※この作品はR-18です。

俺の妹が最高のオカズだった   作:風見 源一郎

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山本さんが本当に悩んでいたこと

 

 俺の部屋に射精警察がやってきた。

 

 警察と言っても、湯上り後にパーカーに着替えたパジャマ姿の美少女JKである。

 

「や、山本さん……」

 

 オナニーの途中で一方的に美優に通話を切られた俺は、ベッドで独りナニを握っているだけの虚しい姿だった。

 暴発寸前にまで迫っていた射精欲は予想外すぎる闖入者によってどこかへ消え去ってしまい、俺はわけもわからず陰茎を勃起させて下半身裸の姿をクラスメイトに見られている。

 

「どうして、この部屋に? ルームキーは鈴原から受け取ったの?」

 

 俺はベッドのすぐ横に脱いだはずのパンツを手探りしながら山本さんに尋ねる。

 湯上がりのケアも早々に、髪をお団子に結んでラフな格好の山本さんは、ドアに体重を預けるようにこちらを向いたまま鍵をかけると、意味ありげなニヤケ顔で俺のところにやってきた。

 

「鈴原くんと部屋を交換することにしたの。修学旅行の間は四六時中ずっとよろしくね」

 

 山本さんは床に落ちていた俺のトランクスを拾って渡してくれた。

 はっきりと口にされたはずの言葉が上手く頭に入ってこない。

 

「じゃあ、鈴原が女子フロアにいるのか? 山本さんのペアってたしか川藤じゃ……」

「さすがに奈々子は男子と一緒の部屋で寝たりはしないよ。でも、男女二人きりで過ごしたがってる子はたくさんいるからね。あちこちの部屋でシャッフルが起こってるってわけ」

「そんな恐ろしい世界が広がっていたとは」

 

 もし俺が陰キャのオタクのままだったら、そうしたことが行われていることをツユも知らずに、男だけのむさ苦しい青春を過ごしていたのだろう。

 いや、それだって青少年の成長には大事なことではあるが、実態を知ってしまったら悔しくて血の涙を流していたところだ。

 

「俺と四六時中どうとか言ってたような気がしたけど、まさかこれから毎日ここで寝るわけじゃないよな」

 

 俺はパンツを穿き直しながら、あえて理解せずにいたもう一つの情報について尋ねる。

 パジャマは着たものの、海綿体に詰め込まれた血液が抜けるまでにはしばらくかかりそうなので、俺はベッドに座って布団で股間を隠していた。

 

「他の子たちは一晩だけだったりするだろうけど、私は荷物ごとここに持ってくるから、鈴原くんとは完全にお部屋を交換だよ。あっ、廊下の移動については、私は音で外にいる人の歩き方とかわかるから安心して」

 

 山本さんは鈴原の荷物を勝手にキャリーケースに詰めて、ルンルンと鼻歌を歌いながらそれを廊下へと持っていった。

 どうやら俺の射精を止めるために急いで来ただけで、荷物は何らかの手筈によって山本さんの荷物へと取り替えられるらしい。

 俺との噂でだいぶマイルドになったとはいえ、清純処女として認知されている学園のアイドルの山本さんが男の部屋で寝ていたとなったら大事だ。

 いったいどんなルートで取引をしてきたのやら。

 

「俺と同じ部屋で寝て、班行動も一緒だから、四六時中と……」

「正確にはソトミチくんが射精できる状況を作らないようにするのが目的だから、睡眠中はもちろんのこと、お風呂もトイレもずっと、二十四時間八万六千四百秒一緒にいるんだよ」

 

 ニコニコと機嫌の良さそうな山本さんは、昼間の心配など不要なほどに元気そうだった。

 夏休みに俺が濃密な時を過ごしたいつも通りの山本さんだ。

 髪や肌は以前にも増してツヤが良くて、体のどこもかしこもムチムチしている。

 それでいて面倒見の良いお姉ちゃんみたいな明るさのこの美少女が、学校のみんなには内緒で俺にベタ惚れしているのだから世の中はわからない。

 俺が他人の立場でそれを知ったら嫉妬に狂っていたと思う。

 

「ちなみに……山本さんが抜いてくれたりはしないんだよな」

「んふっ。してあげたいけど、だめ。ソトミチくんを射精させないためにここに居るから」

「そ、そうだよな。まあ、山本さんが監視するだけってんなら、俺は休んでればいいか」

 

 鈴原のものと交換したピンク色のキャリーケースを部屋に入れて荷物を出し始めた山本さんを横目に、俺はベッドに背中から倒れ込んだ。

 美優に性欲を煽られまくっていたせいでつい山本さんとしたくなってしまったが、落ち着いてみると元々は休養をしなければならなかったことを思い出した。

 なにより恋人のいる身で自分からエッチを望むべきではない。

 

「明日から私がどんな下着をつけるか見る?」

 

 山本さんはスケベな笑みで純白のランジェリーをこちらに向けて、あやとりをするみたいに指で広げている。

 この人は四六時中エロいことしか考えてない。

 

「も、もう寝るって……!」

 

 俺はベッドで山本さんとは反対向きに寝ることにした。

 もしかしたら山本さんは俺の性欲を煽る使命も与えられているかもしれないので油断することはできない。

 そこにどれだけの快楽が伴おうとも、生殺しはツラいのだ。

 

 そんなこんなで、俺も初日は美優に絞られていたせいで体力が底を突いていたこともあり、気づいたら寝落ちして次の日の朝になっていた。

 俺が寝る前にはお団子結びにしていた山本さんは、いまは髪を下ろして隣のベッドで寝ている。

 こんな美人が同じ部屋で平然と寝てるってすごいことだよな。

 

 俺とはもう数え切れないほどセックスを繰り返してきたし、今更になって気にすることなどないことはわかっている。

 それでも、男である俺がすぐ近くにいながら安堵の表情で眠ってくれるのは、それだけで嬉しい気持ちになるのだ。

 

(山本さん……可愛いな……)

 

 山本さんはどこかお腹が満たされた後のような満足気な顔でほんのりと微笑んでいる。

 寝息が聞こえるその麗しい顔をずっと見ていたくなって、もはやこの感情のどこからが浮気なのかわからなくなってきた。

 

 兄妹で結ばれたが故の将来の困難のために一人でも多くの理解者が必要だと考えて、美優は由佳や山本さんと俺を親密なほどの距離感で仲直りをさせた。

 おかげで兄妹でセックスをしていることを気にされることもないし、今日のようなオナ禁プレイを咎められることもない。

 いつか俺と美優が同棲して、子供を産んで家庭を持ったとしても、山本さんや美優の友達はみんなが祝福してくれるだろう。

 

 以前は兄妹での関係に不安があって独占欲が強かった美優も、いまでは俺が女の子と仲良くしていても全く気にしていないようだし、義理を重んじる性格で元よりレズでもないので遥との肉体関係は切ってくれたけど、それでロリコスを最大限に楽しめたのなら別に続けてもらってもよかった。

 きっと周囲の状況をそう整えたのも、俺にそう思わせたのも美優だ。

 そのどれもが俺と美優にとっては必要なことだったし、今ある状況は理想的なほど恵まれている。

 

 ただ、山本さんはどうなんだろう。

 美優が徹底的なまでに山本さんを負かしたことで、恋心には整理がついたようだけど。

 まだ俺は山本さんの人生のために役に立っている実感がない。

 ただ俺と美優が好きという理由だけで俺たちを支え続けるには、人生という期間はあまりにも長すぎて、なら俺だって山本さんのための何かでありたかった。

 

「ん……ソトミチくん」

 

 山本さんが目を覚まして、眠たい瞼を擦りながら体を起こす。

 パーカーの中はキャミソールなので、胸元の布がよれるとブラジャーがチラ見えしてしまい、目によくない。

 会うたびにセックスをしていた山本さんだからこそ着衣のエロスが一段と際立っていた。

 

「早いね。おはよう」

「おはよう、山本さん。外はよく晴れてるよ」

 

 俺は気分を変えるためにカーテンを開けてホテルの外を眺めることにした。

 駐車場からエントランスまでには橋があって、浅い川の流れには魚まで見えそうなほど水が澄んでいた。

 

「ほんと観光日和だね」

 

 俺のすぐ後ろにまでやってきた山本さんは、俺の腰に手を回して背中にくっつくと、しばらく同じ景色を眺めてから俺の顔を覗き込んできた。

 山本さんがうっとりとした表情で俺のことを見つめている。

 朝の静かな時間に、鳥のさえずりが心地良かった。

 

「これはダメだね」

「そうだな。これはダメだな」

 

 俺と山本さんはお互いに苦笑いをして窓辺から離れた。

 

 最悪、エッチなことはしてもよい。

 でも、朝の景色を眺めながらバックハグをするのは、それはよくないのだ。

 まあ山本さんもちょっとからかってみたかっただけだろうが。

 

 それからは先に山本さんが洗面台を使って、朝食までの支度を済ませることに。

 山本さんの監視があろうともエッチなことさえしなければ大変なことなどない。

 四日ものオナ禁は俺からしたらかなりの長丁場だが、これまでに出した量と帰ってから搾り取られる量を考えれば必要十分な期間と言える。

 

 と、思っていた俺の考えが大いに間違っていたことは言うまでもないだろう。

 

 修学旅行の二日目は文化施設の見学で、もうとにかくバスに乗って建物を回っての繰り返しでしかなかったのだが、翌週にはレポートを書かされるのでメモは取らなくてはならない。

 班で回るときにペアになるのはもちろん山本さん、バスの座席の隣も山本さんで、トイレに行くときには「出しちゃダメだからね」とわざわざ忠告までされて山本さんは入り口で待機しているのだった。

 きっと俺がトイレでオナニーを始めたらそれを感知した山本さんが問答無用で男子トイレに突っ込んでくるのだろう。

 そんなことをさせるわけにはいかないので、俺もオナ禁の命を破るつもりはサラサラなかった。

 

 俺は我慢をするつもりだったのだ。

 しかし、美優があの状態で俺を平穏無事にいさせてくれるわけもなく、夕食の後には早速次の難関が待ち構えていた。 

 初日と違ってレクリエーションがなかった分だけ早く部屋に戻ることができた俺は、今日も他の部屋の男子たちと遊ぶこともなく山本さんと二人きりで部屋にいる。

 二人きりというのはあくまでも物理的な意味合いのことだ。

 

「美優ちゃん、はろはろ~。学校お疲れさま。お風呂は済んだ?」

『お疲れさまです。こっちはもう夜の支度は済んでますよ。奏さんとお兄ちゃんはまだなんですね』

「私が先生からレポート用紙をゲットしといたから、ホテルに居る間に書いちゃってるの。美優ちゃんもせっかくソトミチくんがお家に帰って忙しそうにしてたら困るでしょ?」

『それはとても助かります』

 

 山本さんは美優と楽しげに通話をしている。

 俺と美優との夜を過ごしてからというもの、二人はやたらと親密そうだった。

 仲良くしてくれるのはいいことだ。

 

「この前買ったブラジャーはどう? 調子いい?」

『とてもいい感じです。不思議と胸が軽くなるようで』

「よかった。私も肩がツラいときはよくそれにするんだ~。あっ、今もつけてるよ。色お揃いのやつ」

 

 山本さんはレポートを書いている俺の隣で、平然と下着の話を繰り広げている。

 童貞を卒業したからといって着衣のエロスに慣れることはないので、集中したいときにその手の話題は避けていただきたい。

 というかおもむろに脱ぐな男の隣で。

 

「パンツも生理用にサラサラのやつが出るからさ、また見に行こうよ」

『いいですね。このところパンツは劣化が早くて困ってるので、値段も考えたいところです』

 

 とうとうインナーまで脱いで下着姿になった山本さんと、赤裸々トークをしている美優までもが自分の下着を画面に映していて、レポート用紙に先がついたままのボールペンは完全に止まっていた。

 雑にベッドに放られた制服と黒いソックスに視線を引き寄せられて無視することができない。

 この人は青少年の健全な生活において不適切な部分しかないな。

 気分転換に風呂でも入ろう。

 

「あら。ソトミチくんもレポートは終わったの?」

「集中できないから風呂に入ろうと思って」

「おっけー」

 

 何がおっけーなのか。

 それは脱衣所にわざわざ着替えまで持ち込んだのに俺の脱衣を観察しにきた山本さんの行動がそのまま答えだった。

 

「いや、抜かないから! 山本さんは美優と通話してて大丈夫だよ!」

「そんなこと言ったって役目だもん。浴室のドアも開けっぱなしにするからシャワーは弱めでお願いね」

 

 山本さんは意味もなくスマホをシャカシャカと振って、それから軽快にウインクを飛ばしてきた。

 まだ美優とは通話中になっている。

 

 何を言っても無駄そうなので、俺は開き直って風呂に入ってしまうことにした。

 俺という存在だけは恋人以外の前で裸になることが許されているのだ。

 恥ずかしいから脱ぎたくはないんだけれども。

 

 バストイレ別の浴室に入って、まずはシャワーで体をキレイにする。

 山本さんはドア近くの壁に背中を預けて座っていた。

 ちなみに言うと山本さんは下着姿のままなのでとてもエッチな気分になってくる。

 

「……そんな格好してるなら、一緒に入っちゃえば?」

 

 室内とはいえ暖かい格好ではない。

 俺がすぐに風呂から上がってしまえば済む話だろうが、それは嫌味っぽくてしたくなかった。

 一方、俺の性欲を煽ったのは山本さんのせいでもあり美優のせいでもあるので、お風呂に誘うことには何ら問題がない。

 

「だって、美優ちゃん。どう?」

 

 山本さんが美優に尋ねる。

 

『それはちょっと嫉妬しちゃうのでダメです』

「ダメだって」

「聞こえたよ」

 

 仕方ないから山本さんには我慢してもらうしかないか。

 ムラムラした気持ちを晴らすために風呂に入ったのに、下着姿の山本さんのせいでムラムラしているので、正直なところ長風呂をすることに意味はないのだが

 

 試しに勃起したままの竿を握ってみると、美優と小さい声でお喋りしていたはずの山本さんが鋭い目でこちらを睨んでいた。

 どうやら肩から下の骨格の動きだけでも何をしているのかバレてしまうらしい。

 山本さんを前にして意図的に射精するのは不可能だった。

 

 俺は目を閉じて山本さんを視界に入れないようにして、それでも女体を見たい誘惑が妄想へと変わりそうなところで風呂を出ることにした。

 脱衣所に立っている俺の股間には上向きの突起が怒張している。

 

「ソトミチくん、ずっとおっきくしてるね」

「それだけが取り柄だからな」

「ふふふ。いいことじゃないですか」

 

 俺がタオルで体を拭いている間に、「じゃあ私も入っちゃうね」と山本さんも下着を脱ぎ去った。

 突然の艶かしい全裸に、陰茎がビクビクと反応して、からかうような笑みで浴室に入っていく山本さんに、俺はもう絶対に修学旅行中に射精させてもらおうと思った。

 

 洗面台に置かれた山本さんのスマホでは美優との通話は切れていて、俺が上がり支度をしている間に終わらせていたらしい。

 山本さんがいるおかげか今日は通話でオナニーを見せつけられることもないし大人しかったな……とこのときは思ったのだが、もちろんこの後にもエッチな通話をさせられることになる。

 

「ソトミチくんもちゃんとそこにいてね」

 

 着替えを持ち込んでいたのでその場で服を着ることができる俺に、居室へは行かずにその場で待機しろと山本さんは言ってきた。

 つまり陰茎を勃たせたままでシャワーを浴びる美少女の裸姿を見ていろということである。

 

 胸の谷間や臀部の丸みに水流が作られて、長い髪を肩前にまとめる山本さんのエッチな体が目に焼きついていく。

 一緒にお風呂に入ったことはあっても外側から眺めたことはなくて、そのおっぱいの張りや高身長ゆえのプロポーションは破壊的なほどの耽美だった。

 

 持ち込んだシャンプーで髪を洗った後はコンディショナーを付けて毛先を絞り、洗顔料を丁寧に溶かして顔を洗って、手揉みで泡立つボディーソープを全身に塗りたくる姿に目を奪われる。

 そんな俺にときおり目を合わせてくれる山本さんの睫毛は、雫が滴るほど濡れていて、その妖しい微笑みに魅了されてしまいそうだった。

 

「そんなに熱心に見つめられたら、私も変な気を起こしちゃうよ」

 

 体を洗い終えた山本さんの乳首はツンと硬くなっていて、目に見えて興奮しているのがわかった。

 街中であらゆる男の視線を集めてきた山本さんが、俺に見つめられることで興奮している。

 そのあからさまで胸焼けするほど真っ直ぐな好意に俺の中の若さが暴走しそうだった。

 

「山本さんとセックスしたくなってきた」

「よく我慢してるほうだと思うよ」

 

 湯船に入る山本さんを見ているだけで、それが俺の入ったお湯の残りだからどうとか、もう何にでもかこつけて性欲が荒ぶっていた。

 天真爛漫さが戻った山本さんは以前よりも魅力的な女性になっていた。

 それはそこそこ濃い付き合いをしてきた俺だからわかる。

 川藤が言っていたように、良い変化が山本さんに訪れているようだ。

 

「俺はなぜオナ禁をしてるんだろうな」

「ソトミチくんのは美優ちゃんのための精子だからでしょ。お兄ちゃんなんだからもっとしっかりしないと」

 

 山本さんはバスタブの縁におっぱいを乗っけて楽しげにこちらを見ている。

 乳首をつねりながらパイズリさせてもらいたい。

 

「それはわかってるけど正直なことを言うとめちゃくちゃ山本さんとセックスしたい」

「わあ嬉しい」

 

 軽い相槌ながらもニコニコと喜んでくれる山本さん。

 チラッと目配せして「ダメかな」と呟くと、山本さんは優しい顔で「ダメです」と宥めてくれた。

 

 それからはお互いに無言で、数分が経って山本さんが湯船の栓を抜いて浴槽から出てきた。

 俺がバスタオルを渡すと、山本さんは全身の水滴を軽く拭って、それから口元にタオルを当てて俺を見つめてくる。

 

「私もソトミチくんとセックスしたいよ」

 

 こんなタイミングでの本音の発露に、俺は何と言って返せばいいのかわからなかった。

 俺は好き放題にやっているけれど、山本さんは美優の指示で俺を誘惑をしているだけ。

 だから山本さんだって、セックスができるなら、したいはず。

 それに気づいてしまうと山本さんに対する自分の言動を省みて申し訳ない気持ちになった。

 

 が、そんなセンチメンタルはものの数分で跡形もなく消え去るのである。

 お風呂から上がった後の山本さんはなぜか下着すら身につけることはなくて、素裸のままベッドにペタン座りして美優に再び通話をかけたのだ。

 

 わずかに開いた脚の隙間からつるつるのアソコがチラ見えしていて、それまであまり意識はしなかったのだが、山本さんは完全にパイパンになっていた。

 夏からの脱毛が効果を発揮して、いよいよ俺という一人の男に惚れ込んだ証が、不可逆的な方法によって体に刻まれつつあるようだ。

 

「美優ちゃん、お風呂上がったよ。例のあれやる?」

『やってみましょうか』

 

 山本さんは美優と話をしながら問答無用で俺のパンツを脱がせて、下半身を裸にさせてきた。

 せっかく着たのになんてことをするんだ。

 

「何をするんだ?」

「リモートヘルスってやつ」

「ん、ん?」

 

 どうやら、動画を通して美優がオモチャのペニスに与える刺激を、山本さんが俺に代理で与えてみるという試みらしい。

 なんだってこんなポンポンと普通の人がやらないことを思いつくのか。

 はたしてこんな不健全なプレイを思いついたのは美優と山本さんのどちらなんだろうな。

 

『お兄ちゃんはもちろん射精禁止だからね』

「もう限界だからそこは山本さんのコントロール次第だな」

「まっかせて。ソトミチくんが快楽で悶絶しつつも射精できないギリギリを完璧にコントロールするから」

「マジで手加減してくれな」

 

 なぜ射精もできないのに修学旅行の夜にこんなことをやらされているのか、考えるまでもなくリモートヘルスは始まった。

 俺の背後に山本さんが立って、同じスマホの画面を見ながらペニスに手を伸ばしている。

 画面に映る美優は当然のごとく裸で、これはもはやただの3Pなのではと思ってしまった。

 ちなみに今日は予定がはっきりしていたからか美優は髪をツインテールにしていて、丸っとした色白の巨乳とぷにぷにしたアソコのラインがまた、山本さんとは違ったエロさがあった。

 

 美優は俺から見て画面の下端からディルドが出てくるように角度を調節してから、それを手で優しく擦り始める。

 それと連動して山本さんの手が俺のペニスを握ってきて、同じペースで手コキを始めた。

 

「おおっ、おぉ……」

 

 山本さんの反射神経がいかんなく発揮されたその手コキは、まるで物理的な刺激を伴うアダルトVRのようで、本当に美優が俺を手コキしてくれているような錯覚に陥る。

 ただ、背中に山本さんのおっぱいの柔らかさと乳首の硬さが生々しく当たっているのと、画面の美優が順手にしているのに合わせた山本さんの手コキにはさすがに無理があって、気持ちよさに集中しきることができなかった。

 

『お兄ちゃんどう? 気持ちいい?』

「気持ちいいよ、すごく……ただ、位置の関係で違和感が……」

 

 会話をすると、より美優とエッチをしている印象が強くなる。

 俺がスマホを見下ろす距離と、美優が座っている位置がちょうど良い遠近感で、再現度が高いゆえにペニスを擦る山本さんの手だけが気になってしまう。

 

「なら私も正面に回るしかないか」

「それだと山本さんは画面が見れないんじゃ?」

「三人通話にすれば私は自分の端末で美優ちゃんの姿を見れるから」

 

 そう言って山本さんは通話に俺を加えて三人での通話に切り替え、俺は美優だけをフルスクリーンで映したまま、肉棒を勃てて立ち尽くす。

 

『じゃあ続きするね』

 

 そこに、美優が続けてきたのは、口でのエッチだった。

 

『じゅるっ……じゅぷっ……じゅるるっ、ぐじゅっ……』

「あああっ、あっ、待て、それはっ……!」

 

 美優の口の動きに合わせて山本さんも俺のペニスを咥えてきた。

 フェラは俺にとって最もイキやすい行為である上に、実際に咥えているのは山本さんだと思うと、背徳感の入り混じった変な興奮を覚える。

 

『んぢゅっ、んっ、んっ……』

「あっ、あっ……もう、で、出ちゃう……!」

『ちゅぷっ……んっ、ダメだよ。早すぎ』

「早すぎったって、どんだけ我慢しても俺はイかせてもらえないんじゃ……あっ、ああっ、うあっ」

『ぢゅっ、じゅうっ、じゅるっ』

 

 美優はディルドをしゃぶっているだけで、俺にフェラチオをしているのは山本さんだ。

 それなのに、一度その世界に入り込んでしまうと、美優としているような快感が全身を支配する。

 新幹線を使うほどの距離にありながら、俺たちは修学旅行の最中でさえ兄妹でエッチをしているのだった。

 

『んっ、ちゅぱっ……ふぅ。どうですか、お兄ちゃん。遠くでも妹にフェラをしてもらえるのは』

「この技術がいつか本当にできたら画期的だなとは思うよ。……ってか、射精させてくれないか」

『それだけは絶対にダメ。妹に寂しい思いをさせてることへの罰なので、甘んじて受け入れてください』

 

 美優はディルドをおっぱいに挟むと、乳房に両手で圧力をかけながらそれを上下させた。

 長い髪を二つ編みにした顔は愛らしくて、その口調と目つきは他人行儀で、胸の脂肪は大人数人分の盛りだくさんな妹を見ていると、俺はなんて妹と恋仲になってしまったのかと興奮を抑えきれなくなる。

 

「も、もうむり! 出る……出るって……!」

『だーめ。奏さんに感謝してるなら、一秒でも長く我慢しなさい』

「うぐっ……ふぅ、ああっ……そ、それは……ふうっ……!」

 

 美優に言われて気づかされた。

 山本さんは俺と美優のプレイに邪魔にならないようにこっそりの、しかし完璧なテクで美優から与えられる性感を再現してくれている。

 このリモートヘルスが成り立っているのは山本さんのおかげで、それに加えて美優は自然な流れで山本さんに俺のペニスを味わわせようとしていたんだ。

 

 俺とのエッチが大好きな山本さんがこの状況を喜ばないはずがなくて。

 俺が射精を我慢すれば我慢するほど、それは山本さんに対する恩返しにもなる。

 

『そういうことだから、あとちょっとぐらいは頑張ってね……はあむっ、むぢゅ……ちゅっ、ぢゅるっ……』

「あっ、あっ、ああっ……美優……!」

 

 美優のパイズリをながらのフェラチオに山本さんも連動して、俺は二人の美少女の巨乳に同時にペニスを挟まれてしゃぶられ続けた。

 

「ああっ、ああっ、あああっ……もうだめ、あああぁ……うぐあっ……はぁ、ああっ……!」

 

 限界はとっくに超えていて、それでも俺は山本さんに少しでもエッチを楽しんでほしい一心で射精を踏みとどまっていた。

 美優もその俺の覚悟に気づいてからはどこか楽しそうに、今度は俺を射精させようとする悪い顔でパイズリフェラしている。

 根元の固定されていないディルドを上手いことおっぱいで挟んで、もにゅっと包み込むようなパイズリとフェラチオで画面越しに俺のイキったペニスを責め立ててきた。

 

『じゅるるるっ……じゅぷっ、じゅぷっ、ぐぽっ……んぐっ……』

「はぁ、ああっ……あっ、み、美優……美優……! もうイクよ……みゆぅうっ……ああっ、あああっ……!!」

 

 そうして俺が本当の限界を迎えたその瞬間に、美優は俺のペニスを解放した。

 口内の体温とパイズリの摩擦で熱を帯びていた肉棒が空気に晒されて冷やされていく。

 俺は思い切りお尻の穴を締めてなんとか射精を耐えた。

 本当は指先に乗る程度の精液は出てしまったのだが、美優には見えていない部分なので秘密にしておくことにする。

 

「はあ、はあ……あぁ……気持ちよかった……」

 

 ドライに近いとはいえ、オーガズムに近いものには達したので、俺の性欲は一時的に落ち着いていた。

 

『私もちょっとだけお兄ちゃんとエッチできて満足』

「もしかしてこれから一人でするつもりじゃないだろうな」

『妹は女の子なので』

 

 そんなエッチばかりしてる女の子なんて俺は知らないぞ。

 そろそろ早漏だけじゃなくて性欲の旺盛さまで俺を馬鹿にできなくなってきてるんじゃないか。

 夫婦は似るという言葉は兄妹にも当てはまるのかもしれない。

 

『それじゃあ奏さんと仲良くね。射精しちゃダメだよ』

 

 それだけ言って美優はまた一方的に通話を切った。

 こんな状態でよく恋人を放っておけるものだ。

 

「ふふっ。仲良し兄妹だね」

 

 通話を終えて山本さんもスマホの画面をオフにした。

 俺が美優に欲情している姿をしっかり見られてしまったし、その結果としてほんの少しだけ射精してしまったことを山本さんは知っている。

 

「久しぶりのソトミチくんの味、すっごく美味しかった」

 

 わざとらしく舌を出して精液を味わったことをアピールしてくる。

 美優に内緒でイケナイことをしてるみたいでドキドキした。

 本当ならこのままピロートークをするところだけど、山本さんはあくまでもオナ禁のサポート──全力で俺の性欲を煽ってくるが──をしているだけなので、またすぐに二人でパジャマに着替えることにした。

 

「山本さんも楽しんでた?」

「それはもう。こんなエッチを楽しめるの、ソトミチくんしかいないし」

「まあ俺以外はすぐイッちゃうしな」

「それもあるけど、ちょっぴり変態っぽいことでも心から楽しめるのは、ソトミチくんが相手だからだよ」

 

 山本さんはたぶん俺を褒めるつもりでそう言ってくれた。

 そうした安心感は、エッチ以外のところでも山本さんにとっての魅力になっているだろうから、喜ぶべきことだとは思う。

 

 でも、俺が言ったことも山本さんにとっては変わらず重要な悩みのはずで。

 それは俺とのエッチが継続できなければ、どうあれ解決不可能なものだったようにも思う。

 

「山本さんは、最近は美優と仲良くしてるみたいだけど。何を話してるの?」

 

 もしかしたらそれが俺が抱えている疑問への答えになるかもしれない。

 しかし、山本さんはそれに直接答えることはなかった。

 

「ん〜。それはまだ、言えない」

 

 山本さんは髪の先をいじりながらモジモジしている。

 

「隠しごとってわけじゃないの。ただ今は、ちょっと……その、恥ずかしくて、ちゃんと整理できてから言いたいだけ」

 

 どちらにしても俺に迷惑をかけるような話ではなくて、今更になってまた俺の彼女に立候補したりするようなことはしないと、山本さんは教えてくれた。

 それは美優にとっても必要なことなんだろうと俺にはわかるから、別に二人で仲良く話していることに文句があるわけではない。

 でも、それはあくまでも俺と美優の二人にとって都合がいいだけの話。

 

「俺は山本さんとこうして一緒にいても大丈夫かな」

 

 彼氏がいなければならないなんて言うつもりはない。

 それでも、それは遠くないいつかに山本さんにとっての新しい悩みになると思った。

 

「へーきへーき。私さ、もうそれどころじゃないから」

 

 山本さんは俺の隣でベッドに腰掛けて、スマホの写真を探し始める。

 それは俺と二人のときに教えてくれると言っていた、山本さんが忙しそうにしている理由に繋がるものだった。

 

「じゃーん! 見て、これ。みんなにはまだ内緒だよ?」

 

 山本さんは俺にスマホの画像を見せてくれた。

 そこに写っていたのは、美優がよくソファーで読んでいる雑誌の一つでもある、ファッション誌の表紙だった。

 

「えっ……こ、これって!」

「はいっ、モデルを始めちゃいました」

 

 ニコッと画面を横に並べて笑う山本さんは、たしかにその雑誌のイメージに写っている人そのものだった。

 

「すごいな、表紙なんて。てか、こんなことあり得るの?」

「普通は無理。私の場合は、実は前にちょこっとお世話になってたのと、これまでもずっと声はかけてもらってたのもあるから、実は丸っきり初めてってわけじゃないんだ。それで、いろんな偶然が重なって、今回は特別な売り出し方をしてもらってるだけ」

 

 山本さんの魅力があってこそ為し得る偉業であることは間違いないとして、それ以外にも小さい頃からの活動で実績自体はあったり、いくつものコネクションを持っていたことが今回の売り出し方に繋がったらしい。

 普通であれば何年もモデルをやって、イベントもこなして、あるいはテレビなんかにも出るようになって、それでようやく至ることのできる立ち位置なのだから、たったこれだけでも山本さんの魅力が世間でどれだけ評価されているのかがよくわかる。

 

「まだ写真のイメージとしてもらっただけだから、ロゴも入ってないし差し替えになるかもだけど、とにかくいまの状況はこれなの。学校を卒業する頃には他のメディアにも顔を出すかもしれないから、彼氏はむしろ作っちゃいけないんだ」

 

 だからこそ、山本さんにとっては彼氏ではないけれど仲良くできるこの関係が、実はもっとも都合がいいらしい。

 

「それは、よかった。でも……なんで今になって?」

 

 山本さんが新しい道に進んでいるのなら安心した。

 でも、逆にどうしていままではやらなかったのか、それは安い時給の居酒屋バイトをしてると聞いたときから疑問だった。

 

「ソトミチくんがさ、私の部屋にお泊まりにきたとき、ソトミチくんは今の私しか知らないって言ったの覚えてるかな?」

「ああ、そうだな」

 

 濃密に過ごした一週間だったけど、あのときのセリフは印象的だったから覚えている。

 俺は山本さんなりの苦労を重ねてきたという意味だと思っていたけど、どうにもそれだけではなかったらしい。

 

「私は男の人に尽くすのが好きだけど、最初から今ほど献身的になれてたわけじゃなくて。ただ、私は……そうでなくちゃいけないというか。人より多くできる分、人より多く何かを譲らなきゃいけなかったんだよ」

 

 そんな言葉から続けた山本さんの話は、俺にだって予想ができたことだったはずなのに、聞いてみるとようやくこれまでの言動の意味が理解できるものだった。

 

 山本さんは小さい頃から能力が高すぎて、男たちのコンプレックスを助長してきた。

 それはなにも色恋に限ったことではなくて、小さい頃から天真爛漫に過ごしていた山本さんは、スポーツでも勉強でも恋愛でも、誰かにとって大事な何かを知らずに奪ってきた。

 山本さんの本当の悩みはエッチで男をすぐにイかせてしまうことではなく、自分が本気になると必ず誰かの大切なものを傷つけてしまうから、それが怖くて山本さんはあるがままに生きられなかったことだった。

 

「でも、どれだけ本気で望んでも、私にも手に入らないものがあるってわかったから。私の悩みがいかに傲慢でちっぽけなものだったか、よくわかったよ」

 

 いつか山本さんが俺に向けた、美優から一番を奪ってしまうのではないかという心配は、何よりも山本さんの心を迷わせていた。

 人生で初めて本気で欲しい男ができて、でもそれを取ってしまうわけにはいかなくて、自分が尽くすどこまでなら相手がその気にならないのかを、渇望と自制の狭間でずっと葛藤していたんだ。

 

「ソトミチくんに全力でフラれた後は単に燃え尽きてただけで、彼氏を作るつもりはあったんだよ。でもそんなことより、今がもっと楽しくて」

 

 山本さんは今は自分のやりたいことにやる気になっている。

 男と上手くいかないことで悩んでいたその呪縛から、本当の意味で解き放たれていたんだ。

 

「そういうことなら、俺も応援したい。山本さんがいなかったら美優も今ほど笑ってなかっただろうし、俺にここまでの自信をつけてくれたことにもだって感謝してるよ」

「そんな感謝だなんて。むしろ私がソトミチくんたちを都合よく使ってるぐらいなんだから、どんな扱いをしてくれたっていいんだよ」

 

 山本さんがそのキャリアを歩み続けるのであれば、何年という単位で男を作ってなどいられなくなる。

 そういう意味では、たまにエッチができるくらいの仲の良い関係を維持できていた方が都合がいいというわけだ。

 

「この世界じゃ何をしてでもライバルを蹴落とすぐらいの気概がないと生き残れないんだけど。そう言う人たちにとっては目障りでしかない私を心から受け入れてくれる人もいて、奈々子みたいに黙って応援してくれてた人もいて、これまでの私からしたら考えられないぐらいに今が幸せなんだ」

 

 いつも笑顔で優しかった山本さんは、その能力のために必要以上に他人に尽くしていて、それが今は自分の人生を心から楽しんで笑ってくれている。

 俺も美優も山本さんも、みんなで幸せでいられるなら、心置きなくこの関係を続けられる。

 

「ということで、明日の夜は最後の仕上げに全身ローションマッサージをしてあげるから、楽しみにしててねっ」

「オナ禁をさせる気はあるんだよな!?」

 

 なんだかんだと言ってもエッチな関係になってしまう俺と山本さんは、修学旅行もエッチなことばかりしていて、次の三日目にも悲しいことに壮絶な射精管理が待っているのだった。

 

 

 

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