夏休みが始まってからは、俺と美優が仲良くなるためのきっかけであり、思い出の場所で。
恋仲になってからは、日常的な裸のスキンシップができる憩いの場所だった。
美優とのお風呂を楽しんでいる最中に両親が帰ってきた。
俺にアソコを舐めさせるために勢いよく立ち上がったはずの美優のお湯の中にしゃがみ込んでいて、結った髪の後れ毛から水を滴らせながら浴室のドアの向こうに視線をやっている。
非常に困ったことになった。
「まさかこんなに早くに帰ってくるとは……」
買い物帰りの荷物は玄関に置いたのか、両親が会話をする声だけが近づいてくる。
浴室の照明がついていることには気づかれていて、足音もすぐそばまで迫っていた。
「どうしよっか、お兄ちゃん」
美優は中出ししまくった直後なので、この状況にあってもぽわっとした表情をしている。
ともなればここは俺がしっかりするしかない。
というより。
俺は兄なのだから。
親への対応は俺が決めるしかない。
「ここは腹を決めて、堂々としてるしかないな」
ドアのくもりガラスに人影が映し出される。
もはや誤魔化すことなど不可能だった。
「……あれ? 誰か入ってるの?」
ドアの向こうからの声は、母親のものだった。
まだ説明のしやすい相手で助かった。
と思った直後のこと。
「美優が入ってるんじゃないか? スカートも置いてあるし」
父親もすぐ横にいたみたいで、洗濯機に掛けただけにしている美優の服に気づかれてしまった。
かといってこんな状態の美優に応対をさせるわけにもいかないし、ともなれば美優は先に風呂を浴びて部屋にいることにするしかないな。
「母さんたちも帰ってきたのか。早かったな」
「あら、こーちゃんが入ってたのね」
「なんだ。美優が入ってると思ってたんだが違ったのか」
ドア越しの会話。
息子が入っているとわかればわざわざ開けて確かめてくることもない。
「ああ、美優なら……」
この場にはいないことにして済ませる。
それが一番だと思った。
その瞬間には。
でも、俺は継ぐ言葉に迷った。
俺たちは着替えを持っていないので、こっそり二人で自室に戻るためには両親がリビングに行ってその扉を閉めてくれていて、かつそこから出てこないタイミングで二階に上がるしかない。
別段、それ自体は難しいことではないし、慎重に外をうかがえば、美優の存在を隠し通したままやり過ごすことはできたはずだった。
「美優なら、俺と一緒に入ってるよ」
だが、もはや俺と美優の関係は、隠せるかどうかの問題ではないのだ。
これだけ親密な間柄になっておきながら、同じ家に暮らす両親さえコソコソとしているようでは、いつかその背徳感も申し訳なさに変わってしまう。
もちろん、明かすべき時期、というものもあっただろう。
ただそれが、俺と美優の仲の良さを見せつけるためのきっかけとしては、ここしかないと直感的に悟った。
「な、なに!? 美優が!?」
慌てふためいている父親の声。
母さんは事情を知っているので、あるいは親父が美優の服に言及したときには気づいていたのかもしれない。
そんな俺の対応に、美優は嬉しそうに微笑っていて。
エロエロに惚けたときとは違う頬の緩ませ方をした美優が、浴室のドアに手を伸ばして、両親と顔が見えるぐらいに隙間を開けた。
「やっほ~」
美優は満面の笑みで両親に手を振っていた。
それを見た父親は顔を引きつらせて、苦笑いをして固まっていた。
その直後にはひと悶着があったわけでもなく、母親に連れられるようにして、父親は何も言わずにリビングへと戻っていった。
「ついにやってしまったな」
「やってしまいましたね」
とはいえいつかは起こるとわかっていた出来事。
美優とエッチしている声が両親のいる家中に響いてしまったあのときから、それはもう遠くないことになっていたのだろう。
さすがにこんな状況でエッチなことができるはずもなく、俺たちは大人しく風呂から上がって、別々の部屋で着替えを済ませた。
美優はあれだけ激しいセックスをした後なので、疲れて寝ていることだろう。
両親との会話は俺がやらなければならない。
(いけるよな。ここで逃げたら、この先で出会う人にだって、ずっと後ろめたさを感じたまま接していくことになる。行くと決めたからには、がむしゃらにだって進まないと)
部屋を出て行く足は重たかった。
階段を一段下りるたびに、やっぱり部屋に戻ってなかったことにしようかと迷いも生じた。
それでも、俺は床に根を張ったような足をどうにか持ち上げて、リビングの前までやってきた。
すぅと深呼吸をして、話すべきことを頭で整理し、扉を開けた。
「おかえり、母さん。父さんも」
俺がリビングに入ってきて、視線をよこしてきたのは母親だけだった。
俺が話をつけなければならないのは親父で、そのためには、いままさにビール缶のプルタブに掛けられている指は止めなければならない。
事情を知っている母さんは俺の考えていることを察してくれて、目で合図を送るだけでリビングから出て寝室に行ってくれた。
床に座ってビールグラスを傾けている父親の横で、俺は立ったまま話を始める。
「なあ、父さん。ちょっとだけ、飲むのを止めて、話をさせてくれないか」
俺が声をかけても父親は目を合わせてくれることもなく。
テーブルの上では黄金色の缶がプシュと小気味の良い音を立てていた。
「あの、話を……」
「まあ待て。わかってるから。飲ませろ」
親父に俺の声は届いていたようで。
それでも構わずグラスにビールを注いで、泡の盛り上がりが縁のギリギリで落ち着くのをジッと眺めていた。
「酔う前に話がしたいんだけど」
「大丈夫だ、一杯だけなら。だがとにもかくにも飲まずには聞いてられん」
さきほどの風呂場の状況を見て、山本さんのマンションから仲睦まじく帰ってきたあのときの俺と美優を知っている父親も、いまから俺が何を話し出そうとしているのかはおおよそ察しているようだった。
声にドスが利いているわけでもなく、怒っている様子でもないが。
ぐいっと一口でグラスの半分までを流し込んだ父親は、ため息のように長く長く疲れを吐き出して、それから横に座れと合図をしてきた。
こうなったら、美優との関係はもうバレているものとして話をするしかないな。
「父さんは、美優のことはどこまで知ってるんだ」
俺は親父の隣に腰を掛けながら尋ねてみる。
「どこまでって、どういう話だ」
「美優が小さい頃に悩んでたことについてだよ。フリフリの服を着て学校に通ってたら怒られた話とか、クラスの男子と喧嘩した話とか、女の子しか好きになれないかもって悩んでたのとか」
「ああ、それな」
親父はまたグラスを仰いで残りの半分を飲み干した。
一杯とはいえその勢いで大丈夫かな。
アルコールが回る前に核心には触れておかないと。
「話は聞いてたよ。美優と話すのは母さんに任せてたけどな」
父さんは一杯だけと言いながら、二本目の缶も早々に口を開けた。
今日は最初から飲むつもりだったのか事前にもう一本が用意されていた。
俺はその缶を父親から受け取って、「悪いな」と口にしながら傾けられたグラスに注いでいった。
「結果的には、美優は俺しか好きにならないらしい」
注ぎながら俺はそれを口にした。
父親は無言だった。
「精神的なものだから、何が原因かはわからないけど。女の子か兄妹か、とにかく、自分に近い人間じゃないとダメなんだと」
そのどれもが美優の経験則による結論だが。
これまで俺や山本さんたちと重ねてきた触れ合いからするに、もう間違いではないはず。
ビールを注ぎ終わって、空いた缶をテーブルに置いても、親父はすぐにはそれを飲まなかった。
「ふう」
そして、また一つのため息。
それから、ようやく二杯目のビールを口にした。
「なんで父さんじゃないんだろうな」
父親にあるまじき発言だった。
場を和ませたかっただけかもしれないが。
「さあ? 俺には母さんの血も入ってるからじゃないか。小さい頃からの世話も俺と母さんがしてたし」
「それは、そうだな」
父親は納得していた。
やはりというか、ここまでの話を聞いても、憤りのようなものは感じない。
「とにかく、まずお前からの話を聞かせろ」
ここまでは、ただ状況を伝えただけのこと。
親として気になっているのはその先についてだ。
「俺はもう残りの人生を美優と過ごすことに決めてる。美優もそれを望んでる。だから、この先で一生、俺は美優以外とは付き合わない」
「ほう。それをどう証明する?」
父親はそこでようやく俺の目を見た。
ここにきて試されている。
しかし、ここまでの流れは、俺も想定していた範疇のこと。
「前に、家庭教師になるかもしれない人がいるって話をしたの、覚えてるか?」
「ん? ああ……なんか、すごい巨乳の……」
「そうだ。そのすごい巨乳の人だ」
少々の記憶違いは無視して、俺はスマホを手に山本さんに写真を見せた。
父親の腰がわずかに浮いて前のめりになった。
「俺はこの人から真剣に告白されて断っている。それも、それなりに親密な関係を築いた上でだ」
「おい待て。まさとは思うがこのすごい巨乳とそういうことにまでなったのか」
「ああ、なった。何度も。ものすごく迫られてな」
「っ……!」
父親は額に汗を浮かべていた。
俺以外の人間からしたら、山本さんという存在は特級の美少女だからな。
画面越しであっても、加工では到達し得ない何かを感じているはず。
しかし、元の位置に戻って心を落ち着けた父親は、そこで一旦冷静になった。
「……。それを信じろと?」
そう、仮にさきほどの話を論拠に俺が美優を選んだ覚悟を信用してもらうにしても、その元となる話が嘘や誇張でないことを、また別に信じてもらわなければならない。
「すでに証拠の用意はしてある」
全ては先手を取って、俺の考えた筋道で納得してもらうため。
山本さんには嘘を疑われたときの証明として、ビデオ通話をしてもらうように頼み込んでいた。
『あ、もしもーし。ほんとに掛かってきた。もう私が話しちゃっていいの?』
俺のスマホの画面に映し出された可憐な少女の姿に、また親父の腰が浮いた。
動画ともなると写真以上に誤魔化しようがないからな。
よほど山本さんが好印象のようだった。
「お、あっ、ど、どうも。父、です」
『わーソトミチくんのお父さんだ! はじめまして、山本奏です』
ディスプレイ越しに頭を下げた山本さんに、慌ててペコリと会釈をする父親。
緊張のしすぎで目が泳いでる。
童貞か。
「えっ……と、息子とは、親しい間柄だったそうだが……」
『ええ、はい、そうですね。おそらくはお聞きした一言一句に偽りはないかと思います。親しい間柄だった、ではなく、今でも親しくさせていただいていますし、私は大好きですけどね』
山本さんは俺に向けてウインクを飛ばしてきた。
そこまでするとわざとらしいのでやめていただきたい。
「お前、金でも積んで言わせてるんじゃないだろうな?」
「そんなことないって。こんなに可愛い人が俺みたいな男に金を積まれたからって大好きなんて言うはずないだろ」
「それもそうだが……しかしな……」
まだ納得をしない父親。
この超がつくほどの美少女と俺が男女の行為にまで至ったというのがひっかかっている様子だった。
『んふっ。まあ、そうですね……ソトミチくんのお父さんにでしたら、特別に。信じてもらうためにこういうことをするのもやぶさかではないですが……』
そう言って山本さんは、スマホを何かに立てかけて置いて。
唐突に、服を脱いで下着だけの肌を露出させ始めた。
「ま、待って山本さん!! そこまでは言ってない!!」
「お、おおおっ、お、こ、こら、待ちなさい、そういうことをうら若き少女がするべきでは……!!」
とか言いながらガッツリと画面に食い付いている父親だった。
雄としての本能を刺激することにおいては山本さんの右に出る者はいない。
『あら、よろしいんですか? 信じていただけましたか?』
「わかったわかった、し、信じよう。信じる。いいから、服を着て。もう通話も切るからね」
『はいっ、短い時間でしたがお話できて楽しかったです! それでは……!』
山本さんとの通話はそこで終わった。
「なんであの子にしなかった!?」
「色々あったんだよ」
俺だって迷いはしたさ。
迷った末に美優を選んだから、今の関係があるんだ。
それを、俺は父親に伝えて。
俺の美優への覚悟については信じてもらえることになった。
「もちろん、兄妹でっていうことには、父さんも思うところがあるだろうけど……」
「美優があれだけ笑うようになったんだ。本人が幸せなのは普段の態度からでもわかる。否定はしないさ」
「ってことは……!」
父親からの許しの言葉が出た。
今度は俺が前のめりになる番だった。
「ただし。お前らの関係を認めるためには条件がある」
父親は俺の眼前で人差し指を立てて俺を静止し、そのまま指を冷蔵庫に向けた。
話の前に三本目を持って来いという意味であることはすぐにわかったので、俺は駆け足でキッチンに行ってビール缶を持ってきた。
「条件ってなんなんだ?」
「子供のことだ。お前らの」
いきなり深いところに突っ込んできたな。
でも、子供二人がそのまま夫婦という形に収まる立場にあっては、言及しないでおくわけにもいかない内容だ。
「最低でも一人は孫を俺に見せろ。お前と美優の子供でないとダメだ。いつまでとは言わんが、ボケる前に孫と話したい。それが条件だ」
まさかの親側からの子を産めという命令だった。
俺と美優は元からそのつもりだったし、条件というほどのものにはならないけど。
「美優はあの性格だからな。結婚するかどうかもわからなかったし、今はお家の血筋のために子を産むなんて時代でもない。だから、仮に結婚したとしても、美優にその気がなければ美優の子は諦めるつもりだった。嫁ぎ先との関係だってあるわけだし」
父親はそこまでを口にしてから、グラスに残っていたビールをぐいと飲み干した。
まだ酔っている様子はないし、その場限りの勢いで言っている風でもない。
真剣な話として俺に聞かせている。
「だが、お前が相手となるなら別だ。無理だと思ってた美優の子供が見れる可能性が出てきたんだ。親としてどうだと言われようと、母さんがなんと言おうと、この条件を譲る気はない」
なるほど、たしかに娘に子供を産むよう強制するのは、昨今の世間からしたら錯誤的だし、父親としてもあの美優にそれを強いるのは気の進まない話だったろう。
「その点なら心配ないよ。そう遠くはないうちに孫の顔は見せるから。俺としても…………俺たちとしても、楽しみにしててくれるなら、嬉しい限りだよ」
「……そうか。なら、いい。好きにしろ」
親父はそこまで言って、三杯目はグラスを垂直に置いたまま豪快に注いで、溢れそうになる泡ごと一気に喉に流した。
父さんも母さんも元から自由人だったし、俺たちの関係を受け入れてもらえたことは、そんなに不思議なことではなかったのかもしれない。
「よしっ、まだまだ夜まで時間はあるわけだし……! 母さん! 今夜は肉をたっぷり用意してくれ! 豪快に食いまくるぞ!」
急に立ち上がった父親はリビングのドアを開けると、寝室に退避していた母親に大声で注文をつけた。
さすがに酔いが回ってきているな。
「もう、なによ。そんなんじゃお父さんは買い物に行けないでしょ」
「美優たちに行かせればいいじゃないか。仲がいいみたいだし、母さんも飲もう」
「祝う本人達に買いに行かせてどうするのよ……」
「まあ細かいことは気にするな。どうせなら、今夜は俺たちもどうだ、なあ……?」
「こ、こら、やめてってば。息子の前で……」
そうだ息子の前でイチャイチャするな。
嬉しいのはわかるけどさ。
「おにいちゃーん? パパも、お話は終わったの?」
騒ぎを聞きつけて美優も二階から下りてきた。
夕食前に家族勢揃いになってしまったな。
「おー美優! 今日からは堂々と二人で風呂に入っていいぞ!」
「え、いいの? お兄ちゃんとイチャイチャしても」
「パパとも風呂に入るか!」
「それは死んでもお断りします」
「そ、そうか…………はは……そこまで言わなくても……」
美優の鋭い一言に、親父のアルコールは冷や汗と共に半分ほど飛んだようだった。
この期に及んで美優らしいというか。
実の親が相手だろうと容赦はない。
──この日から俺と美優は、親公認の仲となった。
とは言っても、二人の生活が変わるわけでもない。
ご飯を食べて、お風呂に入って、明日の支度が済んだら俺の部屋でエッチをする。
そんな家族らしさと恋人らしさが入り混じった日常を過ごしていくだけ。
「上手くいってよかったね、お兄ちゃん……んっ……」
このところやたらとボディラインが目立つようになったパジャマ姿の美優と抱き合い、お風呂場で中途半端になっていた性欲を解消するためにキスをする。
生活が変わらないと言っても、もちろん無意味だったわけではない。
俺たちがここまで深い関係にあることは想像に及ばないだろうが、両親に俺たちの在り方を認めてもらえたことは精神的な安定として何よりも重要だった。
身も心もリラックスさせてこそセックスは気持ちよくなるもの。
そしてなにより、兄妹でエッチをすることに罪悪感がなくなってかつ背徳感は変わらないということが──主に美優にとっては──最も重要なことだった。
「美優……キスするの気持ちいいよ……」
舌を絡めて、美優から伸ばされる舌にしゃぶりつき、口内を舐る。
俺だって美優が妹だから興奮している部分はある。
美優が妹だから、俺たちは両想いであることがわかった後も、エッチを繰り返しておきながら最後までキスをしなかった。
妹とキスをしているから興奮するし、こうして俺が一方的に舌をねじ込んでいるキスは、愛を伝えるためではなく性欲を解消するためにしている。
要するにオナニーだった。
「んっ……んふぅ……んんっ……はぁ……お兄ちゃん……んっ……」
美優も兄である俺とキスしていることに興奮している。
そして、俺の性欲解消のために自分を使われることに興奮する体質でもある。
だからそれは、あるいは愛情表現としてのくちづけより、美優にとっては気持ちのいいものだったのかもしれない。
「はぁ……んむっ……ちゅ……はぁ……んんっ……ここ……すっごくアツい……」
美優が俺のズボンを脱がせて勃起した肉棒をさすっている。
美優のほうから俺の性器に触れるために脱がせるなんて珍しいことだった。
しかし、美優の手はあくまでもペニスの皮を撫でるだけで、手コキには至らない。
美優もこの接吻が兄のオナニーであることを理解している。
俺に求められるまでは体を預けることしかしない。
それでも俺を脱がせたのは美優の性欲が限界にきているからで、兄に欲情されている証に触れることでほんの少しずつ自分の性欲を満たしていた。
「ふんっ……むちゅっ……ふぁ……はぁ……おにいちゃん……んっ、ぢゅっ……ぷは……あっ……んあっ……」
美優は俺にキスをされるたびに表情から筋力が失われて、もうこれ以上に伸びようもない舌を必死に出し、俺にもっと妹とのキスを味わって興奮してほしいと要求している。
もうこれ以上は耐えられそうにないようだった。
ふとももから滴り落ちている愛液がそれを告げている。
お風呂で俺とエッチをするはずが中断されてしまって、美優は元から俺とエッチをするつもりでノーパンでパジャマを着ていたらしい。
「はぁ、はぁ、はぁ……っ…………ねえ……お兄ちゃん…………精子飲みたい……」
美優が俺の陰嚢を撫でて、その中身が欲しいと俺にねだってきた。
もうこれ以上の焦らしは美優にツラい思いをさせるだけ。
そう判断した俺は美優に脱がされていたズボンを完全に脱ぎ去って、隆々と屹立している陰茎の前に正座するように指示をした。
「なら、そこで待ってて」
美優は俺に言われた通りに、ペニスをシゴく兄の前で姿勢良く正座した。
膝を畳んでいると愛液は裾から逃れることができないため、ほんのりと股の部分が湿ってきている。
俺と美優が初めてエッチをしたあの日のように。
俺は性欲に任せてペニスを擦って、美優は俺の射精を口で受け止めようとしてくれている。
当時と同じシチュエーションのようで、その中身はまったく違っていて。
あれだけ服を汚されることを嫌っていた美優がパジャマを愛液に湿らせ、自らの口に射精させることを美優が俺にお願いしてきたものだ。
そして、なにより。
妹の目の前で平然とオナニーをする兄を睨んでいたあの表情は、俺の精液が飲みたくて今か今かと目を輝かせている。
陰茎を擦る兄と、射精のときを待つ妹と、その間には愛が通っていた。
「お兄ちゃん、愛してるよ」
俺はペニスを勃起させて、その先端を妹に向けて、シコシコと手を前後させている。
そんな兄を見上げて、美優は恋する乙女のような惚け顔で愛の告白をしてくる。
「美優っ…………俺も美優が好きだ……っ!! 一生美優のことを愛してるからなっ……!!」
おそらくそれは、膣にペニスを挿入して、生殖器を繋げたまま口にされるべき言葉。
でも俺たちは互いが兄妹であることに興奮しているというそれだけで十分に繋がれていた。
だから、物理的な繋がりなどさしたる問題ではなかった。
「美優っ……!! もう、出るっ……!! 射精できるだけするからっ……口を開けて最後まで飲んでくれっ……!!」
「はぁ、はぁ……何回射精してもいいから……お兄ちゃんの精液ぜんぶお口に出して…………んっ……!!」
どぴゅっ、どぴゅっ、びゅるるるっ、びゅくびゅくっ、びゅびゅっ、びゅるるっ、びゅっ、どくっ、どくんっ──!!
美優が開けた口内に、飛び出る瞬間でさえはっきりと白色の放物線が視認できるほどの精液量が、繰り返し注ぎ込まれていった。
美優にオナニーを見られて射精して、美優に口内射精した事実に興奮して射精して、俺のペニスから出た白濁色の体液を嬉しそうに口に溜める美優がエロすぎて、俺はその姿を見ながらまた射精をするのだった。
特濃の精液が尿道を通るたびに、計り知れない快感が全身を突き抜け、きっとこの瞬間にしか分泌されることのない脳内麻薬が俺を侵していく。
今夜出せるすべての精液が美優の口に注ぎ込まれた。
美優はその味をじっくりと確かめるように舌でかき混ぜ、口を閉じて何回も鼻で呼吸をして香りを楽しんでから、ゴクリと喉を通る際の喉越しに満足げな表情を浮かべた。
「美優。飲んでくれてありがとう。気持ちよかったよ」
「こちらこそご馳走様でした、お兄ちゃん。……美味しかったよ」
美優はデレデレでゆるゆるな頬を精一杯に持ち上げて笑みを作っていた。
俺が中出しをしまくったときが一番に興奮するものだと思っていたけど、今の美優は間違いなく過去最高に興奮している。
それはもはや疑いようもなく、美優の生殖本能が体質的にもたらしていた性欲を、兄妹での背徳エッチが好きになってしまった美優の性格的側面からくる性欲が凌駕している証拠だった。
「お兄ちゃんはスッキリしたよね」
美優は床に手をついてふらつく足で立ち上がった。
「脳みそ壊れちゃいそうなぐらいムラムラしてるから、隣の部屋で済ませてくるね」
兄のオナニーを手伝い終えたので、次は自分の番ということみたいだ。
たしかに性欲は落ち着いた。
でも美優のことが好きでどうしようもない、胸が締め付けられるようなこの感情はまだ昂ったままだった。
あるいはその愛情も、性欲の一部分なのかもしれない。
とにかく俺は我慢をしきれなくて美優に抱きついてしまった。
「ごめんな、美優。すぐにオナニーしに行きたいよな。でも、あと少しだけ、こうして抱き締めさせてくれ」
これは明らかに俺のわがまま。
美優の都合は考えていない。
別にその場でオナニーをしてほしいと思っているわけでもない。
ただ美優を抱きしめていたくて抱きしめている。
「んっ……んんっ……おにい、ちゃ……あっ……今そんな強く抱きしめられたら……はぁ……っ……あっ……」
美優が色っぽい声を漏らしている。
まるで俺にバックからハメられているような、嬌声に近いものだった。
でも、俺は服を着直しているし、美優だってノーパンなだけでパジャマは着ている。
不思議なことに勃起もしていなくて、ペニスが美優の敏感なところにあたっているわけでもない。
「美優。どうしよう。美優が好きすぎてもうしばらく離れられそうにない」
「ふぁ、んっ……ダメっ……そんな耳の近くで喋らないで……あっ、んっ、んんっ……!」
「美優、好きだよ。美優…………美優……」
「んっ、あっ……耳元で、名前呼んじゃイヤ……はぁ、ん、んんっ……!」
美優は俺の声に体をビクつかせた。
俺が喋るのをやめようとも、もはや吐息が耳にかかるだけで美優は喘ぎ声を上げた。
ビクッ、ビクッ、と美優はお尻を突き出すように腰を引いて、それが強制的に膣を締めさせられる快感を受け流そうとしているのだと、おびただしい愛液のお漏らしを見てわかった。
「はぁ、はあっ……あああっ……!! お兄ちゃん……お兄ちゃん……!!」
俺はもう言葉も発さず、耳に息がかからないようにもしているのに、抱きしめられているだけで美優はイキまくっていた。
さきほどの口内射精で最高潮に高まった性欲に加えて、俺が今感じているようなどうしようもないほどの愛の疼きを、美優は同時に感じているんだ。
言うなれば美優は、ただムラムラしすぎたからイッている。
兄の精液と抱擁によって性欲がキャパシティを超えたことでオーガズムに達したのだ。
「あっ、ああっ、あっ……!! お……にい……ひゃ…………んンッ────!!」
美優はついに体力を限界まで使い果たして、脚をガクつかせながら床に膝をついた。
腰まで伸びた長い髪の、その隙間に見え隠れする、びっしょびしょのシルクパンツが美優の興奮をありありと表していてエロかった。
買い取りたい。
気持ちが落ち着いて少し理性的になった俺はそう思った。
「ふぁ、ひぁ、ううっ……待って……こんなのクセになったら、お兄ちゃんの声を聞くだけでイクようになっちゃう……」
美優のこの連続絶頂で性欲は収まったのか、まだ違和感の残る耳をしきりに触りながら、お漏らしが見えないように少し離れて俺に背中を向けていた。
「俺は美優のことがどんどん好きになっていく感覚があって良いんだけどな」
「それは私も同意するけど、さっきも言った通りいつか脳が壊れそう……」
美優はどうやってお漏らしを隠そうか考えた末に、ズボンとして穿いているからシミが目立つのだから上だけを着ればぎりぎりアソコを隠せると、ノーパンTシャツスタイルになって立ち上がった。
その服の中身を想像すると出しきったはずの精子が再充填されてしまうので、後ろ髪を引かれながらも美優のことは視界に入れないようにした。
あれは兄に精液を出させるために生きている存在だ。
たぶん人間とサキュバスのハーフか何かだと思う。
「私は体をキレイにしてすぐに戻ってくるから、お兄ちゃんはベッドで待っててね。今日も一緒に寝よ」
このところの美優は俺と二人で過ごせる時間があれば少しでも長く一緒に居たがる。
急ぐ必要もないのに準備は手早く片付けて戻ってくるのだ。
そんな美優が可愛くて実は最近は少しだけ寝つきが悪くなっていたりもした。
そうしたときは美優の寝顔を見て過ごす。
あの夏休みの前からこれだけ時間を共にしているのに、その顔を見ても飽きることがない。
美人は三日で飽きるとは誰が言ったのか。
「支度は終わったよ、お兄ちゃん。今夜もギュッてしながら寝ようね」
俺と美優はベッドの中で抱き合って。
体勢を変えたいときは、手だけを繋いで寝る。
それが俺と美優の就寝スタイル。
もう俺たちはラブラブだった。
両親にも二人の関係を認めてもらって、山本さんという頼もしい存在もいるし、きっと由佳も遥も佐知子も、俺たちの将来を祝福してくれるはず。
何一つとして不安のない人生。
俺はこれからも美優と同じようにイチャイチャしてエッチを続け、いつかは子供も作って孫の顔を親に見せて、より大きな幸せを育んでいく。
二人でいればどんな困難も怖くはない。
これまでたくさんの女の子との紆余曲折があったからこそ、改めて断言できる。
俺の妹が、最高の恋人だった。
と、言えることには間違いはなくて、人によっては、ここでそのような道に進むことも、幸せな将来の形の一つと考えたのかもしれない。
でも、この極端なラブラブ度合いでい続けるのは茨の道で、少なくとも俺にとってはなんともしなければならない状況だった。
その理由──というか問題の一つが顕在化したのが次の日のことだった。
「っ……はぁ……美優、出るよ……飲んで」
「あぁむっ……んくっ……んっ……」
朝イチから見つめ合うようにして目を覚ました俺たちは、高ぶる性欲のままにフェラチオをして口内射精をしていた。
「朝からいっぱい出たね」
「あれだけ射精すると完全回復とはいかないけどな。朝晩で一回ずつとかなら毎日こなせそう」
「んふっ。それは頼もしいね。私はちょっぴり物足りないけど」
美優は俺が射精した後の肉棒をしゃぶって、まだ硬さのあるうちに膣内へと自ら挿入した。
「んっ……はぁ……お兄ちゃんの精液を飲んだ後だと、膣内が敏感になるからすっごく気持ちいい……」
「ふっ、んっ……それは、よかった」
「これからはお口でする回数を増やしてもいいかな?」
「もちろん。前からもっと飲みたいって言ってたもんな」
まだ素直じゃないときの美優は口には出さなかったが、昔から美優は口内射精されるのが好きだった。
だから、俺も中出しと半々でエッチを続けるつもりだ。
「じゃあさ、学校でムラムラしたままだと困るから……激しくイかせてほしいな」
「朝からそんなにしていいのか?」
「疲れたら学校で寝るから」
「そんなこと、たまにだけにしておけよ」
俺は体を起こして美優に覆いかぶさって、腰を強く振って美優と正常位で生セックスをした。
昨日の今日で二連続の射精はキツいが、両親に認めてもらった記念にしばらくは美優のわがままに付き合おう。
「美優……美優っ……!! 膣内に出すからな……中出しするぞ……美優っ……!!」
「んんっ……ああっ……!! お兄ちゃん……きて、きてぇっ……!!」
ドクッ、ドクッ、と精液が膣内に吐き出されて、美優はぐったりとベッドに横たわった。
こんなこともあろうかと早めに起きていたので少しは寝かせていられる。
(ふぅ……週末のロリコスエッチから立て続けだと、さすがにキツいな……)
俺は朝シャンして着替えを済ませ、朝食の準備を始めた。
美優をできるだけ長く休ませてやりたいからしていることだが、ついでなので親の分も作ることになる。
(美優にはああ言ったけど、俺が学校で寝ることにもなりかねないな……)
せっかく勉強の調子も上がってきたところだ。
俺は山本さんと違って完璧超人なわけでもないし、俺のできる範囲で美優に尽くす。
これまでも手抜きしてばっかりの人生だったけど、これからは要領良く生きるための上手な手抜きを覚えていかないとな。
それが巡り巡って美優のためにもなるんだ。
俺は学校に行くまでの準備を済ませて美優の様子を確認しに部屋に戻った。
俺が起こすつもりではあるが、念のためにアラームはセットしてあって、美優はすでに起きていた。
「お兄ちゃん、おはよう。準備ありがとうね。朝のエッチも」
「これぐらいなんてことないよ」
セックスと家事は俺にできる数少ない恩返しだからな。
恋人としての関係がどれだけ成熟しようとも、美優が俺にしてくれたことを忘れるつもりはない。
「お兄ちゃんに任せてばっかりだと悪いから、明日は私がお料理するね」
「美優は疲れるだろうし、無理することないよ」
「本番エッチしなかったら大丈夫だもん」
たしかに体力的にはそうかもしれないが、美優は俺の精液を飲むとムラムラしてしまう体質のはず。
中出しも口内射精もしないのなら可能だが、それは美優自身が許せなさそうだしな。
「お兄ちゃんのを咥えながら私もすれば、一人エッチの時間を別に取る必要はないでしょ?」
「なるほど天才的だ」
それなら時間的には問題はなさそうだ。
とはいえ、朝にセックスをしてから学校に行くのは、美優にとって憧れだった部分もあるらしくて。
完全になくすのではなく、学校の持ち物や着替えを前日に揃えておいて、ギリギリまでエッチの時間を取ることもできるようにした。
これまでと違って美優もエッチをしたい欲求を隠さない。
喜ばしい変化ではあるが、少し寂しさもあるな。
子供の成長を見守る親の気持ちってこんな感じだろうか。
それから朝食を終え、美優もシャワーと着替えを済ませてから、登校をする。
制服姿の美優はいつ見ても凛々しくて、こんな可愛い妹が毎晩男とイチャラブセックスしているのだと思うと、その相手が俺でよかったと心から思う。
「それじゃあ行ってくるね、お兄ちゃん。今日は遅くなりそうだから、ゆっくり休んでて」
「わかったよ。行ってらっしゃい」
俺と美優は玄関でも口づけをして、ちょっとばかし根性が負けてディープなキスをしてしまって、そのままエッチまでしたくなる気持ちをグッとこらえて美優を欲情させてしまったことにも少しばかり恨まれながら見送りをした。
そのあとから俺はチャリで学校へ向かった。
これまでは都合によって美優と二人で歩く日もそうでない日もあったけど、いつかは一緒に登校する習慣もつけたいところだ。
まあ美優は俺と同じ学校に来るそうなのでいずれは叶うことなのだが。
そして、問題が起こったのがこの後のこと。
学校の用事で帰りが遅くなる美優より先に家に着いた俺は、小時間の睡眠を取り、それからセットしていたアラームによって目を覚ました。
家は静かなままで、両親も美優もまだ帰ってきていないようだった。
俺は寝ぼけた頭で夕飯でも作っていようかと、洗面台で顔を洗ってから、今ある食材でどんな料理が作れるかスマホの画面を開いたときのこと。
「……えっ、は?」
一瞬、何かのウイルスにでも感染したのかと思った。
とんでもない量の通知がきてきたのだ。
そのほとんどはスケジュール共有アプリからきていたもので、その相手はもちろん美優しかいない。
『繰り返しの予定:おはようのチューからいちゃいちゃスキンシップとお口エッチ。毎朝必ず』
『繰り返しの予定:おかえりのチューから中出しエッチ。生理の日はお口で。平日は毎日必ず。即でいいよ』
『繰り返しの予定:おやすみのチューをしてお兄ちゃんに射精してもらう。お兄ちゃんがしてほしいことなんでもします。毎晩必ず射精だけはさせてね』
『本日の予定:お兄ちゃんにアソコを舐めてもらえなかったので、今日に振り返りね。もしよければ舐めながら勝手にお口を使って射精していいよ。毎日のとは別ね』
『明日の予定:キスだけで中出ししてもらうのがものすごく好きなので明日あたりしたいな。服を着たまま入れるだけしてキスで中に出して。好きなときでいいよ。毎日のとは別ね』
そして、明後日の予定……と、そこから直近二週間の予定まで、美優がしたいプレイがひたすら書き込まれていた。
最低でも一日三回、多いときは四回も五回もの射精を要求されている。
さすがに冗談だと思いたいが、今朝の様子からするとこれを冗談だと思う方に無理があって。
「ただいま」
ドアの開閉音が聴こえて、俺が玄関まで出迎えをすると、そこには真顔で鞄を下ろしている美優の姿があった。
「おかえり、美優。遅くまでお疲れ様だったな」
「うん。大変だった。んっ」
美優は俺と距離を詰めると靴を脱ぐのも早々にキスをねだってきた。
ひと目ではニュートラルな表情だったので、エッチな気分ではないのかと思いきや、キスをするとなるとどうにも予定通りにはなっている。
制服姿の妹が目を閉じて顎をクイと上げているのだから、もうキスをしないでいられるわけもなく。
俺は花の蜜に誘われるように唇を重ねてしまった。
その瞬間からはまたディープキスだった。
どちらともなく始められた舌の奪い合いは、制服にシワがつくことも気にせず互いの体を引きつけ合う衝動に変わって、俺はすっかりこの妹という存在に乗せられてしまっていた。
口づけを離した後の美優は、見てわかるぐらい発情した顔だった。
美優の性欲は落ち着いていたわけではなく、俺のキスで解ける外向きの顔だったらしい。
「お兄ちゃん、帰ってから少しは休めた?」
「ああ、だいぶな」
「そっか」
靴を脱いで玄関に上がった美優は、俺に一歩近づいて、胸の膨らみを押し付けながら色っぽく微笑んだ。
「それじゃあ、今夜もいっぱい射精できるね」
蕩けた笑顔になった美優は、膨らんだ俺のペニスをズボンの中で直に触れて、指先に付いた我慢汁をペロリと舐め取る。
「予定表に入れた通りに、これから毎日お願いね、お兄ちゃん」
美優の性欲が、ついに壊れた。