「...え?」
彼の発言した内容は、私がその部屋を覗くのをやめさせるのに十分だった。
『え、別に何とも思ってねえよ』
「私...いらないのかな...」
そう思っても仕方ないほどに、彼の声色は冷めきっていた。
どうしたらいいんだろう。
彼にとって必要とされるためには、どうしたらいいんだろう。
そう思ってると、隣からの声が止んだ。
「あ、あの...綾乃くん」
「ん?どうした?」
「あの...さっきの、聞いちゃってて...」
「さっきのって...電話?悪い、うるさかったか」
「それも、そうなんだけど...」
言わなきゃ後悔する。
だから、言わなきゃ。
「私のこと、捨てないで...!」
「...え?」
「綾乃くんに気に入られるためだったら、何でもするから...!だから、捨てないで...!」
「待てましろ。落ち着け。何がどうしてそうなった?」
***
「...なるほどな、事情は理解した」
「私、綾乃くんと一緒にいたいよ...」
「捨てる気は毛頭ないから心配すんな...」
「...え?」
「さっきの電話だろ?ましろのことを思って何ともねえって言ったわけじゃないぞ?」
「そ、そうなの?」
「そうだぞ。何ともねえって言ったのは体調。俺昨日まで体調崩してたの」
「そ、そうだったんだ...」
「勘違いさせたな。悪かった。...で、それはそれとして」
綾乃くんの目が変わる。
「捨てられないように何でもするんだったよな?」
「え?」
「...俺の性欲発散、手伝ってほしいな」
***
「ふぁ...待って綾乃くん...!」
「なんでもするって言ってくれたからさ...何でもしてもらおうと思って...」
「ふぅ...んっ...あうぅ...あっ...」
「可愛いな、ましろ...」
「ちゅ...んんっ...はぁ...綾乃、くん...」
さっきから一番感じる部分を外してくる。
綾乃くんは知ってるだろうから、きっとわざとだ。
「あっ...あやのくん...!さわってよぉ...」
「どこを?」
「いわせないでよぉ...」
「言ってくれないと分からないな...それに」
綾乃くんは私の耳元で呟く。
「ましろの口から聞きたいんだ」
「うぅ...いじわる...」
「...捨てられたく、ないんだろ?」
「あっ...うぅ...ち、ちくび...さわってぇ...」
「わかった。いっぱいさわってやる」
「あっ♡」
さっきとは違い、執拗なまでに乳首を触られる。
さっきまでの焦らしで私は寸止めしていたようなものだから、そんな急に触られたら...
「あああぁっ!!まってぇ!!イってぇっ!あああぁっ!!」
「...すごいな」
綾乃くんにもひかれちゃう...
「...え?待って...またイっちゃうからぁ...止まって、止まってよぉ...」
「ごめんね、ましろ。もう一回だけ」
そうやって呟くと、綾乃くんは私の下に手を持っていって...
一番弱いところを摘まんだ。
「あっ!♡あぁっ!♡」
空気が詰まる。
それくらいの衝撃が走った。
何も考えられなくなりそうだ。
「あ、やの...くん...」
「...ごめん、ちょっとやりすぎたな」
綾乃くんはそっぽを向きながらそう言う。
綾乃くんは私を気持ちよくさせようとしてやってるだけであって、ここまでやる気はなかったのかな?
「あやの、くん...あやのくんの...おっきいの...ここに...ください...」
「...わかった。止まらないからな」
「うんっ...!?いき、なりぃ...!」
綾乃くんの欲が私の中で前後するたび、頭の中で白い光がパチパチする。
奥を突かれるたび、何も考えられなくなって、綾乃くんに堕ちてしまいそうになる。
「ましろ、堕ちてきて」
「あっ♡あっ♡だめぇ♡」
「...そろそろ、出すよ」
「くだはい♡あやくんのあったかいの、くだはい♡」
流れてくる、綾乃くんの遺伝子。
もし今日が排卵日だったら、確実に孕んでいた量だ。
「...悪い、避妊忘れた」
「えへ、えへへ...もし、出来たら...大事に、するね?♡」
「...そん時は、ご両親にあいさつしに行くよ」
結局思うがままにされちゃったけど、勘違いで済んでよかった。
どうして眠らせてたんでしょうかね