長い長い夏休みを終えてからしばらくが経ち、薄れていく残暑に秋を感じ始める今日この頃。
俺がやっていることといえば妹とのセックスと受験勉強ぐらいなもので、漫画やゲーム以外の趣味でも始めようかとも思うのだが、やはり自分の時間ができたら何をしたいかと言われるとゲームか動画鑑賞くらいなものである。
せっかく体が丈夫になったのだから、美優と一緒にスポーツでもやってみるべきだろうか。
「女の子と一緒にできる運動って何かあるかな」
移動授業から戻る廊下で隣を歩く山本さんに訊いてみた。
いつでもご機嫌な山本さんは歩くたびにブラウスの膨らみがボインボインしている。
また謎にオナ禁をさせられて山本さんの巨乳が二割増しに大きく見えた。
長くて黒い髪はブラウスの白色をより美しく際立たせるのだ。
「セックス以外に?」
「セックス以外に」
「ないんじゃないかな」
「そんなキッパリと……」
しかし、事実として思い浮かばないのだからないのかもしれない。
美優は胸以外に脂肪が少ないので動けないことはないだろうが、だからといって運動が得意というわけでもないだろうし、好きかどうかもわからない。
きっと学校の体育だって器用にこなしているタイプだ。
これからの季節を考えれば紅葉狩りくらいがちょうどいいかな。
「にしても、美優ちゃんがあっさり元に戻っちゃうなんてね。せっかくソトミチくんを性欲の獣にしといたのに」
「あれだけ苦労かけた割に面白い話にもできなくて悪かったな」
性欲の獣という表現はアレだけれども。
「きっちり体で払わせてあげた?」
「一応はな。ただ、強引なのはどうにも肌に合わなくて……」
「んふふ。まあそうだよね、ソトミチくんは」
あくまでも周囲には聞こえない声で、「ペロペロされてヒーヒー言ってるぐらいが可愛いもん」と、山本さんも俺のドM根性を見透かしている。
そもそも、これまで俺が女の子を相手に優位でいられたのは、美優によって体がそう仕込まれていたからであって、俺自身の意思や能力では到底成し得ないことだった。
しばらくはその魔法にも近い全能感で優秀な雄でいられたけれど、いずれは冴えないダメ男である本性と向き合わなければならない。
その上で俺は美優の横を歩く男として恥ずかしくないように努力をしていくんだ。
「山本さんは、俺とこう……何かやる予定はあるの?」
「ん? どういうこと?」
「あれだけのことやらせて、結局は無駄になったわけだろ? 美優のことだからそのあたり気にしてるじゃないかと」
「ああ、なるほど」
美優はいつも頼み事には対価を用意している。
それがなおのこと、ただ性欲を暴走させただけの無意味な結果に終わったとあっては、ケジメをつけずにはいられないはずなのだ。
「美優ちゃんが変なことに気づいててわざと付き合ってた部分もあるし、お礼なんて元々必要ないんだよ。おかげでソトミチくんとエッチなことができてラッキーって感じ」
山本さん曰く、俺とセックスをしたがっていたのも煽りのうちだったとか。
男を色香で惑わすのが好きな山本さんからしたらフェラができただけでも棚ぼたで、本番行為にこだわりがあるじゃないと言っていた過去の発言も、言葉の通り嘘ではなかったらしい。
納得はしたけど、どこまでが本音なんだかな。
と、お喋りをしながら戻った教室では、ちょっとした騒ぎが起こっていた。
間違った座席についた陽キャグループの一人が、机の横に下げられていた手持ちカバンを開けてしまい、その中に隠されていたエロ同人誌を見つけてしまったのだ。
ゴリゴリの十八禁で色んな意味で問題である。
「こいつ学校にエロ本持ってきてんぞ! てか何冊あんだよ性欲ヤバすぎんだろ」
「そ、それはこの間の戦利品の交換のためで……」
「うわーエロ本交換とかオタクは闇が深けえわー。てか中身もヤバくね? オヤジのケツ舐めさせてんし…………これクソエロいな……」
勝手に人のエロ本を拝借して鑑賞している男子に、どこから注意したらいいのかわからずに周囲が戸惑っていると、そこに真っ先に切り込んでいったのが鈴原だった。
あいつは何気に男らしさが日々増していて羨ましくもある。
「お前ら待て! それは血と汗と金と敬意で形になった想いの結晶なんだよ! ぞんざいに扱うんじゃない!」
「なんだよ修学旅行じゃ喘ぎ声がうるさくて説教されたくせに」
「あれは隣の部屋のとばっちりくらったんだよ……!」
どうやら件の教員バレは鈴原が直接の原因だったわけではなく、女との同室をたまたま検められただけで、ヤッてる現場を押さえられたわけではないらしい。
正直なところセックスの有無で処分が変わるかと言われると謎なのだが、修学旅行から強制送還された以外のペナルティは課せられず、なんだったらその少人数での帰り道で仲が深まったりもしたのだとか。
やつにも近いうちに彼女ができそうだ。
「どうでもいいからさ、教室でそんな話しないでよ。奏に変な知識を吹き込まないで」
「ほんっと男って汚らわしい。あんたらまとめて卒業まで停学してたら?」
「んだよ。お前らだってエロ話ぐらいするだろうがよ。ほらお前らもケツ穴見てみろって。結構リアルだぜ」
「きゃー汚れる! うちの姫が汚れる……! 見せんなカスしね!」
教室のドアで立ち止まっていた俺から山本さんを引き剥がすように、グループの女子が堅牢な壁を形成する。
俺と仲良くしていることなんてのは、クラスメイトからしたら誰にでも優しい山本さんの日常の一片でしかなく、過去から現在に至るまで山本さんは清楚清純な女の子として認識されているのだ。
これだけの黒髪清楚が処女だと思われていれば祭り上げられるのも無理はない。
こんな可愛い子が処女なわけがないのだが。
程なくして興味をなくした陽キャAが本を返し、次の授業の担当教師がやってくるまえに騒動は沈静化した。
俺と山本さんも自席に戻ろうとする中、エロ本を持ってきた当人は一緒にそれを買ったのであろう仲間と盛り上がっている。
そのすぐそばに山本さんの取り巻きがいるとも知らずに。
「やっべ山本さんにエグいの見せちまったよ」
「気をつけろよな、没収されてたらどうすんだよ……でも、こんなスケベプレイ、山本さんにやらせたら死ぬほど興奮するだろうな……」
「ちょっと男子」
今度はその女子Aがエロ本を手に取り、見開きをいっぱいに広げると、おっさんの股を裂くように真っ二つにした。
「うぉぉおおおおおおお! おまっ、おまえ!! それは器物損壊罪だぞ!! 弁償しろぉ!!」
「こっちが犯罪だって言うならそっちは猥褻物陳列罪でしょうが!!」
「うるさい思い出ごと弁償しろ!! ケツ舐めろよこらあ!!」
「うっわ……きっも……そんなことする女が現実にいるわけないでしょ……!! 現実見ろクソ童貞!!」
そこに女子生徒が仲間を呼んで大騒ぎである。
山本さんに汚い知識を吹き込んだ罪は重たいのだ。
この学校では。
渦中の山本さんはといえば、自席に戻ってよいのか判断がつかず、それとなく俺の近くでステイしている。
「やっぱり例の件のお詫びをさせてもらおうかな」
山本さんは手を壁にしてコソッと呟く。
「どうして急に気が変わった」
「ソトミチくんはアナルを舐めながら手コキしたらどんな声を出すのか興味があって」
ほらすぐそういうことを言う。
山本さんの本性を知ったらクラス全員が泣くぞ。
「今度さ、雑誌の見本が届くんだよね。本人の前で表紙にぶっかけするのとか興奮しない?」
「山本さんっていつもそんなこと考えてるの?」
「お勉強に脳のキャパ使う必要ないから」
「だからってもっと有用な使い方があるだろ……」
俺も複数の女の子となんだかんだとあったが、やはり山本さんは群を抜いて変態だと思う。
脳みそがセックスのことしか考えていない。
「まあ、美優に聞いてみるよ」
どう聞けばいいのかわからないけど。
こういうときこそは美優に癒されたい。
なにより射精解禁の日だし、早く帰宅しなければ。
エロ本事件を機に当のオタクグループは女子と溝を深めたようで、それでも俺には冷たい視線を向けられることはなかったのは、今にして思えば不思議な感覚だった。
小野崎たちに積極的に話しかけていた努力が実を結んだのか、いつの間にか自分の立ち位置が変わっていた学校の生活にも慣れていて、俺は俺で真っ当な大学を出て真面目に働くために勉学に励み、一日の講義を終えたのだった。
そろそろ模試の日も近づいている。
これまで頑張った勉強の一区切りに、まずそこを目標にするのも悪くはないだろう。
まずはどの教科も偏差値が五十を超えるようになれば御の字だ。
帰宅の準備をしている間にスマホに通知が来て、どうやら例のカレンダーアプリに美優が変更を加えたらしい。
このアプリ、事前に予定していた内容を埋め込み式で通知してくれるのだが、俺たちがエッチの予定しか入れていないせいで『今日はセックスの日です! よい一日になりますように!』とリマインドされるのが中々にドキッとさせられる。
美優が生理で本番ができないときなんかは『今日はフェラチオですね! 楽しみましょう!』とかになるわけで、フェラチオなぞそんな励んでするものでもなかろうと心中で突っ込んでしまう。
通知を完全に切るのは後に不安を残すので、内容だけ見えないように設定を変えておくか。
ちなみに美優が変更したのは予定の詳細に『中出し希望』と加えたものだった。
そんなものわざわざ書かなくても膣内に出すのに、むしろそれは口内射精禁止と読み替えられるもので、俺にオナ禁までさせてどうしたのかなと答えの見えないことを考える。
そうしているうちに家に着いて、玄関を開けるとリビングから妹が出てくるという、慣れた一連の流れが続いた。
「おかえり」
「ただいま、美優」
靴を脱いで家に上がり、カバンとブレザーを美優に預かってもらって、すぐ近くで向かい合いになる。
まだニュートラル状態に見える美優は、俺にだけわかるぐらいに血色の良い頬の明るさをしていた。
軽い興奮状態ではあるみたいだ。
「夜にする?」
「今すぐしたい」
「わかった。なら、シャワーを浴びるのも後回しでいいのかな?」
「うん。すぐに私の部屋に来て」
美優も先に帰ってきたくせに制服姿で、シャワーを浴びていないどころか着替えもしていない。
まさかこの間の今日でもう制服セックスにハマったわけじゃないだろうな。
あれだけ服が汚れるのを嫌っていたくせに、どうも美優はエッチに関しても食わず嫌いというか、まあ一度慣れるとしたくなるのはいつものことか。
俺はトイレに行って、洗面台で手を洗い──階段を上っている最中に、ふとこれまであまり考えなかった、あることが頭をよぎった。
中出し希望であっても最初はフェラチオから始まるはず。
というより口内射精が禁止になってもペニスはしゃぶってほしい。
美優のフェラがないと満足感に欠けるからだ。
となると、トイレに行った直後のペニスは、洗面台で洗っておくべきだったかもしれない。
それとも、排尿直後のペニスであっても、汗の味とさして変わりはしないのだろうか。
美優はそのあたりどう考えてるのかな。
山本さんが相手ならたとえ飲んでくれと頼んでもやるだろうが、美優は絶対にやらない。
ならば何も感じていないとは思えない。
「美優。もう準備はできたけど、する?」
美優の部屋のドアを開けると、美優が机の前に立って何かを眺めていた。
それをペン立てに紛れ込ませるように戻すと、美優はこちらを向いて、さっきよりはっきりと赤らんだ顔で口を開いた。
「する。ちゃんと溜めてくれてるよね」
「もちろん。美優のためだからな」
俺はズボンのチャックを開けて陰部を露出させ、美優も当然のように俺の前に膝をついてそれを咥える。
まだ親指程度しかない皮被りの男性器を、美優は舌で皮を捲るようにカリを舐めて、それから海綿体に血液を充足させるために吸いついてきた。
「やっぱフェラを始めてすぐの快感は格別だな」
「はむっ……んっ……ちゅ。ん。一瞬だけだもんね。私も好き。んちゅっ……んむっ……」
次第に大きくなっていく竿に視線を落としながら、美優は俺の肉棒を咥えて、完全に勃起してからは裏筋の根元から先を舐め上げたりと、すっかり手慣れた順で兄に性的快楽を味わわせてくれた。
しばらくそうしてからしゃぶりつく段階に移って、竿全体を口に含んだり亀頭だけを吸ったりしながら、ペニスを気持ちよくしてくれる段階に入ったとき、どうにもそこがちょうどいいタイミングだと俺は思ってしまったのだった。
「なあ、美優。一個聞いていいか」
「なんでしょう?」
やはり一度気になった疑問は解消しておきたい。
「フェラをする前にトイレに行ったときは、洗ったほうがいいのかな?」
俺が尋ねると、美優は俺の目を見つめたたまま、数秒だけペニスをしゃぶり続けて、それから口を離した。
「別に洗わなくてもいいけど」
それだけ言って美優は舐めるだけのフェラを続けた。
しゃぶらないのは喋りながらエッチをしやすくするためで、美優のほうはといえば、シャワーを浴びずにする前はアルコールフリーのウェットティッシュでアソコを拭いているらしい。
匂いと恥ずかしさの両方を隠すための隠れたルーティーンだった。
「美優は、俺の方のやつは気にはならないの?」
「それはまあ、咥えたときに、おしっこの味だなーっていう塩っぽさは感じますが」
「嫌いな味ではないっこと?」
「うーんと……嫌いではないというか……」
美優は悩ましそうに目を泳がせる。
精液と違って、滴ほどでもそれを口にすることを、受け入れられているというわけではないようだ。
「私はお兄ちゃんとしかエッチができないから、こんなことを言われてもありがたみはないかもだけど」
美優はまた下から仰ぐ視線で俺と目を合わせる。
「お兄ちゃん以外が相手だったら、トイレの後のやつをすぐ舐めるとか死んでも嫌なので」
そうして美優はカウパーの漏れる鈴口からチュッと中のものを吸い出して、ゴクリと飲み込む。
「それなりに愛情のこもった行為であることはご認識いただきたいです」
要するに、排尿の直後のペニスを咥えるのには抵抗があるが、俺が喜ぶからそれでも即尺をしてくれているということだった。
妹の愛が行動に表れすぎていてめちゃくちゃ萌える。
「ごめん、出そう」
「んー、ダメ。今日は中に出してもらわないとイヤなの」
「そ、そうか。すまん」
山本さんが相手だとエロくて興奮してだけど、美優が相手だと萌えるだけで射精しそうになるんだよな。
妹の愛情でお兄ちゃんの性癖はだいぶ歪められてしまった。
「でもたまには濃い味も新鮮だったりするから、今日のエッチが終わったらまた二日ぐらい我慢してね」
「妹の満足のためならいくらでもオナ禁するよ」
前のように煽り散らしさえされなければな。
濃い精液が欲しい美優の想いには最大限に応えてあげたい。
というより連日複数回のエッチをしていたあの日々の方がおかしかったのだ。
俺も長い時間をかけて体を労ってあげなければならない。
「というわけで……脱いでもいい?」
美優はブレザーの襟を摘んで俺に確認する。
やはり制服エッチはまだ慣れていないようだ。
「着衣だと汚れちゃうもんな」
「ううん。そうじゃなくて」
美優は部屋の明かりを薄くして、「裸でしたいの」と、自身のブラウスをはだけさせながら、俺にも服を脱ぐように催促してきた。
アソコを見られるのが苦手な美優が、着衣を避ける理由ではなく裸になりたがるのは珍しい。
やはり今日のセックスには何かあるようだ。
その上、プレイは普通にベッドで正常位が望みとのこと。
俺は美優をベッドに横たえ、正面から穴に勃起したペニスを向かい合わせると、そこでまた美優が俺の手の甲をさすって何か言いたげにしていた。
「で、あの」
「どうした」
「もういくつかお願いがあって」
「この際だからなんでも言ってくれ」
今日は珍しく美優から誘ってくれたセックスなので、俺はその全ての望みを叶えるまでだ。
「できるだけ行為中の会話はなしでいいですか」
「出すときは?」
「お兄ちゃんのタイミングで勝手に中出ししてくれていいから」
「わ、わかった」
美優がここまでストレートにエロいことを言うとはな。
冷静に見える以上に性欲は高まっているらしい。
「他は?」
「激しくするのもなしで」
「単調な感じでいいの?」
「うん。あと、あの、最後は、私の一番奥に……」
「ゆっくりやって、出すときは密着して、だな」
「それで、ね? できたら、終わった後は、しばらく私を一人にしてもらえますか?」
「えっ、ピロートークとか、添い寝もなしで?」
それはつまり、美優に種付けだけして部屋を出ろということかと俺が尋ねると、美優はコクコクと首を縦に振って、それからは俺の挿入を待つだけになった。
注文の多いセックスだが、美優がそうしたいのなら従おう。
美優が俺にとって射精用のオナホであると同時に、俺は美優にとって精液が出るディルドのようなものでもあるのだ。
竿としての役割を果たせないのであれば美優を使う権利もない。
ならばと俺は薄暗い部屋で静かにペニスを挿入した。
美優の膣は入り口からもうヌルヌルで、細い膣道は体表面の温度よりもだいぶ高い熱を宿している。
美優に煽られまくって凶暴化したペニスとは違い、初めて美優とセックスをしたときと変わらないぐらいのサイズに収まっている俺の竿には、それでもあの頃と変わらないぐらいの圧迫感に包まれていた。
会話はしないと言われていることもあって、俺は美優に挿入している快楽を吐息にも出さず、完全な静寂を保つように努めていた。
肉棒を前に突き出すと、ぬちゅっ、と音がして、美優も俺と同じように呼吸を抑制しているので、あとはそれでも抑えきれない小さな喘ぎ声だけが続くだけ。
やがて暗さに慣れた目が美優の顔の輪郭をはっきりと俺に認識させる。
できるだけ存在感を消してほしいという要望だったので、ジロジロと見ることはしなかったが、美優が妄想に耽るように遠くを見つめて快楽に浸っていることはわかった。
俺の腰の動きに合わせて、上下に体をゆっさゆっさと揺られながら、良いところに当たると身をキュッと縮こませて口を押さえる姿が愛らしい。
アンアンと女の子が喘がなくとも、自分のペニスを挿入することでこれだけ喜んでもらえるのだと思うだけで嬉しくなるし、それは同時に快感にも興奮にも昇華されていくものだった。
こんな美優の素直な姿は、もしかしたら俺がいない間にこっそりと撮っていた動画の中でしか見られないものだったのかもしれない。
会話がないからこそ、普段は気にしない繊細な部分に意識が向いていた。
その分だけ愛が伝わってきて、単調に膣を擦っているだけの肉棒に、抗いがたい快楽が上乗せされていく。
簡単にしているほど我慢はできなさそうだった。
いつもならここで、「イキそう」とか、「そろそろ出すよ」とか、美優に心構えをさせてから射精をしている。
それは俺が美優のような美少女に精液を出すことに罪悪感を抱いていた頃の名残でもあり、同時に美優が俺の精液によって本能剥き出し状態になってしまうが故の事前宣告でもあった。
だが、今日は黙ってセックスをして、俺の好きなように中出ししてくれと言われているので、その言葉さえも不要に思えた。
激しくすることも許されていないので、俺は最後の最後に精液を増やすための興奮材料として美優の乳房の揺れを観察して、皿に空けたプリンように揺れる乳房と、その先端で固くなっている乳首を目で追いつつ、発射の瞬間には美優の子宮口にペニスの先っぽをつけて射精をしたのだった。
びゅっ、びゅるっ、と、美優の子宮の入り口から精液が染み出すように、射精が行われていく。
黙って妹に種付けするのも他に代えがたいほどの快感があった。
「ん。……ん? ふえ? なんで、止まって……?」
美優は俺がセックスをやめたことに疑問を抱いていた。
しかし、それは美優が妄想の中に浸っていたせいで中出しされたことに気づかなかったからであり、膣内に注がれた精液の感触を指先と同じぐらい精密に膣で感じ取れる美優からしたら、答えを待つまでもない質問だった。
「さ、さすがに、早くない?」
美優がドン引きした様子で射精後の俺を見つめている。
もはや失望とも取れる早漏への反応だった。
これまでは美優が許してくれていたというだけで、普通はこうなるのだ。
「ごめん。つい、いつもの勢いで。気持ちよくて……」
「まあ、うん。それは、よかったけど。どうしても我慢できなかった?」
「美優のことを一度可愛いと思ってしまうと、加速度的に興奮が高まって、抑え込み難くてな」
「男の人ってそういうものなのなんだね。とはいえ、かといってあえて萎えるようなことを考えてほしくはないので、しかたないものとは考えます」
ということで、許してはもらえた。
しかし、これは美優の思い描く種付けだけのセックスとは異なってしまっている。
美優が妄想にどっぷりと浸っている間に中出しを済ませてほしいということなのだ。
お互いの性癖を理解し合って、様々なプレイができるようになったいま、なぜ想像の世界で美優が致そうとしているのかは俺の知るところではない。
数日後には教えてくれるらしいのでそれを待とう。
「次、二回目いける?」
「少し休憩したらいける」
「よかった」
無論、美優が強く俺に命じてくれればすぐにでもできるし、俺も本気を出せばできないことはないのだが、お互いに静かにしたまま行為を終えるというまったり空間を維持したままの二回戦には多少の休憩を要する。
美優はガーゼタイプの薄い布団で上半身を覆って、体温を保ちつつ恥部を隠した。
お互いの生殖器はつなげたまま。
半勃起まで陰茎は柔らかくなっているものの、引き抜くと精液が漏れ出してしまうので、あえて肉棒で蓋をしている。
「休憩のついでに……ほんと、ついで程度の質問があるんだけど」
「伺いましょう」
美優はシーツに広がっている髪を指でいじりながら言った。
見た目は可愛らしいのに仕草の節々が色っぽい。
「修学旅行で話に出たんだけどさ。男の精子ってのは、いわゆるタンパク質なわけだろ」
「ニオイの話ですか?」
美優は即座に俺の次の言葉を推測して当ててきた。
やはりそのあたりは知識としてリンクしているのか。
「正直、普通じゃない頻度で中出ししてると思うんだけど。いままで、美優のアソコが臭ったことって一度もないんだよ。俺の嗅覚がおかしいのかな?」
美優だってその対策はたくさんしているとは思っている。
しかし、それにしたって美優の陰部は無臭というか、むしろいい匂いがしすぎる。
「私はごく普通のケアをしてるだけなんだけどね。実のところ私も同じ心配はしてたし、自分でも全くニオイを感じないのは嗅覚の問題かなとは思ってた」
美優は自らの大きな乳房ごとタオルケットを抱きしめて、腟内を泳いでいる精子を労るようにして腹部を温めている。
妹との事後なのにこんな日常会話ができることに興奮してしまうな。
すぐにでも二回戦目ができそうだ。
「結局、理由はわかったの?」
「確実なことは何も。でも、一つ考えたことはあって」
美優は俺の手を取って、正面から指を絡めて握る。
「私、お兄ちゃんと一緒にいるだけで濡れるから。膣内の浄化作用が人より強いんだと思うの。逆に、お兄ちゃん以外の人の前だといつも乾いてるぐらいだし」
「なるほど。美優にそう言われてみると、ありえると思えてしまうな」
俺とエッチをしているときは腟内が愛液の除菌成分で満たされ、エッチが終われば不要なものは流れ去り、エッチをしていないときはドライなままで雑菌が増えることもない。
まさに俺と中出しをしまくるためにある体の造りと言える。
「難しいところはともかく、そういったところもひっくるめて体質なのではないでしょうか」
「そうだと俺も信じてるよ」
きっと俺が臭いフェチだったら美優の体臭も相応のものになっていたはず。
美優の長い黒髪も、溢れんばかりの巨乳も、フェロモンたっぷりのいい匂いも、兄である俺を喜ばせるためにあるのだ。
こうして結論付けられたもののすごいところが、俺が美優のことを好きになりすぎて、どんなニオイでも芳しく感じるようバグっているのではなく、俺の好みに合わせて美優の体が花のように香っているということ。
現実性はどうあれ、俺たち兄妹が半ば確信を以てそう感じているのは、遠からぬ事実がそこにあるということに相違ない。
「ということで、私のナカのお兄ちゃんのモノがとても準備万端なのですが、できますか?」
「もちろん。今度は美優の希望通りにするから」
「うん。あ、ただ、自分で言い出しておいてなんだけど、お兄ちゃんが気持ちいいように出してね? そういう……前向きな、お兄ちゃんの……その……タネが、ほしいので……」
「わかったよ」
妹の発言の意味が理解できていなくとも、わかったと答えるのが兄の役目でもある。
美優が俺の精子を欲していることなど今に始まったことではないのだ。
最後の部分を濁した理由を聞いたところでどうしようもないので、俺は一回目と全く同じ要領で美優の膣にペニスを出し入れした。
やり方がさっきと変わらなかったので、美優もすぐにそれに慣れて自分の世界に入り込んでくれた。
俺はVR用の電動ディルドにでもなったかのように、機械的に美優にペニスでの快楽を与えていく。
美優がイクまでにそう時間はかからなかった。
声に出さずに、膣をキュッと締めるだけの絶頂を、美優はただ楽しんでいる。
美優との生セックスに関しては俺もかなりの数を重ねてきたので、美優の膣の収縮によって今どのような感情にあるのか、感覚的に理解してそれを動きに反映させることもできた。
美優が漏らす「んあっ、はんっ……」という声が意外なほどに色ツヤがよく、意外と好評だったらしいそれを続けていると、明らかに愛液の漏れる量が違うオーガズムにまでたどり着いた。
よくAVとかにある、排尿に見えるほどの明らかな液の漏れ方ではない。
それをなんと呼称すればいいのか、俺の知識では的確な表現をすることができなかったが、最近になってきて増えてきた美優のその反応は、状態から見るに潮吹きではあるのだろう。
一般的な潮吹きと異なる点を挙げるとすれば、そこに明確な快楽が伴っているところか。
こうなると美優の腟内の具合も最高の柔らかさになってくる。
もはや頑張ったところで射精を我慢できる気持ちよさではない。
言ってみれば美優が俺の精液を求めて腟内をそのように準備しているほぐれ具合であり、俺が精液を吐き出すべきタイミングもそこにあるわけで。
俺は最後まで美優の妄想を邪魔することなく、ただその体の奥に俺が射精したという事実を伝えるようにして、子宮直掛けで金玉の中身をすべて吐き出すフィニッシュをした。
ドクン、ドクン、と、鼓動と一緒にこめかみに熱いものが流れて、それが落ち着くまでの、膣内射精をしていることを実感する数秒がたまらなく好きだった。
それが妹ともなればなおさらで、俺は俺とのセックスに安心しきった様子で快楽だけを享受していた美優を尻目に、ペニスを引き抜いた後はドアの音も立てないようにして部屋を出たのだった。
そうして、目的が不明なままのセックスが終わり、迎えた二日後の朝のことである。
美優が一人の時間を楽しみたがっていたので、一昨日と昨晩は学校から帰ってきてからの朝までを、俺たちは別々で過ごしていた。
そうした都合もあり、今朝、俺が美優と顔を合わせたのは、美優が洗面所で支度をしているときのことだった。
正確には、先に入っていた美優が顔の保湿をしているところで、そこに俺が合流した形になる。
そこで俺は美優の衝撃的な姿を目撃することになった。
驚くべきことに、美優が「ふん、ふふん」と鼻歌を鼻ずさんでいたのだ。
ニヤけた表情までセットして。
まるで王道的ラブコメヒロインがイケメン主人公くんの惚気話をしているときのような綻び顔である。
本能モードでベタベタに甘えているとき以外は見せなかった表情だった。
しかもその肌艶まで良くなっていて、これまでも俺がたっぷりの中出しをしてあげたことはあったのに、それを上回る量の精液のコラーゲン物質がそのまま肌に吸収されたみたいな、それぐらい俺が混乱するほどの上機嫌モードだった。
「あっ。お兄ちゃんだ。おはよ」
なおのこと驚いたのは、美優は俺が現れてもそれを隠すように表情を真顔に戻すことをしなかったのだ。
性的か恋愛的に盛り上がるイベントがなければ無表情であるはずの妹が、どうしたことかニコやかである。
無論、昔に比べればよく笑うようにはなったのだが、朝から上機嫌で笑顔なのは今でも珍しいことだった。
「何か良いことがあったのか?」
「ん? うん」
美優は力強く、一度だけ首を縦にふった。
「まあ、正確には何も起こってないんだけどね」
「ええっ……どっち……?」
「んふっ。まあまあ。そういえばさ、お兄ちゃんはこの間からまだ射精してないよね?」
していない。
するなと言われていたのでな。
「じゃあきっと出したいよね」
「めちゃくちゃ出したい」
「であれば妹はまた使われるためにお家にいてあげます」
優しい妹だ。
お兄ちゃんの性欲を発散させるだけではなく、そこに引け目を感じさせないよう、自ら射精用の道具になってくれているところが素晴らしい。
俺が美優に射精させてくれとお願いするという流れでフェラ抜きがしたい意図は見え隠れしていたが。
それがプレイの一環となる兄妹の性事情である。
「帰ってくるまで全力でエロいこと考えておくからな」
フェラを主目的にエッチをするのは久しぶりのことだ。
なので、可能な限りムラムラした状態でしてもらいたかった。
そうやって、俺が性欲を溜めて、美優が処理してくれて。
そんな当たり前の日々がこれから繰り返されていくのだと思っていた。
性欲で昂ったまま帰宅した俺にはそれぐらいのことしか考えられなかった。
特に、美優が謎にエッチに積極的だったことなど、一晩寝てからは気にしなくもなっていた。
夜になって、今度は互いに寝るまでの支度を終え、フェラ抜きをしてもらおうと俺は美優の部屋を訪ねた。
美優はちょうどトイレに行きたかったらしく、入れ替わりで部屋で待つようにと俺は指示されて、そのときにふと、二日前の美優が机の前で何かしていたことを思い出したのだった。
別に、美優の秘密を探ろうなんて思ってはいなかった。
ペン立ての中身程度など、わざわざ断ってから見るようなものではないと、俺は思っていて。
なんの気なく、確かこの辺りのものをイジっていたなと当時の美優の動きを思い出しながら、手を伸ばした先に、なぜかそれはむき身のままでそこに差し込まれていたのだった。
「ん? これって……?」
思わず独り言が声に出てしまうほど、それは俺にとって見覚えのある、しかし現実には見たことのないものだった。
両端が丸い形状をしている平べったいそれは、ちょうど体温計ぐらいの大きさをしていた。
長細い楕円形の真ん中に窓があって、赤い線が引かれている。
それはどこにでもある、検査薬の一つの形だった。
俺の少ない知識では、それはとある事実の有無を女の子が確認するためのものぐらいしか思い浮かばなくて、二本の線が並んでいるそれは、俺にとって意味を理解するより先に不穏な心拍数の高まりをもらたすものだった。
「……え──?」
小さな窓に、線が二本。
それはあらゆる検査薬にとって共通の、陽性を示す化学的なサインだった。
「は……?」
その意味を理解していても、何が起こっているのかはすぐには理解できなかった。
ただ、少なくとも、人はこうなってしまうのだと言うことは、客観的事実として分かった。
俺はその検査結果を見て、そっと元に戻してからは、表情筋をピクリともさせることができなかったのだ。
ベッドに腰を落ち着けて、ぐるぐると空回りする思考に、俺はどれだけの時間をそうしていたのか。
美優がトイレに行ってから水を流すまで、それほど長くはかかっていなかったはずなのに、その音に思考が強制的に切断されるまでの時間は何十分もあったような情報の密度があった。
そうして、再起動した脳がようやく正常な思考回路へと電気信号を流し始めてから、俺はようやくそのことを認めることができた。
(これって……そういう……ことなのか……)
美優が、妊娠した。