『今日、家に行ってもいいかな』
...随分と唐突だ。
でも、特に断る理由もない。
『あぁ、大丈夫だ。勝手に入って待っててくれ』
「あぁ、でも...」
今日来るのは、少し都合が悪いかもしれない。
「っ...はぁ...」
息が苦しい。
胸が痛い。
「...でも」
いつもは家に帰っても虚無しか待っていないが、今日は違う。
彼女が泊まりに来ているのだ。
十中八九俺より早く帰ってきているはずなので、待たせるのは申し訳ない。
「...早く、帰ろう」
「た、だいま」
「あ...お、お帰りなさい」
玄関を開けると、いつもは暗いはずのリビングが明るく、またいつもはいないはずの人がいる。
その事実だけで、俺は今までの疲れが吹き飛んでいくようだった。
「あ、あの...大丈夫、ですか?」
「あぁ...平気...」
嘘、平気じゃない。
でも、彼女に心配はかけられない。
それに、この悩みを吐いてしまったら、彼女と縁が切れるかもしれない。
それが怖くて、いえない。
「え、えっと...」
彼女は優しいから、きっと受け止めてくれる。
しかし、俺のこんな小さな独占欲で、彼女を縛り付けておけない。
「あ、あの...ごめんなさいっ...!」
「え、どうし...!?」
彼女からの謝罪と、ほぼ同時にきた抱擁。
俺は今、彼女に抱きしめられている。
「え、えっと...ま、ましろ...?」
「綾乃くん、つらそうな顔してたから...」
バレていた、最悪だ。
「悩みなら、聞くよ?...解決できるかどうかは、わからないけど...」
「じゃあ、聞いてくれるか?」
「わかった。...お茶、用意してるから、着替えたら、降りてきて」
私、ましろは、悩んでいます。
さっき、綾乃くんも悩んでいると言っていたけど、何の悩みなんだろう。
「好きになって、いいかな」
私たちは、一応、付き合っています。
けれど、カップルらしいことをしたことがなくて、このおうち訪問も、私が無理矢理取り付けたんです。
だから、綾乃くんは、実は好きな人が別にいて...なんて、考えちゃいます。
そうなったら、私は、どうなるんでしょうか。
わからないけど、きっと身は引けない。
でもせめて、お別れの前に、お悩みぐらいは、聞いてあげたい。
だって、一応彼女だから。
「...はぁ...」
手の中には指輪。
というか、指輪と言うには少々価値が劣る、いわゆるリングというやつだ。
ましろにあげると、買ったはいいが、果たして彼女は受け取ってくれるのか?
彼女は可愛い。
一応付き合っているが、実は彼女は俺より好きな人がいて、とかであったなら、俺はどうなる?
一方的な恋慕のことを片思いというらしいが、俺のこれは果たして片思いの枠で収まるのか?
もっと大きい何かなのではないか?
「...男なら、当たって砕けろ。...よし」
ラフな格好に着替えて、下に降りる。
フラれたら、それまで。
「悪い。遅くなった」
「大丈夫だよ、座って」
ましろと向かい合って座る。
彼女はにこやかに俺がお茶を飲むのを見ている。
「どうかな、おいしい?」
「あぁ、おいしい」
ましろが入れてくれたってだけで、すでにおいしいが。
「それで、悩みって何?」
俺が言いづらそうにしているのを見てか、彼女から話を振ってくれた。
ありがたい。
砕けるなら、潔く散ろう。
「最近、さ。二人の時間、作れてないじゃん」
「そう、だね?」
「で、思ったんだよ。俺、嫌われてねえかな...って」
「...」
「で、いろいろ考えたんだけどさ...何していいかわかんなくてさ...」
ダメだ、泣くな俺。
ここで泣いたら全部台無しだ。
社会的にも精神的にも死ぬぞ。
「だいじょうぶ、だよ」
「...え?」
大丈夫?どういうことだろうか。
「そっか...そうやって思われてたんだ...」
そうやって思われてた?
どういう意味だ?
「あの、ましろ?」
「え?あ、ごめんね。大事にされてるって思ったら、嬉しくて...」
「うれ、しい?」
「うん。嬉しい。だって、大好きな人に大好きって思われてるんでしょ?」
「えっと、そう、だな」
「それって、嬉しいことでしょ?」
「...そうだな」
「だから、嬉しくてね...あれ...」
「ましろ...っ!?」
「ごめん、ごめんね...すぐ引っ込むから...」
ましろが泣いてる。
泣かせてどうするんだ俺。
「いきなりで、ごめんな」
「ううん、私も、同じこと、考えてたから...」
「...え?」
「綾乃くんに、好きな人でもいたら、どうしようって」
「あぁ...」
そんなの。
「いるわけないよ」
「え?」
「俺は...えっと、ましろが、一番だから」
「...!っ...うん!私も...私も、綾乃くんが一番好きっ!」
そう言って抱き着いてくる。
暖かい。
「ありがとな、ましろ」
「なにが?」
「悩み、聞いてくれて」
「ううん。綾乃くんの役に立てて、私、嬉し...い?」
「どうした?」
「指のそれ、何?」
自分の指を見る。
ましろにあげる予定のペアリングの片割れを付けている。
「...誰に、もらったの?」
「...自分で買った。二人で、つけれるように」
「...え?」
「はい、これ」
さっき出してきたもう片割れの方。
「つけていい?」
「あぁ」
そう言ってましろがつけたのは左手の中指。
確か意味は...人間関係の強化、だったか。
「えへへ、お揃いだね」
「あぁ、そうだな」
悩みも不安も振り切れた。
これで思い残すことはない。
いや別に死ぬ訳ではないが、今日も安眠できる。
そう考えた時、ましろが俺の袖を小さく引っ張る。
「どうした?」
「そ、その...最近、してないから...」
なるほど、夜のお誘いか。
「わかった。あとでおいで」
「...!」
...我ながら、結構魅力的に誘えた気がする。
「もっと、近くでもいい?」
「あぁ、おいで」
そう言って、俺の肩に頭を預けるましろ。
肩が預けられている方の腕を後ろから回し、ましろの胸を優しく揉む。
「んっ...あや、く...」
「どうした...?」
ましろは抗議しているが、ましろの両腕は俺の手の動きを止めようとはしない。
つまり、好きにしろと言うことだな。
「抵抗しないなら、もっとやるぞ」
ましろのお腹の方から服の下に手を入れて、直接揉む。
さっきよりずっと柔らかさが伝わってきて、幸せになる。
「あやく...もっとぉ...」
「もう止めないんだな」
さっきまで胸のあたりまで上がっていたましろの腕は、すでに下がりきって力が抜けている。
抵抗が確認できないので、胸の先端を軽く弾く。
「ひぁっ!」
「あ、いい声」
何回か軽く弾いてやる。
そのたびに可愛らしい声を出すので、いじめがいがある。
「あやくん...やだぁ...」
涙目の抗議が飛んできた。
続けるのもかわいい反応になるが、ここはやめる方がいいか。
手を引くと、わかりやすく反応する。
「な、なんで...?」
「やだって言ったから。もっと続けてもいいけど、泣きじゃくるましろは見たくないよ」
いつだか俺がましろのことを焦らしすぎてしまったかとがあり、その時はずいぶんと泣かれたものだ。
「っ...なかない、から...もっと」
「もっと?」
「気持ち、よく、してください...」
「よく言えた、かわいいな」
ましろの後ろに回り、手を下半身に伸ばしていく。
さっきの責めの成果かどうかはわからないが、ましろの秘部は既に濡れていた。
「なぁ、もうこんなになってるけど」
「あやくんの...きもちいいからぁ...」
「...かわいいな」
そう言うと、ナカが少しだけ締まった。
どうやら、かわいいがキーみたいだ。
ナカを弄りながら、聞いてみよう。
「なあ、ましろ」
「んぁ...なぁ、に...?」
「ましろは俺のこと、好き?」
「ぇ...?すき、すき、だよ...んあっ...」
「ありがとう、俺も好き」
また締まった。
こうなれば徹底的に甘やかしてやろうかと、余っている右手で頭を撫でてやる。
その瞬間に、ましろの体が小刻みに震えた。
「どうした?」
「あやくんの手、優しくて...イっちゃった...」
「ほんとに、かわいい...」
ましろを仰向けに寝かせて、唇を塞ぐ。
「ちゅ...ぷはっ...えへへ...」
キスをするたび蕩ける彼女の顔が、誘っているように見えて我慢が効かなくなる。
「あやくん、くるしそう...」
俺の欲を見てのことだろうが、苦しそうと微塵も思ってない風に言うのはやめてほしい。
「あやくん...どうぞ...♡」
「...ゆっくり、いくぞ」
誘われ、ナカに挿れる。
初めての時ほどはきつくないが、それでもまだ未成熟な体にはきついらしく、まだまだ中は狭い。
ゆっくり奥まで進み、一番奥に当たった感触がした後、少しそこで止まる。
「いたくないか?」
「だいじょ、ぶ...」
ましろの顔は少し苦しそうだが、頭を撫でてやると顔が緩んだ。
そろそろ動いてもいい頃合いだろう。
「動くぞ」
一言断ってから、抽送を始める。
入れ始めはきつかったが、動いてみると案外きつくない。
このまま好き勝手に動いてみたかったが、ましろの体が絶対に持たないと考えて、ゆっくり動く。
「あやく...あっ、あっ...」
「どう、した?」
...俺、始めてからどうしたしか言ってなくないか?
「すき、すき...あやくん、すきぃ...」
本当に、この彼女は。
「あぁ...俺も、好き、だよ」
少しだけスピードを速める。
好きというたびに締まるので、限界が近くなっている。
「すき、すき、だいすき...すき...あっ♡」
「頼むからっ...煽んな...」
すきの連呼とそのたびに締まるせいで、もうもたない。
「っ...ましろ、だすぞ...」
「んっ、きて、きて...いっぱい、いっぱいちょうだい...っ♡」
一番奥に打ち付け、勢いよく自分の遺伝子を吐き出す。
しばらくしていなかったからはわからないが、いつもより量が多い気がする。
「えへへ...いっぱい、きた」
「...出しすぎた、悪い」
「ううん、あやくんの、いっぱいでうれしいよ?」
この女は、自分の言動がかわいいことを理解しているのか?
いや、していないだろうな。
だからこそ、そそられるものもある。
「なあ、ましろ」
「ん、なぁに...!?んっ...」
「俺が、一回で終わると思うか?」
「もっと、ちょーだい?♡」
これは、当分終わらなそうだ。