促されて、それから、俺は再びの美優とのキスをして。
舌を絡ませながら、ほんの少しだけ押し付けるような美優の愛のこもったくちづけに、びゅくっ、びゅくっ、と、俺は呆気なく射精をしてしまったのだった。
「はぁ……はあぁ……ふあ……っ……あっ……」
俺が腰の動きを止めた後も、山本さんは体をビクビクと痙攣させていて、すっかりとイキまくっていたらしい。
その絶頂の波が落ち着いたところで、ようやく美優は俺から視線を外して、山本さんを見下ろした。
「男が射精するよりも前に断りもなくイクだなんて。女が成っていませんね」
厳しい叱咤が飛んだ。
よもや山本さんも、エッチに関して叱られることがあるなど、思いもしなかっただろう。
「うううっ……私だって、頑張ったのに……」
山本さんはまた泣いた。
でもそれは、今日これまでの一日で自らへの呵責に苦しんでいたものとは違う、ただ美優に泣かされているだけの山本さんがそこにいたのだった。
「頑張ったって……。さっきも言いましたけど、お兄ちゃんは私のものなので」
「それは……。たしかに」
納得してしまった。
そんなトンチンカンなやり取りに、一旦場が静まり返って。
「よいっ、しょっと……」
なぜか、唐突に美優が服を脱ぎ始めた。
「なに……やってんだ……?」
俺も射精をして、山本さんとのセックスは終わった。
だというのに、美優はHカップになったブラジャーを外して、たぷんとその大きな乳房を揺らし、続けてパンツに指をかけてそれを床に下ろしていた。
「なにって」
その直後、俺と山本さんが耳にしたのは、ごくごく予想のついた、しかし、とても受け入れがたいセリフだった。
「私もしようかなって」
まさかの展開に、漏れる声すらなかった。
驚きの連続で理解が追いついていない。
「それは……ソトミチくんと、美優ちゃんとで……?」
「他にないじゃないですか」
美優は切り捨てるように言って返した。
つまりはこれから俺とのラブラブエッチを山本さんに見せつけるということである。
「他人の彼氏とこれだけやりまくっておいて、ちょっと泣いたぐらいで許されると思ったんですか?」
どうやら相当恨んでいたらしい。
好きにやらせていたのは自分だというのに。
あまりに身勝手で最低な美優らしいやり方だった。
「だから、ね? お兄ちゃんも……」
美優は山本さんの膣から俺の肉棒を抜かせた。
山本さんから「ああっ」と切ない声が漏れても、気にすることなどなく。
「たかだか一回ぐらいで、終わると思わないでね」
美優は俺のペニスからコンドームを取り去ると、すっかり小悪魔モードになった顔で俺の目を覗き込んできて、生の肉棒をさすりながら唾液に濡れた舌を出して見せたのだった。